ミュージカル『ドリアン・グレイの肖像』が、2018年9月21日(金)から9月30日(日)まで、東京の博品館劇場、2018年10月10日(水)から10月11日(木)まで、大阪の梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで上演されます。荻田浩一さんのオリジナル脚本・演出で展開する作品世界の中、その美貌で周囲を、そして自らの人生をも歪めていく美青年、ドリアン・グレイを演じる、良知真次さんにお話をうかがいました。
――『ドリアン・グレイの肖像』のお話はいつ頃から?
4年ぐらい前から「こういうことをやりたい」というお話はプロデューサーの方からいただいていました。まだ構想だけで、それがどの作品になるか?というのは、知らされていなくて。それまでは「ピッタリな作品があるから!」としか言われてなかったんです。それがまさかの!?(笑)。
――構想4年ですか! どの作品というのは知らされていなかったんですね。
作品が『ドリアン・グレイの肖像』というのは去年知りました。4年前は「やりたい!」ということだけで。
――ドリアン・グレイ役と知ったときのお気持ちは?
やっぱり映画にもなっている作品での「美しい」という存在、それがもう本当に目に見えて分かるような人、そういう人物なので、プレッシャーを感じていたら、もう本当にプレッシャーでしかないので、それについては演出の荻田さんから「周りが美しさを創ってくれるから、そこに居てくれたらいい」とおっしゃっていただきました。まぁ、僕も気付けば今年35歳で芸能生活20周年になるんですけど、ドリアン役というのは、実際35歳で演るような作品ではないと思うんです。もっと若い歳で演る作品であると思うので、自分なりの、自分の「ドリアン・グレイ」をこれから創りあげていけばいいのかなと思っています。
――原作にはどんな印象をお持ちでしょう?
映画は見ていますが、以前、博品館劇場さんで演らせていただいた、『WILDe・BEAUTY』(2008年)という、オスカー・ワイルド自身の作品で経験があったので、その印象が強いですね。その作品の中にドリアン・グレイは出てこないんですけど、今回の台本を読ませていただいても、やっぱりその、オスカー・ワイルドとちょっとこう、似てるというか、すべてではないですけど『ドリアン・グレイ』の作品には、オスカー・ワイルドが自分を当てながら描いている部分はあるかもしれないな、とは感じました。
※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、良知真次さんが考える「美」とは何なのか、脚本・演出の荻田浩一さんと何度も一緒に仕事をしてきての荻田作品の特徴などを話してくださったインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。9月2日掲載予定のインタビュー「下」では、出演作品すべてが主演という2018年の活動について、良知さんの「役」へのアプローチの仕方について、今後目指すものなどについて語ってくださったインタビューの後半の全文と写真を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>
■「美しさ」はダイヤモンドと一緒で、磨く人がいないと「美しい」とは誰も思わない
■荻田浩一さんの作品には何回か出演させていただいていますが、主演は初めてです
■ドリアンのストーリーともう一つ別のドリアンを巡るストーリー。物語が2つ同時に進む
■荻田さんの中にしかない「答え」を、稽古場で「答え合わせ」していく感じなんです
<ミュージカル『ドリアン・グレイの肖像』>
【東京公演】2018年9月21日(金)~9月30日(日) 博品館劇場
【大阪公演】2018年10月10日(水)~10月11日(木) 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
<スタッフ>
原作:オスカー・ワイルド
脚本・演出:荻田浩一
<出演>
良知真次
風花舞 彩輝なお(東京) 星奈優里(大阪) 蘭乃はな
法月康平 木戸邑弥 風間由次郎 村井成仁 長澤風海
東山義久 (Special)剣幸
<関連サイト>
博品館劇場のページ
http://theater.hakuhinkan.co.jp/pr_2018_09_21.html
梅田芸術劇場のページ
http://www.umegei.com/schedule/743/
<関連リンク>
良知真次 オフィシャルブログ「HISTORY ROAD」
https://ameblo.jp/rachi-shinji/
東宝芸能 良知真次
http://www.toho-ent.co.jp/actor/profile.php?id=7722
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■「美しさ」はダイヤモンドと一緒で、磨く人がいないと「美しい」とは誰も思わない
多分、「美しい」というものは、単体として美しくても、要は多分「原石」であって、ダイヤモンドと一緒で、それを磨く人がいないと「美しい」とは誰も思わないと思うんです。美しい人しかこの世に居なくて、他に人が居なければ、その人自身は「美しい」なんて思わないだろうし、自分だけ生きていたとしたら「何故こんなに醜いんだろう」と逆に思ってしまうかも、と思うんですね。だから今回の台本もそうですけど、周りに「美しい」と言われることによって、自分自身が「美」というものに中毒になっていくんじゃないでしょうか。最初は人から、それが気付けば自分も、というような感じで。例えばグラスでもお皿でもそうですけど、どんなに美しいものであっても、落として割れてしまったらゴミでしかないですから。だから「美しい」というのは難しいなと思います。「綺麗」だけだったりするものって、人は飽きるじゃないですか。でもこの作品のドリアン自身はそういう存在ではないので。周りにとって。
――周りがドリアン自身の美しさに対して飽きることがない。そういう美しさを彼は持っている?
もう、美しさへの「中毒」だと思うんですよね。その上、その美しさによって人が亡くなってしまうし。だから、この作品を通してみると「美しさは罪」なのかな、思ってしまいます。
■荻田浩一さんの作品には何回か出演させていただいていますが、主演は初めてです
――『ドリアン・グレイの肖像』という原作をベースに、荻田さんが脚本をお書きになった今作ですが、どんな印象をお持ちですか?
やっぱり原作版の映画とかとは違っていて、90年代のロンドンが舞台で、ミュージカルと謳っているので、一番最初から歌も入ってきます。もちろん歌・踊り・芝居、すべてのジャンルが入るんですけど、ちょっと現代版になっているんです。現代版と言うのもおかしな話ですけど。
――脚本・演出の荻田浩一さんとは、これまでにも一緒にお仕事をされていますね。
何回か出演させていただいています。オリジナル作品の『WILDe・BEAUTY』とか、ジェームス・ディーンを主人公にした『“D”~永遠という名の神話~』(2008年)、そして『アルジャーノンに花束を』(2014年)もそうですけど、いろいろやらせてもらってる中で、今回初めて主演としてご一緒させていただきます。
――演出家としての荻田さんはどんな方でしょう?
すごく個性的…、なんて言ったらいいのかな…これは僕が感じることなんですけど「エンターテイメント」要素よりも「アート」的要素が多い演出手法をされる演出家の先生だと思います。宝塚でレビューとかもされていましたけど、そういうショーの構成も、宝塚の人から「エンターテインメント性よりもアート寄り」という風に聞いていたので、それがミュージカル、お芝居でもそうなんじゃないのかな、と。戯曲を読んでいてもそうで、今だとあまり使わないような難しい言葉を選ばれるんです。「エンターテインメント」というものは、黙っていても魅せてくれるような気がするんですけど、「アート」はこちらも寄って行かないといけないですよね、やっぱり。そこが“荻田さん流”なのかな、と思います。
■ドリアンのストーリーともう一つ別のドリアンを巡るストーリー。物語が2つ同時に進む
――その荻田さんが紡がれる『ドリアン・グレイの肖像』について、現時点の公開されている登場人物の情報として、ドリアン・グレイの良知さん、ヘンリー・ウォットンの東山義久さん、原作でも重要な役所の“バジル”、そして今作オリジナルの“アガサ”という女性。役名が判明しているのが、良知さんと東山さんのお2人だけなんです。
そうなんですね。名前が出てるのは。
――アガサについては、多分あの方!(笑)。このオリジナルキャラのアガサの名前が出てきているので、物語的にはこのあたりの構成が、何か変わってくるのでは?と、いろいろ想像してしまいます。
今回はいろんな見方が出来るのではないのかなと思います。その役を通して、いろんな…、大きく分けると物語が2つ同時に進んでいるような感じがあるので。役もそうですけど、そこにどう物語が進行して関わって行くか、ですね。
――それは、大まかにドリアンを軸にした流れと、ドリアン以外の誰かを軸にした流れ、というような?
いや、主はもちろんドリアンなんですけど、ドリアンのストーリーともう一つ別のドリアンを巡るストーリー。結局最後は収束するんですけど、そこがこう、今回は「キー」になってます。
■荻田さんの中にしかない「答え」を、稽古場で「答え合わせ」していく感じなんです
――良知さん、東山さん、長澤風海さんと、ダンスを強みとされている方々がいらっしゃるので、ダンス要素もかなり大きな作品になるのでは?
これがまったく分からないんですね(笑)。まだ歌稽古しかやってないですし、曲も全部は出来上がってないですし。歌については台本にも書いてあるんですが、ダンスまでは書かれてないんですよ。どうなるのか、ちょっと分からない。でも、みんなほぼ踊れるんじゃないですか? というか踊れない人は居ないんじゃないかな。
――先程「アート寄り」という言葉もありましたが、ミュージカルといいつつも荻田さんの脚本・演出ですから、芝居要素も絶対に大きそうと予想しています。実際に台本をお読みになっていかがでしょう?
荻田さんのすごいところは、“舞台がどうなるか?”というのが、台本を読んでまったく想像出来ないんですよ。荻田さんの中にしか答えがないので。だから、稽古場でその「答え合わせ」をしていくような感じなんです。なので、キャストといえども分からないんです。
――台本は事前に渡されるけど、実際稽古場で荻田さんの描く世界を皆さんで動いてみて、初めてイメージが見えてくる感じ?
荻田さんが、どういう「絵」を描こうとしているかっていうのが、まだ…。「絵」で魅せるというところが、やっぱり荻田さんの作品の魅力の一つなのですが、そこがちょっと今回どうなるのかが、まだ立ち稽古が始まっていないので、全然わからないですね。
――実は以前、荻田さん演出作品のキャストの方にインタビューさせていただいたときも「荻田さんの頭の中にある」という言葉を聞いたことが(笑)。
やっぱりみんな言いますか(笑)。今回に関しては、もう、ガッツリ「お芝居」ですね。もちろん歌もありますし、人によっては踊りも入ってきますけど、ただもうガッツリお芝居になる。と言うのも、歌がもうお芝居になってるので。なので、きっと踊りもショーアップされた、というような踊りにはならないと思います。お芝居での流れというか、そういう感じになるんじゃないかなと思いますね。
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良知さんの作品への想いや、お仕事への取り組み方が伝わってくるインタビュー記事でとても良かったです。
鏡を使っているお写真は、今回の作品「ドリアン・グレイの肖像」にリンクしていてすごく素敵だなと思いました。