「言葉の裏に魅力がある」、 『リトル・ナイト・ミュージック』ウエンツ瑛士

ウエンツ瑛士さん=撮影・きたあつこ

20世紀初頭のスウェーデンを舞台にした老若男女が繰り広げるラブコメディ、ミュージカル『リトル・ナイト・ミュージック』が、2018年4月8日から東京・大阪・静岡・富山で上演されます。この作品でミュージカル初出演となる風間杜夫さん演じる弁護士のフレデリックの息子、ヘンリックを演じるウエンツ瑛士さんの取材会が、2月22日に大阪で行なわれました。歌稽古が始まったばかりというタイミングでの取材会の様子をご紹介します。

ウエンツ瑛士さん=撮影・きたあつこ

ウエンツ瑛士さん=撮影・きたあつこ

――作品を読んでの感想を教えてください。

この作品の魅力「言葉の裏をどう読み取るか」というのが全編に流れていますね。愛情が絡んで自分でも意識していなかった本性が出たり、要らないプライドが出てしまったりとか、必要な嘘、不必要な嘘、若者の真っ直ぐさへの憧れなどが、本当に複雑に絡まっているので、30分でも読める本ですし、3時間読み込んでも面白い本だなと思いました。

――ヘンリック役を今の時点ではどう演じたいですか?

まだ稽古に入っていない状況なので今後変わるかも知れないのですが、まずはこの時代の状況と、お手伝いさんがいるような家庭で、その年齢に至るまでどう過ごしていたか、また宗教を学んでいる学生なので、信仰するものは何か、ヘンリックは神様に感謝するような場面が多いのですが、そういう気持ちで恋愛をしたときに、どういうことにとらわれるのかということを大事にしながら、演じたいと思っています。

――スティーブン・ソンドハイムの歌は難しいとおっしゃる方も多いですが、いかがですか?

三重唱など、何人かで言葉が重なってくることも多いのですが、歌があるからお芝居しやすいと感じることが多くあります。明るいセリフなのに音階は暗い…、となると本質の気持ちはこっちかもしれない、と導いてくれる音楽なので、自分はすごく助かっています。

――クラシックをモチーフにした曲が多いようですね。

そうですね。ただ演出のマリアが、どちらかというとクラシックの歌い方よりも芝居として歌う方を好むだろうということで今はやっています。特にヘンリックは言葉にして伝えるのが上手じゃないタイプだと思っているので、そんな彼が努力して言葉にする時の気持ち、というのを大事にしながら今は練習しています。

<取材協力>
スタイリスト:伊達めぐみ(UM)
衣装:ジャケット¥32,000 パンツ¥16,000(以上2点共に J.FERRY)、ネクタイ(FAIRFAX)、シャツ 靴(スタイリスト私物)
ヘアメイク:Aico

※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、共演者の印象などについて語られた内容などを掲載しています。

<有料会員限定部分の小見出し>

■スウェーデンが舞台であることを、日本の方にどのくらい伝えられるかは課題の1つ

■日本初演時にヘンリック役をされた市村正親さんから「楽しみにしてるよ」と

■(蓮佛さんは)お芝居をしている方が歌う魅力満載。本当に素敵な歌声

■無茶苦茶なことが起きますが、こんなこともあるなって観ていただけたら

<ミュージカル『リトル・ナイト・ミュージック』>
【東京公演】2018年4月8日(日)~4月30日(月祝) 日生劇場
【大阪公演】2018年5月4日(金祝)~5月5日(土祝) 梅田芸術劇場メインホール
【静岡公演】2018年5月12日(土)~5月13日(日) 静岡市清水文化会館マリナート 大ホール
【富山公演】2018年5月19日(土)~5月20日(日) オーバード・ホール

<公式ページ>
東宝作品公式ホームページ
http://www.tohostage.com/alittlenightmusic/
ホリプロ作品公式ホームページ
http://hpot.jp/stage/lnm

<関連サイト>
日生劇場のページ
→こちら
梅田芸術劇場のページ
http://www.umegei.com/schedule/699/

<関連リンク>
ウエンツ瑛士オフィシャルモバイル
http://wentz.fanmo.jp/

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ウエンツ瑛士さん=撮影・きたあつこ

ウエンツ瑛士さん=撮影・きたあつこ

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■スウェーデンが舞台であることを、日本の方にどのくらい伝えられるかは課題の1つ

――作品の中でスウェーデンらしさを感じるところはどこですか?

まだ、なかなか台本では読み取れていないのですが、舞台がスウェーデンであるからこそ、こういった動きや言葉が出てくるであったり、人との関係性の違いなどを、日本の方にどのくらい伝えられるかは大きな課題の1つだなと思います。

ウエンツ瑛士さん=撮影・きたあつこ

ウエンツ瑛士さん=撮影・きたあつこ

■日本初演時にヘンリック役をされた市村正親さんから「楽しみにしてるよ」と

――ボイストレーニングなどはされていますか?

ボイストレーニングは3、4年ほど続けています。この作品にあたってのボイストレーニングは、まだ始めていません。この作品は日本初演の際に市村正親さんがヘンリック役をされていましたが、市村さんも「楽しみにしてるよ」って連絡くださいました。今は当時の映像をみることはできないと思うのですが、今回は今回の新しい作品として向き合おうと思っています。

――市村さんからアドバイスはありましたか?

アドバイスはないです。「頑張れよ」というのがアドバイスなのかな。もちろん聞いたら答えてくれるとは思いますが。過去に僕が出演した作品も、奥様と一緒に「行くよ」って言って必ず来て下さいました。なので、その日に向けてしっかりやろうと思っています。

――風間杜夫さんとは父子役で接点も多いと思いますが、お2人でお話されましたか?

まだ稽古前なので、作品については少しだけお話させてもらったくらいです。

――風間杜夫さんはミュージカル初挑戦で、ミュージカル歴ではウエンツさんの方が先輩ですがアドバイスなどありますか?

製作発表の時にお伝えしておきました。あんまり飲みすぎないようにって(笑)。

――大竹さんとは今まで共演されたことはありますか?

バラエティではありますが、舞台では初めてです。

――作品についてお話はされましたか?

「大丈夫かなぁ~」って言ってましたね。「できるかなぁ~」って。「頼るからぁ~」って言われましたが、それは大竹しのぶさんの手だなと僕は思ってます。そう言ってたのに出来てる! 話違うじゃんっていうパターンだなと思ってます(笑)。

ウエンツ瑛士さん=撮影・きたあつこ

■(蓮佛さんは)お芝居をしている方が歌う魅力満載。本当に素敵な歌声

――蓮佛美沙子さんとの共演についてはいかがですか?

蓮佛さんはいつも「ここは、こうでこうで、次はどうしたらいいでしょうか?」って聞いてこられて、「練習しすぎじゃない?」と思うほどなので、すごく刺激をもらっています。昨日初めて一緒に歌稽古をしたのですが、本当に素敵な歌声で、お芝居をしている方が歌う魅力が満載でした。

――そんな蓮佛さんが演じる義理の母親に恋心を抱くわけですが?

彼女が義理の母というところまではまだ受け入れられない(笑)。今「先輩」と呼ばれているのに、その方を義理の母と思うまでには時間が掛かりそうだなという気がしています。ただ歌を合わせた時に、歌詞が二人の関係性を示す内容になっていて、スッと入り込めたのはありがたい瞬間でしたね。義理の母というのがヘンリックの宗教観からするとどのような立場にあるかということを、もう少し勉強が必要だなと思っているところです。

――前作の『紳士のための愛と殺人の手引き』に引き続いてのコメディ作品ですが、コメディの楽しさと難しさを教えてください。

役からはみ出ないことが1番難しかったです。そして前作ではお国柄のジョークが多かったため、演者もそうですが翻訳の方たちは、更に大変だっただろうと思いますし、全員が同じ認識になるまでがすごく難しかったです。今回は言葉に裏表がある作品なので、共通認識にならないところも、作品の面白さにつながると思いますし、つくり上げる過程で、場合によっては舞台上でも新たな発見があるかもしれません。本当にそうそうたる方々なので、すごく勉強になるだろうなと、今から楽しみです。

――ソロ曲は何曲くらい歌いますか?

完全なソロは1曲だと思います。ただ複数人と歌っていても、自分がソロで登場するということはあります。ヘンリックは常に、大人たちは間違っている、堕落していると思っているので、その人たちと歌うシーンではひとりだけ全く違う言葉を歌ったり、違う音階を歌うので、ある意味、一緒に歌えない淋しさはありますが、気持ちは楽ですね。ヘンリックとして統一してその言葉を歌えるので。

ウエンツ瑛士さん=撮影・きたあつこ

ウエンツ瑛士さん=撮影・きたあつこ

■無茶苦茶なことが起きますが、こんなこともあるなって観ていただけたら

――最後にメッセージなどをお願いします。

コメディと言いましても日常を切り取っているもので、人によってはそれがすごく面白かったり、ゾッとして笑えない、というのがこの作品の面白さで、誰もが同じシーンで爆笑するって言うのがないんです。人それぞれ愛に対して考え方が異なり、年齢も違えば置かれた状況も違うので、隣が爆笑しているのに私は笑えないなっていうのが当たり前な作品です。「私、笑えてない」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、それが1人1人の個性。1人1人が正解不正解を探して、もがいている物語なので、同じような気持ちで観ていただけたら嬉しいです。

みなさんが生きている中で出くわすようなことが作品の中にあるので、今台本を読んだ時点の感想で言えば、無茶苦茶なことが起きていますが、こんなこともあるなっていうくらいの気持ちで観ていただけたら楽しめるんじゃないかなと思います。僕らは、普通だなって思ってもらえるように死ぬほど努力して、「普通」にみせられるように頑張っていきたいと思います。

――ありがとうございました。

ウエンツ瑛士さん=撮影・きたあつこ

ウエンツ瑛士さん=撮影・きたあつこ

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