サン=テグジュペリ原作の「星の王子さま」が、新しい「音楽劇」として、2015年12月12日から日本全国で上演されます。この舞台は、茨城県の水戸芸術館や兵庫県立芸術文化センターなどが共同製作するもので、各地の若者や子供がアンサンブルとして参加するなど、独創的な取り組みとなっています。アイデアニュースでは、この作品で「飛行士」役などを演じる伊礼彼方さんにインタビューしました。上下2回にわけて、紹介します。
この作品で、「王子さま」を演じるのは、2015年の帝国劇場などで上演されたミュージカル「レ・ミゼラブル」でエボニーヌ役を演じた昆夏美(こん・なつみ)さん。昆さんは2011年にミュージカル「ロミオ&ジュリエット」のジュリエット役でプロデビューし、「ハムレット」のオフィーリア役など大作でヒロインをつとめているミュージカル界新世代の歌姫です。
「飛行士」役などを演じる伊礼彼方(いれい・かなた)さんは、2008年の「エリザベート」ルドルフ役で注目され、最近は「テンペスト」「朝日のような夕日をつれて2014」「スリル・ミー」「ヴェローナの二紳士」「嵐が丘」などに出演しています。
「飛行士の親友」などを演じる廣川三憲(ひろかわ・みつのり)さんは、「ナイロン100℃」に所属し、2015年は「モーツァルト/歌劇『フィガロの結婚』~庭師は見た!~」(演出:野田秀樹)に庭師役で出演しています。
また、「星の王子さま」に登場する“薔薇”は、この作品でピアノを演奏する服部桂奈さんが担います。音楽は3人の歌とピアノとコントラバスで奏でられ、コントラバスは小美濃悠太さん(埼玉公演は内田義範さん)が演奏します。
脚本・演出は「音楽劇 ガラスの仮面」「鉈切り丸」「9 days Queen」「天鼓」「ブルームーン」などでも評価が高い青木豪さん。作曲・音楽監督はオペラ、ミュージカルからシェイクスピア作品などの演劇に音楽を提供している笠松泰洋さんです。
「エリザベート」のルドルフ役など、「王子さま」的な役を度々演じたことのある伊礼さんは、「王子さま役、今度は星の王子さまか!と思ったら、飛行士だった」と豪快に笑いだしました。昆夏美さんが王子さまを演じることについては「彼女は、かわいいだけじゃなく芯がある芝居もできて声が透き通っているイメージだから、ピッタリ」と話します。
ミュージカル出演が多かった伊礼さんは、最近はストレートプレイでも活躍しており、コンサート以外で本格的に歌う舞台は久しぶり。「舞台で1~2曲を歌うというのはあるけれど、今回は久しぶりに芝居として、歌う。今のところ、3曲いただいているんですけど、曲はオペレッタっぽくて、もう、びっくり。『トゥ~トゥラタッタ、トゥルル。トゥルルル~トゥルル』とか、『羊がね、トゥルルルル~トゥルルルル~』とか」などと、メロディーを口ずさんでくださいました。
10月23日(水)に掲載する予定のインタビュー「下」では、「音楽劇」という部分について詳しく話していただき、また最近出演した「End of the RAINBOW」について、さらに来年出演するミュージカル「王家の紋章」などの作品についてもうかがいました。
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<音楽劇「星の王子さま」公演情報>
原作:サン=テグジュペリ、脚本・演出:青木豪、作曲・音楽監督:笠松泰洋
出演:昆夏美、伊礼彼方、廣川三憲
【水戸公演】2015年12月12日(土)、12月13日(日)(水戸芸術館ACM劇場)
→ https://arttowermito.or.jp/theatre/theatre02.html?id=699
【埼玉公演】2015年12月19日(土)、12月20日(日)(プラザイースト ホール)
→ http://www.saitama-culture.jp/recommend/2015/12/post_232.html
【福井公演】2015年12月23日(水・祝)(ハーモニーホールふくい)
→ http://www.hhf.jp/www/hhf/concert/detail.jsp?id=9286
【東京公演】2016年1月10日(日)、1月11日(月・祝)(シアター1010)
→ http://www.t1010.jp/html/calender/2016/291/291.html
【兵庫公演】2016年1月16日(土)、1月17日(日)(兵庫県立芸術文化センター)
→ http://www1.gcenter-hyogo.jp/sysfile/html/01_calendar_kouen/4272412109.html
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アイデアニュースをご覧くださっている方のうち抽選で3名さまに、伊礼彼方さんの取材時に撮影した写真をプレゼントします。以下のフォームからご応募ください。応募締め切りは、10月30日(金)。(このプレゼントの募集は終了しました)ご応募くださったみなさま、ありがとうございました。
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<伊礼彼方さん関連記事>
音楽劇「星の王子さま」に出演、伊礼彼方インタビュー(上)
→ https://ideanews.jp/backup/archives/9847
音楽劇「星の王子さま」に出演、伊礼彼方インタビュー(下)
→ https://ideanews.jp/backup/archives/9849
「エンド・オブ・ザ・レインボー」に出演、小西遼生×伊礼彼方対談(上)
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→ https://ideanews.jp/backup/archives/7915
ジュディ・ガーランドを描いた濃密な舞台、「エンド・オブ・ザ・レインボー」公演評
→ https://ideanews.jp/backup/archives/9047
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アイデアニュース全文閲覧権を購入くださっているみなさまは、インタビューの全文を読んでいただけます。インタビューには、本作品のプロデューサーの1人である兵庫芸文センター・栗原喜美子さんにも加わっていただきました。
<アイデアニュース有料会員向けコンテンツ>
伊礼さんと「星の王子さま」の関係は?
「星の王子さまミュージアム」を訪れて
伊礼さんと「星の王子さま」の関係は?
--まず、伊礼さんは今度、音楽劇「星の王子さま」に出演されるわけですが、伊礼さんと「星の王子さま」の関係はどうなんでしょう? これまで。
まったく、なかったです。
--ミュージアムに行ってきて関係ができた?
ミュージアムがあるのは知らなかったんですが、たまたまファンクラブで1泊旅行を企画していた時期だったので、公演にはまだ早いけど、せっかくなので皆で一緒に行こう!と思い立ちました(笑)。
原作はその昔たぶん一度は読んでるんですけど、絵はずっと印象に残って知ってました。あらためて読んで、ミュージアムに行って、あ、こんなすてきなテーマが書かれた作品なんだと、再認識したと。
--絵というのはゾウが入っている帽子とか?
ゾウが入ってる帽子だったり、星の王子さまの絵とかポピュラーじゃないですか。
--マント着てる絵とか。
そうそう。緑のマント。で、大人になった今あらためて原作を読んで、ああ、こんなに奥が深くてすてきな作品だったんだなと。色んな経験をしてきてこの年齢になってから読んで正解だったかも。そして、ミュージアムがあるってわかったから、これは絶対に行かねば!と。
--で、自分の役は王子様だと、声をかけられた時に思ったと(笑)
それはネタですよ(笑)、俺は王子さまだと!(笑)。
--また、王子様かと(笑)。
今度は星か!と。いやぁ、それはちょっと…。そしたら、飛行士だと、ああ、飛行士かと(笑)。
--飛行士はピッタリですよね。
ありがとうございます。とうとう僕も飛行士の話をすることに。
--とうとう?
いや、とうとうというか、今までだったら、そのもう少し…。
--王子様系でしたよね。
最近は王子様どころか、若者チームにも入らず、大人チームに割り振られるので、そういう年齢になってきたって事ですよね(笑)。
--王様は? 今回は出てくるんですかね?
出てくると思いますよ! それぞれの星の個性キャラ。
--キャストの伊礼さんの説明には「飛行士ほか」って、「ほか」って出てますよね。昆さんは「王子さま」だけだけど。
そうそう。
--えっ。じゃあ、薔薇は誰がするんですか?
栗原:薔薇は、この方(パンフレットの服部桂奈さんの写真を指す)が、ピアニストがやります。(薔薇/ピアノ演奏と書かれている)
--あ、そうか。びっくりした。薔薇を伊礼さんか、廣川さんがやったら大変ですよね。
やれと言われれば喜んで(笑)。たぶん、いけすかないサラリーマンの役は、俺がやると思う。
--いけすかないサラリーマンね。
サラリーマンっていうか、実業家。
--それはたぶん、絶対そうですよね。
たぶん来るだろうな(笑)。
栗原:青木さんが「なんでもできるよね、きっと」って言ってるので、そんな感じで。
--なんでしたっけ前の、あの「エンロン」でしたっけ?
「エンロン」! はっはっは!(笑) あれは一応、敏腕弁護士だったんですけど…。
--いけすかないサラリーマン、あんなイメージ。
栗原:「エンロン」、懐かしいですねぇ。
--それで、やるのは飛行士と?
まだ具体的には聞いてないんですが、個性的なキャラがたくさん出てくるので。
--たぶん、いけ好かない実業家は回ってくるんだなと。
たぶん(笑)。
--キツネは、どうなるんでしょう。
そこはもう、廣川さんでしょう。
栗原:動物はそうですね…。
--なるほど、動物は廣川さんと。
栗原:今は、かもしれないなと思っています。
「星の王子さまミュージアム」を訪れて
--たしかに、この写真の廣川さん、キツネっぽいですね。ところで、伊礼さんが行かれた「星の王子さまミュージアム」はどうでしたか?
箱根の山をぬけてふいに現れる、とても綺麗なところでしたよ~。
--綺麗なところなんですか。
もう、B26…ちゃう600…。
--B26って爆撃機ですか?
はっはっは(笑)、そーじゃなくて。
栗原:(笑)
B……612だっけ? 612だよね、たしか。
--612って?
星の王子さまの小惑星の名前で。
--はいはい。星の名前!
B612で、出迎えてくれるんですよ。まず(とミュージアムの写真のひとつを指差す)。
--星で出迎えてくれるんだ。なるほど~(と写真をいろいろ見る)
中に入っていくと…。
--ふ~~ん、素敵。なんかもうお芝居になっていますね。建物とか。
全体に物語の世界観になってるんです。
--なんかセットみたいですね。
ちょっとしたミニアミューズメントパークっていうか。ただの博物館とかじゃなくて、街並みも再現されてたりして。「飛行士通り」「ウワバミの小径」「実業家通り」とか名前もついてるんです。星の王子さまもそうですが、サン=テグジュペリの部屋が…。
--部屋?
書斎だったり。彼は飛行士だったので、当時の仕事場の一室を再現してたりとか。普段は立ち入りも撮影も禁止なんですが、「飛行士役をやられる方なので!」って事で、今回特別に許可が出て入らせて頂きました!
あとは、これがたしか彼が幼少期を過ごした豪邸。城っていうのかな。あ、これか。「サン=モーリス・ド・レマンス城」(パンフレットを読む)。
--これは博物館の建物なんですか?
展示ホールはまた別なんですけど、このお城の前にフランス庭園があって、これがまた素敵なんです。バラが咲いてる時期だと最高なんですけど。
栗原:写真で小冊子を作っていらっしゃるので、そこに出てるんじゃないかな。それで拝見したように思います。
まあ、などなどがあって、すごく再現されてるんですよ。サン=テグジュペリの世界がを。家族連れでも、デートでも、おススメですよ(笑)。
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<読者の声>(プレゼント応募メッセージより)
伊礼彼方さんのファンです。いつも伊礼さんのインタビューを載せて頂けて感謝しています。これからも伊礼彼方さんのバックアップよろしくお願いします。
ハプスブルクの『皇子さま』で識った伊礼彼方さん。今では様々なジャンルで、これまた様々な人を演じられ、とても興味の尽きない見応えのある役者さんていらっしゃいます。『星の王子さま』子供の頃見たアニメの主題歌を記憶しているだけで、詳しいお話はサッパリ?なので、今回の演目をほぼまっさらな状態で拝見出来ることを楽しみにしています。特集のご掲載、有り難うございました。2回目も期待しています!