2022年4月29日(金・祝)から5月8日(日)まで東京・よみうり大手町ホールで、5月14日(土)と15日(日)に兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールで上演されるMusical『The Parlor』で、主人公の円山朱里を演じる美弥るりかさんのインタビュー後編です。「下」の無料部分では、宝塚OGの剣幸さんと花乃まりあさんとの共演について伺った合同取材の内容を、有料部分では、美弥さんにとっての「ザ・パーラー」のような場所のこと、役とご自身が重なることについての具体的なお話、『ヴェラキッカ』のこと、『The Parlor』を楽しみにしている方へのメッセージなど独自インタビューの全文を紹介します。写真は全て独自撮影です。
ーー共演者に宝塚OGの剣幸さんと、花乃まりあさんがいらっしゃいますが、いかがですか?
個人的な話になりますが、剣さんがトップで活躍されていたときの月組が大好きだったんです。まさか同じ舞台に立てるとは思っていなかったので、共演できると伺ったときはとても興奮しました。小学生の私に「共演できるよ!」と言ってあげたいと思いました。大尊敬している方ですし、多分、剣さんの時代に宝塚に出会っていなかったら、私は宝塚に入っていなかったと思います。宝塚へのきっかけとなった方ですから、その方とお会いできて、言葉を交わし、お芝居を近くで感じて学ぶことができるということを奇跡のように感じています。ただのファンですよね(笑)。すごくファンなので、本当に嬉しいです。
剣さんは、お会いするととても自然体でいらして、心が広く、思っていた通り……いやそれ以上に素晴らしい方でした。ファンでありつつも、普通に一人の人としても自然に会話ができてしまうような魅力のある方ですね。「ファンとしての自分」と「普通に話している自分」が、今ごちゃごちゃしている感じです(笑)。
ーー「ファンです」とは、お伝えしましたか?
もちろん!何度も!多分「もういい」と思っていらっしゃると思いますが(笑)。でもまだお伝えできていないことが山ほどあって、「あの作品のここが好きでした」「あそこはどういう気持ちだったんですか」とか、伺いたいことがあと何百個もあります。今日も、ひとつお聞きすることができたので、明日は次の作品の話をしようかなと。
ーー今日は、どんなお話をされたのですか?
「『天使の微笑・悪魔の涙』という小池先生の作品があまりにも好き」とお伝えしました。「すごく再演してほしいのですが、あの役をやれる方がいないと思う」と暑苦しく語りました(笑)。そろそろ『ル・ポアゾン 愛の媚薬』の話もしようかなと。少しお話したのですが、もっと「この場面のこの瞬間が好きでした」とか言いたいです。
ーーお話しされているところを、遠目で見てみたいです(笑)。
あはは(笑)。花乃ちゃんは、当時は宙組にいて、下級生のころから「すごくかわいい子がいるらしい」と噂があったんですよ。男子校の中みたいに(笑)。実際に廊下ですれ違ったときにあまりにもかわいくて、声をかけたんです。同期の男役たちといたところを、かわいすぎて上級生に捕まってしまいました(笑)。そのときに、「見た目はすごくかわいらしいけれど、とてもナチュラルな子だな」と思ったんですよね。語弊があるかもしれませんが、娘役っぽくなくて。娘役とか男役とか関係なく、上級生とも、普通に会話してくれる子なんだと好印象でした。
同期の明日海りおちゃんの相手役だった時期もありましたし、もちろん舞台も観ています。今は素敵な女優さんになられていて、実際に会ったら、思っていた以上にかわいくてびっくりしました。今回は私の母と妹という二役を演じますが、すごく難しいと思います。しかも一瞬で変わったりするシーンもあるので、心の切り替えもありますし、お客さまに「これは違う役だ」と瞬時に分からせる技術も必要だと思いますから、多分大変な挑戦になるのだろうなと思っています。今の時点でとても素敵なので、最近結婚されたという話も聞いていますし、きっと彼女が新しい生活の中で感じていることなどもリンクする部分があるだろうと思います。
一緒に受けたインタビューで、彼女が「人生のいろいろなところで、宝塚という守られていた中から飛び出して、いろいろな経験をして、自分がひとりの女性として少しずつ強くなっていることを実感しています」と話していたことが、すごく頼もしく聞こえました。きっと、彼女の人生のタイミングとしても、今回とてもいい役なのではないかと思いました。
※アイデアニュース有料会員限定部分には、美弥さんにとっての「ザ・パーラー」のような場所のこと、役とご自身が重なることについての具体的なお話、『ヴェラキッカ』のこと、『The Parlor』を楽しみにしている方へのメッセージなど、独自インタビューの全文と写真を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)
■苦しかったことも楽しかったこともひっくるめて、受け入れている過去
■朱里がゲームの世界に生きる感覚は、私の世界の中心がバレエだった時のものと同じ
■「宝塚で学んできたものの完成形」のような感覚を少し味わった『ヴェラキッカ』
■「あのとき、こうでよかったんだな」と、自分のことを愛でてあげられる時間を
<Musical『The Parlor』>
【東京公演】2022年4月29日(金)~5月8日(日) よみうり大手町ホール
【兵庫公演】2022年5月14日(土)~5月15日(日) 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
公式サイト
https://theparlor.jp/
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■苦しかったことも楽しかったこともひっくるめて、受け入れている過去
ーー「ザ・パーラーは、長年続いてきた場所」というお話がありました。美弥さんご自身にとって、大切な場所や思い出の場所、ベースとなるような場所はありますか?
きっと宝塚になりますね。「親子」ではないですが、伝統が受け継がれていくという意味では、すごく似ている気もします。今回、剣さん、花乃ちゃん、私が三世代として描かれていますが、実際私が剣さんに憧れたように、きっと花乃ちゃんも誰かのファン時代があって、憧れていた時期があったと思うんです。そういった意味でも、宝塚は受け継がれている場所ですし、そこで青春時代を過ごして、切磋琢磨して頑張った場所。みんな言葉にしなくても、「あるからこそ感じられる。心の中で手を繋いでいられるような状態」みたいなものがあるのではないかと思います。
ーー小さいころからお好きで入団された場所であり、退団されてからも想いををよせたり。そういう意味で、ご自身の中でもずっと繋がっている場所ということですか。
宝塚にいたことは過去になっていますが、いたことは変わらないですね。今はそこから新しい人生が始まっていますが、結局は上書きされているような感覚になるんですよね。苦しかったことも楽しかったこともひっくるめて受け入れている過去です。
■朱里がゲームの世界に生きる感覚は、私の世界の中心がバレエだった時のものと同じ
ーー作品のテーマなどを読んでいらっしゃって、ご自身と想いが重なる部分はありますか?
先ほど話したように、祖母と母と私が演じる朱里と、父親違いの妹がいて、みんな違う人生を歩んでいるので、それぞれ違う悩みを抱えているんですよね。それぞれ貫きたい得意分野や武器のようなものも違ったりして、そこも女性にとっては、とても勇気をもらえる瞬間がたくさんあるのではないかと思います。
朱里はゲームクリエーターですが、私も小さいころにゲームに没頭している時期があって、確かに、それは現実を忘れられている瞬間だったんですよね。その世界に自分が住んでいるかのように一喜一憂したり「絶対に勝つぞ!」と闘志を燃やしたり。ある意味、自分の心を使っているので、そこの世界を生きているわけじゃないですか。朱里は、本当にそこに生きている人なんですよね。現実には嫌なことがありすぎて、それを見たくないから常にゲームの世界に生きているようになってしまう。そういったところは、私も感じたことのある感覚です。
私は宝塚に入る前に、クラシックバレエを始めたのですが、そのときに通っていたバレエ団がとても厳しいこともあり、毎日のようにレッスンに通っていました。そのまま海外に行って学んだりもしましたが、自分の世界の中心がバレエで、学校にももちろん行ってはいましたが、それはもうオマケのオマケみたいな気持ちでした。ある意味、朱里がゲームの世界に生きている感覚と同じで、自分もそういう気持ちになったことがあるなと思ったりします。
ーー観客もそれぞれの気持ちとリンクしながら、想いを寄せながら観れそうですね。
そうだと思います。
■「宝塚で学んできたものの完成形」のような感覚を少し味わった『ヴェラキッカ』
ーー『ヴェラキッカ』は反響がすごかったと思いますが、どんな想いが残っていらっしゃるのかお聞かせください。
初日に、今まで私が味わったことがないくらいの拍手をいただいたんです。もちろん宝塚時代の拍手も熱いですが、退団するときや、おめでとうというときなど、ファンの方のいろんな想いが合わさっていると思うんですね。今回受けた拍手は、演じた世界に対する拍手に聞こえました。ヴェラキッカに出会って良かったと本当に思います。
演出家の末満健一さんが、宝塚への想いもあったりして、私に演じてもらいたいと書いてくださったこともあって、自分の中で宝塚で学んできたことをベースに演じられたところもありました。集大成ではないですが、「自分が宝塚で学んできたものの完成形」のような感覚を少し味わった感じがします。そんな感覚を、卒業してから味わうことは、なかなかないですよね。
お稽古の時間がなくて大変だった分、みんなの作品への集中力、向き合う気持ちがとても強く、だからこそ、お客さまに伝わったものもあるのかなと思います。そういった意味で、本当に生みの苦しみというか、あの作品を作るまでの大変だった分を、お客さまに救っていただいた気がします。皆さまからの熱い思いが毎日すごく伝わってきました。やってきてよかったなと、みんな思っていたと思います。
■「あのとき、こうでよかったんだな」と、自分のことを愛でてあげられる時間を
ーーありがとうございます。最後に、『The Parlor』を楽しみにしている方へメッセージをお願いします。
人生は選択の連続で進んでいくと思いますが、結構無意識に選択していますよね。私は最近寝る前に、「今日1日の選択」を思い出せる限り思い出すようにしているんです。選択とは、それくらい無意識にしていくものだからこそ、「自分で無意識に人生をつくっている」と考えるようになりました。
偶然にもこの作品では「このまま生き続けていくか、さすらい続けるか」という選択が出てくるのですが、そのように大きいことではなくても、小さい選択が1日のうちに山のようにあると思います。そういう小さい選択も、意識して大切に選択するようになると、自分で人生を創造していける、クリエイティブしていける。私自身が今実感しているからこそ、お客さまにも感じていただけたら嬉しいです。変化していくものと、ずっと変わらない温かいものを、同時に感じていただけたら。
そして、観終わったあとに、自分の人生に何かひとつでも置き換えて、「あのとき、こうでよかったのだな」と、もっと自分のことを愛でてあげられるような時間を過ごしていただけたらと思います。
※美弥るりかさんの写真1カットとサイン色紙を、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。この下の応募フォームからご応募ください。応募締め切りは5月26日(木)です(このプレゼントの募集は終了しました)。有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。
後編は、独自インタビューの内容も多いということで、美弥さんの今までのご経験や想い、内面に触れるより深掘りされた貴重な内容の記事となっており、とても読み応えがあり読むことができ良かったです。
美弥さんの素敵なお人柄や考え方に触れることができて幸せでした。
『ヴェラキッカ』への想いも伺えて嬉しく、今作品『THE PARLOR』との出会いも美弥さんにとってかけがいのないものとなっていることを願います。
The Parlorで美弥さんが演じた朱里も、とても素敵でした。
お芝居も、歌も、ダンスもすべて素敵で、また美弥さんのことが大好きになりました。
曲も名曲ばかりで、観終わってしばらくたった今も色々な思いが湧き上がってくる、暖かくて爽やかな気持ちになる舞台でした。
アイデアニュースさんの記事は、写真もいつも素敵で、インタビューも他とはひと味違う聞きたかっことが読めるのでいつも注目しています。
今回も良いインタビューをありがとうございます。
観劇してから上下続けて読みましたが、(下)の有料会員限定部分の最後のお話がとても心に響きました。
ヴェラキッカについてのお話も読めて嬉しいです。
前回のノラの扮装写真同様、今回のお写真も素敵なものばかりでありがたいです。
また美弥さんの記事が読めますように。