「軽くも観えるけど、すごく深い」、『クラウディア』、小栗基裕・平間壮一(下)

小栗基裕さん(右)と平間壮一さん(左)=撮影・岩村美佳

2022年7月4日(月)から7月24日(日)まで東京建物 Brillia HALLで、2022年7月29日(金)から7月31日(日)まで大阪・森ノ宮ピロティホールにて上演される、岸谷五朗さん・寺脇康文さんが主宰する演劇ユニット「地球ゴージャス」のプロデュースによる音楽劇『クラウディア』で、毘子蔵(ヒコゾウ)を演じる小栗基裕さんと(廣瀬友祐さんとダブルキャスト)、龍の子を演じる平間壮一さん(新原泰佑さんとダブルキャスト)のインタビュー、後編です。

下では、作品の魅力だと感じるところ、作品のテーマについて思うこと、時勢を踏まえながら今それぞれに感じていることなどについて伺った内容と、お客さまへのメッセージを紹介します。

小栗基裕さん(右)と平間壮一さん(左)=撮影・岩村美佳
小栗基裕さん(右)と平間壮一さん(左)=撮影・岩村美佳

(※このインタビューは5月に実施したものです)

ーーこの作品において、魅力を感じているところについて教えてください。

平間:軽く観ようと思えば、すごく軽く観ることができる作品だと思います。何も考えずに観ていると、面白い場面が多くて、最後は真剣な話になるなと。基本的に「愛」のような一見分かりやすいものについての話ですが、形がないから分かりやすいようで、分かりにくいものじゃないですか。

考えようと思ったらすごく深い作品ですし、「今日はただ楽しんで観よう」と思ったら、とても楽しんで観られます。そういうメッセージ性の強い部分がありながら、かといって押し付けがましい部分がないところが、僕はすごく好きですね。

小栗:やはりなぜ人間は争うんだろうと、ここ最近はずっと考えてしまいます。ウクライナのこともありますし、そもそもどうしてそうなるんだろうと。そもそもの根源を探っても探っても答えがないじゃないですか。でも、繰り返してしまうし、最近は戦争をテーマにした作品に触れることがなぜか重なって。

戦争が起きているときだけではなく、そのあともずっと傷跡を残してしまうものなのに、それでもまた起こってしまう。なぜなのかと、この作品を通しても、すごく考えさせられています。 いろいろな要素が詰まっていると作品だと思います。同じ人間だけれど、嫌いあう。ある種、同じ宗教なのに、相入れない。共通点を探せばいくらでもあるのに、 なぜ争うのか。そういうことを考えてしまいますし、観ている方にとっても、考えるきっかけになればいいなと思います。

ーー岸谷さんも製作発表で話されていましたが、時勢と重なってしまったかのようなところがありますよね。

平間:やはりお金なんですかね。

ーー争う原因ですね。

平間:よく考えるんです。お金がなくなったら、どうなるんですか?

ーー物々交換でしょうか。

平間:そうですよね。でも、なぜ人は人の上に立ちたがるのか。別にお金だけではなくとも。

小栗:劇中でもあるんです。結局、なぜなんだったか。でも、もうそういうものなんだと。

平間:割り切った感じ。

小栗:それを考えても分からないから続けてしまう。それでいいのか?みたいな。

平間:僕は神風特攻隊の話を聞いたことがあります。生き残った方にインタビューさせていただく機会があったんです。アメリカの飛行機が目の前にあって、「どっちが撃つ?」と思ったけれども、撃たずにお互い去ることが、よくあったらしいです。お互いの顔が見える距離だったみたいで。その方は戦わずに島へ降りて戦争が終わったみたいなんですが、なぜ殺すかは向こうもこっちも分からないものだったそうです。意味がないならば、上の人たちがじゃんけんでもしてよと思いますね。

ーーそういうことを考える舞台なんですね。答えは出ないでしょうが、考えるきっかけにもなりそうですね。

小栗:楽しい場面もたくさんあるので、そこを重たく構えずに観て、何か少しでも残ったら。いいバランスで作られているなと思います。

※アイデアニュース有料会員限定部分には、時勢を踏まえながら今それぞれに感じていることなどについて伺った内容と、お客さまへのメッセージなど、インタビューの後半の全文と写真を掲載します。

<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)

■平間:舞台を普段観ていない方たちにも観ていただいて、心を動かしてもらえたら

■小栗:ダンスに加え舞台やお芝居の勉強もするようになって、いろいろと考え始めた

■平間:今回は五朗さんと寺脇さんが出ない形。新しい地球ゴージャスとして頑張る

■小栗:観て、エネルギーを自分の中に感じてほしい。みんなで元気に生きていきたい

<Daiwa House Special音楽劇『クラウディア』Produced by 地球ゴージャス>
【東京公演】2022年 7月4日(月)~24日(日)東京建物 Brillia HALL
【大阪公演】2022年 7月29日(金)~31日(日)森ノ宮ピロティホール
公式サイト
https://www.claudia2022.com

クラウディア 関連記事:

⇒すべて見る

小栗基裕 関連記事:

⇒すべて見る

平間壮一 関連記事:

⇒すべて見る

※小栗基裕さんと平間壮一さんの写真1カットとサイン色紙を、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。有料会員の方がログインするとこの記事の末尾に応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは8月2日(火)です(このプレゼントの募集は終了しました)。有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。

小栗基裕さん(右)と平間壮一さん(左)=撮影・岩村美佳
小栗基裕さん(右)と平間壮一さん(左)=撮影・岩村美佳

※ここから有料会員限定部分です。

■平間:舞台を普段観ていない方たちにも観ていただいて、心を動かしてもらえたら

ーーせっかくの対談なので、おふたりがお話しされたいことを話していただければと思っているのですが、いかがですか?

平間:こういう舞台を観に来てくださる方たちは普段から、そういうことを考えていらっしゃるのだと思います。舞台を普段観ていない方たちにも観ていただいて、心を動かしてもらえたらと思いますね。それこそ今回のゴージャスのテーマと同じで、平和に浸された人間たちは知らぬ間に心が腐っていく。毎日が忙しくて、仕事をして1日が終わって、また仕事へ行ってとやっているうちに、世の中のことなんて考えていないことが当たり前になってしまうんです。自分ひとりで世界を変えることなんてできないと思ってしまうところを、ひとりひとりの小さな力が大きな力になって変わっていくかもしれないと、みんなが思えばいいのになと思います。

平間壮一さん=撮影・岩村美佳
平間壮一さん=撮影・岩村美佳

■小栗:ダンスに加え舞台やお芝居の勉強もするようになって、いろいろと考え始めた

小栗:ダンスだけをやっていたころは、何も考えずにいたなと思います。こういう舞台や、お芝居の勉強をするようになっていろいろなことを考え始めました。普通に生きていたら考えないよな、と思うんです。

平間:僕も楽しいことだけを考えていました。だから、普段エンタメを観ていない人に観てほしいですね。

小栗:難しいですよね。みんながみんな、それを考えてズーンと暗い気持ちになる必要はないのだけれど、実際にそういうことは今も起きていて。どうしたらいいんだろうと、本当に答えがないんですが、今この作品をやるからこそ、自分の中では、しっかりと考え続けないとなと思います。

平間:コンビニの募金って、ハッピーだと思いませんか? 小銭があると面倒だから、2円、3円入れたりして、人助けをするつもりはなく、やっているじゃないですか。それをみんなが必ず毎回1円入れているだけで、莫大な金額になりますよね。

小栗:確かにね。

平間:そういうことは、あまり苦ではないと思うんです。毎日やってるかと聞かれたら、自分もやってはいないのですが、本当にちょっとしたことで変わると思えたら最高ですよね。でも、簡単にはいかないんでしょうね。難しいですね。

小栗基裕さん=撮影・岩村美佳
小栗基裕さん=撮影・岩村美佳

■平間:今回は五朗さんと寺脇さんが出ない形。新しい地球ゴージャスとして頑張る

ーー「お話ししたいことを」とお伝えしても、やはり作品のテーマの延長でお話されるので、やはり今は『クラウディア』でいっぱいなのかなと思いました。

小栗・平間:そうですね。

ーー数えてみたら、おふたりが一緒になるのは4回しかなかったんです。少ないのが残念なのですが、皆様へメッセージをお願いします。

平間:小栗さんとの4回をぜひ観に来てください。もっとやりたかった〜!

ーーでも、その4回をすごく大事にできますよね。

平間:その分、すごく思い入れがあると思います。本当にみんな気合が入っていますし、五朗さんと寺脇さんが何歳になっても舞台にも出てきていただきたいですが、今回の出られない形というのもまた新たな第一歩だと思います。新しい地球ゴージャスとして僕たちも頑張るので、ぜひ観に来てください。

平間壮一さん=撮影・岩村美佳
平間壮一さん=撮影・岩村美佳

■小栗:観て、エネルギーを自分の中に感じてほしい。みんなで元気に生きていきたい

小栗:熱量がすでに稽古場からめちゃくちゃ熱いです。その熱さを体感して、パワーをもらってほしいなと思います。観て、まずはエネルギーを自分の中に感じてほしいです。やはり人間、元気が一番なので。とにかく、みんなで元気に生きていきたいなと思います。舞台上で大人たちが全力で駆け回って、声を出しているところを観てパワーをもらっていただけたら嬉しいです。

ーー小栗さんは『WEST SIDE STORY Season3』が上演できなかったリベンジにもなりますね。

小栗:そうですね。いろいろな想いを乗せて頑張ります。

小栗基裕さん=撮影・岩村美佳
小栗基裕さん=撮影・岩村美佳

※小栗基裕さんと平間壮一さんの写真1カットとサイン色紙を、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。この下の応募フォームからご応募ください。応募締め切りは8月2日(火)です(このプレゼントの募集は終了しました)。有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。

Follow me!

“「軽くも観えるけど、すごく深い」、『クラウディア』、小栗基裕・平間壮一(下)” への 4 件のフィードバック

  1. MOMO より:

    圧倒的な熱量のステージでした。
    幸いにも大阪公演大千穐楽で小栗さん、平間さんの共演回を観ることが出来ました。
    東京公演の一旦中止を経て、唯一となったこの奇跡に立ちあえた幸せを生涯決して忘れません。

  2. まるこ より:

    クラウディア、観せて頂きました。
    予定していた平間さんのと共演は観れませんでしたが本当に素晴らしかったです。
    これからの小栗さんの活躍に期待しか無いです。

  3. まるこ より:

    数少ないお二人の共演の1回を観せて頂きます。思いっきり熱量を感じて来ます。

  4. MOMO より:

    後半も興味深いインタビューと共に、お二人の素敵なショットをたくさんありがとうございます!!
    ジュークボックスミュージカルは初体験なのですが、全身でその熱量とメッセージを浴びてきます!!
    どうか大千穐楽まで無事走り抜けられますように🙏

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA