2018年8月1日から12日まで、杉本彩さんと共に 、互いに初の2人芝居『いなくなった猫の話』に臨む相馬圭祐さんのインタビュー、後編です。有料会員限定部分には、相馬さんがこれまで、悪役や良い役や男娼の役(『Being at home with Claude~クロードと一緒に~』)を演じてきた中で、大切にしていることなどについて伺ったインタビューの後半の全文と写真を掲載します。
——この物語に一番最初に触れたときの感想をお聞かせください。
まだ台本にさらっと触れただけなんですけど、ほぼ初見に近い今の段階だと、僕は小夜の方に感情が入るかな。一番心に残るものは“愛”なんですけど、そこでやっぱり自分は人間ですし…もちろん僕のやる“猫”の役にも愛はあるんだけれども、より自分が知っている方の感情としての愛の感情としては、人間である小夜にすごく移入する部分がありましたね。だから、これから自分の役を演じるにあたっては、きっともっとどんどんそっちサイドの感情を知っていかなくちゃならないし、知っていくことになると思うんですけど。
僕が演じる“猫型ハイブリッド”は、現実のこの世には存在しない生命なんですよね。SF作品なので。そこをやっぱり理解する作業っていうのは難しいと思うんですけど、でも、絶対知ってますもんね。愛っていう根底があって、そこを人間として捉えるのか、“ハイブリッド”っていう、まったく未知で知らないものから膨らますのかっていうだけの差であって、知ってはいるんで。絶対、その、寂しさっていうものとか、愛しさっていうものとか…なので、今そこをより、どうやってそこを大きく感じていくかっていうことを考えています。
——お相手の杉本彩さんは、相馬さんにとってどんな方ですか?
僕はまだ一回お会いしただけなんですけど…すごくオーラのある方で、緊張しますね。うん、きっと盗めるものというか、すごく勉強になることがこれからいっぱい出てくると思います。この舞台が決まった時、役者仲間に『杉本彩さんと共演することになったよ』って言ったら、それだけでみんな『見に行く、行くよ』って言いましたもん(笑)。そういう仲間達や、観に来てくださった方々が“杉本さんさすがだね、杉本さんよかったね”っていう感想を持ち帰るのは確実だと思うんですけど、僕はそれで終わらないように勝負をしていかないといけないし、緊張したり尊敬したりだけで終わっちゃ、やっぱりね、もったいないと思います。もちろん本当に素敵な方なので、だから、よけいにそう思うんですけど。
※こちらは、2人芝居『いなくなった猫の話』メイキング映像の1つです。
※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、相馬さんがこれまで、悪役や良い役や男娼の役(「クロードと一緒に」)を演じてきた中で、大切にしていることなどについて伺ったインタビューの後半の全文と写真を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>
■後にも先にもこういうシチュエーションあるのかなって思うぐらい新鮮な場所
■もがいて、探して、持ってきたものがはめられた時の快感は何にも代え難い
■日々変わる。それを楽しみと思えないと、この仕事をやってる意味がない
■猫耳で芝居ってラストチャンスかも。猫好きがやる猫の芝居を、楽しみにして
<Zu々プロデュース公演 森奈津子芸術劇場 第1.5幕 2人芝居『いなくなった猫の話』>
【東京公演】2018年8月1日(水)~12日(日) Performing Gallery and Cafe 絵空箱 (定員60名)
【相馬圭祐トークイベント上映会】2018年8月8日(水)、8月10日(金)、8月11日(土)
<関連リンク>
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Performing Gallery & Cafe 絵空箱
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<関連サイト>
相馬圭祐 Twitter
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相馬圭祐オフィシャルブログ「西陽で部屋の畳が焼けていく」
https://ameblo.jp/keisuke-soma
- 2019年以前の有料会員登録のきっかけ 2020年8月18日
- 「作品と演じる役に対する愛を大切にしたくて」、相馬圭祐インタビュー(下) 2018年7月6日
- 「猫耳と銃がマッチして…」、『いなくなった猫の話』相馬圭祐インタビュー(上) 2018年7月5日
- 2019年以前の有料会員登録のきっかけ 2020年8月18日
- 4度目の『クロードと一緒に』、松田凌・小早川俊輔W主演で4月13日から上演 2019年3月28日
- コミック『怜々蒐集譚』初舞台化&映像化、新国立劇場で2019年2月に上映・上演 2018年12月28日
※相馬圭祐さんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。有料会員の方がログインするとこの記事の末尾に応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは7月19日(木)です。(このプレゼントの応募は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。
※ここから有料会員限定部分です。
■後にも先にもこういうシチュエーションあるのかなって思うぐらい新鮮な場所
——「Performing Gallery & Cafe絵空箱」というスペースについてはいかがですか?
いやぁ、たぶん、後にも先にもこういうシチュエーションでやることってあるのかなって思うぐらい新鮮な場所じゃないですか。ただ、この間、劇場に行かせていただいたばかりなので、ここでやるんだっていう想像は…まだあまりできない段階ではあります。演技スペースとお客さんとの距離感もすごく近いし、もちろん杉本さんとの距離もすごく近くなるじゃないですか。だからもう、未知のものが多すぎて…どこまでその、バーとしての道具を使うのか、とか、その中でなにができるのか、とか。やれることが、すっごいあるようでない限られたスペース。
で、ありながら、なおかつ、お客さんには物語としてはすごく壮大な、感情の渦まくファンタジーとしての、あの物語を、あの空間だけで感じさせなくちゃいけないっていう挑戦になるわけですよね。…ちょっと、今まだ想像だにできない状況です。本当に。
■もがいて、探して、持ってきたものがはめられた時の快感は何にも代え難い
——この作品を演じるときに一番大切にしたいことを教えてください。
これまでもいろんな役をやらせていただいてきましたが、悪役やっても良い役をやっても、男娼の役(「クロードと一緒に」)をやったりしても…僕は根底に、作品に対する愛はもちろんですし、演じる役に対する愛をすごく大切にしたくて。まあ、それを感じられることなく正直終わった作品もあったりしますけど、でも、もがいて、探して、自分にない部分から持ってきたものがはめられた時の快感は何にも代え難いものがあるんですよね。それが“がちっ”とはまったとき、役への貢献ができたっていう気持ちをより強く持てるので。
そういう意味では、今回やる役というのは、僕自身本当にはじめて挑戦する役ですし、きっといろんなところから持って行かなくちゃならない感情とか、知らないものとかがものすごくたくさんあると思うんです。それを、自分の中で愛情だとか、悲哀だとか、別れだとか、寂しさだとか、そういう、知ってるものをうまく使って、一番に“相手”にそれを届けなきゃいけない。
今回は2人芝居ですから、きっと大人数でやる芝居よりは届けやすいし、届かなかった時、嘘ついちゃった時は、ばれると思うんですよね。まあ、もちろん舞台とか作品ってそれ自体が“嘘”なんですけど、その嘘をどこまで嘘じゃなくすかっていう作業をこれから稽古でやっていくので、その自分がどこまで嘘をつかずにできるか。そこですかね、うん。どんな作品でも嘘をつかないようにっていうのは大事にしている部分ではあるんですけど、…2人芝居ってやっぱり如実に出ると思うので。
そして今回は空間も、劇場もね、お客さんとより近い環境でやりますし、きっと眉ひとつ動かしただけでも意味が出てくる…うん。気を抜いた表情だったりとか、台詞回しとかっていうのは絶対見抜かれるものになると思うので、そこを丁寧に…僕、割と感情先攻型なんですけど、今回は丁寧に“相手”に届けて、お客さんにもわかってほしいことをわかってもらえるようなお芝居ができればなって。それを大切にしたいと思っています。
■日々変わる。それを楽しみと思えないと、この仕事をやってる意味がない
——嘘をつかないために、その時々で表現が変わることもあり得ますか?
まだ稽古に入っていないのでなんとも言えないんですけど、割と本番で変わるタイプって言われることが多くて。もちろん相手の方々も、きっと知らなかった感情とかって本番で生まれてくることって多いと思うんですよ。ましてやそれが2人芝居だとしたら、ねえ。こっちが何かを提示したら絶対あちらも変わるはずですし、その相手が提示したことをこっちが受けなきゃいけないわけですから。稽古ももちろん大事ですし、演出の古川さんもしっかりみてくださいますから。
揺るがないものはそこにありつつ、たぶん本番、幕が開いたらきっと変わっていくんじゃないですかね。公演数もそこそこありますし。変な話、長い公演だと作品によっては慣れてくる部分があったりするんですけど、今回に関しては、慣れたら終わり。慣れたくないですしね、2人だから。
杉本さんの演じる“小夜”の機微を見逃さないように。なにぶん、いろんな人…本番で変わる方いろいろ見てますし、僕もそれがすごく好きなので、きっと、日替わりぐらい変わるんじゃないかなあと思います。いいことなのか悪いことなのかはわからないですけど、それが楽しみなんですよね。
2人芝居ってきっと積み重ねのテンポがきっと速いので。幾重にもなる。うん、楽しみです。恐いですけどね(笑)それを楽しみと思えないと、この仕事をやってる意味がきっとないと思うので。今は“2人芝居”っていうことを楽しみにしてます。
■猫耳で芝居ってラストチャンスかも。猫好きがやる猫の芝居を、楽しみにして
——このお芝居を、見ようかどうしようか迷っている方に、どんな言葉をかけますか?
お財布と相談して決めてください(笑)ま、猫にひっかかってくれたら嬉しいですね。あとはもう、杉本彩さんです。杉本彩さんが舞台やってますよ、2人芝居ですよ、って。それが一番効果的でしょう(笑)。そこに俺もいるよ、っていうね。杉本さんにとってもライフワークにしたいと言われているくらい特別な作品だと伺っているので、そこにしっかり存在して、その一端を担えれば嬉しいなと思います。
——それでは最後に、観に来てくださる方にどんな言葉をかけたいですか?
30過ぎて猫やるんで観に来てください(笑)。
——ちょっと照れ気味なんですね?
でもでも、ちょっと照れくさい部分はあると思いますよ? いい意味なのか悪い意味なのか。やっぱり。でも、新境地なんで。たぶんあとにも先にも猫耳つけて芝居することってあと何回あるかってことですし。だから、そう考えると、ラストチャンスみたいなところがあるんで。こんな猫好きがやる猫の芝居を、楽しみにしていただきたいです。
※相馬圭祐さんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。この下の応募フォームからご応募ください。応募締め切りは7月19日(木)です。(このプレゼントの応募は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。
相馬くんのクロードと一緒には、大好きで衝撃的な作品でした。
彼の全力の演技は心揺さぶられるので、今回の作品も楽しみです。
猫の話がかわいくて、また常に愚直で謙虚で真摯な相馬くんの雰囲気が記事にもあらわれていて素敵でした。
素敵なインタビューありがとうございます!
純粋にロングインタビューで取り上げてくださったことが嬉しかったです。
愛猫の話にお芝居にまつわるお話などもたくさん聞くことができて大満足です◎
舞台本格復帰から約1年。クロードでタッグを組んだZu々さん・古川さんと圭ちゃんが再びお仕事をされるのは個人的にやはり感慨深いものがあります。
2人芝居に猫耳…初めてづくしのお芝居を濃密空間で楽しみたいと思います^^