2021年3月5日(金)にヒューリックホール東京で初日を迎える舞台『陽だまりの樹』(原作:手塚治虫)に、伊武谷万二郎(いぶや・まんじろう)役で出演する早乙女友貴さんのインタビュー、後編です。早乙女さんの代名詞とも言える殺陣にまつわるお話や、お客さまの拍手から伝わる想いについて、語ってくださいました。
ーー早乙女さんといえば「殺陣」。映像で見ると、思わず早送りかな?と思ってしまうくらいのスピード感に驚きます!
(笑)。
ーーあのすごい殺陣、普段はどのような練習やトレーニングをされているのでしょうか?
何もやっていないですよ、特に。
ーーあんなすごいパフォーマンスが飛び出すのにですか?
いやいやいや(笑)。もちろん昔はたくさん練習していました。今は、具体的な作品に入らせていただく度に、その都度稽古するのが基本的なスタイルです。作品に合わせながら、求められる見せ方を研究して磨いていくという感じです。
ーー作品に合わせながら磨かれるのですね。
作品と作品との間が空くと、仲間同士で声を掛け合って練習することもありますが、練習という名の遊びですかね(笑)。みんな、ちょっと集まろう!というノリです。
ーートレーニングされなくても、身体が動くんですね。
殺陣も日舞も、ずっとやっているので、身体に染みついているんです。でも、もちろん、作品に新しく入らせていただくたびに、生まれてくるものもあります。
※アイデアニュース有料会員限定部分には、この舞台に立つことへの早乙女さんの想いや、観客の拍手から感じられるエネルギーなどについて語ってくださったインタビュー後半の全文と写真を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>
■本番中に発見することもあります。その発見を次の日の本番に活かし、次の作品にも
■今と同じように、一人一人、考え方も価値観も違う。みんなが真剣にぶつかっていく
■声を出して盛り上がれない中での拍手の音に、お客さまの「伝えたい」思いを感じる
■『陽だまりの樹』。初日の幕を開けることだけを考えて、日々、取り組んでいきたい
<舞台『陽だまりの樹』>
【東京公演】2021年3月5日(金)~3月14日(日) ヒューリックホール東京
【大阪公演】2021年3月27日(土)~3月28日(日) 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
公式サイト
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■本番中に発見することもあります。その発見を次の日の本番に活かし、次の作品にも
ーー新しい発見は、どのように?
作品の稽古中だけではなく、本番中に発見することもよくあります。そうやって発見したことを、次の日の本番に活かすこともあります。そして次の作品にも活かしたり…と。そうやって、日々、本番の舞台上でも、いろいろ試しながらやっていく感じです。今回もまたどんどん挑戦して、新しいものを持ち帰りたいです。
ーー今回の殺陣の見所シーン、そんな姿勢を思い浮かべながら観させていただきます。
ありがとうございます。見所といえば、殺陣はもちろんなんですけど、作品全体を通しての万二郎の成長と変化が、やっぱり一番観ていただきたいところですね。万二郎は変化するんですけど、良庵の柔軟さとは違うんですよ。変化の仕方にも、頑固で一途な万二郎らしさが出ていると思うんです。対照的な良庵との、男の友情物語である面も必見ですし…いっぱいありますね(笑)。作品そのものが丸ごと見所だと思います。今の世の中とリンクするところもありますし。
■今と同じように、一人一人、考え方も価値観も違う。みんなが真剣にぶつかっていく
ーー今にリンクするというと、幕末当時の得体の知れない「外国」という存在と、今、私たちが直面している「コロナ」というウィルスが重なるようなイメージでしょうか。
もちろん、そこもあります。「ペリーが来た、ピンチだ」となったときに、その状況への対応の仕方もみんな違うんですよ。コロナへの対応とそこはリンクしますよね。でも、もっと言うと、その対応の前にある、それぞれのキャラクターが抱く「国への思い」のところですかね。
ーー行動の前提にある、考え方のところですね。
どの時代であっても、自分の国への思いって、みんなそれぞれに持っているんだなと。『陽だまりの樹』の台本を読みながらすごく感じています。国はこうだとか、こうあるべきだとか…。作品の中でも、登場人物たちが、そこを熱く議論するんですよね。そこがすごく共感できるし、いいなと思うんです。
ーー多様な考えがぶつかっていく。
今と同じように、一人一人、考え方も価値観も違うんです。万二郎と良庵も正反対ですよね。その他にも登場人物がたくさんいて、それぞれの思いがあるんです。みんなが「どうする?」「どうすべき?」ということを、各々真剣に考えてぶつかっていくんですよ。それは結局、それぞれの人物が幕末という時代をどう生き抜いていくかにつながっていくんです。そこまで落とし込まれて描かれているからこそ、この『陽だまりの樹』は、良庵と万二郎との、ただの友情物語に止まらないのだと思います。
ーー観客にとっても考えるヒントになりそうですね。
どの時代になっても、人の思いって難しいものだと思うんです。考え方が違うから、当然ぶつかることもあるでしょう。でも、そうやって意見を戦わせながら、万二郎は変わっていく。良庵にも変化があります。万二郎は、武士であるという立場や思考をベースに、時代の変化に挑んでいくんです。それが彼の生き方ですから。そのアプローチに、いかにもな彼らしさが現れています。いろんな生き様がある。その多様性を楽しんでもらえたらと思います。
■声を出して盛り上がれない中での拍手の音に、お客さまの「伝えたい」思いを感じる
ーーそんな『陽だまりの樹』へのご出演が決まられた時の気持ちはいかがでしたか?
昨年は、なかなか舞台に立つのが難しかったですから、もちろん嬉しかったです。ただ一方で、今こういう状況で舞台をやるのはどうなんだろうかとも思いました。でも、やっぱり、今やらなきゃ前に進めないなと。怖がって全てをストップさせてしまったら、本当につまらない世の中になってしまうじゃないですか。確かにコロナという状況はありますが、じゃあ、そこに対してどう対応して、どう行動するのかというところを考えなきゃいけないなと。だからもう、僕自身は「やろう」って決意しました。
ーー考え得る限りの対策を講じながら、挑戦されることになりますね。
制限はありますが、対策をしながらも、お客さまに今できる楽しみ方をしてもらいたいです。観に来てくださっているお客さまも、いつもなら声を出して盛り上がれるところも、今は「拍手」となるので、もどかしいと思うんですよね。でも、身体から鳴る手拍子や拍手の音からは、すごくエネルギーが届いているんです。
ーーエネルギーですか。
言葉よりもエネルギーを感じられるような気もしますね。言葉は、思ったことを、ぽんって言えるじゃないですか。でも今は、「すごい」と劇場で思っても、言葉で伝えられない状況です。本当に、伝えたくても伝えられない。そんな今、手拍子や拍手の音を舞台の上から聞いていると、お客さまの方でも「伝えたい」という思いが強くなっているのを感じたんです。
ーー1人の観客の立場として、伝わっているんだなと嬉しいです。
届いてますよ。その思いが手拍子や拍手の音の中に入っているなって。すごく感じます。ほら、こういう音です(手拍子を打つ)。このポンポンっていう音に、本当にエネルギーが込められているんです。これまでの手拍子や拍手も言葉も、もちろん嬉しかったですが、この身体から鳴る「拍手」の音って素敵だなあと思うんです。今だからこそ改めて気づけたことでもあります。コロナが終わったら、きっと通常に戻れるじゃないですか。だから、今は制限があって、拍手や手拍子しかできないけれども、今しかできない楽しみ方だし、気持ちを届ける方法だなって思いながら、お客さまにも楽しんでもらえたらなと思います。
■『陽だまりの樹』。初日の幕を開けることだけを考えて、日々、取り組んでいきたい
ーー本番が楽しみです。
もちろん、やりたいし、観てもらいたい。スタッフさんもみんな、同じ思いを持っています。でも、こればかりは、僕たちにはどうしようもないことなので、できることを最大限にやりながら、とにかく、初日の幕を開けることだけを考えて、日々、取り組んでいきたいです。
ーーありがとうございます。その日を楽しみにお待ちしています。
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