オリジナルミュージカル『ロカビリー☆ジャック』が、2019年12月5日(木)から30日(月)まで日比谷・シアタークリエで上演されます(福岡、愛知公演あり)。森雪之丞さんが書き下ろす新作ミュージカルで、1950年代のアメリカで光り輝いたロカビリー音楽をテーマに、スターになるために悪魔と契約をかわすシンガーを中心に描かれる楽しくも切ない若者たちの青春エンターテインメントです。演出を手掛けるのは『SONG WRITERS』以来2度目のタッグとなる岸谷五朗さん。テーマ音楽はミュージカル初参加の斉藤和義さん。さらに、さかいゆうさん、福田裕彦さんが作曲に加わります。海宝直人さんと平野綾さんのインタビュー、後半をお届けします。有料部分では、おふたりの最初の共演作品である、2015年『レ・ミゼラブル』当時の印象なども語っていただきました。
――いろいろと、コメディー要素について伺いましたが、物語全体を通しての印象をどう感じていますか?
平野:いわゆる映画『クロスロード』で悪魔と契約してという有名な伝説が、雪之丞さんによって、こうも面白くというか、お洒落に書きかえられるんだなと思いました。その意外性だったり、チラシにも書いてあるどんでん返しみたいのが、割と大きくひとつあるのではなくて、立て続けにがんがんがんがん、と来るんです。それが、多分あっという間だなと感じさせるのではないかなと。早く、観てくださった方の意見が聞きたいです。
――二転三転で終わるかと思いきや、四転五転していくような?
海宝:そうですね。最後の最後まで展開します。でも、本当にハートフルな物語なんですよね。この作品のテーマにもなっていますが、みんなが“愛しい嘘”をついている。それぞれのキャラクターに愛すべきポイントがあって、それもすごく魅力だなと思います。キャラクターたちのとがり方と、チャーミングさがあるんです。それぞれが何かを獲得しようとしたり、何かを成し遂げようとして、奮闘して頑張っている。それが最後に、大円団につながるような、カタルシスというか。観劇後に「楽しかったなぁ」「ハッピーだなぁ」と思って帰ってもらえる作品に仕上がればと思います。
――悪人がいないですよね。
海宝&平野:いないですね。
平野:みんな、何となく生きているんです。何となく生きて、何となく夢があって、何となく追いかけてみたいなことが、本当にひょんなことから、がらっと運命が変わる。突き進まざるを得なくなるというのは、割と誰にでもあることだなと思います。あと、この年代のいい意味でのロック感とか、ちょっとけだるく生きてる感じが、音楽と合います。
――その音楽は、斉藤和義さん、さかいゆうさん、福田裕彦さんによる楽曲ですね。
平野:音楽が難しいです。
海宝:そうですね。自分の中でもずっと思ってるんですが、ミュージカルでありながら、このアーティストの方々が書いてくださっていることが課題でもあるんです。普通のミュージカルならば、詞として語っていくことが、演劇なので大切になってきますが、やっぱりそれぞれのアーティスト性が立っている曲でもあるので、歌うことも結構大事になってくるというか。(音楽監督補・ヴォーカルデザインの福井)小百合さんとも話していて、「ここはちょっと芝居に寄りすぎているから、もっとアーティスティックに歌ってもいいんじゃない?」とか、「ちょっとここはアーティスティックになりすぎるから、もっと言葉をシンプルに歌ってみよう」とか、狙いどころやバランスの取り方が難しいですね。
平野:ちょっとミュージカルっぽいからやめてと言われたりね(笑)。
(一同笑)
<取材協力>
海宝直人 ヘアメイク:AKI
海宝直人 スタイリング:鈴木拓人
平野綾 ヘアメイク:清水恵美子
※アイデアニュース有料会員限定部分には、海宝さんと平野さんが最初に共演した2015年の『レ・ミゼラブル』当時のことや、この作品で共演する昆夏美さんや吉野圭吾さんらについても語ってくださったインタビュー後半の全文と写真を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>
■平野:ミュージカルをやるに当たって、封印してきた歌い方を、今出してます
■海宝:(2015年に『レ・ミゼラブル』で共演した時は?)イケメンゴリラの話を
■平野:久し振りの共演で、投げ飛ばすとは思ってなかったです。いいのかな、と
■海宝:(平野さんは)幅がすごい。コメディーからシリアスな作品まで
■平野:『ロカビリー☆ジャック』、ゾゾッとなってもらえるような作品に
■海宝:個性に合わせて要素を足していくのは、オリジナルじゃないとできない
<ミュージカル『ロカビリー☆ジャック』>
【東京公演】2019年12月5日(木)~12月30日(月) 日比谷シアタークリエ
【福岡公演】2020年1月11日(土)~1月12日(日) 福岡市民会館
【愛知公演】2020年1月16日(木) 日本特殊陶業市民会館ビレッジホール
公式サイト
https://www.tohostage.com/rockabilly_jack/
<関連リンク>
海宝直人オフィシャルウェブサイト
https://kaihonaoto.com
海宝直人Twitter
https://twitter.com/naotosea
平野綾オフィシャルブログ
https://ameblo.jp/hirano–aya/
平野綾オフィシャルインフォTwitter
https://twitter.com/Hysteric_Barbie
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※海宝直人さん&平野綾さんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。有料会員の方がログインするとこの記事の末尾に応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは2020年1月4日(土)です。(このプレゼントの募集は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。
※ここから有料会員限定部分です。
■平野:ミュージカルをやるに当たって、封印してきた歌い方を、今出してます
――そういう意味では、普段お2人とも役ではなく歌手として歌うことがあるじゃないですか。その辺は強みになったりしないのかなと。
平野:ミュージカルをやるに当たって、封印してきた歌い方を、今出しています。でも、それがどこまで許されるのかな、と。
海宝:そうなんだよね。バランスが難しいね。
――例えば『レ・ミゼラブル』には出て来ない歌い方とか。
海宝・平野:絶対に出て来ないですね。
平野:何やっているんだって言われちゃいますね(笑)。
海宝:ずり上げるな! とも言われそうだね(笑)。
――本当に誰でも知っているようなアーティストの作った曲をミュージカルで歌うのは、なかなかないことですよね。
平野:贅沢ですよね。それぞれの役に合った歌なので、キャラクター性がすぐに分かります。
海宝:個性が出ていますね。面白いなと思うのが、ミュージカルってリプライズで紡いでいくことがありますが、今回あまりリプライズはないので、1曲1曲の個性が際立っているというか。
――サウンドトラックのようなものができたら、すごくバラエティーに富んでいる感じですね。
海宝:そう思いますよ。
平野:面白いと思います。アルバムを出してほしいですね。
海宝:確かにね!
■海宝:(2015年に『レ・ミゼラブル』で共演した時は?)イケメンゴリラの話を
――これまでのご共演は『レ・ミゼラブル』だけですよね。
海宝:2015年だけなんですよね。
平野:しかも、その時はほとんどしゃべってないんですよ。
海宝:綾ちゃん、後半しか稽古にきてなかったから。
平野:嘘!?
海宝:前半はほとんどいらっしゃらなくて、後半に来てましたよね。
平野:そうか! 『モンティ・パイソンのSPAMALOT』に出演していました。
海宝:本番が始まってから、ようやく会えた印象です。
――記憶に残っている限りで、当時はどんな印象ですか?
海宝:変な話ですが、舞台袖でイケメンゴリラの話をした記憶が(笑)。
(一同笑)
平野:名古屋の東山動物園のイケメンゴリラ(笑)。
海宝:その話をした記憶が、めっちゃある(笑)。
平野:どうでもいいよね(笑)。やばいね、何でしたんだろう。
海宝:分かんない。でも、なんか「行きたい」っていう話をしてた。
平野:確か行ったんだよ。本当に接点がなさすぎて、何かしゃべんなくちゃと思って。「プリュメ街」の前に、 2人で舞台袖でスタンバイしている時に、若干無言になると気まずい空気が流れる瞬間があるんです。その時にいつも、何かしらネタを言ってた気がする。
海宝:それで東山動物園だったんだ。その話をした記憶がすごく残ってる。
平野:懐かしい(笑)。
――海宝さんは、2015年当時の『レ・ミゼラブル』の記憶があまりないという話をされることがありますよね。
海宝:そうなんです。必死にやっていたイメージしかないんです。
――逆に平野さんは、新しくやってきたマリウスを、どんな風にご覧になっていたんだろうかと。
平野:マリウスっぽい、と思っていました(笑)。でも本当に、これからこういう人が引っ張って行くんだなと思って、一緒にできてよかったな、と思いました。何に対してもすごくまっすぐなので、「それはコゼットしか見ないよな」というエポニーヌの気持ちでした。
海宝:あの時はまっすぐでしかなかったからね。とにかくもう必死にやってました。しかもアンサンブルから初めてのプリンシパルでしたから。エポニーヌ軍団めっちゃ怖かった(笑)。
(一同笑)
平野:絶対怖いよね!
海宝:(笹本)玲奈ちゃんはレミゼの1o年選手でしたね。
平野:その年のエポニーヌは、玲奈ちゃん、昆(夏美)ちゃん、私、ビビ(綿引さやか)だよね。やばいのが4人揃っていたんですよ(笑)。
――そこにマリウスとして、1年目で入ったわけですね。
平野:私が最初に入った時ですら、めっちゃ怖かったですもん(笑)。
海宝:本当!?
平野:『レ・ミゼラブル』の人たちだ、って思っていました。海宝君も、年下だけどキャリアとしては大先輩だから、どう接していいか分からなかったんです。今は「海宝先輩」って呼ぶんですが。
海宝:やめて欲しいです(笑)。
平野:だから、今回ようやくいろんな面を見せてくれたなと思います。
海宝:当時は僕からしたら、みなさん有名な方々でしたし、『レ・ミゼラブル』に長く出演されている先輩。下手な「恵みの雨」をやったら、絶対に嫌われるって思ってました(笑)。
平野:「それじゃ死ねないわ」って(笑)。その時のエポコゼ(エポニーヌとコゼット)がものすごく仲がよかったんですよ。コゼットは、若井久美子ちゃん、磯貝レイナちゃん、清水彩花ちゃんでしたね。
海宝:僕は彩花ちゃんと一緒に新キャストで入ったんだ。
平野:いつもエポコゼのみんなでご飯を食べに行くんです。確かにそれだけ女子が集まったら怖いと思います。
海宝:怖いよ!(笑)。レイナちゃんと若井さんも、結構お姉さん感があるんですよ。
平野:実際ふたりとも年上だしね。
海宝:仲よくなったら、全然そんなことないんですが、こうなんか……すっとしてるから。
――お姉さまたちいっぱい……どうしよう……みたいな?
海宝:確かにそうだったかも(笑)。
■平野:久し振りの共演で、投げ飛ばすとは思ってなかったです。いいのかな、と
――2015年のレミゼ以降は、お互いの舞台を観たことなどはありますか?
平野:観てはいるけど、別にそれで話すとかいうことはなく、「久し振り」みたいなタイミングもなかったよね。
海宝:そうだね、全然話してはいないかも……。
平野:『レ・ミゼラブル』の30周年も別の日だったよね?
海宝:うん、そうだと思う。
――じゃあ、本当に4年振りですね。
平野:久し振りの共演で、投げ飛ばすとは思ってなかったです。いいのかな、と思って。
(一同笑)
――『恵みの雨』をやっていた2人が、今度は投げ飛ばし、投げ飛ばされる(笑)。
平野:あとエポニーヌと言えば、昆ちゃん(ルーシー・ジョーンズ役)に対して、海宝君がすごく雑な扱いをしてるのが面白くて。思わず笑ってしまうと思うので要注目です。
海宝:そうだね(笑)。人として扱っていないというか……。
平野:最初、昆ちゃんとは分からないよね。
――それは楽しみです(笑)。今のお互いのご活躍を見ていかがですか?
平野:先程も少し言いましたが、年下ですが先輩だと思っていますので。
海宝:いやいやいや。
平野:「はい、先輩。ついて行きます」みたいな感じです。
海宝:とんでもないです。本当に勘弁してください。本当に申し訳ないです(笑)。
平野:でも本当に、相談できたりするので助かります。
海宝:そういう環境はすごく大事ですね。
平野:ちゃんとお互いのことを褒め合って(笑)。
海宝:でも綾ちゃんは、僕が存在を知った時から第一線で活躍されていて、走り続けているから。
平野:いやいやいや(笑)。
海宝:いやいやいや(笑)。
■海宝:(平野さんは)幅がすごい。コメディーからシリアスな作品まで
――譲り合っていますね(笑)。
海宝:やっぱり仕事の幅がすごいじゃないですか。それこそ福田雄一さんのコメディー作品から『レ・ミゼラブル』のようなシリアスな作品まで。やっぱりすごいなって、改めてご一緒させていただきながら、思っていますね。
平野:今回、ゼロ距離で台詞を言わなければいけない時があって、本当に申し訳ないなと思っていて。
海宝:こちらこそですよ(笑)。
平野:接点はあまりありませんでしたが、今回が初めてじゃなくて、それこそ『レ・ミゼラブル』で会っておいてよかったなと思っています。
海宝:確かに(笑)。
――それぞれの新しい面を見られるところが盛りだくさんの作品ですね。
海宝:皆さんそうかもしれないですね。(吉野)圭吾さんは通常運転かもしれないですが(笑)。悪魔と言いつつ……。
平野:私は圭吾さんが、ソロコンサートをされた時に、観に行かせていただいたんですが、それが衝撃的過ぎて、本当にすごかったんです。
海宝:それはどんな?
平野:3人ぐらいで、作品を掛け合わせたミュージカルを作っていらして。実はあれから、私は圭吾さんに悪魔的な役をやって欲しいなと思っていたので、今回夢が叶ったかな。
海宝:すごい!
■平野:『ロカビリー☆ジャック』、ゾゾッとなってもらえるような作品に
■海宝:個性に合わせて要素を足していくのは、オリジナルでないとできない
――最後に、楽しみにしている皆さんへのメッセージをお願いします。
平野:1960年代で、ロカビリーのブームがいったん去って、なおロカビリーで突き進もうとしている主人公が頑張る物語です。1回ブームが去ったものにもう1回火を付けるのは、すごい労力とエネルギーだと思うんです。先日、「音楽を聴いて鳥肌が立つ」という現象を科学的に解明した記事を読んだのですが、気持ちと聴いてる音とが合っていないと、鳥肌は立たないらしいんです。そういう、音楽での感動みたいなものが、作品だけじゃなく、本当に作品を飛び越えて、観ている方々に「うわっ! これはすごい!」と、ゾゾッとなってもらえるような作品になるように頑張ります。
海宝:いろんな要素が盛りだくさんです。ダンスも歌ももちろんありますし、その他にもタップがあったりと、いろんなことが次々に、本当におもちゃ箱のように驚きの要素が溢れ出るんですよね。年末ですし、嫌なことを忘れて、音楽と熱気に身を任せて、楽しんでもらえたらなと思います。役者それぞれの個性に合わせて、いろんな要素を足していくのは、オリジナルでないとできないじゃないですか。「この人はこれができるから、これもやろう」とか、「この人はこれも得意だから、これも取り入れよう」と作っていけるのも、オリジナルの魅力だなと思います。そういう要素がたくさん詰まった作品ですので、楽しんでもらえたらと思います。
※海宝直人さん&平野綾さんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。この下の応募フォームからご応募ください。応募締め切りは2020年1月4日(土)です。(このプレゼントの募集は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。
ロカビリージャック拝見した後にこの記事を読みました。
言ってること凄く分かるし、またもう一度観たくなってきました。
本当にCD出して欲しい!むしろ映像残して欲しい!
日本のオリジナルミュージカル、笑ってほっこり温かなるコメディ&ヒューマンミュージカル、綾さん、海宝くんはじめみなさんの演技の歌の技に魅了されてました!!
アイデアニュースさんの記事は、いつも素敵で楽しみにしています♪
お二人のコメントを読んで、期待が益々高まってとっても楽しみになりました。
海宝さんが平野さんに投げ飛ばされる?!シーン注目したいと思います‼️
ロカビリージャックの初日、とても楽しく観劇させていただきました。
綾ちゃんと海宝さんの歌声に、ほんとうに鳥肌がたちました!
何度か観れるので次も楽しみにしております。ありがとうございました。
ロカビリーますます楽しみになりました!レミゼの秘話も貴重ですね!!エポニーヌ軍団に笑ってしまいました!
いつも素敵な記事をありがとうございます。
日本発信のミュージカルは、どんな作品でも見るのがとてもわくわくしますが、何が起こるんだろう!?とわくわくがより増す記事でした!
平野さんの締めの「音楽を聴いて鳥肌が立つ」を体感できるのが楽しみです。
お二人のお話から、舞台への期待が高まりました。
日本発信のオリジナルミュージカルの良さがたくさん詰まった舞台になるのかな、
と本当に楽しみです!!
後半も楽しく読ませていただきました。レミゼでのエピソードは貴重です!岩村さんのお写真も素敵✨
いよいよ開幕、観劇日が待ち遠しいです♪