「第3幕は韻文。生演奏もあって、ラップのような」、『血の婚礼』安蘭けい(上)

安蘭けいさん=撮影・NORI

スペインを舞台にした愛の悲劇『血の婚礼』が、2022年9月15日(木)から10月2日 (日)までBunkamuraシアターコクーンで、10月15日(土)と10月16日(日)に梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで上演されます。

スペインの伝説的劇作家フェデリコ・ガルシーア・ロルカによる官能的名作悲劇であり、ロルカの3大悲劇の1作でもある本作は、実際に起きた事件を元に、1932年に執筆され、翌年にロルカ自身の演出によりスペインで初演、同年にアルゼンチンでも上演されました。一人の女をめぐり、男二人が命を懸けて闘う、愚かしいほどの愛と衝動の物語です。アイデアニュースでは、その男のひとりである花婿の母親を演じる安蘭けいさんにインタビューしました。

「上」では、稽古のこと、作品の構造のこと、新たな翻訳によるこれまでの上演との解釈の違い、杉原さんの演出のこと、共演する木村達成さん、須賀健太さん、早見あかりさんとの稽古場での交流などについて伺った内容を紹介します。「下」では、今回の「母親」役のこと、 久しぶりのストレートプレイへの想い、芝居のこと、この作品の魅力などについて伺った内容と、読者の方へのメッセージ紹介します。

安蘭けいさん=撮影・NORI
安蘭けいさん=撮影・NORI

――稽古のご様子は、いかがでしょうか?

立ち稽古が2巡目というところです。この作品は3幕もので、1幕と2幕が休憩前、3幕が休憩後という構成になっています。一番最後のシーンは今の段階では、まだ1回も稽古していません。 第3幕は、ちょっと毛色が違うシーンになりそうで、そこの振り付けを現在進行形でやっているところです。

――振り付けされる場面があるというのは、意外です。

『血の婚礼』の台本には、散文と韻文の二つの部分があります。散文は会話劇、韻文は詩的なところになります。3幕は詩的なところがかなり多くて、振り付けというかステージングで、動きを絡めて付けています。 

3幕は主に動きも付けながら台詞を言うシーンが多いので、会話劇というより動きありきになります。これは、そういう風に演出の杉原邦生さんがされているのだと思います。しかも生演奏ですから、演奏の中で台詞と音楽が絡んでいきます。

――一般的に想像されるタイプの会話劇ではないということでしょうか。

会話劇の要素もありますが、第3幕は韻文で、自分の思いを詩のように言っていきます。いわゆるミュージカルで言う歌の部分にあたります。杉原さんは「ラップのような」とおっしゃってました。話し言葉ではない部分が多いです。ギリシャ神話やシェイクスピアではよくあるような、海外の戯曲ならではのシーンや台詞回しです。そういうシーンが3幕に突然現れるので、「1幕で観ていた芝居とは、別の作品になってしまったのかな?」という印象を受けるかもしれません。

――この作品ならではの面白さや難しさについては、どのように感じていらっしゃいますか?

今回の台本を書かれた田尻さんは、 劇団でずっとスペインの戯曲に取り組んでいらっしゃって、コロナ前は毎年1 度、スペインでもスペインの戯曲を日本人で上演されていたんです。スペインについて本当によくご存知の方に翻訳していただいています。

※アイデアニュース有料会員限定部分には、新たな翻訳によるこれまでの上演との解釈の違い、杉原さんの演出のこと、共演する木村達成さん、須賀健太さん、早見あかりさんとの稽古場での交流などについて伺った内容などインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。13日掲載予定のインタビュー「下」では、今回の「母親」役のこと、 久しぶりのストレートプレイへの想い、芝居のこと、この作品の魅力について伺った内容や読者の方へのメッセージなど、インタビューの後半の全文と写真を掲載します。

<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)

■新しい翻訳での『血の婚礼』。これまでとは解釈が違っているのが面白くも難しい

■「演出家先生」という雰囲気ではない杉原さん。笑いが絶えない稽古場になっている

■友達同士のような木村さん、須賀さん、早見さん。私は「近所のおばちゃん」みたい

■木村さん、須賀さん、早見さんを見守るだけではなく、どんどん関わっている

<『血の婚礼』>
【東京公演】2022年9月15日(木)~10月2日(日) Bunkamura シアターコクーン
【大阪公演】2022年10月15日(土)~16日(日) 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ 
公式サイト
https://horipro-stage.jp/stage/chinokonrei2022/

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安蘭けいさん=撮影・NORI
安蘭けいさん=撮影・NORI

※ここから有料会員限定部分です。

■今回は、新しい翻訳での『血の婚礼』。これまでとは解釈が違っているのが面白くも難しい

『血の婚礼』は日本でも何度か上演されていますが、また新しい翻訳なので、ほかの方の翻訳で読んだ『血の婚礼』とは解釈が違っていたりするのが面白くもあり、難しいところでもあります。

独特の台詞回しだったり解釈だったりするところがあり、「なるほど」と思うところと、実際に喋ってみると難しいところがあるので、今は自分の台詞と戦っているところで す。

安蘭けいさん=撮影・NORI
安蘭けいさん=撮影・NORI

■「演出家先生」という雰囲気ではない杉原さん。笑いが絶えない稽古場になっている

――杉原さんの演出には、どのような印象をお持ちですか?  

舞台のデザインなどもされていて、舞台の見え方へのこだわりが、すごくある方なのだろうなと思っています。すごく気さくな人柄で、「演出家先生」という雰囲気ではなく、稽古場は笑いが絶えない現場になっています。

安蘭けいさん=撮影・NORI
安蘭けいさん=撮影・NORI

■友達同士のような木村さん、須賀さん、早見さん。私は「近所のおばちゃん」みたい

――木村達成さん、須賀健太さん、早見あかりさんとは、どのようなセッションをされているのか、印象的なことがあればお聞かせください。

彼ら3人は年齢が同じくらいで、友達同士のような雰囲気です。私は「そこに入ってる近所のおばちゃん」みたいな感じです(笑)。

――関わり方としては、距離を取っているのか、見守っていらっしゃるのか、いかがでしょうか。

見守っているようでありつつも、「何?何?」って入っていく、うざいおばちゃんになっていると思います(笑)。 仲間に入ろうとしていて……。

安蘭けいさん=撮影・NORI
安蘭けいさん=撮影・NORI

■木村さん、須賀さん、早見さんを見守るだけではなく、どんどん関わっている

――状況をご覧になるだけではなく、関わっていらっしゃるのですね。

 どんどん関わっています。彼らは、そんな私を無視しない優しい若者たちで、すごく交流しやすいというだけではなく、実際に交流できていると思います。

安蘭けいさん=撮影・NORI
安蘭けいさん=撮影・NORI

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