「僕のうしろに道はできる」「日本一幸せな従業員をつくる!」「大地の花咲き」など、ドキュメンタリー映画監督として定評のある岩崎靖子さん。命の大切さ、人のつながりの素晴らしさを伝える彼女の映画が大好きという人は本当にたくさんいます。なにしろ「初上映は1000名を超える会場で」というのがすでに当たり前になっているのです。岩崎靖子さん本人のファンだという人もまた多くて、ふんわりと温かい雰囲気に癒される人続出。そんな靖子さんが、また新たな挑戦を始めています。今度は本を書くというのです。「人生という奇跡を言葉にしたい!」もともと作家になりたかったという靖子さん、彼女の本を応援したいという仲間が集まって、クラウドファンディングMakuake(マクアケ)にプロジェクトページ; “「日本一幸せな従業員をつくる!」の岩崎靖子監督と一緒に本をつくるなかま大募集!” が立ちあがっています。映像作家の岩崎靖子さんがなぜ本を書こうと思ったのか、インタビューしました。
見た人がみんな映画と監督本人に惚れ込んでしまう。そういう監督としての靖子ちゃんを知っているから、自信がなくて人づきあいが苦手だったなんて信じられないけど、実は今でも「私なんて」「どうせ」という気持ちになることもあるそうです。一方で「人生はなんて楽しいんだ」と思う自分もいる。そんなお話をききました。
――靖子ちゃんは愛読書が「人間失格」ってきいたんだけど、今まで本を書く機会はなかったの?
まったくなかったの。愛読書は太宰治で、大学も日本文学科に進んだんだけどね。本を読むのが一番幸せで、いつか本を書けたら素敵だろうなあって思っていたけど、書くということはやってこなかったの。で、なぜか映像の世界に導かれてそっちに進むんだけど、その中でナレーションの文章を作って、言葉を書けるのがすごく嬉しかった。ある日、映画を応援してくださる方から、急に「岩崎さんの本がありませんね」って言われたの。
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■「岩崎さんだけ本がありませんね、自費出版で出しましょうよ」って
■私ね。「どうせ私なんか」っていうのが子どもの頃からあって
■もしもあの時、おのっちのひとことがなければ、映像の仕事はやめてたかも
■誰かと一緒にひとつのものを作る喜びを、初めて教えてもらった
■みんなでやれば、大きいことが出来ちゃうって、びっくり
■「幸せを感じられない」って思っている人の、何かのきっかけに
■(4月末完成へ、今どれくらい書けてるの?)10行くらい。ははははは!
本の完成に向けて猛ダッシュが始まる忙しいところ、快くインタビューに応えてくれた素敵な岩崎靖子さん。きっと素晴らしい本が出来上がることを確信しています。クラウドファンディングの応援映像も靖子ちゃんらしい素敵なものなので、ぜひご覧ください。
<関連リンク>
「日本一幸せな従業員をつくる!」の岩崎靖子監督と一緒に本をつくるなかま大募集!(クラウドファンディング)
https://www.makuake.com/project/yasukonakama/
岩崎靖子 フェイスブック
https://www.facebook.com/yasuko.iwasaki.3
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■「岩崎さんだけ本がありませんね、自費出版で出しましょうよ」って
――靖子ちゃんの周りの人たちは、かっこちゃん(山元加津子さん)とか、ふうちゃん(入江富美子監督)とか、映画の出演者の方も本を出している人が多いね。
そうなの。「岩崎さんだけ本がありませんね、自費出版で出しましょうよ」って声をかけて下さる方たちがいてね。「最近クラウドファンディングっていうのがあるらしいから、それでやったらいいね」って。始めに声をかけて下さったときには年配の社長さんたちが中心で、みなさんガラケーで、メールもあんまり使っていない方たちなのに、「クラウドファンディング」でってこれもまたすごいなあ、有難いなあと思って。
■私ね。「どうせ私なんか」っていうのが子どもの頃からあって
――やっちゃんを応援したいという気持ちで、慣れないことに挑戦しようとしてくださったんだね。
そうだね。でも、私ね。「どうせ私なんか」っていうのが子どもの頃からあって。「私の本なんて読みたい人いないでしょ」とか「私のためにお金を出してくれる人なんていないでしょ」っていう悪い癖が出て、無理だ、無理だってなってたの。でも、なんて言ったらいいのかな、そこを越えるチャンスかもしれないなあとも思ったの。
――「どうせ」を克服するチャンスだね?
そう。小さくまとまる癖を越えるチャンス。私が書いたものに価値があるかどうかは読んで下さった方が感じて、決めて下さるんだ。それでいいんだって思えてきて。
――その通りだと思う。
で、スイッチが入って、「私やります!」っていうことになったのでございます(笑)
■もしもあの時、おのっちのひとことがなければ、映像の仕事はやめてたかも
――分かりました。でね、ちょっと戻るかもしれないけど、ききたいのは、「ひとりで本を読んでいるのが一番好き」っていう少女時代、学生時代を経て、映像の世界に入って、まあ本は今でも好きだと思うけど、何かすごく変わったなあって感じてる? 人と関わらないと出来ない仕事だよね?
映像を作り始めたら、ひとりでは出来ないから、人と一緒に仕事をしたわけなんだけど、実は最初まだ抵抗してたの。表面上の付き合いにしておこう、とか。本当は「ひとりで全部作りたい!」って思ってたの。でも、私、技術がないし、機材もないから、仕方なく他の人と一緒にやってたのよ。最初に作った作品が「命がしゃべっている」という45分のミニドキュメンタリーなんだけど、私は完成しただけで良くて、満足だったの。「上映会やろうよ」っておのっち(撮影の小野敬広さん)が言ってくれたんだけど、私は「見てもらわなくていい」とかわけの分からないことを言ってたの。
――そうだったんだ。もったいないじゃない。
おのっちが「結構いいよ、みんなに見せよう、上映会しようよ」って言ってくれたのね。もしあの時、おのっちがそう言ってくれなければ、お蔵入りにして、もうそれで映像の仕事はやめてたかもしれない。評価がコワいわけよね。どう思われるだろうって。撮っただけで満足って自分をごまかして終わってしまったかもしれないね。
■誰かと一緒にひとつのものを作る喜びを、初めて教えてもらった
――上映会はどうだったの?
小さな上映会だったけどみんな色々感想言ってくれて、フィードバックもらって、すごく嬉しかった。その時、おのっちが司会をしてくれたのね。上映会の司会をしながら、スピーチの時、おのっちがウルっとなって、で、その時に私すごく感動してね。だって、おのっちの作品じゃないのに、私の初監督作品のことを、そこに至る過程までふくめて、おのっちが大事にしてくれていたの。自分のことのようにね。それがすごく伝わってきて、「私、ひとりじゃなかったんだ」って思って。そして、「私はこれまで心を閉ざして、ひとりだって思ってたけど、本当はいつも、私のことを自分のことのように思って、一緒にいてくれた人がいっぱいいたのかもしれない」と思ったの。もうめちゃくちゃ反省というか嬉しいというか、そういう気持ちになったんだよね。ひとりで何かやって、ひとりで達成する喜びじゃなくて、誰かと一緒にひとつのものを作る喜びを、初めて教えてもらった体験だったの。
■みんなでやれば、大きいことが出来ちゃうって、びっくり
――そこからまたいろんな出会いがあるんだね。
そこから、入江監督に出会って、この入江ふうちゃんって人がまた、ものすごい規模で人を巻き込んでいくのよ。3人で作ってる初めての映画を、1000人規模のイベントで上映するって無理に決まってるのに、やるって言うし。「出来ない~」って泣きながらやってて、でもみんなに手伝いをお願いしたら、100人単位で人が集まってきてね。ボランティアで一緒にやってくださる方が、受付はこうしよう、誘導はこうしようってどんどん勝手に作り上げてくれて。私には初めてのことだったの。みんなでやれば、大きいことが出来ちゃうんだって、びっくりしちゃって。人は、人のことをこんなにも純粋に応援できる存在なんだなあって教えてもらったの。
――出会いが出会いを呼んできたって感じかな?
うんうん。おのっちに始まって、ふうちゃんにも、私は人と関わることの温かさとか、すごさとか、パワーとか、豊かさを、映像制作を通して教えてもらったの。まさしく!
――それが靖子ちゃんの作品のテーマにもなっていくんだね。
なっていったの~!人は人との関わりの中で、輝いていくとか輝やかせあえるとか。それがさらに広がって、今度は「人と虫」とか、「人と自然」とかに広がっていくんだね。
■「幸せを感じられない」って思っている人の、何かのきっかけに
――壮大だ!やっちゃんの人生が映画みたいだね。そこで、じゃあなんで今、本を書くことになったか、その決めてって何?だってすごい忙しいでしょう?
最初「どうせ私の人生を書いたって」「私の書いた本なんて」っていうところにいたんだけど、いや、待てよと。私はずっとこの性格で生きづらいなあって思ってたわけ。なんでこんなことで悩んだり落ち込んだり、幸せな環境のはずなのに幸せじゃないと思ってしまったりするんだってね。「人前がコワい」「人がコワい」って思ってたしね。でも、今は本当に、「人生ってなんて楽しいんだ!」って思ってるの。無限の可能性にあふれていて、苦しいことも悲しいことも全部豊かさなんだなって思えるようになったの。そのことを、その過程をね、もし書けたら、私みたいに「生きるのしんどいな」とか「幸せを感じられない」って今思っている人の、何かのきっかけになるかもしれないって考えたの。それだったら書けるって。実は私、本を書く人ってすごい成功した人だと思ってたの。
――サクセスストーリーを本にするって感じ?
そう。私が映画を撮った方の本を読ませていただいたら、すでにすごいことを成し遂げておられるし、人格的にも素晴らしいから本が書けるんだって、どこかで思ってたの。私自身はその方たちを撮らせてもらっただけで、私が何かすごいことをしたわけでもないし、素晴らしい人間でもないから「本を書く資格はない」って思ってたんだね。でも、ありのままの自分を書くことで、同じように感じている人の力になれるかもしれないと思って、じゃあ、等身大の自分を書こうってなったの。
■(4月末完成へ、今どれくらい書けてるの?)10行くらい。ははははは!
――素晴らしいねえ。今どれくらい書けてるの?
うんとね、10行くらい。
――ははははは!
4月末に完成させて送って下さいって言われてるの。
――今日はね、4月の12日だから。
ははははは! 大変なことです。こっからだよ。今から本に集中してがんばるよ。