みんなが笑顔になる結婚式「ユニバーサルウエディング」をプロデュースする会社スマイルエッセンスさんが、2015年4月から毎月一回、結婚式専用電動車いすIsco とウエディングドレス体験プチフェアーを開催しています。第一回にあたる4月20日、大阪市北区民センターでおこなわれた体験会にお邪魔しました。
ビデオで試着しているドレスは、この体験プチフェアー用に新しく作られたPRのためのドレスで、普段着の上から簡単に着脱できるように工夫されたものです。とはいえ、張りのあるドレスのスカート部分にはたっぷりのチュールに凝ったお花がひとつひとつ縫い付けられ、胸元の透ける生地やリボンやレースも本格的な、美しいウエディングドレスなのです。
このウエディングドレス、背中の部分が開いていて、首のところはマジックテープ、背中から腰は紐で結ぶようになっているので、様々な体型・サイズの人が着用できます。白い電動車いす Isco に座ってしまえば背中の方は見えませんし、前は完璧なウエディングドレスです。着るのに1分、ケープを羽織って、頭に花飾りをつけて、ブーケを持って、3分以内で変身が完了しました。
「障がいのある方、様々な事情で結婚式を挙げていない方、ウエディングドレスを着てみたいという方、 どなたでもこの体験プチフェアーにお越しください」とスマイルエッセンスの川端教子さんは言います。まずは、こんなに美しいドレスがこんなに簡単に、体に負担なく着られるのだというところを味わってもらいたい。結婚式専用車いすIsco に座っていれば、結婚式や披露宴の間中、快適に過ごすことが出来ることを体験してもらいたいというわけです。
そして体験プチフェアーでは靴を試すこともできます。ユニバーサルウエディング専用に開発されたスマイルエッセンスオリジナルシューズです。車いすの花嫁に靴は要らない?いいえ、そんなことはありません。Iscoに座ったままミニドレスにお色直しをすることも考えて、パンプスだけでなくブーツも、そして今後はピンヒールも作ろうと企画しているそうです。おしゃれは足元から。障がいのある女性があきらめていた、おしゃれで、履くだけでワクワクする靴。しかも履き心地に優れています。
左端の靴は、変形や麻痺がある方のために足先の部分はマジックテープで簡単に合わせられ、ふくらはぎのところはカーボンでしっかりホールドしてくれます。前側は開いていて、お色直しのミニドレスで脚をきれいに見せることができます。
真ん中のブーツは、後ろ側のファスナーが大きく開くので着脱が楽で、腫れや変形があって左右の大きさが違っても、リボンで脚の周径に合わせられるようになっています。
右端のパンプスはいろんな人が履けるようにと25センチなんですが、普段23センチの靴を履いている筆者が履いてもどんどん歩けるくらい、足に吸い付くようなインソールがセットされています。
いずれも、障害のあるなしにかかわらず、「可愛くて履きやすい」「私も欲しい」と思うような素敵な靴でした。これこそがユニバーサルデザインということだと思います。
スマイルエッセンスの社長川端教子さんのビジョンを実現しているのは、車いす製作やフラワーアレンジメントの仕事をされている方、特別仕様の靴を開発された方など、素晴らしい仲間たちのチームワークです。それぞれの専門分野での技術と経験があり、そのうえで、知らないことは教えを乞うて、互いに切磋琢磨できる柔軟で素敵なチームですというお話でした。20日の体験プチフェアーに川端さんと一緒に来られて、ウエディングドレスの試着動画のモデルになってくださったのは、スマイルエッセンスの仲間のおひとり日野叶子さんです。
日野さんはフラワーサロン「オレンジシャスミン」の代表として忙しい日々を送られていますが、すべての人にユニバーサルウエディングで笑顔を咲かせてもらいたいという川端さんの思いに共感し、全面的に協力されています。この日の美しい花冠とブーケは日野さんの作品です。
「私は、お花でひとりでも多くの方に笑顔になってもらいたいと思って仕事をしています。特に結婚式では、ドレスに合ったお花を作り、世界で一番美しい花嫁姿になってもらうことが私の喜びなのです。スマイルエッセンスを立ち上げられた川端さんに考え方に心から賛同し、お手伝いさせてもらいたいと私からお願いしました」 そう語られる日野さんと川端さんは、互いの技術や経験に敬意を表しながら、もっと工夫し、もっと向上していきたいと新しいチャレンジを楽しんでおられました。まるで家族のように息の合った、和気あいあいとした雰囲気のおふたりだから、楽しみながら、これからの課題や困難も解決して行かれることと思います。
川端さんは、「体験会で着ていただくドレスは、体に負担なく簡単に着用できるという点では実際のウエディングで使用するドレスと似ています。まずは、車いすを使っておられる方に、ドレスの雰囲気を味わってもらいたいと作成しました。でも、これは実はスタートラインなのです。実際に挙式や披露宴で着用いただくドレスは、比べ物にならないくらいのこだわりと工夫があります」と話します。一着のドレスが、2回お色直しに使えるサプライズを用意、新郎新婦のおふたりはもちろん、ご家族ご友人、挙式にかかわったすべての人たちの笑顔が会場いっぱいに花咲くユニバーサルウエディングを演出するドレスを作った川端さん。「着てみたい、やってみたいと思ってもかなえることが出来ずに諦めていた人たちの想いをひとつでもかなえたいと全力ですべての製品を作ってきました。これからも、どのような障がいがある人でも、その方が夢に描いたウエディングを実現させるためにスマイルエッセンスは工夫と努力を重ねていきますよ。素晴らしい仲間がいますからね」と笑顔で締めくくられました。
筆者もウエディングドレスを着せていただいたのですが、そのポラロイド写真にメッセージを書いて下さいました。「Special Thanks ! 本当にありがとうございます!」いつもパワフルで笑顔と感謝を忘れない川端教子さんと、たくさんの素晴らしい方たちの協力があれば、みんなが笑顔になるユニバーサルウエディングがあたりまえになる日はそう遠くないと思えました。
来月からも月に一度、『結婚式専用電動車いすIsco とウエディングドレス体験プチフェアー』は続きます。結婚を考えておられる方も、予定はないけれどドレスを着てみたい方も、車いすの方もそうではない方も、おふたりでもおひとりでも、一度ぜひ体験してみてください。
体験フェアーのお問い合わせはスマイルエッセンスのホームページまで http://www.smile-es.co.jp
フラワーサロン「オレンジジャスミン」 http://orange-jasmin.com/web/