「ラディアント…の経験があって良かったと思える復帰1作に」 柿澤勇人(下) | アイデアニュース

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「ラディアント…の経験があって良かったと思える復帰1作に」 柿澤勇人(下)

筆者: 岩村美佳 更新日: 2016年10月21日

来年1~2月に上演されるミュージカル「フランケンシュタイン」に出演する柿澤勇人さんのインタビュー後半です。ミュージカル「フランケンシュタイン」で演じる役についての印象の他、「ミュージカルは芝居」というその真意や、今年の舞台「ラディアント・ベイビー ~キース・ヘリングの生涯~」について複雑な思いを話してくれました。

柿澤勇人さん=撮影・岩村美佳

柿澤勇人さん=撮影・岩村美佳

■特に(鈴木)壮麻さん! すごいビジュアル……どうしたの!?って。

――今は製作発表とビジュアル撮影を終えたぐらいだと思いますが、今の段階で役についてどんなことを感じていますか?

まず、ひとり二役というのが初めての経験です。ジャックについては何をする人なのかよくわかっていない状況なんですが、この扮装と感覚的なことで今言えるのであれば、二役が全然違うんだろうなと思います。

――皆さんなかなか強烈なビジュアルですよね。

特に(鈴木)壮麻さん! すごいビジュアル……どうしたの!?って。

――誰!? って思いました(笑)。

■表面的なことでやるのが一番怖い。ビジュアルに惑わされず、役に取り組みたい

怖いのは、完成台本を見る前に扮装を撮っているので、雰囲気や表面的なことでやるのが一番怖いと思うんですね。繰り返しますがミュージカルは芝居だと思っているので、扮装がこうだからといってエキセントリックにやらなければいけないのかといえばそうではありません。表面的にやりたくないと思っていますので、ふたつの役もアプローチを変えなければいけないではなく、単純にひとつの役に対して何を思っているのかを考えて、向き合って作っていきたいです。結果、エキセントリックになったり、狂人になったりするのは、動機があればいいと思います。ビジュアルに惑わされず、普通に芝居の稽古だと思って、丁寧に両方の役に取り組みたいと思っています。

■原作の力を大事にしたい

――板垣さんも製作発表で陰と陽の役を、もしかしたら根っこが繋がっているのかもしれないという考え方もあるかもなど、全く違うというところから入りたくはないというようなお話をおっしゃっていましたね。

そうだろうと思います。真逆というところに焦点を合わせすぎないように。物語の色々な普遍的なテーマが存在するからこそ、フランケンシュタインがこれまでに色々な形で上演され、今でもお客さんに面白いと思われているんだと思います。原作の力を大事にしたいと思っています。

柿澤勇人さん=撮影・岩村美佳

柿澤勇人さん=撮影・岩村美佳

■自分を俯瞰して冷静な部分がなければ。本当に壊れたら自己満足で終わる

――柿澤さんは「ライオンキング」をご覧になってミュージカルをやりたいと思ったと伺っています。今日、何度か「ミュージカルは芝居だ」とおっしゃっいましたが、どのあたりからそう思うようになったんでしょうか?

劇団四季に入ってからですね。「ライオンキング」を見た最初はエネルギーに圧倒されたんですよ。パワーやダンスをやっているときの生のエネルギーやパッションにすごく心を動かされました。こんなに一生懸命にやって感動を伝えられるんだと思ったのですが、見るのとやるのとでは違いました。浅利(慶太)先生にずっと言われていたのですが、感情的に自分のやりたいように雰囲気でやるのは一番寒いんだと。もっと丁寧に、丁寧に、感情を爆発させるとか、狂うとか、暴れるというシーンがあるとしたら、どこかで自分を俯瞰して冷静な部分がなければいけない。本当に壊れてしまったら自己満足で終わってしまいます。

柿澤勇人さん=撮影・岩村美佳

柿澤勇人さん=撮影・岩村美佳

<アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分の内容です>

■芝居が上手い人は歌が残る。吉田鋼太郎さんは、芝居で歌って成立する

■蜷川さんに「きどったように『いらっしゃいませ』と言うのが一番嫌い。なぜ声を作るんだ」と言われた

■声にノイズが入っているから、その人の人生が見える

■危険なところではないところでアキレス腱が切れて、舞台の怖さを思い知りました

■正直なところ、「フランケンシュタイン」を千秋楽までやれるのかと、すごく怖いです

■「ラディアント・ベイビー」の、あの経験があって良かったと思えるような復帰1作にしたい

<柿澤勇人さんのサイン色紙と写真を有料会員3名さまにプレゼント>
柿澤勇人さんに書いていただいたサイン色紙と写真1カットを、アイデアニュース有料会員(月額300円)3名さまに抽選でプレゼントします。当選者の発表は発送をもってかえさせていただきます。応募は有料会員の方はログインし、この記事の文末にある応募フォームからご応募願いします。有料会員の方はコメント欄にメッセージを書き込むことができますので、ぜひ記入をお願いいたします。応募締め切りは11月4日(金)です。(この応募は締め切りました)

<ミュージカル『フランケンシュタイン』>
【東京公演】2017/1/8(日) ~ 2017/1/29(日) 日生劇場
【大阪公演】2017/2/2(木) ~ 2017/2/5(日) 梅田芸術劇場メインホール
【福岡公演】2017/2/10(金) ~ 2017/2/12(日) キャナルシティ劇場
【愛知公演】2017/2/17(金) ~ 2017/2/18(土) 愛知県芸術劇場大ホール

<『フランケンシュタイン』関係サイト>
日生劇場 http://www.tohostage.com/frankenstein/index.html
梅田芸術劇場 http://www.umegei.com/schedule/565/index.html
キャナルシティ劇場 http://canalcity.co.jp/news/event/1249
愛知県芸術劇場大ホール http://search-event.aac.pref.aichi.jp/p/event_month_kouen.php

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<筆者プロフィール>岩村美佳(いわむら・みか)  フォトグラファー/ライター ウェディング小物のディレクターをしていたときに、多くのデザイナーや職人たちの仕事に触れ、「自分も手に職をつけたい」と以前から好きだったカメラの勉強をはじめたことがきっかけで、フォトグラファーに。「書いてみないか」という誘いを受け、未経験からライターもはじめた。現在、演劇分野をメインに活動している。世界で一番好きなのは「猫」。猫歴約25年。 ⇒岩村美佳さんの記事一覧はこちら

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最近のコメント

  1. miwa より:

    柿澤さんの記事が読みたく、有料会員になりました。内容も濃く、素敵な記事が読めてよかったです。柿澤さんの中で、中川さんの才能も理解し、それに負けないように芝居で見せようと意気込むのが良かったです。他の俳優さんについて、柿澤さんが思っている事も知れて興味深かったです。しっかりと今まで出会った方を尊敬していて、その話も記事として読めて嬉しかったです。動きを決めてしまわず、芝居をするのは難しいことだと思います。それが発揮できれば、本当に素敵な俳優になられると思います。お酒の話や人見知りの話は面白かったです。「ラディアント・ベイビー」は本当に魅力的な作品でした。その作品のアクシデントや作品への思いも読めてよかったです。ぜひ、私も再演してほしいと思っています。「フランケンシュタイン」で復帰1作として、元気な姿でやり遂げてくれることを祈って応援しています。そして、その時に、良い芝居をして、舞台上で印象に残る素敵な姿を見せてほしいです。今回、どの写真も素敵で雑誌にしてほしいくらいです。読みどころ満載の記事をありがとうございました!

  2. ミンミン より:

    柿澤さんの役者として、譲れない熱い思いを、記事から感じ取ることができました。天国にいるキースもさらなる進化をとげるであろう柿澤さんの演技に期待していることと思います。

    フランケンシュタインもきっとやりきってくれると信じています。きっとキースも天国から見守ってくれているはず。微力ながら全身全霊で応援していきたいと思います。

  3. はるか より:

    ラディアントベイビー涙涙の千秋楽から4ヶ月経過しましたが今でも本当に忘れることの出来ない作品なのでこのような形で柿澤さんのお気持ちを知れたのが只々嬉しかったです。
    きっともう一度、あのNYに生きるキース達と出逢えるのだと信じて…今は待ち続けたいと思います。

    また復帰第1作目となるフランケンシュタインへの意気込みもお伺い出来、一層期待が高まりました!!まだリハビリで大変な時期かと思いますが、初日は笑顔と拍手で迎えたいと思います。

  4. Yun より:

    聞いてみたいことが満載のインタビューでした!
    ありがとうございました。
    また、心を開いたカッキーのお話を聞く機会をぜひ!
    よろしくお願いしますm(__)m
    今は、無事にフランケンシュタインを務めることが出来るように祈りたいと思います。

  5. MARIA より:

    後半も興味深く読ませて頂きました。
    柿澤さんの舞台を愛する気持ち、最後までやり遂げる事が出来なかった無念さ、そして覚悟、十分に伝わってきました。

    復帰作となる「フランケンシュタイン」を観るのが益々楽しみになりました。
    無事の帰還をお待ちしています。

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