松下優也さんのインタビュー後半です。NHK朝ドラ『べっぴんさん』など、映像でのご活躍が記憶に新しいですが、映像現場でのお芝居についてや、新しい世界での体験などを伺いました。
――最近のお話も伺わせて頂きたいと思います。ミュージカルが久しぶりで、この2年間は映像や音楽活動も多かったですが、いかがですか?
本当にこの1、2年は初めて経験することがめっちゃ多かったです。『花より男子 The Musical』が終って、朝ドラの撮影が始まった頃から、本当にありがたいことに、芝居や歌関係なく、今までしてこなかったようなお仕事をやらせてもらうこともありました。それは不思議な体験ができたなと、とても思いました。
――新しいところに行くのって、少しアウェーな感じがするんですか?
アウェーだとは思わないですが、こういうお仕事もあるんだなって。例えば、去年の話ですが、朝ドラをやっているときに神戸マラソンのスタートイベントがあったんです。神戸市長がくるような開会式に出たりなんて仕事は今までなかったですから。もう何万人の方々がいらっしゃるんですよね。
――今から走る人たちがいるんですね。
みんな走っていきながら、「栄輔さ~ん」って。音楽とお芝居だけやっていたので、今までにあんなお仕事なかったですからね。
――役名で呼ばれて手を振るってすごいですよね。
朝ドラは完全に役名ですね。多分、いまだに栄輔のイメージの方が多いんじゃないですか。ここ2年くらいは、経験させてもらったことのないことを、色々経験させてもらった年でしたね。
――毎日ワクワクする感じですか?
ワクワクというか、「今日はあの現場」、「明日はこの現場」と、ばらけていたりするのがおもしろかったですね。
――なるほど。常に新しいことが転がっているような。
「そんなこともあるんだ」という感じでした。
――日々が新鮮したか?
そうですね。
――映像のお仕事が結構多かったですが、映像のお仕事と、舞台の仕事と、両方やってみていかがですか?
全然違うと思いますね。全然芝居の仕方が違いますし、できているかは分からないですが、僕もそこは使い分けるようにはしています。
――具体的にはどんな違いが?
作品にもよるんですよ。舞台にはカット割があるわけではないので、カット割を僕たちが意図的に作っていかなければといけないと思います。「このときは、こっちを見て」というのも、僕ら俳優がそれをしないといけないものだと思うんですよね。
<取材協力>
ヘアメイク/Coomie(ビーサイド)
スタイリスト/鹿野巧真
衣裳協力/LAD MUSICIAN PADRONE
※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、映像と舞台の違いなどについてさらに詳しく伺ったインタビュー後半の全文と写真を掲載しています。
<有料会員限定部分の小見出し>
■舞台はその場で全てが起きる、映像はあとからきます
■amazonでのドラマ、台詞をめっちゃ変えていました
■ミュージカルは音楽に合わせるので、細かにきめる
■『Romale』、当たり前が少し崩れるくらいの舞台に
<ミュージカル『Romale(ロマーレ) ~ロマを生き抜いた女 カルメン~』>
【東京公演】2018年3月23日(金)~4月8日(日) 東京芸術劇場 プレイハウス
【大阪公演】2018年4月11日(水)~4月21日(土) 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
<関連サイト>
梅田芸術劇場『Romale』のページ http://www.umegei.com/schedule/666/
『Romale』twitter https://twitter.com/musical_romale
松下優也(X4)オフィシャルサイト http://www.matsushitayuya.com/s/n13/?ima=2857
松下優也オフシャルブログ「松下優也のウラジジョウ」https://ameblo.jp/matsushitayuya/
松下優也(X4 YUYA)(@U_staff)/Twitter https://twitter.com/u_staff
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■舞台はその場で全てが起きる、映像はあとからきます
――観客を導いていくみたいな。
芝居で誘導しないといけない。映像はそれを考えないでいいですね。あとはカメラがあることで、そこで芝居をするのと、もっと離れたところで芝居をするのとでは、絶対的に芝居の仕方は変わるので、全く違うものだなと思っています。本当に同じ芝居ではあるけれど、全く違いますね。
――おもしろさが違います?
全然違います。舞台でやっているときの、生で返ってくるおもしろさと、後からのおもしろさ。舞台はその場で音楽もついて、照明もあって、その場で僕らがやった芝居に対する反応が分かるわけじゃないですか。映像は撮ってでき上がるまで、どんな音楽がのっかっているのかわからないですし、もしかしたらカットされているかもしれない。そういうところも含めて、想像はできますが、わからないんですよね。舞台はその場で全てが起きますが、映像はあとからですね。
――自分の芝居が見られるというのは、別の体験ですよね。舞台じゃ絶対見られないじゃないですか。
僕は舞台も映像化になっても、自分に舞台は見ないですもん。
――ご自身で映像を見てみていかがでした?
そうですね。自分が「こうしたい」とか「こうなっていたい」というところの、狙っていない部分での良さってあるんだなと思いました。舞台もそうなんですが、映像ってとても繊細で、微妙なところがあります。微妙というのはものすごく繊細という意味で、舞台では、目が1cm動くなんて分からないじゃないですか。でも、映像はそれでいいんですよね。舞台だったら首を動かさなければいけないけれど、映像はそれがいらないから、そこの難しさもおもしろさもあります。ここにカメラがあると絶対的に嘘はバレるんですよ。
――なるほど。
だから、根っこの部分でいえば舞台も映像も変わらない。「舞台って生だから、一発勝負だから」と言いますが、映像も一発勝負ですからね。もちろん間違えたら、もう1回撮影しますが、間違えるなんて基本的にはありえないですし。
■amazonでのドラマ、台詞をめっちゃ変えていました
――稽古もないですしね。
そうなんです。舞台は稽古の期間があるから、同じ芝居を稽古も含めたら2~3ヶ月やるじゃないですか。映像ってどれだけ長い台詞でも、どれだけ大変なシーンでも、そのシーンの撮影が終わったら、終わりなんですよね。リハーサルもあまりなく、その場で合わせるので、構築する良さというよりも、瞬間的に出てくる良さは、映像にあるかもしれないですね。だから、amazonのドラマ『フェイス—サイバー犯罪特捜班—』をやらせて頂いたときは、勝手に台詞をめっちゃ変えていました。
――勝手に変えてOKだったですか!?(笑)。
最初と最後は合わせるんですよ。言っている内容は合わせるんですが、言い方を変える。現代の男の役で、「こっちの方が役柄に合いそうだ」と思ったところは言い回しを変えるチャレンジをしていきました。あと、テストまで普通にやって、本番で違うことをやったりとかも、たまにしていました(笑)。
――それもOKだったんですか(笑)。
怒る人は怒ると思いますが、そういう現場ではなかったです。受け入れてくれていたから。それを「やって」と言われていたんですよ。
――そうなんですか!?
監督に「そういうところはおもしろいと思うから、どんどんやっていって」と言われたんです。
――ムロツヨシさんみたい(笑)。
あそこまではできないですが(笑)。でも、ちょっとしたことは結構やります。そういう人だと思われたら困りますね。僕は基本的には超忠実にやりたい人なので、そこは安心して頂いて大丈夫です。
――あの作品だけ、それを少しやってみたくなった?
堅苦しく考えた方がいいところと、堅苦しく考えすぎない方がいいところってあるんですよ。僕が思う限りでは、芝居って気難しく考えすぎるとおもしろくないんですね。考えすぎた方がいいときもあるんです。でも、そうじゃない部分は、そうじゃないと思って切り替えてやった方がいいときがあります。
――それは感覚的な嗅覚でかぎ分けるんですか?
そうなんですが、「ここは、そういうものやねん」と思ってやった方がいいところがあると思っていて。
――でも、その嗅覚が的確なのはすごいことですよね。
だから、amazonのドラマは結構自由にやらせてもらいました。どちらかというと、こういう作品は関係性が大事なので、すごく構築してやるんです。自分はどちらかというと、そのタイプだとは思うんですよ。頭が硬くなりがちで、「こうじゃないとダメでしょ」と思う、頭硬い自分が嫌だという部分はあります。
――意図的に硬くなっているのをやめたいと思うわけではないんですか?
芝居によります。芝居にもよるし、役にもよりますね。
――でも、その場その場で適したものを自分の感覚で見つけていく。
お芝居は割りとそうですね。
■ミュージカルは音楽に合わせるので、細かにきめる
――なるほど。今回は謝先生の作品で、きっと動くことも多いだろうと思います。先程、台本も止まらない感じだとおっしゃっていましたが、あまり自由にやってしまうと、そういう決め事がズレてしまいますね。
先日やっていた鈴木おさむさんの舞台も、芝居に対して「この間でやって」と、絶対におさむさんは言わないんですよね。「台詞は言いやすいように変えてもらって全然いいよ」とおっしゃってくれたりもします。だから、おもしろいくらいに毎回違うんですよ。僕らのタイミングや、テンションによって芝居の感じが変わっていくというか。大きくは全部そうなんですが、無理やり絶対そこに追いつかなくていいんですよ。でも、歩く歩数から何から事細かにびっしりときめる方もいらっしゃいますよね。逆にミュージカルは音楽に合わせなければいけないので、その方がいいと思うんです。僕は色々やっていたいから、その時々に応じて。変えているかなと思います。
――各現場を楽しんでいらっしゃいますね。
そうですね。
■『Romale』、当たり前が少し崩れるくらいの舞台に
――最後に『Romale』を楽しみにしているファンの方に向けてメッセージをお願いします。
とても有名なお話ですので、観にこられるほとんどの方はカルメンのお話をよく知っているだろうと思います。その中でも、お芝居を通して、もう1回当たり前だと思っていたものが少し崩れるくらいの、新たな発見ができるような舞台になればいいなと思います。皆さんが色々なことを感じとってもらえたり、楽しんでもらえる作品になれるように頑張りたいと思います。
――松下さんを目的に見に来るお客さんではない方々も、惹きつけられたらいいですよね。
僕は幕が開いたらもうホセですから。そこは松下優也の介入はいりません。だから、ファンの人たちにはまたそこでホセを通して、僕の新たな発見が見てもらえたらいいし、僕を知らない人には後から知ってもらって、「ホセやっていた人、こんな人なんだ」となるぐらい、しっかりとホセを演じられたらなと思います。
――観終ってから、「あれ、栄輔さんだったんだ!」って。
そういうこと多いんですよ。イメージが固まらなくて、色々と違うみたいで。今回の役も今までやったものとは全然違うので、とても楽しみです。
――楽しみにしています!
※『Romale』松下優也さんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。有料会員の方がログインするとこの記事の末尾に応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは1月11日(木)です。(このプレゼントの応募は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。
松下優也さんの記事ありがとうございます。松下優也さんがきっかけで今では舞台大好き人間になりました。
今までの彼の舞台とはちょっと違う感じの舞台。花總まりさんの相手役がとても楽しみです。ロマーレに狂うホセ役、今からワクワクが止まりません❗️
松下さんきっかけでRomaleを観に行くのですが、私自身もこういった本格的なミュージカルは初めて観るので、どうなるのか期待と少しの不安があったのですが記事を読んで楽しみな気持ちでいっぱいになりました。女におちていく松下さん演じるホセ…人を殺しちゃうほど花總さん演じる美しすぎるカルメンを愛する姿…早く見たくてしょうがないです!後編のインタビューではドラマでアドリブがあったなど貴重な話も知れてよかったです。写真もかっこよくて…目の保養になりました!有難うございます。松下さんは本番が始まると結構役に入り込んじゃうようなので、またその頃の表情がわかるようなお写真付きでゲネプロレポートなどしていただけたら嬉しいです!