新しい夜景体験、「あべのハルカス」で空と海の「絶景コラボ」始まる

「CITY LIGHT FANTASIA by NAKED -HARUKAS300-」より=撮影:アイデアニュース・橋本正人

「日本一高いビル」、大阪市阿倍野区の「あべのハルカス」60階にある展望台「ハルカス300」で、窓越しに見える夜景と水族館(海遊館)などの映像が組み合わさった新しい夜景体験、「CITY LIGHT FANTASIA by NAKED -HARUKAS300-」(シティファンタジア バイネイキッド ハルカス300)が2015年11月25日、始まった。

企画・演出を担当した「株式会社ネイキッド」の代表、村松亮太郎さんは、東京駅の壁面を舞台にした2012年の「東京ミチテラス2012『TOKYO HIKARI VISION』」や、2014年の「TOKYOガンダムプロジェクト2014 ガンダムプロジェクションマッピング」「auスマートパス presents進撃の巨人プロジェクションマッピング」などのプロジェクションマッピングで知られている。

この日、初披露された「CITY LIGHT FANTASIA by NAKED -HARUKAS300-」では、高さ300メートルのあべのハルカス最上階から見下ろす大阪の夜景の上に、海遊館の巨大なジンベエザメの背中に乗った少年の映像が重なり、まるで大阪の空の上を魚たちと少年が飛んでいるような光景が広がった。

少年とジンベエザメは、海底洞窟に入り、さらに海底都市へと進んでゆく。その街は、あべのハルカスをはじめ、海遊館や大阪城、通天閣など、大阪のさまざまな建物で構成されている。

今回の「CITY LIGHT FANTASIA by NAKED -HARUKAS300-」は、360度の展望が楽しめる「天上回廊」の中の4カ所で展開されており、柱の中にジンベエザメが現れる「ウェルカムマッピング」から、少年とジンベエザメの出会いを描いた「始まり」、床下にジンベエザメが現れる「ルックダウン」、そして海底都市へと進む「メイン」と、天上回廊をゆっくり歩きながら、さまざまな夜景と映像のコラボが楽しめる趣向となっている。

※この動画は「天空庭園」を挟んだ向かい側から望遠レンズで撮影したものです。流れている音楽は撮影者がいる場所近くで上映されていたもうひとつの映像「始まり」のものが入っています。

<開催案内>

期間:2015年11月25日(水)から2016年3月6日(日)

時間:11/25~1/7は17:30~21:40、1/8~2/4は18:00~21:40、2/5~3/6は18:30~21:40

当日券(展望台入場料金):大人1,500円、中高生1,200円、小学生700円、幼児500円

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<ここからアイデアニュース有料会員向け部分>

点灯式に出席した村松亮太郎さんにアイデアニュースとして単独インタビューし、最近のプロジェクションマッピングの状況や、村松さんが目指す方向についてお話をうかがいました。

まず、3Dマッピングの現在の状況についてうかがうと、村松さんは「私はマッピングを1つの技術として使っているだけで『マッピング屋』でないのですが…」とことわったうえで、「映像がスクリーンから解放されたことに意味がある」と話されました。

映し出す場所に制約はあるとしても、映画館のスクリーンやスマートフォンの画面といった決まったサイズの「フレーム」があるわけではないので、いろいろな可能性があるというところが面白い、と言います。

村松さんは、手のひらにのる小さな箱の中でプロジェクションマッピングの様子を再現する「ハコビジョン」(http://www.bandai.co.jp/candy/hakovision/products/01/)の映像も制作しており、「あれなんかは仕組みで言うとハイテクなのかローテクなのか、わからない。昔からあるマジックビジョンなんです」と言う。たしかに半透明のシートを斜めに置いて、スマホの映像を映し出すというのは仕組み的には簡単だが、巨大な東京駅のプロジェクションマッピングが手のひらの上で再現できるというのは面白い。

村松さんは「テクノロジーがすごいのではなく、お客さまに『新しさを体感してもらえるかどうか』が重要だと思うんです。今回は、夜景の新しい楽しみ方を、マッピングを応用して作ったものです。夜景の新体験を体感して、新しいと思ってもらえれば」と話しました。

取材した橋本が感じたのは、「CITY LIGHT FANTASIA by NAKED -HARUKAS300-」のようなイベントは、ガラス越しに外が見える場所であれば、天候にほとんど関係なく、長時間にわたって繰り返し上映できること。プロジェクションマッピングというと、屋外で多くの人を一堂に集めて大々的なイベントとして行なうイメージがありますが、こうした形であれば、会場の広さや窓の形などによって「フレーム」に変化はあるものの、それに合わせた映像を作り、その向こうに見える「そこだけの」景色に合わせた作品ができれば、それがまるで「現実」の一部であるかのように、存在し続けることも出来るのではないかと思いました。

村松さんのお話をうかがううちに、京都の喫茶店に入ってお茶を飲んでいたら、窓の外を武将の格好をしている人が歩いていて、へえ~おかしな人がいるものだと思っていると、突然、景色が戦国時代になって、「なんじゃこりゃ」と思っていると、次の瞬間にはまた普通の現代の光景に戻っているとか……、いろいろな面白い仕掛けができるのではないかなどと、妄想してしまいました。

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