2018年3月から4月に東京と大阪で上演されるミュージカル『Romale(ロマーレ) ~ロマを生き抜いた女 カルメン~』に出演する、松下優也さんにインタビューしました。(上)(下)に分けてお届けします。ミュージカル出演が、約2年ぶりとなる松下さん。ホセ役を演じる今の思いを伺いました。
――ビジュアル撮影はいかがでしたか?
花總(まり)さん、謝(珠栄)先生と、初めてお会いしたのがビジュアル撮影の日でした。謝先生がとてもパワフルな方だなと。ビジュアル撮影は、まだ作品について色々と知る前に撮影しなければいけないので、あとから後悔しないように、なるべく言われたことを表現したい思いはありました。
――存分に発揮できたという感じですか?
見てくださる方が「いいな」と感じてもらっていたら、結果的に良かったのかなと思います。
――松下さんの白いシャツ姿が新鮮です。どうしても黒っぽい洋服のイメージがあって。
僕は普段も黒しか着ないですからね。ホセ自体が白人なので、そういう意味では白が合っている気がします。ストーリー上でいうならば、割と美しいというか。
――チラシにも「ひたむきな愛」とありますが、相手役となる花總さんにお会いになってみていかがでしたか?
本当に透明感のある方で、とても綺麗な方だなと思いました。でも、ステージに上がって役を演じられているときの花總さんは全然違うイメージですね。まだ作品を生で拝見したことはないのですが、今回共演させて頂くにあたって、色々と映像などを拝見すると、舞台の華やかな姿でしたから。実際にお会いしてみると全然違っていて、そのギャップには驚きました。
――オーラがあるとか?
花總さんもオーラはありますが、また全然違った「透明感」が印象的で。
――なるほど。「透明感」がキーワードですね。花總さんが撮影されているところもご覧になりましたか?
僕が先に撮影でしたので見ていないです。
――そこを見たらまた違うかもしれませんね。
オンになる前でしたからね。
――ミュージカルに出演されるのは2年ぶりですね。
生で音楽ができるというのは、本当に楽しいです。それは芝居以前の問題で、まず楽しいですね。実際に人間がその場で演奏するから、その芝居に沿うように音楽が一緒にあるというのは大事だと思うんですよね。それは毎回好きですし、より気持ちを入れてできるので、楽しみですね。
<取材協力>
ヘアメイク/Coomie(ビーサイド)
スタイリスト/鹿野巧真
衣裳協力/LAD MUSICIAN PADRONE
※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、「今までやってきたことだけでは乗り越えられないように感じる」という今回の役についてさらに詳しく伺ったインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。12月29日掲載予定のインタビュー「下」では、NHKの朝ドラなど映像でのご活躍が記憶に新しい松下さんに、新しい世界での体験などについて伺ったインタビューの後半の全文と写真を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>
■『Romale』に出ることは、ファンの方々にとっても新鮮
■表面に出る情熱よりも内なるものの方が大きいような気が
■カルメンを愛するがゆえに、人を殺していますからね
■太田基裕くん伊礼彼方さん団時朗さんと共演、楽しみ
<ミュージカル『Romale(ロマーレ) ~ロマを生き抜いた女 カルメン~』>
【東京公演】2018年3月23日(金)~4月8日(日) 東京芸術劇場 プレイハウス
【大阪公演】2018年4月11日(水)~4月21日(土) 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
<関連サイト>
梅田芸術劇場『Romale』のページ http://www.umegei.com/schedule/666/
『Romale』twitter https://twitter.com/musical_romale
松下優也(X4)オフィシャルサイト http://www.matsushitayuya.com/s/n13/?ima=2857
松下優也オフシャルブログ「松下優也のウラジジョウ」https://ameblo.jp/matsushitayuya/
松下優也(X4 YUYA)(@U_staff)/Twitter https://twitter.com/u_staff
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※『Romale』松下優也さんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。有料会員の方がログインするとこの記事の末尾に応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは1月11日(木)です。(このプレゼントの応募は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。
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■『Romale』に出ることは、ファンの方々にとっても新鮮
――このホセ役をやろうと思った決め手はありますか?
今まで色々なお仕事をやってきましたが、本当にこういうテイストのものはなかったですし、自分の今までのお芝居のキャリアの中で、挑戦ができる作品だと思ったんですよね。今までやってきたことだけでは乗り越えられないように感じますし、そこに興味がありました。
――その「挑戦」とは、特にこの役のどこに感じますか?
これまでにミュージカルをやってきたとしても、今回の『Romale』は、まだ飛び込めていない部分だと思ったんですよ。
――自分はやったことのない世界観ということですか?
世界観としても、役柄としてもそうですし、そこに今の自分が入ると「どんな風になるのかな」と、自分でも興味があります。そして、それがお客様にどう見られるのかも興味があります。
――松下さんが今までに出演してきたミュージカルは、もちろん恋愛要素が全くないわけではないですが、わりと重くないというか。
重くはないですね。
――観ていて明るく観れる作品が多いなと思いました。例えば、日本中のみなさんが松下さんをよく知るきっかけになったNHK朝ドラ『べっぴんさん』。あれは映像でしたが、栄輔の切ない感じには繋がるんじゃないかとは思いますが、愛に翻弄される松下さんに新鮮味を感じると思うんです。
その新鮮味って大事だと思うんですよ。僕も新鮮味がほしいですし、でも、毎回新鮮に感じてもらえることってなくて。本当に僕が『Romale』に出ることは、僕のファンの方々にとっても新鮮なことで、そうやって挑戦していくことはとても大事だと思いますし、周りで見ている人たちや知っている人たちを飽きさせずに、ステップアップしていく中で、すごくいい作品に出会わせて頂いたと思います。
――発表になったときに、「松下さんでホセ!」と思いました。
僕を知っている人ならば、その意外性は結構あったと思うんですよ。例えば、朝ドラで少し知ってくれていた人でも意外性はあったと思います。でも僕はそれがいいと思っているんですよね。自分らしい役ではないところで戦いたいなと。期待してくださる人もいれば、多分あまり期待していない人もいると思います。でも、期待されていないときの方が燃えるんですよ。
――なるほど(笑)。「やってやるぞ」みたいな感じ?
「やってやるぞ」精神は常にあります。
――それは松下さんらしいなという感じがします。
そういうことを言うって、いつも言われます(笑)。
■表面に出る情熱よりも内なるものの方が大きいような気が
――(笑)。カルメンの物語のイメージは、どういうイメージをもっていました?
やはり人種の問題が入ってくるので、結構お話的には難しいのかなと思いきや、割とシンプルなお話だなと思っています。本当にありそうなことですし、現状の台本を読ませて頂きましたが、スラスラっと読めたんですよね。だからこそ、ずっと愛され続けている作品なのかなと思います。国も違いますし、人種の問題もありますが、とてもシンプルなお話で、シンプルだけれど、根にあるのは人種の壁みたいなものがあったりして。
――何かこれまでのカルメン作品で、触れたことはありますか?
作品を観たことはないんです。
――じゃあ、台本や資料を見て初めて。
そうですね。
――やはり宝塚で演じられた花總さんのカルメンがあまりにもハマッていたことを、観客も知っている方々が多いと思うので、そこに新しい要素というか、スパイスが入ることは、とてもワクワクするなという感覚はあります。
今までホセも、色々な方が演じられてきましたし、その演じられた数だけホセがいたと思うんです。じゃあ、今回僕がどんなホセを演じるのかというのは、自分でも楽しみですね。どんな風に見つけていくのかな、と。
――今考えているものや、想像しているものはありますか?
考えたりする部分で言うならば、何ていうんだろうな……(考え込む)。難しいな。自分が演じるならば、情熱的だけれど、表面に出すぎる情熱よりも内なるものの方が大きいような気がしています。分かりやすい表に出る情熱的とは少し違う、内に秘めた情熱や、狂気の部分が、僕の勝手なイメージなんですよね。
■カルメンを愛するがゆえに、人を殺していますからね
――女に落ちていく感じとか、どうですか?
まだ、そこは分からないかも。
――(笑)。観る側としては燃えるところじゃないですか。どうこのホセが落ちていくのか、みたいな(笑)。
カルメンを愛するがゆえに、人を殺していますからね。
――カルメンに絡めとられていく、というところは。
人を殺していますからね。
――それを松下さんがやるというのが。
人を殺していますからね。
――何回も言う(笑)。カルメンのために人を殺してしまいますからね。
その落ちていき方って、すごいですよね。
――まだ少し想像つかない感じですか?
でも、本来ホセが辿りたかった道とは、違うところに行ってしまっていると思うんです。まさか、そういう人生になるとは思っていなかっただろうし、でも、やはり落ちていく部分というのは大事なんじゃないでしょうか。
――自ら進んでいったわけではなくて、行ってしまった結果……みたいな。
そうですね。自らハマっていく感じでは、ないですよね。もう、カルメンに引っ張られていっちゃっている……みたいな感じかな。でも、台本を読ませてもらっていても、テンポが結構速い感じがしたので、そこに気持ちを追いつかせていかなければいけないと思いました。
――ミュージカルは、そこを音楽1曲で表現することもありますよね。
そうですね。『花より男子 The Musical』のときに、演出の鈴木裕美さんが、「ミュージカルや音楽というのは、その瞬間的な、一瞬のことを1曲で表現することもできるし、とても長い時間のことを1曲に凝縮することもできる」とおっしゃっていました。確かに音楽がないと難しいかもしれません。逆にもっと時間がかかるのかもしれないですね。
――そういう曲があると期待していいですか?
まだ、そこまで詳しくは何とも言えないです(笑)。でも、歌は結構ありますよ。
――それは余計に楽しみですね。特にファンの方は松下さんの歌を聞きたいでしょうからね。
でも、今までの歌とはまた全然違ったものになると思います。普段僕が歌っている音楽とは違いますね。
■太田基裕くん伊礼彼方さん団時朗さんと共演、楽しみ
――共演者の方々についてもお伺いしたいのですが、共演経験のある方は?
太田基裕くんとはミュージカル『黒執事』で、伊礼彼方さんとは、『Paco~パコと魔法の絵本~from「ガマ王子vsザリガニ魔人」』でご一緒しました。またご一緒できるのが楽しみですね。あと、団時朗さんは、朝ドラでご一緒させてもらっていたので、まさかこのミュージカルでご一緒できるとは思っていませんでした。
――そうですよね。
男ばかりで楽しみです(笑)。稽古場って毎日一緒じゃないですか。だから、男のノリっておもしろいなと思うんですよ。そういう男だけのノリは、年齢を超えている部分だと思うので楽しみですね(笑)。
――男だけのノリは、現場が盛り上がりそうですね。
花總さんもいらっしゃいますし、現場には他の女性もいるかもしれませんが、忘れちゃう部分はあるかもしれない(笑)。知らない方たちも多いので楽しみですね。
※『Romale』松下優也さんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。有料会員の方がログインするとこの記事の末尾に応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは1月11日(木)です。(このプレゼントの応募は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。
Twitterで筆者の岩村美佳さんが約2年ぶりに取材させて頂いたと仰っていて、何の取材かな〜と思ったら『花より男子』ミュージカルだったんですね。
私は松下さんがきっかけでミュージカルを好きになりましたが、その中でも花より男子は1番好きなミュージカルです。
松下さんはいつも素敵な作品に出演されていると思うので(ファンの欲目?)『Romale』もとても楽しみです。
花總さんのギャップに驚いたとインタビューで語っていましたが、松下さん自身もギャップがあってとても人間的魅力に溢れている方だと思うので、稽古の様子などもまた掲載していただけたら嬉しいです。
素敵なインタビューとお写真をありがとうございました。
読み応えがありすぎて何度も読み返しています。有料会員になって良かったです。
優也くんのボケ(笑/「カルメンを愛するがゆえに、人を殺していますからね」の繰り返し)がテンポよくインタビューの中に現れていて、ご本人の人となりや、会話のリズムが感じられて楽しかったです。花總さまの鉄板カルメンと、新鮮さの溢れるホセのロマーレ。今からとても楽しみです。