「あの時代の怖さを抽出」、石川禅・吉野圭吾『レディ・ベス』インタビュー(上) | アイデアニュース

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「あの時代の怖さを抽出」、石川禅・吉野圭吾『レディ・ベス』インタビュー(上)

筆者: 岩村美佳 更新日: 2017年10月23日

2017年10月8日に帝国劇場で開幕したミュージカル『レディ・ベス』に出演中の、石川禅さんと吉野圭吾さんにインタビューをしました。(上)(下)に分けてお届けいたします。石川さんは司教ガーディナー役、吉野さんはスペイン大使シモン・ルナール役。ともにレディ・ベスにとっては敵となる役です。初演との違いや、小池修一郎さんの演出について伺いました。

ミュージカル『レディ・ベス』より=写真提供・東宝演劇部

ミュージカル『レディ・ベス』より=写真提供・東宝演劇部

ーー開幕して手応えはいかがですか?

吉野:再演ですが、色々と中身も変わり、それぞれの役の性質が変わったりしているので、そこを突き詰めている最中ですね。

石川:再演にあたる改訂内容として、曲が増えました。(シルヴェスター・)リーヴァイさんが新曲を書いてくださった、ベスの歌と、ベスとロビンのデュエットです。さらに、上演時間を短くしようという話があり、改訂して、各キャラクターの情報量をシンプルにしました。初演では、笑える部分やエンターテインメントとして楽しめる大衆性がありましたが、再演では芸術性が高くなったと思います。

ーーご覧になった方の声なども届いていますか?

石川:音楽が増え、芝居もよりリアルに、主人公にとっての悪者は、シンプルに見せようという動きがあったことで、ケイト・ブランシェットが主演した映画『エリザベス』がかなり重厚に描かれていたように、お笑い的なセンスは置いておいて、重厚に書き直そうということだと思います。初演の華やかなエンターテインメントから、あの時代の怖さを抽出させたことで、賑々しく華やかで楽しめたものが好きだったお客様は、お笑いの要素がなくなったことを残念に思うでしょうし、再演の方が時代に即していていいというお客様と、賛否両論かもしれませんね。

ーー吉野さんはいかがですか?

吉野:同感です。

石川:おい!

(一同笑)

吉野:レディ・ベスを追い込んでいかなければいけないので、そう思って今はやっていますね。

ーーその追い込み方は前回と比べて違いますか?

吉野:シンプルに悪者になった方が今回はいいんじゃないかと思います。

石川:自分の役を大事にしますから、一番面倒なのは、初演のときの息吹みたいなものが体に残っていることなんですよね。それを違う方向の切り口の断面を見せるように変えてほしいと言われたときに、僕は初演ではキャラクターに女性的な部分が強かったので、喋り方も、所作も変えなければいけない。初演のときに身についてしまったものを、もう一度リセットし直すのに結構時間がかかったと思います。特に、ベスに対しての敵側である、メアリー、ガーディナー、ルナールの3つの役にキャラクター変更がありました。

※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、「前回はふたりの間での絆みたいなものがあったんですが、今回はそこを排除している感じ」という今回の作品での2人の関係や役作りについて話してくださったインタビュー前半の全文とお2人のソロの写真を掲載しています。24日掲載予定のインタビュー「下」では、『砂の戦士たち』『レ・ミゼラブル』『レベッカ』『ダンス オブ ヴァンパイア』など、これまでお2人が共演された舞台などについて伺ったインタビューの後半の全文と写真を掲載します。

<有料会員限定部分の小見出し>

■石川:一度体に浸透したものを違うものに変えるという作業が、一番手こずりました

■吉野:前回はふたりの間に絆みたいなものがあったんですが、今回はそこを排除

■石川:小池さんは、どの客席から見ても綺麗に見えることを大変大事にされる

■吉野:僕の癖は何だろうと考えていたんです。でも見つからなかった(笑)

<ミュージカル『レディ・ベス』>
【東京公演】2017年10月8日(日)~11月18日(土) 帝国劇場
【大阪公演】2017年11月28日(火)~12月10日(日)梅田芸術劇場メインホール

<関連リンク>
帝国劇場『レディ・ベス』のページ
http://www.tohostage.com/ladybess/
梅田芸術劇場『レディ・ベス』のページ
http://www.umegei.com/schedule/594/
東宝演劇部Twitter
https://twitter.com/toho_stage?lang=ja
石川禅ホリプロオフィシャルサイト
http://www.horipro.co.jp/ishikawazen/
石川禅&STAFFTwitter
https://twitter.com/zenishikawa
吉野圭吾オフィシャルサイト
http://www2s.biglobe.ne.jp/~nut/index2.htm
吉野圭吾jujction公式プロフィール
http://www.junction99.com/p_yoshino.html

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<筆者プロフィール>岩村美佳(いわむら・みか)  フォトグラファー/ライター ウェディング小物のディレクターをしていたときに、多くのデザイナーや職人たちの仕事に触れ、「自分も手に職をつけたい」と以前から好きだったカメラの勉強をはじめたことがきっかけで、フォトグラファーに。「書いてみないか」という誘いを受け、未経験からライターもはじめた。現在、演劇分野をメインに活動している。世界で一番好きなのは「猫」。猫歴約25年。 ⇒岩村美佳さんの記事一覧はこちら

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最近のコメント

  1. ユミ より:

    初演のお二人の関係性も楽しく拝見していましたが、再演になって短くなった場面でも、より老獪さと悪辣さが感じられて、物語が締まった感じがします。
    別の作品でもお二人の共演を心待ちにしています。

  2. もも より:

    身体に染み込んだものを変えて行く作業は大変。
    禅さんがお稽古場で苦労されたことと同じことをまさに今、観劇する度に感じています。
    観る側も、細部まで残っている初演時の記憶に縛られている、とでも言いますか‥
    再演版に慣れるにはもう少し時間がかかりそうです。
    でも、こういうお話を伺う機会が今回はないので、ヒントの一つにはなりました。

  3. ゆきゆき より:

    スッキリした部分もありますが、総合的にみると初演の方が好きかも。
    ロビンとベスの新曲が増えた代わりに初演のデュエット曲がカット!好きなメロディーだったので、その影響もあるかも。

  4. のん より:

    禅さんのファンですが、とても禅さんらしいコメントを引き出した素敵な記事でした。ありがとうございました。この記事を読みたくて会員になりました。今後も禅さんをぜひ取り上げてください。

  5. しろねこ より:

    ルナール(吉野圭吾さん)とガーディナー(石川禅さん)の演出変更にとても興味があり、この記事が読みたくて会員登録しました。
    初演の演出に少し未練があり残念でもありますが、お二人のコメントから新しいチャレンジをしているのかなとも感じ、今回の演出も楽しんで観劇したいと思います。
    まだまだ公演が続きますので、お二人とも体に気を付けて頑張ってください。

  6. 佳子ママ より:

    前回のお二人のシーンがとても好きだったので、再演でその部分が削られてとても残念に思っている観客の一人です。
    でも、今回の演出、流れを考えると、とてもシンプルにわかりやすい関係をみせてもらったなと感心しています。
    後半のインタビューも楽しみです。

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