転校生と自閉症児の友情描いた「ふしぎなともだち」、日本絵本賞の大賞に

「ふしぎなともだち」表紙

株式会社 くもん出版は2015年4月3日、同社が2014年6月に刊行した絵本「ふしぎなともだち」が、「第20回日本絵本賞」の「大賞」を受賞したと発表しました。「ふしぎなともだち」は、島の小学校に転校してきた「ゆうすけ」が主人公です。教室には、いつも教室を出て行ってしまう自閉症の「やっくん」がいました。やっくんとゆうすけの友情を通して、この創作絵本では、障がいの有無をこえて、共に育ち、共に生きる姿が描かれています。(2015年4月3日付「株式会社 くもん出版」プレスリリースより)

「ふしぎなともだち」表紙

「ふしぎなともだち」表紙

「ふしぎなともだち」は、絵本作家・田島征彦氏が、淡路島で出会った自閉症の青年と、その同級生や先生に取材を重ねて創作されました。田島氏が作品制作を続ける淡路市では、障がい児も健常児も普通学級で共に学ぶ教育が実現している学校があります。また、自閉症などの障がいのある青年たちがメール便の配達などをして地域に溶け込んでいます。そのことを知った田島氏は「絵本にしたい」と取材を重ね、約4年かけて創り上げました。

KUMONは、障がいのある子どもにもそれぞれできることが必ずあり、それぞれの「ちょうど」の学習を通じて自分の持っている能力を最大限に高めていけるようサポートしており、田島氏が描いた絵本の趣旨に共感し出版。大賞受賞について、田島氏は「今まで作ってきた絵本の中で、これほど周りの人に喜ばれた作品はない。障がい児を持つ多くの親御さんたちに喜んでもらえ、勇気を与えられるのであれば、これ以上に嬉しいことはない」と語っています。

  • 「ふしぎなともだち」
    ■ 作:たじま ゆきひこ
    ■ 対象:小学校低学年から
    ■ サイズ:B4変型判
    ■ ページ数:40ページ
    ■ ISBN:978-4-7743-2344-2
    ■ 発行:2014年6月27日

<田島征彦(たじまゆきひこ)氏 プロフィール>

1940年大阪府堺市で生まれ、幼少期を高知県で過ごす。京都市立美術大学染色図案科卒業。絵本に『祇園祭』(第6回世界絵本原画展金牌受賞)、『じごくのそうべえ』(第1回絵本にっぽん賞受賞)『じごくのそうべえすごろく』『そうべえかるた』、『あつおのぼうけん』『ななしのごんべさん』(ともに吉村敬子・共作)『とくべえとおへそ』(桂文我・共作)『そうべえごくらくへゆく』『そうべえまっくろくろけのけ』『どろんこそうべえ』『とんとんみーときじむなー』『てっぽうをもったキジムナー』『いたずらうさぎチュローチュ』『火の笛―祇園祭絵巻』(西口克己・共作)(以上いずれも童心社)『こたろう』(吉橋通夫・共作)『はじめてふったゆき』(竹内智恵子・共作/1989年ライプチヒ国際図書デザイン展銀賞受賞)『まんげつのはなし』(住井すゑ・共作)、『みみずのかんたろう』『しちどぎつね』(いずれもくもん出版)など多数。

<日本絵本賞(にっぽんえほんしょう)とは>

公益社団法人全国学校図書館協議会と毎日新聞社によって、1995年度より「絵本芸術の普及、絵本読書の振興、絵本出版の発展に寄与する」ことを目的に創設された賞。賞には「日本絵本賞大賞」、「日本絵本賞」、「日本絵本賞翻訳絵本賞」のほか、一般の投票で選ばれる「日本絵本賞読者賞【山田養蜂場賞】」があり、対象は、前年(第20回は2013年10月から2014年9月まで)に日本において出版された絵本とされています。

☆アイデアニュース編集部より補足情報

日本絵本賞についての詳しい情報は、こちらのページに出ています

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