「大分がどこなのかもよくわかっていなかった」 DRUM TAO 岸野央明(下)

岸野央明さん=撮影・岩村美佳

DRUM TAO メンバーの岸野央明さんインタビュー後半。岸野さんご自身のお話を伺いました。太鼓に惹かれた子供の頃から、世界で活躍するようになった今のお話です。

岸野央明さん=撮影・岩村美佳

岸野央明さん=撮影・岩村美佳

――岸野さんはどんな経緯でTAOを知ったんですか?

僕は地元(東京・大田区)にある和太鼓グループに所属していました。だから和太鼓自体は触っていたのですが、それは祭り的な感じで、どちらかというと演奏とは違うものでした。和太鼓という楽器自体に興味があっただけです。高校生活が終わる頃、何をしようかと考えていたんですが、TAOの人と知り合うきっかけが縁で、こういう人たちがいるんだと知り、参加しました。

――最初に和太鼓のグループに入ろうと思ったきっかけは何ですか?

父親がやっていたので、自然にはじめました。

■小さい頃から和太鼓が家にありましたが、「じじくさいな」と思っていて(笑)

――何歳頃?

小さい頃から和太鼓が家にありましたが、「じじくさいな」と思っていて(笑)。最初は全然好きじゃなかったんです。小学校高学年の頃に、お祭りで叩く機会があり、やってみたら楽しくて。中学生に入ってグループに参加するようになりました。今でも家に太鼓はありますよ。

――私の周りには和太鼓が自然にはなかったので……。

普通そうだと思います(笑)。

――(笑)。どうやって太鼓を始めようと思うのかなと不思議に思っていたんです。

そうですよね。

――TAOの先輩に出会ったことで、将来の進路を決めたんですね。それで大分(TAOの本拠地)に行くことになるんですね。かなりの決心じゃないですか?

あまり深く考えてなかったですね(笑)。

岸野央明さん=撮影・岩村美佳

岸野央明さん=撮影・岩村美佳

■「この飛行機に乗っていけば着くぞ」と言われて旅立ったような感覚

――そうなんですか!? 東京から大分に行くのはかなり環境が変わりますよね。

今思うとそうなんですが、大分がどこにあるのかもよくわかっていなかったですね。

――(笑)。

「この飛行機に乗っていけば着くぞ」と言われて旅立ったような感覚です。着いたらびっくりでした。

――山ばかりだった?

そうそう(笑)。

――参加されていかがでしたか?

東京にいたときと、全く違う生活環境でしたから、楽しいというよりは、新鮮なことが次々と現れるので、マンネリ化することがなく、続けられたんじゃないかと思います。

「2016年ニューヨーク公演」より

「2016年ニューヨーク公演」より

<DRUM TAO 舞響 ~Bukyo~ 踊る〇太鼓(おどるわだいこ)>
【東京公演】2016年07月15日(金)~2016年07月24日(日) 東京都Zeppブルーシアター六本木
[お問い合わせ] サンライズプロモーション東京0570-00-3337

<DRUM TAO 舞響 ~Bukyo~ 踊る〇太鼓(おどるわだいこ)>(東京以外の7月の公演予定)
【岡山公演】2016年07月02日(土) 岡山県勝山文化センター ポンテホール
【兵庫公演】2016年07月03日(日) 兵庫県あましんアルカイックホール
【岐阜公演】2016年07月05日(火) 岐阜県飛騨市文化交流センター スピリットガーデンホール
【富山公演】2016年07月06日(水) 富山県南砺市井波総合文化センター メモリアホール
【愛知公演】2016年07月08日(金) 愛知県日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
【愛知公演】2016年07月09日(土) 愛知県アイプラザ豊橋 講堂
【静岡公演】2016年07月10日(日) 静岡県静岡市清水文化会館マリナート 大ホール
【栃木公演】2016年07月26日(火) 栃木県那須町文化センター
【山形公演】2016年07月27日(水) 山形県米沢市市民文化会館
【秋田公演】2016年07月29日(金) 秋田県大館市民文化会館 大ホール
【青森公演】2016年07月30日(土) 青森県八戸市公会堂 大ホール
※8月以降も全国各地で上演予定。詳しくは DRUM TAO のスケジュールのページをご覧ください
http://www.drum-tao.com/main/archives/schedule

<関連ページ>
DRUM TAO ⇒http://www.drum-tao.com/main/
岸野央明ブログ ⇒http://tao-kishino.blogspot.jp/

<アイデアニュース関連記事>
「ショーアップする舞台に特化して」、DRUM TAO 岸野央明インタビュー(上)
https://ideanews.jp/backup/archives/23205
「大分がどこなのかもよくわかっていなかった」 DRUM TAO 岸野央明(下)
https://ideanews.jp/backup/archives/23207

<プレゼント>

岸野央明さんのサイン色紙と写真1枚をセットにして、抽選でアイデアニュース有料会員(月額300円)3名さまにプレゼントします。応募締め切りは7月12日(火)。当選者の発表は発送をもってかえさせていただきます。応募は以下のフォームからお願いします。応募の際に記入いただいたメッセージは、コメントのページ(⇒こちら)に掲載します。アイデアニュースの会員登録は ⇒ここをクリックしてください

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■娯楽は何もなかった。コンビニまで車で30分かかるんですよ

■甲子園球児のような感覚。20代前半まではそんな生活

■イスラエル公演、扉の外に行列ができると危ないからと、警察が毎回来て

■将来的には常設の劇場でTAOを見られる環境を作りたい

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――今は大分にいることは多くはないんですか?

公演でいろんな場所に行くことが多いので、大分にいる時間は少なくなりました。僕が入った頃は今のような公演回数ではなかったので、本拠地で稽古している期間が多かったです。もちろん入ったばかりの新人ということもありますね。

――最初にステージに立ったときのことを覚えていますか?

大阪厚生年金会館で、出番は一瞬でした。でも、それを目指して何カ月も稽古していたので、舞い上がっていましたね。楽しかったことしか覚えていないです。

――プロになってステージに立つというのは……

やはり違いますね。でも、仕事だという意識はなかったと思います。ずっと夢中で稽古していて、何かを達成することだけを考えてやっていたので、他のことを考える余裕がなかったんです。最初の3〜4年はそんな感じでした。

■娯楽は何もなかった。コンビニまで車で30分かかるんですよ

――他に目が移ることもなく、飽きることもなく、ひたすらの日々ですね。

娯楽が何もなかったですから。

――娯楽を求めることもなかった?

思ってもどうにもならない環境でしたね。コンビニまで車で30分かかるんですよ。

――え!?

車も持っていなかったですし、走っていったらおそらく半日ぐらいかかりますね(笑)。

――(笑)。お菓子ひとつ買いに行けない環境ですか。

そんなら練習しとくかってなりますよ(笑)。

■甲子園球児のような感覚。20代前半まではそんな生活

――アスリートのようですね。脇目もふらず、ひたすら打ち込むような。

そうですね! 甲子園球児のような感覚はありました。20代前半まではそんな生活でした。

――いろんな場所に行くようになった今の生活はいかがですか?

とっても楽しんでいるというのが正直なところです。そもそも、そういう環境がTAOに魅力を感じたところでもあったんです。いろんな場所に旅していくというのがいいなと思っていました。日本だけでなく、いろんな国にも行きますし、楽しいですね。

岸野央明さん=撮影・岩村美佳

岸野央明さん=撮影・岩村美佳

■イスラエル公演、扉の外に行列ができると危ないからと、警察が毎回来て

――記憶に残っている国はありますか?

どこも印象に残っていますが、なかなか行けなかったイスラエルは思うところがありました。

――というのは?

普通じゃ来れない環境なんですよ。危険な時期だったようで、飛行機が降りた瞬間に拍手が起きました。

――「よく来てくれました!」という感じ?

いえ、「無事に来てくれました!」って。

――そんなに!?

そのとき、「そんなに!?」って僕たちも思いました(笑)。当時はテロが頻繁に起きている時期でした。人が集まるところにテロが集中するので、劇場はまさにそういうところだったそうです。

――先日の痛ましいフランスのテロでも劇場が狙われましたね。

開場時間まで扉を開けないので、扉の外に行列ができると絶対に危ないから、警察が毎回来ていました。危ないから開場を早くして、行列をつくらないようにするんです。そういう危険も承知の上で、観客の方が来てくれるので、やりがいがありました。

――危険があっても見たいと来てくれるとはすごいですね。

■将来的には常設の劇場でTAOを見ることができる環境を作りたい

――今後目指すことをお聞かせください。

まずはできあがったばかりの作品を自分たちが満足できるレベルまで持っていき最高の作品に仕上げていきたいです。日本は全国を回らせて頂きますが、世界まで持っていきたいです。今、2班で活動しているのですが、将来的にはツアーで回ることに加え、常設の劇場を構えて常にTAOを観ることができる環境を作りたいと思っています。ニューヨーク、ロンドン、東京で常設できるような環境づくりを目指しています。なによりメンバーの育成をしなければできませんから、力を入れていきたいです。

――目指す先が大きいですね。

今から加速していきそうな気がしているんです。

――ニューヨークでの奇跡を弾みに、さらなるご活躍を期待しています。

ありがとうございます。

岸野央明さん=撮影・岩村美佳

岸野央明さん=撮影・岩村美佳

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