「おしっこ」で発電するトイレ、英の大学が微生物燃料電池研究

尿の力で発電するトイレ=西イングランド大学の動画より

清潔で安全なトイレが使えるかどうかは、特に女性にとって大問題です。震災などで避難生活をされたり、自宅でもライフラインが止まるという経験をされた方は、トイレでは困ったことでしょう。

「電気の設備がない難民キャンプでは、夜暗くなってからトイレに行った女性が性的暴行を受けるというケースがあり、危険」と、国際支援NGOオックスファム・インターナショナルの担当者は語ります。そこで、尿を使って携帯電話の充電をする技術を開発した西イングランド大学の研究チームが再び立ち上がりました。尿の力で発電し、難民キャンプや被災地域のトイレを明るく照らそうという試みです。(オックスファム・インターナショナル プレスリリース2015年3月5日)

西イングランド大学の男子学生やスタッフは、研究のために作られた男子用のトイレで用を足すように求められています。オックスファムが難民キャンプに設置するトイレにできるだけ似せて作られた小さなトイレブースです。

尿の力で発電するトイレ=西イングランド大学の動画より

尿の力で発電するトイレ=西イングランド大学の動画より

微生物燃料電池(Microbial Fuel Cell :MFC)に尿を入れて発電させ、トイレ内の照明をつける研究。ブリストルバイオエネルギーセンター長であるイオアニス・イエロプロス教授が率いています。イエロプロス教授は語ります。

“The microbial fuel cells work by employing live microbes which feed on urine (fuel) for their own growth and maintenance. The MFC is, in effect, a system which taps a portion of that biochemical energy used for microbial growth, and converts that directly into electricity – what we are calling urine-tricity or pee power. This technology is about as green as it gets, as we do not need to utilise fossil fuels and we are effectively using a waste product that will be in plentiful supply.”  「微生物燃料電池(MFC)は、尿をエサとして成長し生命を維持する微生物によって機能します。MFCは、微生物増殖に使われる生化学的エネルギーの一部を利用して、直接電気に変換しているという仕組みです。エレクトリシティならぬユリントリシティ、つまり尿発電ですね。これ以上ないくらいグリーンですよね。化石燃料は一切使わず、しかも、供給が有り余るほど望める人間の老廃物を活用するわけですから」

オックスファムの水と公衆衛生を担当する長であるアンディ・バスタブル氏は、電気が引かれていない地域にある難民キャンプに安全なトイレを作るのは大変困難で、この研究がうまくいけば大きな前進だと期待を寄せています。

イエロプロス教授によるとひとつの微生物燃料電池を作るのに1ポンド(約180円)、今試作しているトイレを一台設置するのには600ポンド(約11万円)だそうです。お手頃価格ではないでしょうか?その後の燃料は、いくらでもあるわけですし!

OXFAM International

Bristol BioEnergy Centre

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