岸谷五朗さん・寺脇康文さんが主宰する演劇ユニット「地球ゴージャス」のプロデュースによる音楽劇『クラウディア』が、2022年7月4日(月)から7月24日(日)まで東京建物 Brillia HALLで、2022年7月29日(金)から7月31日(日)まで大阪・森ノ宮ピロティホールにて上演されます。アイデアニュースでは、細亜羅(ジアラ)を演じる甲斐翔真さんにインタビューをしました(大野拓朗さんとダブルキャスト)。上、下に分けてお届け致します。
上では、作品への出演が決まったときのこと、岸谷さんとのエピソード、ジュークボックスミュージカルに出演することへの想い、ミュージカルに取り組む上での「苦し楽しい」想いなどについて話してくださった内容を紹介します。下では、これまでに演じた役を振り返って感じること、ラミン・カリムルーさんに憧れていること、自分の歌について感じること、『next to normal』で海宝直人さんとダブルキャストを演じること、エンターテインメントの力についてや、2022年の活動を通して皆さまに伝えたいことなどについて伺った内容を紹介します。
(※このインタビューは、『next to nomal』上演前に実施しました)
ーー音楽劇『クラウディア』への出演が決まったときは、どんなお気持ちでしたか?
地球ゴージャスは知っていましたが、この作品のことは知らなかったです。17年前に上演されていた作品ですが、ゴージャスファンの皆さまの声を聞いていると、『クラウディア』はとても記憶に残る公演だったんだなと思いました。
ーー私も拝見できていないのですが、地球ゴージャスの“伝説の作品”という印象があります。
そうですよね。それを僕が演じていいものかという気持ちもあります。リメイクといっていいのか分かりませんが、17年前のものを、五朗さんがいちから書き直したとおっしゃっていました。人間の過ちを描いている作品なので、17年前に作られたからといって、決して色あせてはいないと思うんですね。争いや愛がテーマで、心がぐっと掴まれる作品です。
脚本もすばらしいですし、ありがたいことにそこに出演できるというステージが用意されているので、僕がこれからどういうふうに、この作品の密度をあげていけるかどうかが重要だと思っています。とにかく油断せず、主演ということはある意味忘れ、『クラウディア』というタイトルにあるように、クラウディアが主演だと思ってやるくらいが良いのではないかと。作品の中での細亜羅の立ち位置や役割をまっとうできるようにしたいです。
ーー岸谷さんとお話しされた印象はいかがですか?何か強烈に残った言葉はありましたか?
僕が芸能界へ入って1年目くらいのときに、『The Love Bugs』の稽古場に行かせていただいたのですが、そのときのことを覚えてくださっていました。「そのときからお前のピュアさを知っていて」とキャスティングの理由も教えてくださいました。
ーー甲斐さんがキャスティングされた理由は「ピュアさ」なんですね。
そのときのピュアさのようです。一緒にマット運動をしていたときに、もう見えていたらしいんです(笑)。
ーー見学のときに、一緒にマット運動をされていたんですか!?
やりました!見ているだけではなくて、ウォーミングアップだけ参加させていただいたんです。18、9歳くらいのときのことで、そのときのことを覚えてくださっていたのも嬉しかったですし、キャスティングの理由もそこから来ていたのだと驚きました。
作品に関しては、お客さんに喜んでもらいたいという想いが、五朗さんからも伝わってきました。エンタメとしての輝きと、根底にあるメッセージ性を両立させたいとおっしゃっていたので、一緒にそういうものを目指せたらいいなと思います。
※アイデアニュース有料会員限定部分には、ジュークボックスミュージカルに出演することへの想い、ミュージカルに取り組む上での「苦し楽しい」想いなどについて話してくださった内容などインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。21日掲載予定のインタビュー「下」では、これまでに演じた役を振り返って感じること、ラミン・カリムルーさんに憧れていること、自分の歌について感じること、『next to normal』で海宝直人さんとダブルキャストを演じること、エンターテインメントの力についてや、2022年の活動を通して皆さまに伝えたいことなど、インタビューの後半の全文と写真を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)
■僕はコロナ禍の中でのデビュー。これ以上の最悪はないと考えながら、先へ
■カラオケでよく歌うサザンの曲。舞台上での表現にもっていくのは課題になりそう
■本番では不安になるくらい楽しい。これが苦しくなったら怖いなと思ってしまう
■楽しさにしか気づいていなくて、これから本当の苦しさが待っているのかも
<音楽劇『クラウディア』Produced by 地球ゴージャス>
【東京公演】2022年 7月4日(月)~24日(日)東京建物 Brillia HALL
【大阪公演】2022年 7月29日(金)~31日(日)森ノ宮ピロティホール
公式サイト
https://www.claudia2022.com
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※ここから有料会員限定部分です。
■僕はコロナ禍の中でのデビュー。これ以上の最悪はないと考えながら、先へ
ーーサザンオールスターズの曲で構成されているジュークボックスミュージカルであることは、この作品の特徴になると思いますが、ジュークボックスミュージカルはご覧になったことはありますか?
ないですね。ミュージカルが好きで観たい作品がたくさんあるのですが、まだその年数が浅く、上演タイミングに当たっていないこともあります。今は海外にも行けないですしね。僕はコロナ禍の中でのデビューなので。
ーー以前、韓国に観劇に行かれたと伺いましたが、ギリギリのタイミングだったんですね。
そうなんです。アメリカの『MJ The Musical』も観に行きたいんですが、今は行けませんから。
ーーこの時期に活動を始められた皆さんは、そういう意味でも大変ですね。
最悪の状態から始まっていますから、これ以上の最悪はないと考えながら、ここから先へといきます。
■カラオケでよく歌うサザンの曲。舞台上での表現にもっていくのは課題になりそう
ーー未来は明るいですね。では、ジュークボックスミュージカルはご覧になったことはなくても、サザンだけの曲で構成されている初演の映像をご覧になった印象はいかがですか?今までに出演された作品とは、また全く違うのではないでしょうか。
知っている曲が出てくるのが、おもしろいです。今まで僕が出演してきたミュージカルには、そういうことがなかったので、斬新に思えます。五朗さんや寺さん(寺脇康文)は、「ミュージカルの、急に歌い出すところが苦手な人たちには、観やすい作品」だとおっしゃっていました。確かにそうだと思います。きちんと歌と芝居のパートが分かれているので、台詞の途中で急に歌い出すことがなく、歌っていたと思ったら急に喋り出すこともありませんから。
そういう意味では観やすいですが、逆によく知っているJ-POPを舞台上で表現するとなるとどうなるのか、まったく想像がつかないです。「大人になるんだ、マリー!」と言って急にサビを歌い出したりしてきたので(笑)。
カラオケではもちろん、たくさんサザンの曲がありますし、よく歌いますが、それを舞台上での表現にもっていくのは、これから少し大変な課題になると思います。
ーー新たな武器が手に入るかもしれないですね。
カラオケでやたら感情を込めて歌うようになってしまうかもしれません(笑)。ミュージカルだけではない「桑田さん」という要素が入ってくるわけじゃないですか。そこで多分、苦しみながらも今までと違う景色や手応えが見えてくるのかなと思います。だいたい新しいことをやると、本当に苦しいので。でも、その先にはいいことしか待っていないので、「苦し楽しい」という感じですね。
■本番では不安になるくらい楽しい。これが苦しくなったら怖いなと思ってしまう
ーー毎回その苦しさがあるのですか?
どの作品も苦しかったですね。
ーー甲斐さんからは、苦しさがあまり見えない印象があります。
お客さんの前で苦しい顔をしたら、一巻の終わりですからね。僕、内側から楽しそうな感じですか?
ーーはい。すごく楽しそうにミュージカルに取り組まれている印象を受けています。
楽しむために苦しんでいますからね。舞台上でどれだけ楽しめるかの下準備が苦しいんですよ。僕はサッカーをやっていた頃、大会は好きでしたが、練習は大嫌いでした。でも、練習をしないと大会で成果はでませんから。スポーツに例えるとそういうことなのかなと思いますね。大会ではパシッと決めていますが、練習では外しまくってるみたいな。なんで今日も走らないといけないんだ、と(笑)。でも、実はそれが積み重なって大会で成果を得られる。だから「苦し楽しい」なんですよね。
ーー逆にいうと、「楽しい」が見えているからこそ頑張れるという感じですか?
苦しいだけなら、誰もやらないですよね。きっと皆さんもそうだと思いますが、本番では不安になるくらい楽しいです。これが苦しくなったら怖いなと思ってしまうくらい。今は楽しいと思えていますが、もしも本番が楽しいと思えなくなったときは、どうなってしまうんだろうと思います。それくらいに楽しいです。
■楽しさにしか気づいていなくて、これから本当の苦しさが待っているのかも
ーー今後、そういうこともあるかもしれないですか?
人間ですから、それはありますよね。自分の精神状態もそうですし、好きなことをやっていても行き詰まる瞬間は誰しもあるものだと思うので。でも、今のところはまったくないです。
ーー30代以降の方々のインタビューをさせていただくと、人生の紆余曲折を伺うことが多いのですが、甲斐さんはこれから、どんな道を辿っていかれるのだろうと。
まっすぐ行くのはつまらないですからね(笑)。たまに沈まないと。
ーーまだご自身の中で、沈んではいませんか?
まだ沈んでいないですね。楽しいなと思います。まだ楽しさにしか気づいていなくて、これから本当の苦しさが待っているのかもしれないですが。
※甲斐翔真さんの写真1カットとサイン色紙を、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。この下の応募フォームからご応募ください。応募締め切りは6月20日(月)です(このプレゼントの募集は終了しました)。有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。
今までにあまり聞いたことのなかったお話が聞けて嬉しかったです。翔真くんの舞台上でのミュージカルが大好きなんだろうなあの姿の裏にはやはり努力の人なんだろうなと改めておもいました。
これからのご活躍も楽しみにしています!
『RENT』の手探りマークが印象に残っていて、何度か劇場でお見掛けしてお若いのに勉強熱心な方と思っていたのですが、『October Sky』大阪公演を全通する機会があり、どんどん会場の響かせ方を身に付けていく様子に感動しました。
『next to normal』もあの面子に喰らい付いていて素晴らしかったです。
これからも楽しみにしております。
以上
コロナ禍でのミュージカルデビューから早3年、拝見する度に進化が止まらない甲斐くんに毎回エネルギーをもらっています!そんな甲斐くんの舞台に対する感情や将来への想いが知れて私も頑張ろうと思えました。素敵な記事をありがとうございました!
娘が翔真君の大ファンです。全ての公演追いかけてます。私も一緒に行ってます。こっそり応募してもし当たったら 狂喜乱舞。
ステキなお写真をありがとうございます。Tweetを見つけてすぐに有料会員になりました。
コロナ禍でのミュージカルとの関わり方もインタビューしてくださってありがとうございました。