「何回見ても爆笑を取れるものを」と、「THE REDFACE」榊原利彦インタビュー(上)

榊原利彦さん=撮影・堀江男二、写真提供・THE REDFACE

ドラマや舞台で活躍している榊原利彦さんのインタビューを上・下にわたって紹介します。19歳で芸能界入りし、パフォーマンスユニット「幕末塾」の一員としてデビュー、テレビドラマや映画、Vシネマなどに出演している榊原さん。2006年からは劇団「THE REDFACE」を主宰し、演出・主演を務めています。インタビュー「上」では、俳優になったきっかけや「幕末塾」時代のこと、ドラマ『スクールウォーズ2』、Vシネマ『仁義』のエピソードを、5月21日(火)に掲載するインタビュー「下」では、「THE REDFACE」を立ち上げたきっかけや、劇団の特徴、今後の展望などについて伺ったお話を紹介します。また、5月22日(水)には、2019年4月13日に横浜市開港記念会館で上演された「THE REDFACE」の舞台『Carmen Operacomic』(カルメン・オペラコミック)の公演ルポを掲載します。

榊原利彦さん=撮影・堀江男二、写真提供・THE REDFACE

榊原利彦さん=撮影・堀江男二、写真提供・THE REDFACE

――俳優になったきっかけをお話しください。

高校生の時、原宿を歩いていたら、スカウトされたんです。「アイドルワンダーランド」というところでバイトしながらデビューさせるという話でね。当時の僕はアイドルということ自体にアレルギーがある人だったんですが、「とにかくオーディションに来てくれ」と言われて、受けに行ったら1位で通過しちゃって。それでしばらくは日当のいいアルバイトをしていたんですが、「これだとちょっとだめだろう」ということになって「幕末塾」というパフォーマンスユニットのグループを組んで、『ナイスガイ・コンテスト』に出場したんですよ。そこでグランプリになったのが吉田栄作さんで、僕らは準グランプリを受賞し、太田プロダクションにお世話になることになり、そうしていると、瞬く間に売れちゃったんですよ。とはいえ特別に歌が上手いわけでもなかったので、「何をやりたいんだ」といったことを聞かれたときに、「タレントというのとも少し違うから、やっぱり俳優だなぁ」と思ったのが、俳優になるきっかけになりました。

――「幕末塾」はアイドルグループですよね。スタートはアイドル?

そうです。スタートは「幕末塾」で、ちょうど19歳のときです。「幕末塾」はもともとパフォーマンスグループとして活動していて、男っぽい感じでいこうということでスカジャンを着てたんですが、事務所に入ると「男の子の場合は、もう少しかわいい路線の方がうけるだろ」ということになったんです。メンバーのみんなも歌手よりも役者をやりたいと言っていたので、秋元康さんにプロデュースをお願いし、「歌って、踊って、芝居もできる男たちの劇団で行こう」ということになりました。幕末塾のメンバーは10人だったんですが、芝居の基本はコントだからということで、シリアスでありながらも究極の場面で面白さを追求していこうと、一番最初にコントをやりはじめました。「ちょっとハプニングを起こして笑わせる小手先笑いみたいなものだと誰でも笑えるし、1回見たら笑えないから、きちんとしたネタを作れ。何回見ても爆笑を取れるものを作らないとダメなんだ。それが芝居なんだよ」とすごく怒られましたね。

※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、ドラマ『ええにょぼ』『スクールウォーズ2』『仁義』シリーズについてのエピソードなどインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。5月21日(火)掲載予定のインタビュー「下」では、劇団「THE REDFACE」を立ち上げたきっかけや劇団の特徴などインタビューの後半の全文を掲載します。5月22日(水)には、2019年4月13日に横浜市開港記念会館で上演された「THE REDFACE」の舞台『Carmen Operacomic』(カルメン・オペラコミック)の公演ルポを掲載します。

<有料会員限定部分の小見出し>

■緒形拳さんは「アクションできないヤツは、イモだ。すぐにひっくり返る」と

■(朝ドラ『ええにょぼ』で戸田菜穂さんの夫役)関西弁を覚えるのに苦労しました

■『スクールウォーズ2』は、いきなりジャージを差し出されて。みんなやんちゃで

■『仁義』ではカースタントも全部自分でやっていました。足の骨はよく折りました

■リキ(竹内力)さんとは20年。リキさんのセリフを僕がしゃべることになったことも

<『Carmen Operacomic』(カルメン・オペラコミック)>
【愛知公演】2019月1月14日(月) 愛知県芸術劇場 小ホール(この公演は終了しています)
【神奈川公演】2019年4月13日(土) 横浜市開港記念会館(この公演は終了しています)

THE REDFACE 今後の予定

<舞台『七慟伽藍 其の二十』>
【神奈川公演】2019年6月29日(土)~6月30日(日) 横浜情報文化センター 情文ホール
公式ページ
https://theredface.stage.corich.jp/
CoRich舞台芸術!のページ
https://stage.corich.jp/stage/100113

<関連ページ>
榊原利彦 オフィシャルブログ
http://ameblo.jp/sakaki-blog/
榊原利彦 公式ツイッター
https://twitter.com/4g5gtv
榊原利彦 公式Facebookページ
https://www.facebook.com/sakakibara.toshi/
『THE REDFACE』 公式ページ
https://theredface.stage.corich.jp/

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榊原利彦さん=撮影・堀江男二、写真提供・THE REDFACE

榊原利彦さん=撮影・堀江男二、写真提供・THE REDFACE

※ここから有料会員限定部分です。

■緒形拳さんは「アクションできないヤツは、イモだ。すぐにひっくり返る」と

--ということは役者としての活動はコントから?

当時TBSでプロデューサーをしていた遠藤環さんから「ドラマに出演する女の子のオーディションで相手役をやってくれ」と言われたことがあり、そのときに俺の芝居も見てもらえるということになったんですね。で、「どんな芝居をやりたいんだ?」と聞かれたときに、「僕はコントしかやってこなかったから、たまにはシリアスの芝居をやりたい」と言ったんです。そしたら、「お前なぁ、コントできないヤツは役者じゃないぞ」と言われました。また、緒形拳さんからは、「アクションできないヤツは、全員イモだと思っていい。なめてかかっから、すぐにひっくり返るヤツらばかりだからな」と言われたんです。

たしかに実際そうで、コントできる役者って運動神経もいいし、感覚が鋭いんですよ。例えば、「東京03」は認知度もあって芝居の切り取り方とか最高に上手だと思うし、面白いか面白くないかっていうのは、そういうことです。山田孝之くんも相当いいじゃない? お笑いの人たちがやってるコントみたいなことをやっていて、ある種のオリジナリティがあって、個性が素晴らしい。ショーケン(萩原健一)さんもそうですよね。そういえば、俺もショーケンさんに高嶋政伸くんと二人並べて、怒鳴られたこともあったなあ(笑)。

▪️(朝ドラ『ええにょぼ』で戸田菜穂さんの夫役)関西弁を覚えるのに苦労しました

――NHKの朝の連続テレビ小説『ええにょぼ』では、主演の戸田菜穂さんの夫を演じられました。関西が舞台でしたが、印象に残ってることは?

そうそう、あれはまたうっかり受かっちゃったんですよ。舞台となった神戸は、海があって、港があって、山があって、生まれ育った横浜に似てて、すごく好きでしたね。ただ、関西弁を覚えなきゃいけなかったんだけど、関西弁の講師の方が本当に厳しくて、覚えるのに一苦労しましたね。

榊原利彦さん、THE REDFACE『Carmen Operacomic』神奈川公演より=撮影・堀江男二、写真提供・THE REDFACE

榊原利彦さん、THE REDFACE『Carmen Operacomic』神奈川公演より=撮影・堀江男二、写真提供・THE REDFACE

■『スクールウォーズ2』は、いきなりジャージを差し出されて。みんなやんちゃで

――『スクールウォーズ2』では一躍有名になりましたね。

当時の僕は、フランス映画とかそういうものばかり見ていたので、最初は「なんで今さらこんな青春モノやるんだよ」って思っていたんですが、けっこう楽しませていただきました。あの時代はトレンディ俳優が主流だったから、流行り物に食いつきたかったんだけど、全然トレンディドラマには出られなかったなあ(笑)。

――特に印象に残ってる思い出は?

「スクールウォーズ」は、ほんとにみんなやんちゃでしたね。当時は、同じ世代の吉田栄作さんとかはトレンディドラマに出てて、スーツがカッコいい時代だったから、僕とか保坂尚輝くんたちも、みんなビシッとスーツを着て、ロレックスとか着けていたわけ。それで番宣の収録に行ったら「お前ら、これに着替えろ」って、いきなりジャージを差し出されちゃってさ(笑)。向こうはトレンディなのに、僕たちはなぜか部室なわけです。「まいったなぁ、これはやけ酒だなぁ」といった感じで、ガバガバお酒飲んでみんなハチャメチャにはしゃいで、結局番宣に使えるところが1ミリもなく、VTRしか流れなかったっていう話。とにかくみんなやんちゃでしたね。

榊原利彦さん=撮影・堀江男二、写真提供・THE REDFACE

榊原利彦さん=撮影・堀江男二、写真提供・THE REDFACE

■『仁義』ではカースタントも全部自分でやっていました。足の骨はよく折りました

――サカキさんといえば、竹内力さんとの共演で有名なVシネマ『仁義』シリーズの「義郎」ですが、どんな思い出がありますか?

『仁義』はね、僕が23歳くらいから20年ぐらいはやってて、全56本くらいになると思います。はじめの頃の現場は、おっかない人ばっかりでしたが、認めてくれる部分があったので、長年させていただきました。

現場にはスタントマンがいなかったので、カースタントも全部自分でやっていました。監督から趣旨を聞いた上で「じゃあ、俺、自分でやりますよ。こういうのはどうですか?」といった感じで提案しながら、ね。アクションっていうのは、ちゃんとカットを割っていかないと作っていけないので、計算しながら、これはどういう風にやるのかを考えてやっていました。

――スタントマンがいなかったとは! 怪我とかはなかったんですか?

足の骨はよく折りましたよ。指とかだけどね。だけど、怪我をしちゃうというのはまずかった。要するに自分の不注意だよね。単純に自分の筋力が弱っていただけで、そんなことくらいで怪我をするなんてほんとにダサイっていうことだからね。

――ある意味、命がけですね。

3階から飛び降りたこともあったなあ。車で走っているシーンでも、普通なら50キロくらいで運転するのが怖い道でも、80キロくらいのスピードを出して走行し、急ブレーキで止まるわけです。止まり切らなくて、港から落ちそうになった時もあったよ。それでもクールに車から降りてくる義郎の役は、本当に面白かったです。

榊原利彦さん、THE REDFACE『Carmen Operacomic』神奈川公演より=撮影・堀江男二、写真提供・THE REDFACE

榊原利彦さん、THE REDFACE『Carmen Operacomic』神奈川公演より=撮影・堀江男二、写真提供・THE REDFACE

■リキ(竹内力)さんとは20年。リキさんのセリフを僕がしゃべることになったことも

――竹内力さんとのコンビはいかがでしたか?

リキさんとは、20年も一緒にいると、だんだん慣れてきて、絶妙のコンビだったと思います。例えば、冒頭のシーンはだいたい5ページくらいあるんだけど、10年くらい経って中盤くらいになってきた頃には、「これは俺のセリフじゃないなぁ、サカキのセリフだろう?」という話になり「そうですねー。じゃあ、それだったら、あれも、これも……」と、リキさんのセリフも僕がしゃべることになったこともあって。現場ではテストもしないから、その場で一気に全部覚えなきゃいけない。で、そうこうしていると、「めんどくさいから、もうカメラ回そうよ」ってことになって、「俺、長セリフしゃべってるんだよ。大変なんだよ」って言いながら……。すぐ覚えないと怒られるしさぁ、ホント、大変でしたよ(笑)。

榊原利彦さん=撮影・堀江男二、写真提供・THE REDFACE

榊原利彦さん=撮影・堀江男二、写真提供・THE REDFACE

※榊原利彦さんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。この下の応募フォームからご応募ください。応募締め切りは6月20日(木)です。(このプレゼントの募集は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。

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