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YouTubeで学ぶ英語:(8)カナダの新首相 Justin Trudeau

筆者: 松中みどり 更新日: 2016年2月8日

カナダの新首相、ジャステイン・トゥルードー(Justin Trudeau )氏をご存じですか? 2015年10月に首相に就任したばかりの若き指導者は、今、最も注目を集めている政治家のひとり。スピーチを聞いて私も大ファンになりました。

Justin Trudeau さんのFacebookページより

Justin Trudeau さんのFacebookページより

私は英語の講師をしているのですが、彼のスピーチを色々なところで教材に使っています。最初、クラスの生徒にトゥルードー氏の写真を見せても誰だか分かってもらえず残念でした。でも、以下のCNNニュースを見せると、みんな俄然目を輝かせてカナダのprime minister に興味を持ち始めるのです。では、与党・保守党から約10年ぶりの政権交代を果たした自由党党首、ジャステイン・トゥルードー氏を約2分で紹介した動画をまずご覧ください。

1971年生まれ、政治家としては新顔のジャスティンさんですが、ファミリーネイムの“トゥルードー”はカナダではよく知られた名前。お父さんのピエール・トゥルードー(Pierre Trudeau)さんは、カナダの首相として絶大な人気を誇っていた人。Trudeau-mania トゥルードー熱・トゥルードーマニアと呼ばれるほどの熱狂的な人気は、「He was compared even to John F. Kennedy. ピエール・トゥルードー氏はジョン・F・ケネディにも比べられたほど」と動画でも言っていましたね。この偉大な父の息子であるジャステンさんが、お父さんのお葬式でpowerful eulogy 素晴らしいお別れの言葉を述べたときから、彼がお父さんの政治基盤を次ぐのでは?と噂されます。

学校の先生をしていたジャステインさんは、他にどんなことをやっていたか聞き取れましたか? 異色の経歴でしたね。演技もやってみたし、チャリティのボクシングも、バンジージャンプのコーチもしていたとのこと。しかしお父さんの死後、2008年に下院議会に初当選、首相になるには「若すぎる」「経験不足」との批判もありましたが、見事、労働党を勝利に導いたのでした。

これまで保守党がおこなってきた「低い税金」「テロへの強硬姿勢」といった政策とは全く違う道を行こうとしているジャスティンさんは、これからどんなことをすると言っていましたか? 中東に派遣している対テロ戦闘機は引き上げる、イランとの対話を再開する、25000人のシリア難民を受け入れる、富裕層への増税をおこなう、公共のインフラ整備予算を倍増する、マリファナ合法化、気候変動に関する非常に積極的な取り組みなどがあがっていました。まだ44歳、3人の子どものお父さんであるジャスティンさんが、どんなリーダーに成長していくのか、ドキドキしながら見守りたいです。

では、ジャスティン・トゥルードーさんが、「世界経済フォーラム年次総会」いわゆるダボス会議で2016年1月21日、若者の質問に答える形で教育について話しているビデオをご覧ください。

ジャスティンさんにとって、multiculturalism 多文化主義とはどんなものだと言っていましたか?動画の下の英文の(   )に単語をいれてみてください。

Instead of looking at multiculturalism as a whole bunch of a mainstream culture going to a school gym on a (     ) day, going to different booths, (          ) samosas here, then going over to see a Berber dance over here……No, we have instead, an entire school (          ) Diwali, the festival of lights, or looking up their Chinese horoscopes, or talking about how to support your friends going through (         ).  The(    ) of experiences become the mainstream in Canada.

どうでしたか? 私はカナダの若きリーダーの言葉に、涙が出るほど嬉しかったのです。多文化主義というのは、ある決められた一日、“普通の”あるいは“主流派の”カナダ人である生徒たちが、学校の体育館で用意されたブースを回って、サモサを味見したり、アフリカのベルベル人のダンスを見物したりすることではないとジャスティンさんは言います。「そうじゃなくて、学校の生徒全員で、インドの光のフェスティバルであるDiwaliをお祭りしたり、中国の干支をみんなで調べたり、宗教的な理由で断食をする友だちをどうサポートするか話し合ったりすることが、multiculturalismだというのです。広範囲な経験の共有こそが、カナダのmainstreamを作っていくのだ」。ジャスティンさんの力強い言葉でした。

では、こちらも聞き取ってください。

For me, how we (     ) that the education gives people the(    )to understand that you don’t have to (    ) between the identity that your parents have and (    )a full citizen of Canada.

カナダの新しいリーダーが伝えようとしていること。それは、「カナダ人になることと、家族の文化や宗教を大事にすることのどちらかを選ばなければならないなんて、悩む必要はない。あなたのままで、すでに十分に完全なカナダ人なんだと、教育の中で徹底的に伝えて行きたい」ということ。

彼は別のところでも、「多文化であること、多様性があることが、カナダの強みであって、それで国のまとまりがなくなるなんてとんでもない。難民の人たちは、ここに降り立った瞬間から、完全にカナダの市民として受け入れられる」という趣旨の発言を繰り返しおこなっています。

フィリピンの先住民族アエタの若者の教育支援を行ってきた私には、苦い思い出があります。学校で学べば学ぶほど、アエタの信じてきた「山の精霊」よりもキリスト教を信じるようになり、父母の教えと教師の言うことのギャップに悩んでいた奨学生たち。彼らを思うと、「世界の教育は良い方向に進んでいる。少なくともカナダでは」と感じられてとても嬉しいです。

関連サイト ジャスティン・トゥルードーfacebook ページ → https://www.facebook.com/JustinPJTrudeau/timeline

カナダの自由党ホームページ → http://www.liberal.ca/rt-hon-justin-trudeau/

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<筆者プロフィール>松中みどり(まつなか・みどり) フィリピン支援ボランティア/英語講師/ライター 初めて行った外国がフィリピンで、以来かの国の人々の明るさ温かさに魅せられ、様々なNGOや支援活動に関わる。1994年からは山岳先住民アエタの教育支援主宰。コミュニケーションツールとしての英語を各地で教えている。動物好きの自称「ケモノバカ」。飼い猫は黒猫で親バカ度も加速中。 ⇒松中みどりさんの記事一覧はこちら

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