「しぃたんなら大丈夫だよと、優ちゃんが」、『ダブル・トラブル』日野真一郎(下)

日野真一郎さん=撮影・NORI

2人のキャストで10人あまりの登場人物を演じるミュージカルコメディ『ダブル・トラブル』~2022 夏 Season A~に、ジミー・マーティンなどの役で出演する、日野真一郎(LE VELVETS)さんのインタビュー後編です。

「下」では、Season Aのみなさんとの稽古のこと、稽古場でSeason Bの2人と話したということや、稽古初日に、原田さんにLINEと電話で相談したということ、作品の楽曲のこと、ウォーリー木下さんの演出や高橋亜子さんの訳詞のことなどについて伺った内容と、これまでに出演された『SMOKE』や『Glory Days』、『ジョセフ・アンド・アメージング・テクニカラー・ドリームコート』のこと、お客さまへのメッセージを紹介します。

日野真一郎さん=撮影・NORI
日野真一郎さん=撮影・NORI

ーー今、みなさんと合わせながらお稽古されているかと思いますが、弟・ボビー役の浜中さんと横山さん、印象はそれぞれいかがですか?

二人とも、全然作り方が違いますし、相葉くんと僕のジミーももちろん違います。組み合わせによって、それぞれのリアクションが変わるので、それも面白いところだと思います。ボビー役が変わると、僕のリアクションも全然違いますし。

稽古場には、Season Bの林くんと寺ちゃん(寺西さん)も一緒にいることがあって、「ジミー役、どうやってる? ここのダンス、どうしたらいいかな?  」とか、翔太(林さん)と話しながら相談したりしています。チームが違うので一緒に舞台に立つことはできないのですが。

ーーSeason Aの相葉さんに、先日インタビューさせていただいた時、今、あまり相談する時間がないけれども、日野さんがとてもフランクで話しやすく、お互い頑張ろうねと言っているとおっしゃっていました。

バッチ(相葉さん)もとても人柄がよくて、いろいろと連絡をし合っています。「昨日4時までやってたよー! 」「今日は、俺5時までやってたよ! 」「だよね」「終わんないよね」って。そんな風に2人で鼓舞して、励まし合いながら頑張っています。

ーー『ジョセフ』でご一緒だった原田さんとは、ジミー役のことでお話される機会はありましたか?

はい。本稽古に入った日に、心が折れそうになったので(笑)、優ちゃん(原田さん)と電話しました。LINEで「ここがこうでさ」とか、色々と相談していたら、電話をかけてきてくれて。「このナンバーの時、優ちゃんどうやってた?」とか相談して、アドバイスをたくさんもらって、励ましてもらいました。「いつでも電話してきていいよー!」って。

優ちゃんは、子供の頃からやっていますし、本当にすごく器用でいろいろなことができるんですよね。その優ちゃんが「いやー、これは大変だよ」と言っていたので、「うわぁ、優ちゃんでも、そうだったんだな」って。「ここはこうだよ」「しぃたんなら大丈夫だよ」って言ってくれたんです。実際にこの作品に出演した人にそう言ってもらえて、すごく安心しました。稽古初日から、支えてもらいました(笑)。

ーーそれだけ大変だということですね。

2時間以上の作品を2人でやるので、セリフ量も、曲も多いです。ずっと何かをしている状態ですね。

ーーお稽古場で、ウォーリーさんの演出の中で印象に残っていることはありますか?

まだウォーリーさんとの稽古は1週目なので、全体のミザンスがどうなっているかとか、仕掛けのことや、早替えの段取りを確認している最中なので、「もうちょっと、こういう感情でやってみて」というような、内容面については、これから深める感じです。

自由にやらせてくださって、「引き出し、募集中でーす! 」とおっしゃっていて(笑)。「こうしなきゃいけない」というのがなく、自分で考えたものを持って行って挑戦できるという、やりやすい空間です。

ーー楽曲面からの『ダブル・トラブル』の特徴や面白さについては、どのように感じていらっしゃいますか?

曲は、最初に使われたメロディーが、作品のいろいろな場所に、ちょっとずつ変わりながら出てきますし、観ていると、「このメロディーは、この役のテーマソングなんだな」ということがわかる作りにもなっています。

歌でいうと、半音単位で動くところがすごく多くて、コードの音ではない音を歌うシーンも結構あるんです。普通は、ピアノの音に寄り添いながら歌いたくなるのですが、別の音で自分の声をぶつけていくという、おしゃれコードですね。

ーーそうなのですね。

ピアノで鳴っていない音に向かって歌うというのは、すごく大変ではあるのですが、できた時に、とてもおしゃれな響きになるので、そこを狙って作られているのだろうなと思います。

※アイデアニュース有料会員限定部分には、高橋亜子さんの訳詞のこと、これまでに出演された『SMOKE』、『Glory Days』、『ジョセフ』のことやお客さまへのメッセージなどインタビューの後半の全文と写真を掲載します。

<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)

■亜子さんは、役者の立場になって考えながら、言葉を拾ってくださっていると感じる

■終演後に、動けなかったこともある『SMOKE』。役を追求し、自分と向き合う転機に

■舞台上にずっと出ていた『Glory Days』。踊りながら歌って鍛えられた『ジョセフ』

■「人生を賭けて」取り組んでいる『ダブル・トラブル』。心の底から笑ってほしい

<ミュージカル『ダブル・トラブル』2022夏 SeasonA>
【東京公演】2022年7月28日(木)~8月14日(日) オルタナティブシアター
公式サイト
https://www.musical-wtrouble.jp

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日野真一郎さん=撮影・NORI
日野真一郎さん=撮影・NORI

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■亜子さんは、役者の立場になって考えながら、言葉を拾ってくださっていると感じる

ーー『ダブル・トラブル』は、高橋亜子さんが第14回「小田島雄志・翻訳戯曲賞」を受賞された作品ですよね。日野さんは、『Glory Days』(同じく受賞作)、『ジョセフ』、そして今回と、高橋さんが訳詞を手掛けられた作品が続いています。共通して、感じていらっしゃることなどはありますか?

亜子さんには、『ジョセフ』の時にお会いできて、ちょうど翻訳戯曲賞を『ダブル・トラブル』で受賞されたタイミングだったので、そのお話をしたりしました。

僕が出演させていただいた3つの作品に共通して感じているのは、歌い手や役者にとって、「すっと」入る形の翻訳をしてくださっているなということです。歌ったりセリフを言ったりしていて、ストレスがないといいますか。翻訳作品なので、原文そのままではないところもありますが、そこに近づけるために「こんな言葉を持ってきてくださるんだなあ」といつも思います。

『ダブル・トラブル』では、まだ僕はそこまでいけていないのですが、歌っていても、しゃべっていても、本当に上手いなあって、僕が言うと失礼なのかもしれませんが、「あ、いいなあ」って思うんです。役者の立場になって考えながら、言葉を拾ってくださっているなと感じます。

日野真一郎さん=撮影・NORI
日野真一郎さん=撮影・NORI

■終演後に、動けなかったこともある『SMOKE』。役を追求し、自分と向き合う転機に

ーー見どころも挑戦ポイントもとても多い作品だなと改めて思います。先日、お誕生日だったということも踏まえて、日野さんのこれまでのキャリアのことも伺いたいと思いますが、「これが転機になった」というご経験や作品のことを教えていただけますか?

全てが転機ではあるのですが、まず『SMOKE』は、芝居という面で1つ目の転機でした。1人の人物として、細かく自分と向き合いました。それまでにも向き合ってはいたのですが、すごく向き合わないとできない作品でした。精神的にもやられましたし、役になりきっていたので、終演後に動けなかったこともありました。

でも、ここまで追求し、追い込むことで、お客さまからの、いいお声をたくさんいただいたんです。当たり前のことでもありますが、そこまでやったからこそ、感じていただけたものがいっぱいあるのだなと思いました。

『SMOKE』を経験した後は、ミュージカルに出演する時だけではなく、コンサートで歌う時にも、自分が追求できるところまで、更に追求するようになりました。今までももちろんやっていたことでしたが、もっと先があるなと気づいたのが『SMOKE』でした。

日野真一郎さん=撮影・NORI
日野真一郎さん=撮影・NORI

■舞台上にずっと出ていた『Glory Days』。踊りながら歌って鍛えられた『ジョセフ』

ーー更に追求されたのですね。

そうですね。その後も色々と出させていただいて、『Glory Days』では、先ほども話が出ましたが、ずっと舞台上にいるという経験もできました。舞台上にずっといるって、こういうことなんだなと。他のミュージカルでは、袖に引っ込んで、次にまた出てくる、ということを、気持ちを繋げながらやるのですが、この作品は、本当にずっと出ていました。「こんなにも、役として気持ちが最初から最後まで繋がっているんだな」とリアルに感じられて、いい経験ができました。

『ジョセフ』は…「踊りながら歌うって、こんなにもしんどいんだ! 」と思いました(笑)。音大でも、あんなに踊りながら歌うという経験はありませんでしたから。稽古ですごく鍛えられて、公演中は、息がしんどくなることもなかったです。

日野真一郎さん=撮影・NORI
日野真一郎さん=撮影・NORI

■「人生を賭けて」取り組んでいる『ダブル・トラブル』。心の底から笑ってほしい

ーーいろいろな作品を経験される中で、ミュージカルに出演することの魅力については、どのように感じていらっしゃいますか?

やはり、「日野真一郎」ではなく、別のキャラクターとして、舞台上の人生を生きられることです。実人生では経験できないことや、絶対にしないことでも、舞台の上ではできますよね。そこが舞台の醍醐味だと思っています。

ーーでは、『ダブル・トラブル』という作品への思いや、お客さまへのメッセージをお願いします。

もちろん、全ての作品がターニングポイントになっているのですが、今回の『ダブル・トラブル』も、また違う境地を見せてくれる作品になると思います。これまでにやってきたことも全て詰まっていますし、人生を賭けて取り組んでいます。

僕のことを初めてご覧になる方にも、いつも応援してくださっている方にも、「日野真一郎が、こんなにもやっているよ! 」というところを見ていただけたら嬉しいです。まだ、このような状況が続いている日常ですが、劇場に来ていただけたら、心の底からも腹の底からも笑っていただける作品にしたいので、ぜひお越しください。お待ちしています。

日野真一郎さん=撮影・NORI
日野真一郎さん=撮影・NORI

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“「しぃたんなら大丈夫だよと、優ちゃんが」、『ダブル・トラブル』日野真一郎(下)” への 3 件のフィードバック

  1. みさき より:

    インタビューを読んでさらに楽しみになりました。
    わくわく‼︎

  2. strawberry より:

    記事ありがとうございます。
    日野さんが人生を賭けて挑戦される舞台、ますます楽しみです!FCでチケットをお願いしましたが、一般発売日に追加しました笑。いよいよですね!無事に幕が上がりますように!

  3. かるがも母さん より:

    チケット取れてます♬
    最近一寸辛い事があったから元気をもらえたら良いなと思っています。
    楽しみにしています。

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