「猫耳と銃がマッチして…」、『いなくなった猫の話』相馬圭祐インタビュー(上)

相馬圭祐さん=撮影・NORI

2017年7月に紀伊国屋ホールで上演された『森奈津子芸術劇場 第一幕〜パトス編』の一作品『いなくなった猫の話』(演出・古川貴義さん)が蘇ります。初演に引き続き、主人公の“小夜”を演じるのは杉本彩さん。今作は相手役に相馬圭祐さんを迎えての2人芝居となります。会場を “Performing Gallery & Café 絵空箱”に移し、主人公“小夜”の営む<微睡亭>のバーを客席ごと再現。来場者は物語にちなんだカクテル(ノンアルコールあり)を味わいながらの一風変わった観劇になるとのこと。これまで体験したことのないような小さな空間で、初めてづくしの舞台に挑む相馬圭祐さんに、今のお気持ちを伺ってみました。

相馬圭祐さん=撮影・NORI

相馬圭祐さん=撮影・NORI

——オファーを受けたときのお気持ちを聞かせてください。

率直に嬉しかったです。それから、挑戦になるだろうなっていうのは第一に思いました。今回のプロデューサー(Zu々主宰・三宅優)さんや演出の古川(貴義)さんは、2014年『Being at home with Claude〜クロードと一緒に〜』という作品でご一緒したお二人なんです。僕にとっては、役者 相馬圭祐として、人間 相馬圭祐として、すごくかけがえのない作品でご一緒した、いい思い出のたくさんあるチームなので、その方々とまた新しいチャレンジができることをとても光栄に思っています。

僕が仕事を休業していたことがあって、そういう中でずっと心配してくださったり、気にかけてくださっていたので、そういう方たちとまた仕事ができるということはきっと縁ですし、あれから4年、成長した姿を皆さんに見ていただくためにも、素晴らしいチームと再会できたことを誇りに、嬉しく思って臨みたいと思っています。

——2人芝居は初体験とのことですが?

そうなんです。これまで少人数のお芝居で、2人でがっつりやるっていうタイプのものは経験したことがあるんですけど、最初から最後まで二人っきりっていうのはなかったので、すごく恐いですね。人数が少なくなればなるほど、表情ひとつにしても気を抜けない。何か、絶対意味を持っちゃうじゃないですか。眉を動かしたりとか。その中で2人が芝居を投げ合うわけですから、見ている方としても感じ方が直接的だろうなって。本当に、下手打てないというか、全部見透かされるというか。でも、見透かしたいし、見透かさないといけないじゃないですか。すごく怖さみたいなものがあります。どうなるんだろうって。でも、やりがいはすごくあると思います。

“猫”をやるとは思わなかったけど…とか、SFなんだよな、とか。ちょっと考えただけでも未知ですから、得られるものがきっとたくさん詰まっていると思うので。

※こちらは、2人芝居『いなくなった猫の話』メイキング映像の1つです。

※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、2人芝居『いなくなった猫の話』のCMムービーについて、猫という役どころについて、相馬家に三匹いる猫などについて話してくださったインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。7月6日掲載予定のインタビュー「下」では、相馬さんがこれまで、悪役や良い役や男娼の役(「クロードと一緒に」)を演じてきた中で、大切にしていることなどについて伺ったインタビューの後半の全文と写真を掲載します。

<有料会員限定部分の小見出し>

■30過ぎてから猫耳をつけることになるとは思っていなくて。衣装着て、銃持って…

■自他共に認める猫好きではあるんですけど。“これは挑戦だな!”っていう気持ち

■近所の子ども達が、ビニール袋に入れられて捨てられてる猫を拾ってきたんです…

■家族共通の話題が猫。天国の猫に顔向け出来るような作品にしないとね

<Zu々プロデュース公演 森奈津子芸術劇場 第1.5幕 2人芝居『いなくなった猫の話』>
【東京公演】2018年8月1日(水)~12日(日) Performing Gallery and Cafe 絵空箱 (定員60名)
【相馬圭祐トークイベント上映会】2018年8月8日(水)、8月10日(金)、8月11日(土)

<関連リンク>
公式サイト
http://www.zuu24.com/gone_cat/
公式 twitter
https://twitter.com/mngg_zuu
カンフェティ
http://confetti-web.com/zuu-gone-cat/
イープラス
http://pmag.eplus.jp/BQEoCB
Performing Gallery & Cafe 絵空箱
http://esorabako.com/

<関連サイト>
相馬圭祐 Twitter
https://twitter.com/keisuke_soma86
相馬圭祐オフィシャルブログ「西陽で部屋の畳が焼けていく」
https://ameblo.jp/keisuke-soma

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相馬圭祐さん=撮影・NORI

相馬圭祐さん=撮影・NORI

※ここから有料会員限定部分です。

■30過ぎてから猫耳をつけることになるとは思っていなくて。衣装着て、銃持って…

——CMのムービーが、とてもかっこいいですね。

撮影の日は朝から不安でしたよ。僕、今年32歳になるんですけど、30過ぎてから猫耳をつけることになるとは思っていなくて。衣装着て、銃持って、正直どういう仕上がりになるんだろうって、本当に危惧しました。でも、スタッフさんのご協力もあってできあがりを見たときに…僕、自分でスチールとか見るの本当に苦手で。いつもできあがったものしか見ないんですけど、パソコンのモニターで“いいの撮れたよ”って言われて見たらすごくマッチしていて。本当にほっとしました。

僕は被写体として撮られるだけの人間なんで、あんまりそういうことを考えてやったことはなかったんですけど、できあがりを見たときに、大人の方々って、ちゃんと計算して作ってらっしゃるんだなって。いや、自分もいい大人なんですけど(笑)、ロケーションも、その抜け感も、衣装も、危惧していた猫耳も、銃も、非現実的な設定にものすごくマッチしていたので、“大人”の方々のご協力というのは偉大なんだなって思いました。

2人芝居『いなくなった猫の話』メイキング映像より

2人芝居『いなくなった猫の話』メイキング映像より

■自他共に認める猫好きではあるんですけど。“これは挑戦だな!”っていう気持ち

——ご自分の役柄を初めて知ったときどう思われましたか?

“猫かぁ…”って。その一言に尽きますね。僕はどんな役をやるときも、この部分は自分に近いなとか、この部分は知らない領域だからちょっと考えてやってみようとか思うんですけど、いかんせん今回はさすがに…猫なんで。(笑)あまりにも僕にとっては新境地すぎて。まあ、確かに自他共に認める猫好きではあるんですけど。で、お話をいただいてから猫を観察したりもするんですけど。完璧な猫の役というわけでもないので“こいつらから得られるもん、ないな。”って思っちゃって(笑)、出来るのかなぁ、不安だなあ、でもやってみないとな、からはじまって、今は“これは挑戦だな!”っていう気持ちです。

——ちなみに、ご自分は猫っぽいと思われたことはありますか?

いや、全然違うと思います。寂しがりだし。猫って…まあ、猫にもよるんでしょうけど、けっこう一匹狼なところがあるじゃないですか。でも僕は本当に寂しくなっちゃうんです。だから全然猫っぽくないと思います。逆に憧れはあるかなとは思いますね。かっこいいなって思います。ま、ダメ猫もいますけどね。うちのはるおってのが、完全なダメ猫なんですけど。僕、もともとは犬派なんですよ。あの、ば〜ん、ってやってコロってころぶやつ? あれにすごい憧れてて、あれがやりたかったんですけど、ちょっと間違えて猫と暮らしちゃってます。挙げ句の果てに三匹います。可愛いからたくさんいてもいいですけど。でもたまにイラっとします。餌くれっていって。ぎゃーぎゃーうるさいので。

——そんな猫ちゃんから見て、相馬さんはどんなふうに思われていると思いますか?

相馬家の猫はいま三匹いまして、上から花子、はるお、よし子といいます。一番多かったときは五匹。太郎とさくらっていうのがいたんですけどね。はるおは、僕のことをあんまり好きじゃないと思います。猫は実家で飼って居るんですけど、僕が帰るとテレビで野球見ながらぎゃーぎゃー騒ぐので、はるおが姿を見せなくなっちゃうんです。すごい臆病で、ふとっちょな猫なんですけど。

あとは15歳の花子。だいぶおばあちゃんになりましたけど、一番猫っぽいといえば猫っぽい。つかみどころがないです。気ままですし、人に懐かないし、末っ子のよし子がくるまで、猫ってそういうもんだと思ってたんですけどね。

よし子は、自分を小さい人間だと思っているか、こっちを大きな猫だと思っているかのどっちかですね。人の上に乗っかってしか寝ないし、スマートフォンをいじっていると邪魔してくるし、この子は本当に僕と同等と思っているんじゃないですかね。母親に対しては、まさに猫なで声で。僕に対するのと全然違う声出してますからね。わざわざ踏んづけて上がってきますし。

たぶん猫カーストではよし子にとって、僕が一番低いと思います。たぶん仲はいいんでしょうけどね。だから本気で喧嘩しますよ。「あんだよ」(顎を突き出す)とか。だから、むしろこっちからしたら人間と同じですよね。人間と同じ感じで接してます。なんか、イラっともするし、可愛いなとも思うし。向こうが対等に思っていて全く服従しないんで。結構対等に喧嘩してます。猫と。

相馬圭祐さん=撮影・NORI

相馬圭祐さん=撮影・NORI

■近所の子ども達が、ビニール袋に入れられて捨てられてる猫を拾ってきたんです…

——古風なお名前の猫ちゃんたちですね。

最初が太郎だったんですけど、そしたらもう次は花子じゃないですか。(笑)あとはイレギュラーですね。本当は、その二匹で終わりにしようと思っていたんですよ。でも、ある日うちの近所の子ども達が、ビニール袋に入れられて捨てられてる猫を拾ってきたんですよ。ビニールの口を縛られてたからおしっこまみれになったりしていて。相馬さんとこだったらもう2匹いるし、きっと飼ってくれるだろうっていって持ってきたんですよ。そうやって引き取ったんですけど、その時点でその子達がもうさくらっていう名前をつけてたんですよね。さくらなら、太郎と花子ともいいマッチングだねっていうことで。

そうやってうちにきて、避妊しなきゃねって病院連れてったら、妊娠してますよって。こっちは“ひゃ〜”って。で、ほどなく産んで。生まれた子どもがはるお。さくらとはるお。春だったし。そしてその弟がのぶおなんですけど、のぶおは僕の友達のところにいって。で、最後に来たのがよし子なんですよ。確かにそうですね、完全に日本的な名前。よし子は父親がつけました。なんか、昔おつきあいしてた人の名前だって言ってました。

相馬圭祐さん=撮影・NORI

相馬圭祐さん=撮影・NORI

■家族共通の話題が猫。天国の猫に顔向け出来るような作品にしないとね

——ご家族仲良しなんですね。

仲いいですね。猫がかなり繋いでくれたところもあると思います。もともとはあんまり家族仲いいねっていう感じじゃなかったんですけど、世話しているうちに家族共通の話題が猫なんで、かなりかすがいになってくれた部分がありますね。

——今回のお話にふさわしい、いいお話じゃないですか。

ね、天国の猫にね、顔向け出来るような作品にしないとね。

——きっと見てくれてますね。

うん。そう思います。

(インタビュー「下」につづく)

2人芝居『いなくなった猫の話』ビジュアル=写真提供・Zu々

2人芝居『いなくなった猫の話』ビジュアル=写真提供・Zu々

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“「猫耳と銃がマッチして…」、『いなくなった猫の話』相馬圭祐インタビュー(上)” への 2 件のフィードバック

  1. spf より:

    相馬家の猫さんたちもそれぞれのキャラクターがあり、人間と変わらないなぁと思い興味深かったです。よし子さんと本気で喧嘩する、相馬さんエピソードが私的にはグッときてます。猫にも手を抜かない相馬さんに(笑)愛を感じました。舞台、恐ろしく未体験ゾーンなのでぷるぷるしちゃいます、嬉しくて。

  2. もんちぃ より:

    素敵なインタビュー どうもありがとうございました。 照れ屋で 真摯で 愚直で 猫大好きな 相馬さんの魅力が 十分に伝わってきました!
    特に 猫ちゃん達のお話になると ちょっと饒舌になったりして… 身振り手振りに加え くるくる変わる表情の相馬さんが 想像できました。

    舞台が 終わった後 また 新しいお仕事なども 記事にしていただけると 嬉しいです!

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