「みんな頑張ってるよね」、『雨が止まない世界なら』海宝直人・内藤大希・spi（下）

ミュージカル俳優、クリエイターとしてマルチに活動し、YouTube「クロネコチャンネル」のホストも務める西川大貴さんと、ジャズピアニストとして国内外で活動する桑原あいさんがコロナ禍に書き上げたミュージカル『雨が止まない世界なら』のコンセプトアルバムに参加された、海宝直人さん、内藤大希さん、spiさんの鼎談、後編です。

「下」では、三人で話すのは初めてというみなさんに自由にお話しいただいたことや、今後の日本のミュージカル界について考えていることやそれぞれの抱負、今回の経験を踏まえて今思うことなどについて話してくださった内容を紹介します。

ーーこの機会を利用してお話したいことなどありましたら、ぜひ自由にお話しください。

内藤：二人の共演は『RENT』だよね？

spi：そうだね。

海宝：初めてはそうだね。

内藤：何歳の時？

海宝：何歳だろう、2012年かな？

内藤：10年前か。

spi：そんなに経つんだ。

内藤：その後の共演は？

海宝：『TENTH』かな。

spi：あなた達とは住む世界が違うので。二人はキラキラした感じだけど、僕はそういうのじゃないから。

内藤：spiが一番キラキラしてない？

海宝：ギラギラかな？

spi：お二人と一緒にお話させていただいてありがたいです。

海宝・内藤：（笑）。

内藤：全然話が違うんだけど、spiは現場で一緒の時以外は、まったく連絡取れないよね

spi：そんなことなくない？

内藤：もうレアすぎて！

spi：みんなそうじゃない？海宝とプライベートで遊んでる人知らないもん。

海宝：確かに、それはそうかもね。

spi：（コロナ禍前に）大希は一緒にディズニーシーとか行ったじゃん。

内藤：（コロナ禍前に）温泉にも行ったりね。それなのに、現場が終わって連絡すると無視だからね。

海宝：逆にそれが怖いんだけど。

spi：えー！ひどいんだけど。そんなことないだろ。

内藤：忙しいから予定が全然合わなくて。

海宝：忙しいのはしょうがないね。

spi：二人もすごく忙しいじゃない？大活躍じゃん！

海宝：みんな頑張ってるよね。

内藤・spi：頑張ってるよね。

※アイデアニュース有料会員限定部分には、三人で話すのは初めてというみなさんに自由にお話しいただいたことや、今後の日本のミュージカル界について考えていることやそれぞれの抱負、今回の経験を踏まえて今思うことなどについて話してくださった内容などインタビューの後半の全文を掲載します。

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■spi：にわかファンも含め、どんどん皆で面白くして行こうよみたいなところも

■海宝：王道のミュージカルと2.5次元系の垣根は、ほぼグラデーションになっている

■内藤：英語と日本語のジレンマとかはわからないけど、今回、自信が湧いてきた

■内藤：嬉しすぎて、想いがうまくまとまらない spi：まだ話したいことあったもんなぁ

■海宝：もう朝からマクドナルドは食べないね？内藤：えっと…食べちゃうんだよね

＜ソングサイクル・ミュージカル『雨が止まない世界なら』コンセプトアルバム＞
「雨がずっと止まなかったら？」“降り止まない雨”をテーマに綴った 20 曲の短篇集ミュージカル
作詞・構成西川大貴　作曲桑原あい

発売日：2022年6月30日（木）
定価：4,200 円（税込み）

【収録曲（全21曲）】
1. 今日も窓が濡れる / 小此木麻里・清水彩花・田中秀哉・畠中洋
2. 狐雨の頃 / 海宝直人
3. 雨蛙の主張 / 土居裕子・畠中洋
4. news#1 / 内海啓貴（語り）
5. 逃げのびるだけでいいだろう / 西川大貴
6. 海に潜ったクジラ / 田村芽実
7. 知ろうとしない / 鈴木壮麻
8. 正気を気取った狂人 / 内藤大希
9. 今ならきっと / 豐原江理佳
10. We’re Singin’ in the Rain / 昆夏美と雨が止まない合唱団
11. Blue Blue Earth / 七尾旅人
12. 東京漂流 / 咲妃みゆ
13. NEWS!NEWS!NEWS! / 伊藤広祥・塚本直・松原凜子・山野靖博
14. news#2 / 内海啓貴（語り）
15. 空に飛ばす手紙 / 田村芽実
16. news#3 / 内海啓貴（語り）
17. きっとまだ / spi・吉沢梨絵
18. 舟を漕ごう / 西川大貴
19. 世界は変わってない
20. Epilogue D.C.

Piano 桑原あい、Violin 吉田篤貴、2nd Violin 地行美穂、Viola 世川すみれ、Viola 三品芽生、 Cello 島津由美、Bass 勝矢匠、Drums 山田玲、Guitar 伊藤ハルトシ

雨が止まない合唱団：内海湧真・河本雪華・小林謙真・佐藤孔明・二宮伶寧・平賀晴
Voice：吉田玲菜 Tap：西川大貴

特設サイト: https://ame-musical.com/
Twitter: https://twitter.com/ame_musical
Instagram: https://www.instagram.com/ame.musical/

Teaser i（CM）: https://youtu.be/crEJ37jcF3I
Teaser ii（レコーディング風景）: https://youtu.be/ktQZeCEbNLY
楽曲ダイジェスト：https://youtu.be/8phzKRaurLE

製作・企画・制作
「雨が止まない世界なら」実行委員会 / クロネコチャンネル / Setsuna

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■spi：にわかファンも含め、どんどん皆で面白くして行こうよみたいなところも

ーー皆様は、今、30代半ばで、作品で主要なポジションを任されることも多く、いろんな場面で感じたり考えることもあるかと思います。その皆様が、今後の日本のミュージカル界をどう展望していて、どうしていきたいと思っているか、もしくは具体的に考えていないでももちろんいいのですが、何かお聞かせいただけますでしょうか。

海宝：難しいですね。

spi：僕は「ミュージカル界」というものが何を指すのかが分かってはいないのですが、日本でミュージカルや舞台をやるうえで、単純に若い子たちが、「楽しい！私も僕もやってみたい！」でいいかなと思っていて。そういう素敵な世界があって、それをものすごく必要としている人もいて、自分は歌ったり踊ったりはできないけれど、そういう人達を観に行きたいという人達もすごく沢山いて、にわかファンも含めて、どんどん皆で面白くして行こうよみたいなところはあっていいのかなと思っています。

現段階でも全然負けていないですが、いずれは日本のカンパニーでも海外に、もっと世界に羽ばたけるように、手助けできる歯車の一部であり続けたいという気持ちがあります。そして、もっと新しい感覚、もっとポップな感覚を、取り入れていいのかなと思ったりしていますね。あまりクラシックな考え方で、敷居がどうとかではなくて、江戸時代の歌舞伎みたいな感じで、幅広く皆で「楽しいものだよね、おもろいからええやん」みたいな、難しく考えなくていいじゃんみたいな感じで、観劇人口が広がっていったらいいなと思ったりしています。

■海宝：王道のミュージカルと2.5次元系の垣根は、ほぼグラデーションになっていると思う

海宝：特に大希くんとspiは、レミゼやジャージー・ボーイズなどの王道のミュージカルから、2.5次元系もやっていて、だんだんそういう時代にはなっていくんだろうなとは感じています。そこの垣根は、もうほぼグラデーションになっていると思っていて。来年は、帝劇で『SPY×FAMILY』をやりますよね。

内藤：そうだよね。

海宝：そういう意味では、漫画やアニメも日本のすごいカルチャーだと思いますし、映像ならば『ワンピース』をNetflixで実写で作っているくらい、日本の強いコンテンツが海外に出て行っていて、とても面白いなと思います。その先頭を走っている二人なんだろうなとすごく期待しています。その中で、海外と仕事をしていくというのは、自分の中での目標ではあるので頑張っていけたらと思っていますね。

トニー賞を見ながら、凄すぎて化け物だなと思いつつ、自分も頑張らなければと思います。確たる何かがなければ、残り続けることも難しい世界ですし、そこで自分がやりたいとか、オリジナルミュージカルをと思うのであれば、「この人が出ているなら観たい」と思ってもらえるものも必要なんだろうなと。

特に日本では、名前で観に来てくださるお客さんが多いので、実力さえあればいいんだと言っているわけにもいかないとも思います。何が自分の武器になって、第一線に立ち続けられるのだろうなというのは考えていますし、海外で何か仕事をするということも、ひとつの大きな目標として、ずっとある感じですね。

■内藤：英語と日本語のジレンマとかは僕にはわからないけど、今回自信が湧いてきた

内藤：二人の話を聴くと、30代ってすごく考えているんだなと思います。自分はそういうことを全く考えていないですが、今お話を聴きながら、生産者が見えることって、日本人はすごく安心するんだな、野菜とかだけでなく「国産」は大事だなって。……何も考えていないヤツここにいました（笑）。

spi：大希はそれでいいんだよ！それでいいと思う。それが最高だもん。

内藤：二人と何が違うって、spiも海宝くんも英語を喋れるじゃない？それって海外作品において、すごく強いんだよね。spiが言った、英語と日本語のジレンマとか、僕はわからないから。でも、そういう人がいて刺激をもらえるから、その中でこの仕事を続けていけたらいいなと思います。

海宝：いや、まだまだ全然だよ。

spi：うん。一緒にやろう。大希は俳優以外無理だしな。

内藤：そうだよね。仲間がいるから頑張ることができる、というのはありますね。二人を含めて、このアルバムに参加された方々が、本当にトップの人達だなと思ったんです。ミュージカルの最前線の人が沢山いるじゃないかと思ったら、自信が湧いてきて。

海宝・spi：そうだね。いいね。

■内藤：嬉しすぎて、想いがうまくまとまらない spi：まだ話したいことあったもんなぁ

内藤：今日は、二人と話せていることが嬉しすぎて、想いがうまくまとまらないんです。

spi：話し足りないんだよね。まだ話したいことあったもんなぁ。

内藤：うん、もっと喋りたいなぁ。本当になかなか会えないから。海宝くんは昨年夏に帝劇でばったり会ったぶりだし、話したいことが山程あるのに、気持ちが先走ってしまう。僕も含めて、30代は20代よりも体が重くなってきてしまうので、体のケアも大事にしながら、日々の仕事に向き合っていきたいと思います。

■海宝：もう朝からマクドナルドは食べないね？内藤：えっと…食べちゃうんだよね

海宝：いいことだね。じゃあ、もう朝からマクドナルドは食べないね？

内藤：えっと……食べちゃうんだよね（笑）。

海宝：いい加減にしなさいよ（笑）。もう本当にいい年だからね！

全員：（笑）。

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