2021年7月9日（金）から25日（日）にTBS赤坂ACTシアターで上演される、ミュージカル『衛生』～リズム＆バキューム～で、花室麻子と諸星小子の二役を演じる咲妃みゆさんのインタビュー、後半です。いきものがかりの水野良樹さんや、益田トッシュさんが担当した音楽などについてのお話のほか、アイデアニュース独自インタビューで、『NINE』のルイザ役と『ゴースト』のモリー役の演技で菊田一夫演劇賞を受賞してからの出演となることについてや、コロナ禍の中で考えてきたこと、共演する古田新太さんや尾上右近さんとのコミュニケーションなどについて伺った内容を紹介します。

ーーいままでにないタイプの共演者の方々かと思いますが、なにか驚いたことはありますか？

日々驚くことばかりです。いい意味で役者さん同士がお稽古序盤から気を遣わないんです。とにかくどんな玉でも投げ合いますし、それに対して否定的な反応をされる方もいらっしゃらない。

ーーこのお話は、排泄物や下ネタがばんばん出てきますよね。

そうですね。もう見事に慣れてしまいました（笑）。排泄物がこの物語のなかではキーポイントになるんですが、それが汚物だという提示の仕方ではなくて、生きていく上で必要なものだという提示の仕方をしているので、そこがおもしろいなと思っていて。性的描写も多々あるんですが、それも人間が性別をもってして関わるときに、たどり着いてしまうであろう思考をやや誇張してお届けしているだけなのです。

もし、何度か足を運んでいただいたら、違うものが見えてくるかもしれませんよ、とお伝えしたいです。実際に私も、それを稽古中に経験しています。

ーー音楽についてはいかがですか？

登場人物それぞれ、いろいろな面を持っているので、お芝居だけでは人物像を語りきれないんです。それを見事に助けてくださるのが登場する楽曲です。水野良樹さんはテーマ曲を作ってくださっています。益田トッシュさんの曲はものすごくエネルギッシュだから、きちんと真意を噛み砕いて歌いたいなと思います。メッセージがかなり込められているんです。楽曲のなかにも情報が盛りだくさんなので、集中して聞いていただきたいです。

先ほど、人はいろいろな面を持っているというお話をしましたが、私が演じさせていただく二役の楽曲は、それが明らかに現れています。どういう人物なのかを深く知っていただけるのではないかと。過激な描写も、楽曲が受け入れやすくしてくれているので、楽しんでいただけると思います。

※アイデアニュース有料会員限定部分には、アイデアニュース独自インタビューで、『NINE』のルイザ役と『ゴースト』のモリー役の演技で菊田一夫演劇賞を受賞してからの出演となることについてや、コロナ禍の中で考えてきたこと、共演する古田新太さんや尾上右近さんとのコミュニケーションなどについて伺った内容の全文と写真を掲載します。

＜有料会員限定部分の小見出し＞

■菊田一夫演劇賞受賞で、これから更に頑張ろうという気持ちが固まった

■多くの方々の願いが打ち砕かれてきた1年半。身近な課題をひとつひとつクリアして

■お芝居がはじまると白熱、休憩時間は嘘のように静かに。皆さん、感染対策で

■長年ミュージカルを愛してくださっている方には、ご自身の概念を覆す内容かも

＜ミュージカル『衛生』～リズム＆バキューム～＞
【東京公演】2021年7月9日（金）～7月25日（日）　TBS赤坂ACTシアター
【大阪公演】2021年7月30日（金）～8月1日（日）　オリックス劇場
【福岡公演】2021年8月9日（月・祝）～8月11日（水）　久留米シティプラザ
公式サイト：
https://musical-eisei.com/

＜関連リンク＞
咲妃みゆ オフィシャルサイト
https://sakihimiyu.com
咲妃みゆ 公式LINEBLOG
https://lineblog.me/sakihimiyu/
咲妃みゆ BLUE LABEL　
https://blue-label.jp/management/miyu-sakihi/
咲妃みゆ instagram
https://www.instagram.com/miyusakihi/

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※ここから有料会員限定部分です。

■菊田一夫演劇賞受賞で、これから更に頑張ろうという気持ちが固まった

ーーミュージカル『NINE』のルイザ役とミュージカル『ゴースト』のモリー役の演技での菊田一夫演劇賞受賞、おめでとうございます。

ありがとうございます。驚いてしまいました。

ーー受賞のタイミングで、次のミュージカルが『衛生』ですね。

これから更に頑張ろうという気持ちが固まった直後の作品が『衛生』で、なんて嬉しいことだろうと思います。生半可な気持ちだとできない舞台ですから。

ーーゲスト出演されていた『海宝直人の Smile Session ~出会いはタカラなり~』Vol.3 ～猫の日 Special～を拝見しましたが、「悪役をやりたい」とおっしゃっていましたよね。今回の役は、悪役とはまた違うかと思いますが、いままでにない役という意味では通じるものがあるのかなと。

悪役は作品にいいスパイスを注いでくれる存在という認識があります。「悪」ではなく、「スパイス」という認識があるので、いつか挑戦したいなと思っていたんですが、今回はスパイスだらけなので（笑）。スパイス過多みたいになっていて、それはそれで特殊な舞台だなと思います。

ーースパイス的な役をやりたいと、いつ頃思ったんですか？

さまざまな舞台を拝見するなかで、素敵だなと思う役者さんが演じてらっしゃるのが、例えばスパイシーなお役だったり、しっかりと脇を固めて、でも物語にすごい影響を及ぼすお役だったりするんです。そういう方を見て、素敵だなと思う気持ちが重なっていき、物語にいろいろな味付けを施せる役を演じる役者になりたいという気持ちが湧いてきました。

ーー特に目を奪われた方はいましたか？

たくさんいらっしゃいます。舞台に限らず映像作品でも。なんて素敵な役者さんなんだろうと思うと同時に、そのお役を演じてみたくなります。それが私のなかでのバロメーターなんです。

ーー宝塚出身の方もたくさんいらっしゃるなかで、それぞれの道を極めていらっしゃいますが、ご自分が歩んできた道は意識するものですか？

もちろん、その道のりがあってこそのいまの自分だという気持ちは常にありますが、そこにすがってはいないですね。常に新鮮な出会いを、経験を求めるタイプではあるので、1ヶ所にとどまらず、自分で切り開いていきたい気持ちがあるからこそ、この作品に挑戦しようと決意したのだと思います。そういう意味では、諸先輩がたの素晴らしい功績を目標にしつつ、自分は自分の道を歩みたいという気持ちがある気がします。

■多くの方々の願いが打ち砕かれてきた1年半。身近な課題をひとつひとつクリアして

ーー今年も半年が経ちました。昨年からのコロナ禍において、表現するというお仕事をされていて、この期間を経て変化した思いや、もしくは変わらない思いなど、いかがでしょうか。

私だけではなくて、世の中の多くの方々が、「こうあって欲しい」という願いを見事に打ち砕かれてきたと思います。目標を遠くに掲げるというよりは、もっと身近なところに自分の課題や目標を設定することが多くなりました。それをひとつひとつクリアしていくうちに、いつの間にか先に進めている。それでいいんじゃないか、大切なんじゃないかと、幸か不幸か気づかせてくれたのが、いまの世の中です。

ありがたいことに、この状況下でも私は舞台に立たせていただけていますので、感謝しつつ、でも、いつなにがあっても後悔しないように、できることは意識的に取り組んでいこうと、いま強く思っています。この作品も、正直、いつなにが起こるかわからないですから。もちろん、皆さまにお届けしたい気持ちは常にありますが、たとえそうならなかったとしても、ちゃんとこの作品に真剣に向き合った時間は、記憶に残したいと思ってお稽古しています。

逆に、お仕事する上で、なにか変わりましたか？ インタビュー内容も変わられただろうと思うのですが。

ーーやはりリモートインタビューなどもあり、直接お会いできる機会が減りましたね。でも、リモートの場合、ご自宅でリラックスされてインタビューを受けてくださることもあり、これまで伺えなかったことを話してくださることもあります。

あながち悪いことだけが降り注いでいるわけではなくて、そうなったなりの時の過ごし方があるんだなと思いますね。

ーーそうですよね。あとは、あのまま時が過ぎていたら、突き進んでいたかもと考えると怖いなと思うこともあったり。

なにか負荷がかかったときに、気づけることがありますよね。

ーー楽しいときは楽しいことしか気づいていなくて、我に返るみたいな。

そうかもしれません。「あれって、すごくありがたいことだったんだ」とか。

ーー皆さんが、舞台に立てることが貴重なことだと話されるのも、きっとそうですよね。

もし世の中がいい方向に向かっていってくれたとしても、この感覚を決して、忘れない自分でいたいなと思います。それでも薄れてしまうのでしょうけれど。

■お芝居がはじまると白熱、休憩時間は嘘のように静かに。皆さん、感染対策で

ーー古田新太さんや尾上右近さんとは、お話しましたか？

皆さん、お芝居がはじまると白熱するんですが、休憩時間になると、もう嘘のように静かになるんです（笑）。感染対策に気をつけて、各々の決められた場所で、静かに全員同じ方向を向いて待機する感じです。でも、そんななかでも、徐々にコミュニケーションが深まっているなと感じます。

古田さんにお会いする前は緊張していたんです。一方的には存じ上げていたし、きちんとご挨拶せねばと思っていたのですが、お会いしたらびっくりするくらい朗らかに、やさしく話をしてくださったから、ホッとしました。

右近さんとは、私が歌舞伎好きなこともあり、そのお話をさせていただいたら、一気にいろいろとお話しできるようになりました。芝居上では、笑顔で向き合う瞬間が1ミリもないですが（笑）。でも、限られた期間と、限られた環境のなかでも親睦を深めていきたいなと思っています。

■長年ミュージカルを愛してくださっている方には、ご自身の概念を覆す内容かも

ーー最後に、お客様にメッセージをお願いいたします。

題材的にリスクを伴うことも承知の上で舞台をお届けします。もしミュージカルに初めて触れるという方は、こういう作品もあるのか～と思ってお楽しみください。そして、長年ミュージカルを愛してくださっている方には、ご自身の概念を覆す内容が繰り広げられるかもしれない、ということを覚悟して足を運んでいただけたらと思います！！

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