Musical『The Parlor』が2022年4月29日(金・祝)から5月8日(日)まで東京・よみうり大手町ホールで、5月14日(土)と15日(日)に兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールで上演されます。小林香さんが創作するオリジナルミュージカルで、主演は、美弥るりかさん(孤高のゲームクリエイター・円山朱里)です。朱里の曽祖母・祖母・母が、「談話室」・「美容室」・「喫茶室」と、形を変えながら3世代にわたり連綿と守り継いできた「ザ・パーラー」を舞台に、女性たちの物語が描かれます。
アイデアニュースでは、美弥るりかさんにインタビューしました。合同取材と独自インタビューの内容を、上、下に分けてお届けします。「上」では、脚本を読んで感じたこと、役と自身がリンクすること、小林香さんの稽古場で感じていること、アレクサンダー・セージ・オーエンさんの音楽のことなどについて伺った合同インタビューの内容と写真を掲載します。「下」の無料部分では、宝塚OGの剣幸さんと花乃まりあさんとの共演について伺った合同取材の内容を紹介します。有料部分では、美弥さんにとっての「ザ・パーラー」のような場所のこと、役とご自身が重なることについての具体的なお話、『ヴェラキッカ』のこと、『The Parlor』を楽しみにしている方へのメッセージなど、独自インタビューの全文を掲載します。写真は全て独自撮影です。
ーー本作に出演が決まったときのお気持ちを教えてください。
小林香さんとは、以前ご一緒したことがあります。「新しく本を書くので、出演してほしい」とお声がけいただき、とても嬉しかったです。ぜひ挑戦したいと思いました。ご自身で生み出された作品を、「ぜひやってくれませんか?」と言っていただけるのは、とても光栄なことですから。その人にしか生み出せない作品の登場人物として、自分が生きていくというのは、ゼロからのスタートということもあり、とてもやりがいを感じています。
ーー脚本を読まれた時の印象は、いかがでしたか。
親子三世代の話で、時代が変わるにつれて「女性の悩み」が少しずつ変化しているんです。根本的なものは変わらないのかもしれませんが。私自身も今生きながらつまづくこと、感じることともたくさんリンクするものがあるなと思いました。何より、主人公の朱里ですね。
彼女は小さい頃に母親を亡くしたりと、いろいろなものを抱えているのですが、その中のひとつに、「女性が男性よりも弱い立場でいること」があります。「それに対して立ち上がるぞ!」と思っている人ではないのですが、彼女自身が、憤りを感じているところがあります。 私自身はジェンダーは自由であってほしいと思っているので、私が朱里を演じることで、よりリアルさが出て、ひとりでも多くの人に共感していただけたり、見つめ直すきっかけになったりする人物として、演じられたらいいなと思いました。
宝塚を卒業して男役というベールを脱いで、どうやって生きたいかと考えたときに、性別に垣根なんてないのに、どうして「女優」と言うのだろうと思ったり、すごく不思議だったんです。「男役が終わったのだから、ドレスを着て歌いたいか」と言われたら、私はそうは思わなかったのです。無理することでもないし、いつかそうしたければそうすればいいと思ってきました。だから、「演じることにおいて性別を持つ必要がない」と自然に思えて、「ジェンダーフリーな活動をしていきたい」と言うことができました。
ーーお稽古では、小林さんにはどのようなことを求められていますか?
これまで、特徴のある役が多かったので、「普通の人間」を演じたことがないんですよ(笑)。朱里が普通かというと…そもそも「普通とはなんだ」という話になってしまいますが。でも彼女は日本人であり、世代も自分と近く「この瞬間を生きている人」というキャラクターなので、私としては初めてのジャンルです。
ーー「等身大」なのですね。
「普通の人」って、どんなふうに喋るんだろうと(笑)。今までが、結構きつい役といいますか、悪役や幻だったりしたので、まず最初にそこが大きな壁となりました。もう一つ難しかったのが、出演者の皆さまがとてもハートフルな方ばかりなことです。人々が集まる場所を作りたいという思いで作られた「パーラー」に相応しい温かさを、皆さまがもっていらっしゃるので、芝居の一言一言にその温かさが滲み出ているんです。そうなると、朱里ではなく本名の私がその温もりのある場所に、つい行きたくなっちゃうんですよ。暖炉に当たりたくなってしまうといいますか。
そこが、今葛藤しているところですね。朱里としては「人と関わりたくない」ので、そういう人たちを最初は拒絶しなくてはいけないのですが、話を聞いていると「素敵だな」と自然と感じてうるうるしてしまったり。でもそうなると朱里ではなくなってしまいます。今まで味わったことのない感覚を毎日味わっています。
※アイデアニュース有料会員限定部分には、小林香さんの稽古場で感じていること、アレクサンダー・セージ・オーエンさんの音楽のことなどについて伺った合同インタビューの内容などインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。27日掲載予定のインタビュー「下」の無料部分では、宝塚OGの剣幸さんと花乃まりあさんとの共演について伺った合同取材の内容を、有料部分では、美弥さんにとっての「ザ・パーラー」のような場所のこと、役とご自身が重なることについての具体的なお話、『ヴェラキッカ』のこと、『The Parlor』を楽しみにしている方へのメッセージなど、独自インタビューの全文と写真を掲載します。写真は全て独自撮影です。
<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)
■「初めまして」の本読みの後、みんなでセッションする場がとてもよかった
■かなり濃い立ち稽古。稽古3日目にして心がすでにくっついてきている感じ
■古きよきものと、最近の流行っているリズム感が合わさっている音楽
■曲のリズムがシンコペーションの連続。いかに日本語に寄せていくか
<Musical『The Parlor』>
【東京公演】2022年4月29日(金)~5月8日(日) よみうり大手町ホール
【兵庫公演】2022年5月14日(土)~5月15日(日) 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
公式サイト
https://theparlor.jp/
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※美弥るりかさんの写真1カットとサイン色紙を、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。有料会員の方がログインするとこの記事の末尾に応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは5月26日(木)です(このプレゼントの募集は終了しました)。有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。
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■「初めまして」の本読みの後、みんなでセッションする場がとてもよかった
ーーお稽古は、そんな空気なのですね。
本読みの後、みんなでセッションする場があったんです。「初めまして」なのですが、「自分が今まで生きてきて疑問に思ったこと」とか、「男性は男性として、なぜこれが男性の常識なのかと思ったこと」について、それぞれが自分の経験談をお話ししたんです。それがまず、とてもよかったです。
「まったくなかったです」という方もいましたし、「ないと思っていたけれど、みんなの話を聞いているとストレスに思っていたかも」など、みんなポロポロ出てきました。私も先ほどお話した通り、「演じる上で『男である』『女である』になんの意味があるんだろうと思っています」と伝えました。
■かなり濃い立ち稽古。稽古3日目で心がすでにくっついてきている感じ
あとは、私の勝手な憶測ですが、多分それぞれの役とリンクしている部分を、感じるところがあるのではないかと思います。もちろん正反対の方もいらっしゃるとは思いますが、自分の生活、人生からリンクしてしまう部分があって、自分が話しているのか、役が話しているのか、分からない瞬間もきっと皆さん味わっていらっしゃるのかなと。だからこそ、自分の素直な心にあまりにも響いてしまう。台詞として聞こえるのではなく、人としてただ話しているように感じてしまって、「自分の心がすごく共鳴してしまう」みたいなことが起きるのだなと思っています。だからこそ、最初の3日でこんなにも濃厚な時間を過ごしていましたね。
香さんも、作品に対しての思いをすべて伝えようとしてくださる方なので、とにかく情報が多いんです。「この台詞はこういう風に言ってほしい。そうなるためには、過去にこういうことがあって繋がっているんだよ」というところまで言ってくださるので、最初からかなり濃い立ち稽古をしている感じです。心がすでにくっついてきている感じを、3日でこんなに味わえるということは、稽古期間は、すごく濃く生きていると実感するんだろうなと思います。
■古きよきものと、最近の流行っているリズム感が合わさっている音楽
ーーアメリカで活躍されているアレクサンダー・セージ・オーエンさんが、音楽を手掛けるとのことですが、音楽についてはいかがですか?
海外で活躍されている方が、この作品のために作ってくださる曲を歌うのが楽しみで、ドキドキしています。ずっと長年あった「ザ・パーラー」という場所は、懐かしい場所じゃないですか。「帰ってきたと思う場所は、じんわり温かかったり、ほっとしたりする」という、まさにその感覚を味わえます。プラス、私は「おしゃれさ」として感じたのですが、「現代の軽さ」のようなものが融合している印象があります。
懐かしいフォークソングと、現代の曲がミックスされた…というと素人みたいなワードになってしまいますが(笑)、古きよきものと、新しい最近の流行っているようなリズム感が合わさっていて、この作品にとても合っているなと思います。今、世界中がジェンダーなど、いろいろなことに対して積極的になりつつある感じと、ずっと守られている懐かしい場所みたいな温もりとが合わさっている感じがしました。
■曲のリズムがシンコペーションの連続。いかに日本語に寄せていくか
アレクサンダーさんが英語で歌って録音して、日本に届けてくださっているのですが、英語でこのリズムの曲を歌うとすごくかっこいいんだろうなと思います。それを日本語で表現するのは、とても難しいです。リズムがとにかくシンコペーションばかり、という印象があり、譜面として読むと時間がかかるんです。ストレスなく聴いていただきたいので、これをいかに日本語に寄せていくかですね。
きっとアレクサンダーさんのこだわりのリズムもあるかと思いますが、日本語で歌ったときにすべてできるかというと、そうではない部分も出てくると思うので、アレクサンダーさんの個性を崩さない真ん中をいい具合に選んでいけたらいいなと思います。みんなと一緒にゲームを作っていくシーンや、物語を進めていく上での心情を歌う曲など、どういう曲になるのか楽しみにしていてください。
※美弥るりかさんの写真1カットとサイン色紙を、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。この下の応募フォームからご応募ください。応募締め切り5月26日(木)です(このプレゼントの募集は終了しました)。有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。
美弥さんが演じることにとても意義があり、ご自身にとってもやりがいのあるお役に出会われたことを感じ幸せな気持ちになりました。
お気持ちが丁寧に綴られた文章にナチュラルな雰囲気の素敵なお写真達、今回も上下に渡って中身が濃く、質の高い記事を読むことができ嬉しく思っています。ありがとうございます。
公演も全公演完走。たくさんのメッセージが込められていて、出会えて本当に良かったと思える素晴らしい作品でした。
TheParlor、東京公演、拝見しました。
前作ヴェラキッカは、幻想の中に惹き込まれての感動でしたが、等身大の現代の女性を生きる美弥さんの繊細な演技は、ジワリと心に染み渡る感動でした。兵庫公演も楽しみにしています。
ステキな記事をありがとうございます😊
何よりもお写真が素敵でドキドキしちゃいます💓
初めて演じる等身大の“普通の”役どころ…濃密なお稽古…尊敬する大先輩との共演…インタビューを読んで、ますます「The Parlor」が楽しみになりました‼️
美弥さんが今、巡り会うべくして巡り会った作品のような気がします😌
ポートも、どれも透明感があって素敵ですね✨
オリジナルのミュージカル楽しみにしてます。色々な苦労もおありでしょうが!美弥さんの新しい姿が観られると思うとワクワクします。岩村さんの写真もとても素敵でした。