宝塚歌劇宙組の MUSICAL『WEST SIDE STORY』大阪公演が2018年7月24日(火)から、梅田芸術劇場メインホールで始まりました。この作品は、真風涼帆(まかぜ・すずほ)さんと星風まどか(ほしかぜ・まどか)さんの宙組新トップコンビお披露目として2018年1月に東京国際フォーラム ホールCで上演され、今回、さらにブラッシュアップされた作品となって大阪で開幕しました。
『WEST SIDE STORY』は、シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』の舞台をニューヨークに移し、人種差別や貧困などの問題を盛り込んだ名作。ヨーロッパ系移民の親を持つアメリカ生まれの貧しい青年たちのグループ「ジェッツ」と、プエルト・リコから移り住んだ青年たちのグループ「シャークス」の対立を背景に、トニーとマリアの愛を描きます。
トニー役の真風さんと、マリア役の星風さんは、東京公演に続いて同じ役での出演で、真風さんは「ジェッツ」の創設者の1人でありながらも、マリアとの愛に目覚め、いさかいを避けようとするトニーを包容力豊かに表現。星風さんは、澄み渡るソプラノで、数々の有名なナンバーを爽やかに聴かせてくれました。
トニーとマリア以外の主要キャストのうちの3人(ベルナルド、アニータ、リフ)は、大阪公演で初役となる方が演じています。
東京公演で芹香斗亜(せりか・とあ)さんが演じた「シャークス」のリーダー、ベルナルド役は愛月ひかる(あいづき・ひかる)さん。赤い服に黒い髪の愛月さんは、「アメリカ人」との賃金格差などへの怒りを胸に、ピリピリした雰囲気をまとった、凄みのあるベルナルドを作り出していました。
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■桜木みなとさんは娘役に。スカートの裾を軽やかにひるがえしてアニータを好演
■ジェッツのリーダー、リフ役の澄輝さやとさんは、ワルながらも上品な雰囲気
■高いフェンスを、両足を真っすぐに伸ばして逆さになって越えてくるシーンも
■耳に残った「ひどい世の中しか、俺ら知らねえんだ」という若者のセリフ
<宝塚宙組公演 MUSICAL『WEST SIDE STORY』>
【東京公演】2018年1月12日(金)~1月25日(木) 東京国際フォーラム ホールC(この公演は終了しています)
【大阪公演】2018年7月24日(火)~8月9日(木) 梅田芸術劇場メインホール
<公式サイト>
宝塚歌劇団のページ
http://kageki.hankyu.co.jp/revue/2018/westsidestory_umegei/
梅田芸術劇場のページ
http://www.umegei.com/schedule/685/
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■桜木みなとさんは娘役に。スカートの裾を軽やかにひるがえしてアニータを好演
東京公演で「ジェッツ」のリーダー、リフ役を演じた桜木みなと(さくらぎ・みなと)さんは、大阪公演では娘役となり、東京公演で和希そら(かずき・そら)さんが演じたアニータ役に。同じ作品で、男役から娘役へ、しかもリフから見れば敵方のベルナルドの恋人になるという変わりようですが、桜木さんはワンピースの裾を軽やかにひるがえしながら、きっぷがよく心根の優しいアニータを好演していました。
■ジェッツのリーダー、リフ役の澄輝さやとさんは、ワルながらも上品な雰囲気
東京公演で桜木さんが演じた「ジェッツ」のリーダー、リフ役は澄輝さやと(すみき・さやと)さん。青い服に金髪の澄輝さんには、下町のワルを束ねている立場ながらも、どことなく上品な雰囲気が漂っています。
■高いフェンスを、両足を真っすぐに伸ばして逆さになって越えてくるシーンも
『WEST SIDE STORY』と言えば、躍動的なダンスが有名ですが、高いフェンスを、両足を真っすぐに伸ばして逆さになって越えてくる、アクロバティックなシーンなども次々と登場しました。
■耳に残った「ひどい世の中しか、俺ら知らねえんだ」という若者のセリフ
終幕近くのシーンで「そんなにひどい世の中にしたいのか」と聞く大人に対して、若者が「ひどい世の中しか、俺ら知らねえんだ」と答えたセリフが耳から離れません。日本でも、ヘイトスピーチなどが問題になる中、トニーとマリアのような愛があることを、多くの人に知って欲しいと、切に感じた作品でした。