梅雨のシーズンがやってきました。傘を使ったあと気になるのは、建物や電車など乗り物に傘をそのまま持ち込むと、床が濡れてしまうこと。スーパーなどでは入り口に傘専用のビニール袋が置いてありますね。あれも、きちんと中に傘をしまうのが難しくて手も濡れるし、入口のあたりの床はやっぱりベタベタしています。一番いやなのは、傘をさして車に乗り込むとき。ドアを開けて体を半分入れて、同時に傘もたたんで・・・結局濡れてしまいます。そして車の床やシートももちろん濡れて、大事な書類が湿気を含んでしまうかも。
そこで、こんな面白い傘を見つけました。傘の長い歴史を変える画期的、革命的商品!と自信をもってクラウドファンディングに登場した逆さまに開く(ひっくり返る)傘、KAZbrellaです。アメリカの代表的なクラウドファンディングサイト、Kickstarterで、目標額を楽々達成した人気の新製品です。
Kickstarter に載っていたKAZbrellaの特徴紹介はこんな感じです
Drip free. The KAZbrella opens inside out – Think of it like a flower opening. This leaves the wet side of the canopy contained on the inside when closed. The KAZbrella is dry to handle. It won’t drip on the floor or soak anything it touches.
Opens/Closes in confined spaces. Getting into your car, you can close the KAZbrella into the smallest gap of a car door, whilst remaining dry. Now you can even put the KAZbrella on your car seat without soaking it!
Easy to open and close in a crowd. KAZbrella opens up and over the user avoiding poking in the eye! Perfect in a crowd.
Strong in the wind. As the KAZbrella is double spoked, it is extremely strong. In the unlikely event that the KAZbrella is blown inside out, it’s not a problem. A click of the button and the KAZbrella will restore back to its open shape.
<翻訳>
ドリップフリー(しずくが垂れません)。 KAZbrellaは、裏表がひっくりかえって開きます。花が開くような感じだと想像してください。傘の濡れた側が内側にたたまれるのです。KAZbrellaは乾いた状態で持ち歩けます。床にしずくを垂らしたり、傘に触れたものを濡らしたりしません。
開け閉めするスペースは小さくていいのです。 車に乗り込むとき、KAZbrellaはドアの隙間の小さなスペースで折りたためます。KAZbrellaは乾いているので、車のシートを濡らすこともありません。
人がたくさんいても傘を開いたりたたんだりできます。 他の人の目を刺すようなことにはなりません。混雑していても大丈夫。
風に強いです。KAZbrellaはスポーク(傘の骨)が二重なので、強度があります。KAZbrellaを差しているときにはめったにないことですが、万が一風で傘が裏返しになっても全く問題ありません。ボタンひとつでもとに戻ります。
<翻訳終わり>
Kickstarterのページによると、製品は航空機に使われるような高級アルミの軸と、軽いファイバーガラスのスポークで出来ていて、高級感があります。お値段もそれなりにして、裏表が黒一色なら39ユーロ、裏と表が色違いの製品なら45ユーロです。2015年6月3日現在、1ユーロ約138円ですから、KAZbrellaは約5390円から6220円になります。
33日間で3316名が応援を申し出て、およそ3700万円を集めて目標額を達成したそうです。
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ここからアイデアニュース有料会員向け【おまけ的小文】 部品の名称を正確に翻訳するのは難しい
傘のような身近なものでも、部品の名称を正確に翻訳するのは難しいです。傘の布の部分はcanopyと書かれていますが、「天蓋、覆い」と訳される単語で、パラシュートの傘の部分やベッドの上に設けた布をさすことが多いのです。「This leaves the wet side of the canopy contained on the inside when closed.」は「傘の濡れた側が内側にたたまれるのです。」と訳しました。
また、傘の骨の部分はspokeで、自転車や自動車の車輪を支えている輻(や)です。「As the KAZbrella is double spoked, it is extremely strong.」は「KAZbrellaはスポーク(傘の骨)が二重なので、強度があります。」としました。
傘が風でひっくり返る様子を「おちょこになる」と訳そうかと思いましたが、あまり一般的な表現ではないかもしれないと思いなおしました。結局ひっくり返るとか、逆さまに開くと表現しています。英語ではopen inside out と書かれていました。「The KAZbrella opens inside out – Think of it like a flower opening.」を「KAZbrellaは、裏表がひっくりかえって開きます。花が開くような感じだと想像してください。」と訳しました。
ちなみに、2014年8月にYouTubeで公開された動画を見ると、当時のモデルは、傘の内側に布が張られていなくて「骨」がむき出しになっていました。その動画の方が「骨」構造がわかりやすいので、こちらに掲載しておきます。1分50秒あたりのところに、写っています。