ミュージカル『深夜食堂』が2018年10月26日(金)~11月11日(日)まで、東京・シアターサンモールで上演されます。「ゲン」役として出演される碓井将大さんに、作品についてお話をうかがったインタビュー後半です。
――共演者の方のお話を伺いたいと思います。まずは、マスター役の筧さんについて。
筧さんは、映像で3、4回共演したことがあります。共演者に対する気遣いとか、優しさがたくさんある方で、教えてくださるんですよ(笑)。「お前、これ演れ」とか。ふざけているのか、本当になのかわからないですけど、たまに。
――教えてくれるというのは、演技を?
「あれ演れ」とか「これ演れ」とか。
――アドバイスをくださるんですね。
アドバイスというか、ちょっと見てみたいんじゃないですか? 「俺だったら、こうしちゃうけどなー」みたいな。「演っちゃえよー、お前」って。
――でも、面白いというか、それはありがたいですね。
有り難いです。やっぱり先輩の貴重な意見なので。
――PVで拝見したマスターも、積極的に構ってくださる方に見えました。
イヤイヤ、そんなことないですよ。原作の雰囲気すっごくあります。長年このお店を牽引してきている感じというのが、メチャクチャすごい素敵で、なんかこう「影」が。「なんかあったのかな?」と思わせるような、寂しいというか、「この人の過去になんかあったんじゃないか」みたいなのがすごくわかるし、それがこの物語の後半でやっぱりどんどん出てくるから。
――では、マスターの頬の傷の理由とかも…?
それは、…ないかな?
――そこは秘密のままなんですね(笑)。
そうそう(笑)。結構料理も本当に美味しそうな感じで、やっぱり、お芝居でそういう風に見えると言うか。音楽も入るし、(稽古場のピアノを差して)これにまだ3ピース入りますから。だからもっと音も厚くなって、小劇場でバンドだけで4ピース入りますから。
――生演奏なんですね!
超贅沢だと思います、本当に。
――筧さん演じるマスターのキャラは、「PVの楽しさにダマされるなよ!」ということで(笑)。
そうですね。ああいう、なんか面白いところとか、即興性みたいなものは、もう、絶対筧さんの魅力ですから!(笑)。やっぱりすごい上手いし、上手いって言うか良い意味で適当というか適度なというか、何でも演っちゃう方なので。その辺はお勉強させてもらいながら、僕もあんまり、こう、抑えるのは得意じゃないので。
――今回のゲン役はハジけても成立する役ですね。
そうですね、今回は台本あんまり見てないっていうか(笑)。
――そうなんですか?!(笑)。
なんとなーく覚えて、なんとなーく演った方が(笑)。
――その場の流れで臨機応変にということで。
いろいろアドバイスも、思ってもない方向からいただけたりするので。その辺は楽しみつつ。
※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、剣崎竜役の小林タカ鹿さんとの共演について、壮一帆さん、愛加あゆさん、エリアンナさんらミュージカルによく出演している皆さんとの共演について、そして『志らくに挑戦!はじめての落語~座布団に飛び込む、歌手と俳優 五人衆!…と見届け人 志らく~』出演などについて語ってくださったインタビューの後半の全文を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>
■タカ鹿さんが「俺、歌えない」っておっしゃってたけど、メチャクチャ良い声で
■ミュージカル構築の仕方はまだ分かりませんが、壮さんたちの立ち姿を見ながら
■(『志らくに挑戦!はじめての落語』出演)すっごい良い経験。次もやりたい
■お客さまの思いは、空気で分かる。『深夜食堂』に「思い」で参加して欲しい
<ミュージカル『深夜食堂』>
【東京公演】2018年10月26日(金)~11月11日(日) 新宿シアターサンモール
<公式サイト>
ミュージカル『深夜食堂』
https://meshiya-musical.com/
ミュージカル『深夜食堂』 Twitter
https://twitter.com/meshiya_musical
<関連リンク>
碓井将大 オフィシャルブログ
https://ameblo.jp/masahiro-usui-we/
碓井将大 Twitter
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※碓井将大さんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。有料会員の方がログインするとこの記事の末尾に応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは11月18日(日)です。(このプレゼントの募集は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。
※ここから有料会員限定部分です。
■タカ鹿さんが「俺、歌えない」っておっしゃってたけど、メチャクチャ良い声で
――ゲンさんのアニキ、剣崎竜役の小林タカ鹿さんについてお願いします。共演は2回目ですね。
いやもう、メッチャ素敵ですよ、タカ鹿さん! 僕とタカ鹿さんだけは、多分ミュージカルをあんまりやってないというか、筧さんは大きい劇場でもミュージカル演ってらっしゃるじゃないですか。
――『ミス・サイゴン』のエンジニア役なども演じておられますね。
そうですよね。それでなんかもう、タカ鹿さんが「俺、歌えない」っておっしゃってたけど、稽古場来て歌ったらメチャクチャ良い声だし、もう歌にキャラクターも乗ってるし。
――おお!
すごいと思って。上手ですよ。
――剣崎竜はあまりしゃべらない設定と聞いていますが。寡黙な相手との絡みというか、そのあたりは。
まぁ、でもタカ鹿さんも結構、ああいう方だから(笑)。ちゃんと演った分は返してくださるんです、タカ鹿さんなりの上手な返しで。その返しを見て稽古場でもメチャクチャ笑い声も起きます。多分この稽古場の方々には、もうそのキャラクターが浸透しているから。
僕のゲンさんは竜さんとセットだから、一緒に歌うことももちろんあるし、ハモりも多分タカ鹿さんとが一番多いんですよ。だから、僕たちはセットでもちろん1個のカラーで見えてもいいんですけど、その中でまた、竜さんの色と、ゲンさんの色とが見えたらいいなと。
いろんな役が入れ替わり立ち替わり入ってくるので、的でいったら真ん中の部分を一発で打ち抜かないと、観ているお客さまには、「あのキャラクターなんだっけ?」で終わっちゃう、流れて終わっちゃう可能性が高いので、なるべく稽古中にいっぱい試すんです。僕らも人間ですから、毎日真ん中狙えるわけじゃないですけど、なるべく真ん中を打ち抜けるような、やっぱりいい準備をこの1ヶ月でして、お客さまの前に出るときには、「あぁ、どのキャラクターも面白かったな」ってなれば良いなと思います。でも、他のキャストのキャラクターも含めて、「あの人あれだよね」とか、1人1個の色があるとか、そういうのが見えたらすごく面白いんじゃないですか。
■ミュージカル構築の仕方はまだ分かりませんが、壮さんたちの立ち姿を見ながら
――その意味では、キャストの皆さんは本当に個性的な方々が揃っていらして(笑)。
そうそう、バラバラですよね(笑)。統一感がないというか。
――PVを撮られたときは、台本はあったんですか?
一応ありました。
――一応!(笑)。見ていても、台本なのか、個々のアドリブなのか、わからない面白さで(笑)。
まぁ、筧さんたちと一緒に、もう「アドリブでも良いんじゃないですか?」とか、「適当に演りましょうよ」みたいな、「適当にこう、ワッ! て演ったら面白いんじゃないですか」みたいなことを…(笑)。
――なるほど(笑)。それでも多分、台本上のキャラクターとの乖離はなさそうと感じたんです。
そうですね。荻田さんも結構お嫌いじゃないですよ、即興性というか、「演ってみて面白ければそれで良いんじゃない?」みたいな感じとか(笑)。僕はミュージカルの構築の仕方とかは、まだ分かりませんけど、壮さん(壮一帆さん)、あゆさん(愛加あゆさん)、エリちゃん(エリアンナさん)たちは、ミュージカルを演っているので、そういう方たちの立ち姿を見ながら、「あ、こういう風にやるのかな」と思って見ています。荻田さんは、人によって結構全然演出が違うんです。「君はこうこうこうで、君はこうこうこう」みたいな、結構違います。
――やっぱりその役者さんの個性を生かす方向、一番伝わりやすいアプローチで演出されていらっしゃるんですね。
僕もそうですけど、まだ稽古2日目なので、男性の俳優さんしか稽古が進んでいないんです。でも、それぞれのやり方で良いのかなと。僕はもう全然自分の好きなように演って(笑)。別にミュージカルっぽくもならないでしょうし。
――逆にそれを期待されているところもあるのかもしれないですね。
どうなんでしょう。まあ、結構バラバラだから、バラバラのままの方が良いと思う(笑)。
――綺麗に整列してまとまるよりは、それぞれアチコチ向いているけれども、全体として見るとちゃんとまとまっている、というような。
うんうん。
――そういうところを目指されているのかな、というのは、ちょっと感じました。
そうですね。面白いと思いますよ。
■(『志らくに挑戦!はじめての落語』出演)すっごい良い経験。次もやりたい
――今回はミュージカルへの挑戦で、ちょっと前には、落語にも挑戦されたんですよね。
そうそう。しんどかった…。
――(笑)。
高座ですから、10分で1本みたいな感じのものをやったんです。スケジュールが、ちょうどたまたまキツイところに入っちゃって、そのとき違う作品(2018年6月2日から7月29日まで舞台『刀剣乱舞』悲伝 結いの目の不如帰)を演ってて、本番と本番の間に入ったんです。日本青年館と銀河劇場の間に、本多劇場(2018年7月24日『志らくに挑戦!はじめての落語~座布団に飛び込む、歌手と俳優 五人衆!…と見届け人 志らく~』)が入ったので、ちょっと、頭が結構大変だったなっていう(笑)。もう、(大変すぎて)記憶があんまりないですけど。
――それはかなり大変でしたね。演目は「紙入れ」をされたそうですが、落語は“究極の一人芝居”とよく言われますけど。
そうですね。落語やって台本覚えるのとかもすごく早くなりました。立川志らく師匠と、お弟子さんの立川志らら師匠についていただいて、結構ガッツリ見ていただいたんですけど、これはすごく面白いもので、役者さんて何もない状態でひとりで何かパフォーマンスするってなかなか難しかったりするので。で、僕たちは年齢的に顔を売っている訳じゃないですから、そろそろお芝居の方を頑張って売っていかなきゃいけないので、そういった意味で、まずすごい技術の向上になるし、すごく自信がつくし。
お客さまって意外と思っていたハードルと違うことを思っていたりとかするんですよ。笑ってもらうには、もっとわかりやすい方が面白かったりとか。『The Dark』(2017年)や、『CRESSIDA』(2016年)、『ピアフ』(2011年、2013年、2016年)みたいに高尚なもの、高尚というか枠組みが高尚な作品も、もちろんありますけど、そうじゃないエンタメ性の高いものもいっぱいあるし、何がお客さまにとって、一番大事かってことが、僕は大事なので。
――お客さまが求めるものを。
そう、だから次も落語をやりたいと思っていますけど、やるんだったら、お客さまにとって絶対分かりやすいものをやりたい。お客さまは落語というよりは僕たちを観に来てくださっているから、お客さまが楽しめる演目を次もやりたいなって思っています。でも落語はすっごい良い経験になりました。
■お客さまの思いは、空気で分かる。『深夜食堂』に「思い」で参加して欲しい
――いろいろお話を伺って、『深夜食堂』が、どうミュージカルになるのかの片鱗が見えた気がします。最後にお客様へ、見どころやメッセージをお願いします。
シアターサンモールがあるところも、なんかちょっと不思議な場所なんですよね。新宿御苑とか、新宿三丁目とか近いんですけど、街を歩いてみると、公園もあったり、オフィスもあったりして、飲み屋のゴールデン街とかも近くにありますし。で、本当にこんな都心なのに、ちっちゃいお店とかもあるんです。だからこの劇場も、「劇場」というよりは、そのお店の1個みたいな感じで思ってもらえたら良いなと思います。この劇場に来て、豪華な劇場では体験できないことを体験して欲しいんです。ご飯を本当に出してくれる舞台なんて、あんまりないし(笑)。これも“ご飯屋さん”っていう舞台だから、「自分もそこのお客さんになったら、どういう風に見るのかな」とか、「自分がもしここ(「深夜食堂」)に来たら、この店好きかな、嫌いかな」とか、どんどん気持ちは参加して欲しいなと思います。
お客さまの思ってること、「こういう風に思ってます」、「面白いと思っています」、「つまんないなって思ってます」って、僕たちにも結構可視化してくるというか、結構僕らも超能力者みたいなものなので、何となく空気で分かるんです。それは別につまんなかったでもいいし、面白かったでもいいし、そういうなんかどんどん「こんなのにならないかな」なんて思いだけは、一緒に参加して欲しいなと思います。
――舞台上の動きに自分の思いを乗せて、ということですね。マスターのお料理が出てきたら「あぁ、お腹空いた、いただきます!」とか(笑)。
そうそう、お腹空いたな、とか。でもお腹は鳴らさないで欲しいですけど(笑)。歌もいっぱいあるので。
――やはり客席へのアナウンスは、「お腹は鳴らさないで」ですね(笑)。
でも舞台上は食べるけどね、ごめんなさい!(笑)。
――お話、有難うございました!
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碓井将大くんのインタビュー(下)も読ませて頂きました!碓井くんのミュージカルは今までなかった訳では無いですが、がっつり歌ってしかもヤクザの子分って想像しただけで面白そうで、本当に楽しみです。舞台上で本物のごはんが出てくることも、きっと良い匂いだったり美味しそうな表情だったりして碓井くんがダメって言ってたけどお腹がなりそうですね(笑)舞台楽しみにしています。碓井将大くんの記事でワクワクが増しました。取り上げて下さり、ありがとうございました!