2017年5月15日に開幕する舞台『リトル・ヴォイス』に、マリー・ホフ役で出演する安蘭けいさんにインタビューしました。稽古がはじまって、作品や役について感じていること、さらにキャスト6人で、どんなカンパニーが生まれているかなど色々と伺いました。
――稽古が始まっていかがですか?
面白いですね! 私が演じるマリー・ホフ役はリトル・ヴォイスの母親ですが、すごく面白い役だと思っています。前回の舞台で演じていた『白蟻の巣』の刈屋妙子役とは真逆で、すごく発散系で楽しいですね。でも、常に酔っ払っていて、ずっと喋りっぱなしなので大変です。ずっと舞台上にいて、リトル・ヴォイスが話さずに、ずっと母親が喋っているので、結構エネルギーが必要ですし、終演後くたくたになるんだろうなと。鳥山(昌克)さんも「安蘭さん、2回公演あるとき大丈夫かな」って(笑)。私よりも先に心配してくださいました。
――カンパニーは6人と少人数ですが、どんなカンパニーですか?
そうですね……。世代の違う大人と若者がいる感じで、それが一つになっているグループですね。
――ふたつのグループの交流は?
交流はちゃんとあります。まず(大原)櫻子ちゃんがすごく明るくて可愛いので、彼女がいると自然とほわんと空気が柔らかくなって、居心地のいい空気にしてくれます。大人たちは大人らしく見守っているので、これからもっと交流していけば、色んな人の色んな面が見えてくると思います。それぞれの個性がより見えてくれば、もっと楽しい現場になりそうです。
――若者たちが爽やかなイメージでした。
若者たちの方がはっきりとよく喋って、それに大人たちがついていく感じで、壁もなくて楽しくやっています。とても素敵なカンパニーですよ。
※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、「罵声を浴びせかけてばかり」のマリーが、実際は娘に対してどういう感情で動いているのかなどについてさらに詳しく伺ったインタビューの全文を、テキストで掲載しています。5月5日に掲載するインタビューの「下」では、宝塚を退団して8年経った安蘭さんが、さまざまな舞台作品に立ち続ける、その原動力について伺ったお話などを掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>
■(大原)櫻子ちゃんの目を見ると「言いたくないな」「ごめんね」と思ってしまう
■どうしようもない女だと自分で分かっていながらも、そこから逃れられない
■彼女がこうなったのはいつからだろうと。お客様にも想像してもらいたいなと
■(演出の日澤さんとは)「役者同士」の会話の形で考えていけるところがあります
<舞台『Little Voice(リトル・ヴォイス)』>
【東京公演】2017年5月15日(月)~5月28日(日) 天王洲 銀河劇場
【ライブ・ビューイング】5月27日(土) 全国各地の映画館
【富山公演】2017年6月3日(土)・6月4日(日) 富山県民会館 大ホール
【北九州公演】2017年6月24日(土) 北九州ソレイユホール
公式ページ http://hpot.jp/stage/lv
ツイッター https://twitter.com/littlevoice_jp
ライブ・ビューイング http://liveviewing.jp/contents/littlevoice/
<関連サイト>
安蘭けいホリプロオフィシャルサイト http://www.horipro.co.jp/arankei/
安蘭けい公式ファンクラブ「Aran」 http://www.kei-aran.com/
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※安蘭けいさんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。有料会員の方がログインするとこの記事の末尾に応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは5月18日(木)です。(このプレゼントの応募は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。
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■(大原)櫻子ちゃんの目を見ると「言いたくないな」「ごめんね」と思ってしまう
――今回、安蘭さんは歌いますか?
歌はないです。ただ、マリーはジャクソン5がすごく好きなので、ジャクソン5をかけて、口ずさんだりはします。芝居をしている後ろで、気持ち良くなってアカペラで1曲歌っているところはあるんですよ。でも、「歌を聞かせる」という歌はないですね。
――なるほど。歌に関しては、大原さんの歌を堪能する作品ですね。大原さんと一緒に稽古していかがですか?
自然に親子の関係がつくれる気がしています。芝居も歌もすごく素直で、多分それは彼女の本質だと思います。それがとても心地いいんです。芝居中はほとんど娘に罵声を浴びせかけてばかりなので、彼女の目を見ると「言いたくないな」「ごめんね」と思ってしまうところがあって。まだ、演じていて思い切り良く、気持ちいい所まで行っていないですからね。でも、一緒にお芝居していてとてもやりやすいです。
■どうしようもない女だと自分で分かっていながらも、そこから逃れられない
――常に「罵声を浴びせかけてばかり」のマリーは、実際、娘に対してどういう感情で動いているんですか?
そこをどうしようかなと、今考えているところです。母親だから、きっと本当に娘が憎いわけではないと思うんです。でも、娘を見ると亡くなった夫を思い出したり、夫がいるときに夫と2人で楽しそうにしているのを見て、きっと母親は傷ついたりしていたんだろうと思うんです。そういう所を思い出したりしたくないから、常にお酒を飲んだりして、生活が破綻していった。こんな母親でこんなどうしようもない女だと自分で分かっていながらも、そこから逃れられない所があったのではないかと。だから、娘にはきっとすごく甘えているとは思います。リトル・ヴォイスも出ていきたいけど、出ていけないんです。台詞でも、「私にはこの子しかいない」「この子にも私しかいない」と言っていますしね。お互いが必要で、お互いがいないと生きていけないと分かっている、奇妙な依存関係だと思います。
――お互いが最後の支えみたいな感じでしょうか。
血を分けた親子の何とも言えない、離れられない関係なのかなと思います。
■彼女がこうなったのはいつからだろうと。お客様にも想像してもらいたいなと
――マリーは弱いんですか? 弱くてリトル・ヴォイスを支えにしている?
かなり弱い人だと思います。だからお酒にも逃げるし、男にも走る。そうしていないと多分、自分が保てないんですよ。じゃあ、彼女がこうなったのはいつからだろうと。その辺はお客様にも想像してもらいたいなと思います。
――そこは、想像してほしいと。
自分の中では「こうなんじゃないかな」というのはありますが、色々と考えられると思います。でも、元々がそんな女だったら、本当にどうしようもないと思ってしまいますね。夫が亡くなってからだったらしょうがないかなとも思えるかなと。
■(演出の日澤さんとは)「役者同士」の会話の形で考えていけるところがあります
――演出の日澤(雄介)さんと、そのことについてお話されましたか?
まだそこのことに関しては話していないですね。
――日澤さんがどんな演出をされるのかも楽しみですが、一緒に作っていていかがですか。
すごく頭がいい方だと思います。日澤さんは役者をされていたので、そこが演出をしながら出てくるんです。自分でも演じてみるとか。演出家だったら「役者と演出家」の会話になりますが、「役者同士」の会話の形で考えていけるところがありますね。色んな演出家がいらっしゃるので、「これが日澤さんのスタイルだな」と思いながら受けています。優しいですし、まず褒めてくれます。
――なるほど。
「いいね、いいね」と言ったり、見ながら楽しんでいますね。私たちが演じているときに、顔が綻んでいたりするのを見たら、すごく楽しんで演出していらっしゃるんだなと。そういう所は嬉しいですよね。常に気難しい顔で見る演出家もいますが、それはそれでプランを立てながらやっていらっしゃるんですよね。日澤さんはそうじゃない所にすごく親近感が沸きますし、何でも話せるような感じがします。
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