ぼくは、残したい…この愛しい故郷を。『みつめればそこに』10月9日、奈良で上演

「みつめればそこに」初演より=まきえきくお撮影

奈良・大和路を撮り続けた写真家・入江泰吉氏の半生を描いた朗読公演『みつめればそこに』が10月9日(月・祝)、奈良県立図書情報館で行われます。関西に実在した人物にスポットを当ててドラマを製作し、人物ゆかりの地で朗読公演を行う大阪ガス「イストワール histoire」シリーズの第7話。2016年の初演時に満員御礼となった話題作が、奈良で再び上演されます。

『みつめればそこに』初演より=2016年12月、まきえきくお撮影

人生の大半を同じテーマで、同じ土地を、何十年も撮り続けてきた入江氏。そのやむにやまれぬ気持ちの源泉は一体何だったのか? 撮影に向かう姿は? 再演となる今回、入江氏ゆかりの人々から聞いた思い出話を秘蔵写真と共に紹介するプロローグが新たに加わり、初演後に奈良で開催された『みつめればそこに』朗読ワークショップの参加者も出演します。

<あらすじ(公演企画書より)>

戦後40年以上にわたって奈良を撮り続けた写真家・入江泰吉氏。その自宅は、古都・奈良の情緒を残す東大寺の境内地にあります。家の窓の外には、手を伸ばせば届く距離に大きな欅の木が生えています。

入江氏の生まれる前から、そして亡くなった後も、そこにあり続けている欅。この欅を“時代をつなぐ語り部”として、入江氏の後半生を描いています。

<小栗一紅さん(作・演出)が公演に寄せたメッセージ>

奈良が好きだ。奈良にくるとホッとする。それは、千年という悠久の時の流れを感じる場所がたくさん残っているからだと思う。この「残っている」ということが、時の連なりの中に自分が在ることを実感させてくれるのだ。都市で暮らしていると、街はどんどん新陳代謝を繰り返し、そこがかつてどういう場所であったのかなんてわからない。土地と繋がりを持てず、愛着もなく、まるで荒野を転がる根無し草のような不安定な状態で生きている人は少なくない。

入江さんの写真と出会い、その世界に懐かしさを感じ、惹かれた。自伝などを読み、入江さんは、この「残す」ということを意識して、仕事をしてこられた方だと知った。一見穏やかそうにみえる作品の奥にこめた想いの深さ。一枚の写真にかける熱意と努力。そういったことが読み解けていくにつれ、入江さんが残そうとしたものを、今度は私が劇作家として残せないだろうか?と思うようになった。

そんなことを考えていた頃、大阪ガスの山納洋さんからイストワールのご依頼がきた。自分の身の丈を超えている仕事だと自覚しながら、それでもやっぱり入江さんのことを書き、たくさんの方と共に、その魅力を再発見する機会をもちたかった。

入江泰吉という写真家の人生と、その作品を残すことは、奈良を残すことだと思うから。

朗読公演『みつめればそこに』チラシ

<大阪ガスpresents「イストワールhistoire」第7話 朗読公演『みつめればそこに』>
【奈良公演】2017年10月9日(月・祝)11:00/15:00 奈良県立図書情報館1F交流ホール(奈良県奈良市大安寺西1丁目1000)
【定員】各回200名(先着順/定員になり次第、締め切り)
【料金】1,000円(受付にてお支払い)
【申込み方法】奈良県立図書情報館ホームページ申込みフォーム
http://www.library.pref.nara.jp/event/2441
【お問合わせ】0742-34-2111 (奈良県立図書情報館)

<関連リンク>
入江泰吉氏の半生を描いた朗読劇『みつめればそこに』公演 フェイスブックページ
https://www.facebook.com/events/138041966790189/150821648845554/
朗読公演『みつめればそこに』 奈良県立図書情報館のページ
http://www.library.pref.nara.jp/event/2441
大阪ガスpresentsラジオドラマ『みつめればそこに』 MBS AM1179 FM90.6のページ
http://www.mbs1179.com/irie/

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