YouTubeでの人気を保つためヤラセに走ってしまった男と彼の仲間たちの姿を通してネット社会の現在と近未来を描く、ジェットラグプロデュースの舞台『通りすがりのYouTuber』が2020年12月9日(水)から12月16日(水)まで、CBGKシブゲキ!!で上演されます。出演は、冨岡健翔(ジャニーズJr.)、十碧れいや、星吹彩翔、稲垣成弥、長谷川景(トラッシュマスターズ)、山田元、中野郁海、蓮井佑麻、万喜なつみ、松本祐華(文学座)、佐野愛花、鬼頭典子(文学座)、鈴木歩己のみなさんで、作・演出は数々の演劇賞を受賞している中津留章仁さんです。この作品に出演する山田元さんにインタビューした内容を、上下に分けて2日連続で掲載します。「下」では、コロナ禍による自粛期間中のことや、フローリストでもある山田さんにとっての最近の「花」についての想いも伺いました。
――ストレートプレイの作品ですね。ご出演のきっかけは?
最初は阿部プロデューサーから事務所にお話を頂きまして。でも、稽古期間がまるまる『Beautiful』の本番と重なっているので、厳しいかとも思ったのですが、僕は前々からストレートプレイをやりたかったので、出来る範囲でやらせてくださいとお願いしまして、「じゃあ、やってみましょうか」とおっしゃっていただいて。こういう状況にも関わらず僕を使ってくださる阿部プロデューサーと中津留章仁さんのご好意で実現しました。
――昨年お話をお伺いしたときに、「30代ではストレートプレイを演りたい」とおっしゃっていたので有言実行ですね!
言ってましたね!。本当に念願の、という感じで、実現できて嬉しい限りです。僕が今の事務所の前に、22歳とか23歳のころ、小さい演劇研究所で演技を勉強していたときには、ずっとストレートをやっていたんです。そこからいろいろ商業のミュージカルを経て、今回中津留さんのストレートプレイに立たせて頂くことになったので、本当に念願叶ってですね。とても嬉しいし、だからこそ、どれだけスケジュールがハードでも、ぜひ自分で飛び込んで、全力でやっていきたいですということをお伝えしました。
――これまでにも稽古期間が別作品の本番と重なったことはありましたか?
何回かあった気がしますが、ここまでタイトに本番と稽古が重なるというのは初めての経験かもしれないです。
――『通りすがりのYouTuber』は中津留章仁さんの新作ですね。
ワークショップを受けさせていただいたときに、中津留さんは、ご自分で書かれている「役」に対する情熱が、ものすごく高くて。役作りに対する確固たるイメージがあって妥協を許さない方という印象を受けました。なので、僕も稽古に参加して、中津留さんの熱心さに応えていく覚悟はできています。
※アイデアニュース有料会員限定部分には、作・演出の中津留章仁さんや共演者について、YouTubeについて、ストレートプレイとミュージカルの違いなどについて伺ったインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。11月17日(火)掲載予定のインタビュー「下」では、コロナ禍による自粛期間中のこと、フローリストでもある山田さんにとっての最近の「花」についての想い、ミュージカル『Beautiful』などについても伺ったインタビューの後半の全文と写真を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>
■中津留さんは、一人一人のキャラクターに対する愛情とイメージがすごく強い方
■文学座の方、アイドルの方、プロレスの方もいらっしゃるので楽しみ
■派手な動きをしようとすると、その役の心情、感情、本質からずれていく
■音楽に助けられることはたくさんありますが、頼り過ぎないように気をつけて
<『通りすがりの YouTuber』>
【東京公演】2020年12月9日(水)~12月16日(水) CBGKシブゲキ!!
公式サイト
http://jetlag.jp/news.html
<ストーリー>
物語の主人公の男(冨岡健翔)は、YouTubeでかなりの登録者数を持っていました。些末な内容ではありましたが、徹底してリアルにこだわった動画が人気でした。男はテレビにはヤラセが横行しており、よりリアルなYouTubeこそ未来だ、と語りました。しかし、規制が厳しくなったことでYouTubeでの尖った動画の投稿が難しくなります。男は人気を保つため様々なことを試しますが、どれもすぐに真似されてしまいます。焦った男は、絶対に真似できないネタを作るため、遂にヤラセに走ります。そして、仲間のスタッフに「これではおまえが否定してきたテレビと同じではないか」と言われます……。
<関連リンク>
Jetlag ジェットラグ 舞台 公式 Twitter
https://twitter.com/Jetlag_oshibai
ORCHARD 山田元
http://orchard-net.com/wordpress/?page_id=2280
山田元 公式 Twitter
https://twitter.com/genyamada97
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※山田元さんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。有料会員の方がログインするとこの記事の末尾に応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは12月16日(水)です。(このプレゼントの募集は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。
※ここから有料会員限定部分です。
■中津留さんは、一人一人のキャラクターに対する愛情とイメージがすごく強い方
――カンパニーでワークショップをされたんですか?
中津留さんが、役者の質や台詞の感じを見てくださるということで、開いてくださいました。
――ワークショップに参加というのはこれまでにもありましたか?
他の方のワークショップはありますが、中津留さんは初めてです。一人一人のキャラクターに対する愛情とイメージがすごく強い方でしたので、もう、できるまで何度も何度もという感じでした。
――キャラクターというのは?
役者と、その台本の中のキャラクターですね。
――作・演出の中津留章仁さんの作品はご覧になったことがありますか?
映像で拝見しました。今この時期の社会現象を取り上げて、問題を提起するという作風が多いようですね。
――それだけに今回どんな感じのお話になるのかが。
本当に楽しみです。その中で僕の役が、どういう役割を担うのかというのも楽しみです。
■文学座の方、アイドルの方、プロレスの方もいらっしゃるので楽しみ
――出演者が13人いらっしゃいます。これまで共演されたことがある方は?
同じ事務所の蓮井佑麻とは、一緒にコンサート(『ORCHARD LIVE 2019-HEARTFUL MUSICAL SONGS-』)で、短い期間一緒だったことはありますが、お芝居を作ったという経験はないですね。
――共演の皆さんを拝見しますと、いろんなジャンルの方がいらっしゃいます。
そうなんです。文学座の方、アイドルの方、プロレスをバックボーンに持つ方もいらっしゃいます。いろんなキャラクターの方が居らっしゃるので、どういうストーリーになるのか楽しみです。
■派手な動きをしようとすると、その役の心情、感情、本質からずれていく
――「YouTube」は、いまならではの題材と思います。
特に今年はそうですね。「YouTube」がどんどん広がってきているというのもあるでしょうし、また、このコロナ禍で、自分の表現の場を「YouTube」に求めている方が増えているというのもあります。何かとても大切なことを伝えるために、その手段や演出に凝ってしまって、本質からずれていくというのは、華やかなテレビ業界、YouTube業界だけに限らず、個人個人で往々にしてあることだと僕は思います。たとえば、自分のすごく大切な人や感謝を伝えたい人に、たくさんのお花をあげたいとか、いろいろ考えたりするじゃないですか。そうじゃなくて、本当は薔薇1本、手紙一通で済むみたいな、そういうことはあったりするんじゃないのかなと思います。
――伝えたいことよりも、それをどう飾るか? の方がメインになるという。
そうですね。でもそれは、舞台の表現の上でもまさにそうだと思っているんです。プレゼンテーショナルになり過ぎる、みたいな。お客さまにわからせるために派手な動きをしよう、というのをやっていくと、結局その役の心情、主に感情とか、本質からずれていくということもまた言えます。
■音楽に助けられることはたくさんありますが、頼り過ぎないように気をつけて
――ストレートプレイを演じるにあたり、なにか意識されていることはありますか?
ストレートプレイとミュージカルの違いは、スコア、譜面が、音楽があるかどうかということだと思います。譜面がある、音楽があるというのは、その作者から演者に提示されている資料、要素がそれだけ多いということなので、ある程度その役作りの助けになることが多いんです。これはこういうレールが引かれているから、だったらここはフォルテだからとか、ここはこのコードだからとか、この音になっているから、ということは、このキャラクターの心情、このシーンはこう見せればいいのかもしれないというのはわかるんです。でも、ストレートプレイはそうではなく、台本のみという形になっているので、その役作りや、台詞をより深く探求していかなくちゃいけないという難しさがあります。逆にミュージカルの場合は、歌唱、ダンスの方も極めていかなくてはいけないという、それぞれの難しさがあると思うんです。
今まで恐らく、僕がお仕事をさせて頂く中で、脚本を書いた方が演出をしてくださるということがなかったので、今回のストレートプレイが初めての経験になります。なので、深くじっくりと中津留さんとコミュニケーションをとって、自分の役を深めて作品に取り組んでいけたらいいなと思います。
――音楽が内包している情報量は、たしかに大きいですね。
音楽にすごく助けられることもたくさんありますし、逆にそれに頼り過ぎてしまうことがあるので、そうならないように気をつけています。いろいろな要素を取って、自分でいかに音楽に関係なく、その場に居られるかというのはいつもトライしていることです。
※山田元さんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。この下の応募フォームからご応募ください。応募締め切りは12月16日(水)です。(このプレゼントの募集は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。
元さんが初めてストレートプレイに挑戦されるタイミングでインタビュー記事をありがとうございます。コロナパンデミックの中、有観客で上演くださった決定に感謝申し上げます。先日観劇して参りました。目線、黒眼の使い方、台詞をしゃべる発声のスピード、指先、手の表情、元さんに役がしっかり入っている印象を受けました。千穐楽まで無事にやりきれますように。そして、元さんのベースのお花、こちらの記事を読んで幸せになりました。いつかご自身をモデルにフラワーアートのフォトブック、カレンダーを販売していただきたいです。元さんの次の新しいインタビュー記事を楽しみにしています。
去年に引き続き素敵な記事とお写真を有難うございます。念願のストプレ作品にご出演と言うことで、元さんのまた新たな一面を観せて頂けそうでとても楽しみにしています。貴重なお話が聞けて益々期待度が高まりました。