字說台灣:(5)新しい風が吹く迪化老街のコーヒーショップで「沖縄の三線体験」 

三線同好会(和訳:三線仲良会)の人々=写真提供・Flora

アイデアニュースの購読者の皆様、ご機嫌いかがでしょうか?

今回は、台湾の町の風景を皆さんにも見て頂きたいと思い、皆さんを台湾の「大稻埕」という町にお連れします。そして、「大稻埕」で発見した、特色のあるコーヒーショップを皆さんにも楽しんで頂きたいと思います。

■古い町に新しい風を吹かせるため、芸術の要素がどんどん取り入れられました

大稲埕には、その昔繁栄を極めていた場所として有名であった「迪化老街」があります。今は、春節前に旧正月に使う食品や雑貨を買うお客さんが殺到し、大混雑することで有名です。

日本統治時代は、台湾の各種雑貨とお茶を中心に扱う商店が軒を連ね、後年は、お米や繊維(布)、漢方薬なども進出した商業の中心地でした。ここ数年、台湾では古い町に新しい風を吹かせるため、迪化老街にもアートや文化に関連するものなど、芸術等の要素がどんどん取り入れられました。古い建物をリフォームしてお土産を販売、または、台湾の特色を表すアート品の販売や、コーヒーショップも急速に増えています。

筆者が、迪化老街をぶらぶらしていたら、なんだか楽しい音楽が聞こえてきました。コーヒーショップの中から流れてきた気がしたので、思わずそのお店の方に行ってみました。

拾肆號洋行=撮影・Flora

拾肆號洋行=撮影・Flora

沖縄の三線体験の看板が見えました。興味津々に中を覗いてみたら、わいわい三線を練習している若者がいました。「どうぞ、中に入ってください!」マスターらしき人に誘われ、お店に入り、一休みすることにしました。コーヒーを待っている間、マスターに話を聞いてみたところ、なんとここは、沖縄の音楽が大好きな人達の集まりの場であるということでした。

「お酒は販売していないですが、お酒があれば沖縄の居酒屋にいると錯覚してしまうかもしれませんよ」と、マスターは笑いながら話しをされていました。

■「ウクレレもいいが、この地域、古い建物に相応しい音楽、または芸術はないのか」と

なぜ、沖縄なの?なぜ三線なの?という疑問に、マスターは、「本当はね、最初にウクレレ発表会のための貸切イベントを行ったのですが、ウクレレの音楽に囲まれ大盛況ではあったのですが、ふと『ウクレレもいいが、この地域、つまり古い建物に相応しい音楽、または芸術はないのか』と思ったんです!」と。で、その後、台湾の楽器「月琴」の勉強会を開催したり、陶器アートの教室も行ったとか。さらに、台湾の芸術家の作品にも積極的に取り組んできたとのことでした。そして、去年の夏、三線との出会い。マスターの友人、今ここで教えている三線の先生との雑談の中で、先生から「堅苦しい稽古場というよりも、同志がお互いに楽しみながら学べる場が良いな」と言われ、「それなら、ここが最適なのではと思い、三線体験を始めることにした」ということでした。なるほど!

マスターの許可を頂き、今回のコラムにお店の中の写真を掲載できることになりました。

三線同好会(和訳:三線仲良会)の人々=写真提供・Flora

三線同好会(和訳:三線仲良会)の人々=写真提供・Flora

お店の情報は、下記の通りです。台湾観光、または大稲埕に来られることがありましたら、是非行ってみてください。「アイデアニュースの紹介を見ました」と言って下されば、プレゼントを進呈してくれると言って下さっています。きっと、いつもの旅行と違う楽しさが味わえると思います。是非お運びを!

※拾肆號洋行 基本情報
店名: 拾肆號洋行
住所: 台北市大同區迪化街一段14巷8號
電話番号: 02 2549 0168
営業時間: 10:30-18:30
定休日: 毎週月曜日
日本語: 可
公式サイト: https://www.facebook.com/oldBike14/
行き方: 台北MRT北門3番出口から出て、塔城街方面にまっすぐ進み、大稲埕商圏に入り、一つ目の交差点に左側です。
地図

こちらは、マスターが送ってくださった動画です。2017年5月11日に行われた大稻埕イベントの記者会見で、三線を披露したそうです(動画提供:藝術單細胞)。

※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、沖縄の三線体験ができる「拾肆號洋行」の店内に自転車が並んでいる理由などについて説明していただいた内容を掲載しています。また、この店以外の「大稻埕」の町の様子を、動画と写真で紹介します。さらに、日本語の「勉強しています」や「ご自愛下さい」が中国語ではまったく別の意味になることなどを説明しています。

<有料会員限定部分の小見出し>

■昔ながらの町=大稻埕、建築から漢方薬から雑貨まで幅広く楽しめる所

■大稲埕の風景を動画でご覧ください

■日本語ができるマスターは「東京デザイナー学院」の出身でした

■一番気になったのは、早霧さんが出演された「ローマの休日」の「ベスパ」!

■迪化老街でのイベントに沖縄観光局の方も駆けつけてくれたそうです

【中国語タイム】

■日本の漢字は、ちょうど台湾と中国の間にあると言えるのかも

■日本の漢字「切手」、「切符」、「汽車」はどこまで漢字の意味が同じなのか?

■「日本語を勉強しています」は「日本語を、不承不承やっている」という意味に

字說台灣 関連記事:

⇒すべて見る

※ここから有料会員限定部分です。

■昔ながらの町=大稻埕、建築から漢方薬から雑貨まで幅広く楽しめる所

「大稻埕」では、日本統治時代に繊維や漢方薬が盛んになり、迪化老街の中には布、繊維の一番大きい売場の「永楽市場」がまだ現存しており、有名な漢方薬屋も何軒か営業しています。

大稻埕の建物(古い建築)=撮影・Flora

大稻埕の建物(古い建築)=撮影・Flora

大稻埕の建物(古い建築)=撮影・Flora

大稻埕の建物(古い建築)=撮影・Flora

また、大稲埕を代表するお寺があります。「霞海城隍廟」です。城隍爺は、住民の鎮守神として広く知られています。さらに、縁結びの神様の「月下老人」も祭られています。とてもご利益のあるスポットでもあります。

大稻埕 霞海城隍廟 =撮影・Flora

大稻埕 霞海城隍廟 =撮影・Flora

大稻埕 霞海城隍廟 =撮影・Flora

大稻埕 霞海城隍廟 =撮影・Flora

町風景の一角、雑貨や漢方薬、からすみ・・・・いろんな物を販売されています=撮影・Flora

町風景の一角、雑貨や漢方薬、からすみ・・・・いろんな物を販売されています=撮影・Flora

町風景の一角、雑貨や漢方薬、からすみ・・・・いろんな物を販売されています=撮影・Flora

町風景の一角、雑貨や漢方薬、からすみ・・・・いろんな物を販売されています=撮影・Flora

■大稲埕の風景を動画でご覧ください

それでは、大稲埕の町風景を動画に収めてきましたので、ご覧ください。

■日本語ができるマスターは「東京デザイナー学院」の出身でした

「拾肆號洋行」のマスターの話の中に、所々、日本語が出てきていたので、「日本語ができるのですか?」と聞いたら、なんと「東京デザイナー学院」の出身とのことでした。こんなに芸術熱心な方なのだということに、納得した次第です。

店の様子、マスターはBEGINの大ファンのようです=撮影・Flora

店の様子、マスターはBEGINの大ファンのようです=撮影・Flora

拾肆號洋行=撮影・Flora

拾肆號洋行=撮影・Flora

二階席は講座やセミナーに最適=撮影・Flora

二階席は講座やセミナーに最適=撮影・Flora

二階席は講座やセミナーに最適=撮影・Flora

二階席は講座やセミナーに最適=撮影・Flora

■一番気になったのは、早霧さんが出演された「ローマの休日」の「ベスパ」!

この店に入って、三線の音楽のほか、一番気になったのは、実は「ベスパ」! 去年、「ローマの休日」が宝塚舞台化され、私の大好きな早霧さんが出演された作品です。それでテンションが上がり、「これはローマの休日」に使われたベスパですかと聞きました。すると、なんと映画に使用された車種と同じものだとのことでした。乗りたい!と思いながら、壊すと大変なので、写真撮影だけにしました(笑)。

映画「ローマの休日」に使われたベスパと同じ車種、1955年=撮影・Flora

映画「ローマの休日」に使われたベスパと同じ車種、1955年=撮影・Flora

ベスパのほかに、たくさんの古そうな自転車が飾られています。たくさんの自転車の歴史を紹介してもらい、2階席にも案内してもらいました。たくさんのアンティークが展示されていて、古今東西の世界です。筆者はカオスな状況に堕ちってしまいました。よくよく聞いたら、「そもそも、この店を開設前にバイクや自転車が大好きな人々の交流の場として、このように私が入手したアンティークを展示した。しかし、交流の場でしたら、飲み物がほしくなったり、ケーキが欲しくなったり。。。なので、コーヒーを始めようと思い、コーヒーショップとなりました。」なるほど。お店はまるで小さい博物館です。マスターもなかなか道楽者ですね。

1936年スイスの軍用自転車=撮影・Flora

1936年スイスの軍用自転車=撮影・Flora

1924年の自転車=撮影・Flora

1924年の自転車=撮影・Flora

■迪化老街でのイベントに沖縄観光局の方も駆けつけてくれたそうです

今は、三線を中心に練習、発表会を開催されているようです。最近、迪化老街でイベントがあったとき、三線演奏グループを組んで、観光客や住民向けに演奏したとのこと。

その際、沖縄観光局の方も駆けつけてくれたそうです。さらに、静岡鉄道局も、ここで観光向けのセミナーを開催し、逆に、拾肆號洋行も静岡鉄道局主催の静岡でのイベントで、大稲埕のブースに出展したそうです。さらに、先日、縁があり、病院で自閉症の子供に、三線の音楽会を開催されたとか、また5月13日には、「城隍廟」の100年記念の大イベントがあり、出演の招聘もあったとか。「そのイベントは、必ずやるよ!日頃、城隍爺様にはお世話になっているので、恩返ししなければだめだから」と、始終笑顔でマスターは語られていました。音楽は楽しいですね~。芸術と音楽は、人の心を豊かにするものでもありますね。マスターは、日本語が出来るので、交流の輪もますます広がります。

店内、三線を練習している様子=撮影・Flora

店内、三線を練習している様子=撮影・Flora

【中国語タイム】

■日本の漢字は、ちょうど台湾と中国の間にあると言えるのかも

さてここからは、今回は、「漢字」ということについて紹介してみたいと思います。

「日本語ができなくても、日本に遊びに行ってもあまり困らない。なぜなら、漢字があるから」。それで、日本の旅行を楽しめている台湾の人は多いと思います。反対に、きっと台湾語や中国語が分からなくても、台湾の旅を楽しめている日本の方も多いと思います。

中国が使っている「簡体字」よりも、台湾が使っている漢字(「繁体字」)の方が分かりやすいと思っている方も多いと思います。台湾では、古い漢字、つまり昔から使われている字体を使用し続けています。中国は、文化大革命期に文字の省略化運動があり、今の簡体字が使われるようになりました。日本の漢字は、ちょうど台湾と中国の間にあると言えるのかもしれません。

しかし、同じ漢字でも違う意味を表す場合もあることはご存知でしょうか?旅行なら、それほど食い違う事がないと思いますが、ビジネスの場合は専門用語のほか、漢字だけで判断したりすると大変なことが起ってしまいます。そこで、今回はよく見かける漢字を少し紹介したいと思います。

■日本の漢字「切手」、「切符」、「汽車」はどこまで漢字の意味が同じなのか?

まず、「切手」という漢字ですが、これは、中国語では「手を切る事」という意味になります。日本の郵便用の印紙の意味は、全くありません。「切」という漢字は、日本語と同じ、切る事を表す漢字ですが、中国語では、「切」の後ろに付く漢字が「目的」を表しますので、切手は「手を切る事」、切菜は「野菜を切る事」、切水果は「果物を切る事」になります。

日本の「切手」は、中国語では、「郵票」、切符は「車票」です。

次に、「汽車」という漢字ですが、これは、中国語では「自動車」という意味になります。日本語の「機関車」や、「列車」「電車」といった意味はありません。その中国語は、「火車」と表します。

あと、飲食や、買物をしたとき、タクシーに乗った時等にもらう「領収書」についてですが、領収書の「領収」は、中国語では受け取る事という意味を表しますので、日本語の意味の領収書を発行してほしい場合は、「收據」または「發票」という中国語を使ってください。

■「日本語を勉強しています」は「日本語を、不承不承やっている」という意味に

「日本語を勉強しています」と、日本語を勉強している人の多くがよく話す日本語です(笑)。ところが、「勉強」という漢字の中国語の意味は、なんと「無理」するということです。また、「不承不承」という意味もあります。よって、漢字のみに中国語に直訳すると、「日本語を、不承不承やっている」とか「日本語を、無理にやっている」といった意味になってしまいます。(日本語の「勉強」は、中国語では「学習」を使います)

で、日本語の「無理」の漢字の中国語はどうなのでしょうか? 中国語では、「無礼」、「道理なし」、「不可能」と表現します。

次に、日本語の「大事」という漢字です。「大きな出来事」や「大事件」という意味でも使われると思いますが、日本語では、良く「お大事に」といった使い方で、「ご自愛下さい」といったように、自分の事を大事になさってくださいとか、ご自分の健康に気を付けてくださいという意味でも使われ、とても上品で美しい言葉だと思います。ただ、この「自愛」という言葉は、中国語では全く違う意味で使われます。中国語だと「恥を知りなさい」という意味の方が強く、先生が、生徒を叱るときによく使われる言葉でもあります。それ故、筆者が日本の友人からの手紙の最後に良く使われる「ご自愛下さい」という言葉に、反応してしまいます。日本語の意味、日本の文化を知りながら、心のどこかに小さい頃からの身についた中国語の意味が意識され、いつも複雑な気分になりました。言葉の文化は、難しい。

今回は、このようにいくつかの漢字について、中国語と日本語の違いを紹介しました。

如何ですか? 日本語も、中国語も難しいものですね。(笑)

(日本語=中国語(発音) にて表示)
写真=照片 (Zhao pian)
切手=郵票 (You piao)
切符=車票 (Che piao)
汽車=火車 (Huo che)
自動車=汽車 (Qi che)
自転車=腳踏車 (Jiao ta che)
領収書=收據 (Shou ju) 、發票 (Fa piao)
漢方薬=中藥 (Zhong yao)
からすみ=烏魚子 (Wu yu zi)
コーヒーショップ=咖啡廳 (Ka fei ting)
体験=體驗 (Ti yan)
音楽=音樂 (Yin le)
芸術=藝術 (Yi shu)
観光=觀光 (Guan guang)

日本語のない言葉:
大稻埕 (Da dao cheng)
迪化街 (Di hua jie)
城隍廟 (Cheng huang miao)
月下老人 (Yue xia lao ren)

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA