(2015年「希少疾患の日」のオフィシャルビデオ)
2015年2月28日は、第8回の「希少疾患の日」(Rare Disease Day)です。欧州希少疾患協議会(EURORDIS)は2015年2月27日、世界中で希少疾患に対する認識を高めようと様々な啓もう活動が行われていることについて発表しました。今年のテーマは、「希少疾患と生きる 一日一日を大切に、手を取り合って」(Living with a Rare Disease: Day-by-day, hand-in-hand)です。プレスリリースでは、次のように呼びかけています。
Internationally, it is essential to send a strong message of solidarity to the countless rare disease patients and families throughout the entire world. Together, we can transform the individual experience of patients and relatives around the world into collective actions, support, advocacy and community building. To mark Rare Disease Day 2015, EURORDIS hosted a unique face-to-face discussion event, Rare but Real: Talking Rare Diseases, which included contributions from patient representatives who have had a ‘Rare but Real’ game-changing influence on policy.数えきれないほど存在する希少疾患とともに生きている患者とその家族に、共感と連帯の強いメッセージを世界中から送ることが大切です。患者としての体験や関係者としての体験を集めることで、団体行動、サポート、アドボカシー、コミュニティ作りをすることが出来るのです。2015年の「希少疾患の日」を記念して欧州希少疾患協議会は、ユニークな相対して行うディスカッションイベントを主催しました。「レアだけどリアル:まれだけれど現実にある病気 希少疾患について語ろう」と題したイベントには患者自身が出席し、政策にも画期的な影響を与えました。
EURORDIS also disseminated the official Rare Disease Day poster and video (over 1 million views!) along with other communications materials for patient organisations around the world to download and use at their events and in their awareness campaigns. The official video was translated in 25 languages, disseminated around the world via Facebook and YouTube.欧州希少疾患協議会は、「希少疾患の日」の公式ポスターやビデオ(百万回を超えるビューがありました)を広め、イベントや啓蒙のためのキャンペーンのためにダウンロードして使える材料も用意しました。ビデオは25か国語に翻訳され、フェイスブックやユーチューブを通して世界中に広がっています。
欧州では2008年から、日本では2010年から始まった「希少疾患の日」 は、毎年2月の最終日に開催されます。80か国の何千という地域で希少疾患に関する情報が流れ、啓蒙活動が行われるそうですが、残念ながら乳癌のピンクリボン運動ほどの認知は日本ではまだないようです。患者の数が少ないということも理由でしょうが、ひとつひとつの病気の患者数は少なくても、その種類は驚くほど多いわけで、リリースによると6000を超える「希少疾患」 が特定されていて、欧米では実に6000万人以上の患者が影響を受けているのです。ひとりで多くの人の関心が寄せられるように願っています。
この記事の冒頭に掲載した動画は、2015年「希少疾患の日」のオフィシャルビデオです。この動画に参加した人の中には、希少疾患を持ちながらサバイバーとして活動している人がいます。特発性肺動脈高血圧症のリタさんもそのひとり。67000人にひとりの希少疾患で、ベッドから起き上がれない日が続き、息子さんが抱っこしてほしくて手を伸ばしてきても、抱き上げられなかったと語ります。それでも家族や友人の支えで、昨年5月には娘さんの花嫁姿を見ることが出来、気持ちは前向きです。
グルタル酸尿症I型という珍しい謝異常の疾患をもっているピエトロ君も、この動画に参加しました。およそ10万人にひとりの希少疾患をもつ彼は15歳。乳児の時に診断がついていれば症状が出ないですんだ病気のため、今も日々の食事制限が大変なのだそうです。たくさんの人がこの病気のことを知って、赤ちゃんの時に処置ができるようにと願っています。
ジストロフィー型表皮水疱症のベアトリスさんも、動画に参加していますが、体中に、特に手指に水疱ができやすい病気なので大変だったことと思います。若い女性にはつらい疾患ですが、パラリンピックで射撃に出場したいという彼女の夢を応援したいです。