農薬・肥料を使わずに美味しい野菜を栽培、「大地の学校」レポート

「大地の学校」授業風景=撮影・松中みどり

北海道の農場“佐々木ファーム”は、農薬はもちろん肥料も使わない自然栽培で飛び切り美味しい野菜を育てていることで有名です。その佐々木ファーム代表取締役、貴ちゃんこと村上貴仁さんが2015年12月17日、大阪で「大地の学校」入門講座を開講しました。

「大地の学校」授業風景=撮影・松中みどり

「大地の学校」授業風景=撮影・松中みどり

なぜ貴ちゃんは農業を志すようになったか、そしてどうして自然栽培である「ありがとう農法」をすることになったのか。そして、大地から教えてもらった5つの物差しの説明。これを実践すると何があっても幸せになるし、楽に生きられる。難しい農業技術じゃなくても、農薬や肥料を使わなくても作物が採れるようになる。そんな話をしますよと言われて始まった4時間の授業は、とても4時間では足らなくて、何度も何度も「ああ、もっと説明したい~~」と貴ちゃん先生が嘆き、朝3時までかかってもいいですか?と冗談めかして聞かれるほど内容の濃いものでした。

貴ちゃんは、化学肥料や農薬を使って自然をコントロールする慣行栽培を「おじいちゃん」、たい肥などを肥料にし農薬を極力使わない有機栽培を「お父さん」と呼びました。そして、自分が実践している農薬も肥料も一切使わない自然栽培のことを、そうした先輩方に支えられ、教えられ、育ててもらった「子ども」なのだと言うのです。貴ちゃんは決して農薬のことを悪く言いません。むしろ、農薬すごいな、近代農業はこうやって発展してきたんだなと尊敬し、必要であれば薬を使えばいいと言います。

でも、貴ちゃんは息子の大地君を失ってから、農薬や殺虫剤や殺菌剤を使えなくなりました。自分の畑に草がぼうぼうと生えて、虫や蝶がいっぱいで、あらゆる病原菌が元気に活躍している状態になった時に嬉しくてたまらなかったというのです。いのちあふれる大地の上に立って、自然の一部になれたことが嬉しかった。そして、貴ちゃんは気づきます。雑草や虫や病気にやられてほとんどダメになった野菜のうち、1割くらいがピカピカに生きていてることに。何にも手助けしてもらわなかったのに、自分の力で生き抜いているレタスに、「生命力」を教えてもらったと言いました。そして、「生命力の強い野菜を作ってお客さんの生命力を上げるのが使命だ」と気がついたのです。「農家の仕事は野菜を詰めた段ボール箱のふたを閉めたら終わりなんじゃない」、「いのちをつなぐものはいのちしかない」。貴ちゃんはそんな風に言いました。

大好評だった大地の学校in大阪の第二期が、さっそく開講される運びになりました。詳しくはこちらです → 一般社団法人日本ラブミー協会

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■大成功だった映画「大地の花咲き」上映会
■農作業中にアキレス腱断裂、驚異の回復力で来阪
■切れてない方のアキレス腱に「つながっていてくれてありがとう」
■何があっても幸せになる、農薬や肥料を使わなくても作物が採れる
■農薬のことを悪く言いません、必要であれば薬を使えばいいと言います
■自分の年齢×1万回「ありがとう」と言ったら奇跡が起きる、家族も救われる
■「5つの物差し」は、生命力、エネルギー、豊穣、陰陽、循環
■理由は本当は関係ない、チョコレートが今ここにあるっている事実だけが大事
■大地の学校in大阪の第二期がさっそく開講される運びに

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■大成功だった映画「大地の花咲き」上映会

アイデアニュースは、昨年2015年、ドキュメンタリー映画「大地の花咲き」を応援しました。「ありがとう農法」を実践している北海道の農場“佐々木ファーム”とそこで働く人々の1年間を記録した映画は、北海道でのお披露目が2015年8月。続いて9月の東京と兵庫県での初上映も大成功で、それ以来、配給会社であるハートオブミラクルも驚くほど、各地で自主上映の輪がどんどん広がっています。映画の紹介の記事はこちらです→ すべてのいのちの幸せを願って 映画「大地の花咲き」上映へ https://ideanews.jp/backup/archives/6829

農薬はもちろん肥料も使わない自然栽培の佐々木ファームが育てているのは、飛び切り美味しい野菜だけではなく、幸せに生きる人、家族、仲間。「ありがとう農法」は大地と自然とすべてのいのちが教えてくれた生き方だった・・・佐々木ファームの代表取締役貴ちゃんこと村上貴仁さんは、北海道・洞爺で「大地の学校」を開催して、佐々木ファームのことやありがとう農法について伝えてきました。それは泊まり込みで行われるセミナーで、「貴ちゃんの話を聞きたいけど北海道は遠いなあ」「残念ながら日程が合わないなあ」という声に応え、初の試みとして、大阪で「大地の学校」入門講座が開講されました。2015年12月17日、佐々木ファームのホームグランド北海道を飛び出し、大阪で行われた大地の学校のレポートです。

佐々木ファーム代表村上貴仁さん。「大地の学校」講義風景=撮影・松中みどり

佐々木ファーム代表村上貴仁さん。「大地の学校」講義風景=撮影・松中みどり

■農作業中にアキレス腱断裂、驚異の回復力で来阪

第一回「大地の学校」in大阪、受講生14名の前に登場した貴ちゃん先生は、右足に装具を付けていました。ひと月ほど前、農作業中に右アキレス腱が断裂したというのです。開講も危ぶまれていたところ、驚異の回復力で無事来阪、満面の笑顔の挨拶で授業が始まりました。

貴ちゃんは言いました。「無理な体勢で農作業して、11月6日にアキレス腱切れちゃったんですけど、崩れ落ちて、イテ~って感じだったんです。その瞬間に何を思ったかと言いますと、左足のアキレス腱に、わ~、つながってる、ありがとうね!っていうことだったんですよ」

そして、切れてしまった右足のアキレス腱に「ごめんね」って思ったのだそうです。すべてのいのちを大事にとか、大地の教えてくれたこととか言いながら、毎日こんなにこき使っているアキレス腱にねぎらいの言葉ひとつかけてなかったことに気付いた。文句ひとつ言わず働いてきてくれたアキレス腱がとても愛おしくなって、今では「腱ちゃん」と名付けて可愛がっていますと話が始まりました。自分の体のパーツひとつひとつに、「よくやってくれてありがとうね」と言うことで、僕の「ありがとう農法」は加速していますと。

■切れてない方のアキレス腱に「つながっていてくれてありがとう」

私たち生徒は、大笑いをしながら自分の体のパーツのこと、特にアキレス腱のことを考えてしまいました。そして、自分のアキレス腱が今日も明日もちゃんとつながって、心臓がちゃんと脈を打って、命が続いていることがすごいこと、奇跡なんだなあと納得したのです。アキレス腱を切ってしまった時、とっさに、切れていない方のアキレス腱に「つながっていてくれてありがとう」と言った貴ちゃんの授業の始まりでした。自分の大切な息子の大地君を突然失った貴ちゃんの「授業」は、全てが自分の体験と涙と笑いに裏打ちされていたのです。

 「大地の学校」みんな真剣に学んでいます=撮影・松中みどり


「大地の学校」みんな真剣に学んでいます=撮影・松中みどり

■何があっても幸せになる、農薬や肥料を使わなくても作物が採れる

なぜ貴ちゃんは農業を志すようになったか、そしてどうして自然栽培である「ありがとう農法」をすることになったのか。そして、大地から教えてもらった5つの物差しの説明。これを実践すると何があっても幸せになるし、楽に生きられる。難しい農業技術じゃなくても、農薬や肥料を使わなくても作物が採れるようになる。そんな話をしますよと言われて始まった4時間の授業は、とても4時間では足らなくて、何度も何度も「ああ、もっと説明したい~~」と貴ちゃん先生が嘆き、朝3時までかかってもいいですか?と冗談めかして聞かれるほど内容の濃いものでした。

「大地の学校」in大阪=撮影・松中みどり

「大地の学校」in大阪=撮影・松中みどり

録音した4時間の内容をここにすべて書き起こしたいほど、面白くて、農業関係ではない人が聞いても本当に興味深くて、そしてこの生き方を実践できたら、たとえ明日アキレス腱が切れても幸せに生きていけるなあと思える授業でした。その中で、私の心に最も強く残ったこと幾つかをお伝えします。

■農薬のことを悪く言いません、必要であれば薬を使えばいいと言います

貴ちゃんは、化学肥料や農薬を使って自然をコントロールする慣行栽培(いわゆる普通の農家さんがおこなっている農法)を「おじいちゃん」、たい肥などを肥料にし農薬を極力使わない有機栽培を「お父さん」と呼びました。そして、自分が実践している農薬も肥料も一切使わない自然栽培のことを、そうした先輩方に支えられ、教えられ、育ててもらった「子ども」なのだと言うのです。貴ちゃんは決して農薬のことを悪く言いません。むしろ、農薬すごいな、近代農業はこうやって発展してきたんだなと尊敬し、必要であれば薬を使えばいいと言います。

でも、貴ちゃんは息子の大地君を失ってから、農薬や殺虫剤や殺菌剤を使えなくなりました。自分の畑に草がぼうぼうと生えて、虫や蝶がいっぱいで、あらゆる病原菌が元気に活躍している状態になった時に嬉しくてたまらなかったというのです。いのちあふれる大地の上に立って、自然の一部になれたことが嬉しかった。そして、貴ちゃんは気づきます。雑草や虫や病気にやられてほとんどダメになった野菜のうち、1割くらいがピカピカに生きていてることに。何にも手助けしてもらわなかったのに、自分の力で生き抜いているレタスに、「生命力」を教えてもらったと言いました。そして、「生命力の強い野菜を作ってお客さんの生命力を上げるのが使命だ」と気がついたのです。「農家の仕事は野菜を詰めた段ボール箱のふたを閉めたら終わりなんじゃない」、「いのちをつなぐものはいのちしかない」。貴ちゃんはそんな風に言いました。

ドキュメンタリー映画「大地の花咲き」の一場面より

ドキュメンタリー映画「大地の花咲き」の一場面より

■自分の年齢×1万回「ありがとう」と言ったら奇跡が起きる、家族も救われる

突然逝ってしまった息子の大地君を思って泣き暮らす日々。その中で貴ちゃんは、わらをもすがる思いで読んだ本の中に、自分の年齢×1万回「ありがとう」と言ったら奇跡が起きる、家族も救われるという言葉を見つけます。早速カウンターを買ってきた貴ちゃん、ありがとうを何度も何度も口にします。最初は恥ずかしくて、一人きりのトラクターの中でありがとうと言い続けたらトラクターの調子が良くなり、自分の体調も上向きになり、どんどん元気になったというのです。今思えば、自分の体の中の無数の細胞や菌や、たくさんのいのちが「ありがとう」を聞いてたからだと分かる。そして、ありがとうと声をかけ続けた野菜のことも可愛くて仕方がなくなって、そのうちお客さんから「野菜の味がいい」「なかなか腐らない」「皮がうすい」「火の通りが早い」といろんなことを言われるようになりました。「ありがとう農法」の誕生です。

貴ちゃんは、いのちあるものに感謝し、ありがとうと言い続けて、自分の大地を元気にしたい、そして北海道の大地を元気にしたい、日本中の大地が元気になってその上に立っている皆さんに元気になってもらいたいんですよと話してくれました。

「大地の学校」授業風景=撮影・松中みどり

「大地の学校」授業風景=撮影・松中みどり

■「5つの物差し」は、生命力、エネルギー、豊穣、陰陽、循環

貴ちゃんの「5つの物差し」は、生命力、エネルギー、豊穣、陰陽、循環です。自然と大地に、この順番で教えてもらった生きて行く上での大切な物差しだといいます。この日、私が印象に残ったのは「豊穣」と「循環」です。4時間では説明し足りない項目のひとつ「豊穣」という物差しは、信じることで使いこなせるようになるのだそうです。豊穣とは、無から有を生み出すこと。「その最たる存在が子どもだなんですよね」という貴ちゃんの言葉を聞いたとき、天国に引っ越ししていった大地君を思って胸をつかれました。無から生み出された大地君は、自分の体を捨てていくことで本当にたくさんのことをお父さんの貴さんに教えてくれました。そして大地君のおかげで、私たちも貴さんの学んだことを教えてもらえたのです。

「循環」の説明を受けた時、「人間以外の自然界のものは循環している」という言葉が印象に残りました。水も肥料もやらないのに、毎年すくすく育つ草。誰も入らない山で大きくなる木。先に生まれたものの体が朽ちて次世代の栄養になっている。貴ちゃんは、その植物と大地の力を信じて自然栽培をしているのです。

「大地の学校」授業風景=撮影・松中みどり

「大地の学校」授業風景=撮影・松中みどり

■理由は本当は関係ない、チョコレートが今ここにあるっていう事実だけが大事

「豊穣」の話をするとき、貴ちゃんは私が休憩時間中に差し上げたチョコレートを例にとりました。

「このチョコレートは、ここにいるみどりちゃんが、僕にくれたものなんですけど、理由やプロセスは本当は関係ないんですよね。さっきまでなかったチョコレートが今ここにあるっている事実だけが大事」 「チョコレート~~って思ったら、さっきまでなかったのに、今ここにあるって感じ」「ああ、説明した~い!」

「ああ~説明を受けたい、もっと話を聞きたい」と思った方は、ぜひ大地の学校にご参加下さい。

「大地の学校」入門講座第一期生

「大地の学校」入門講座第一期生

■大地の学校in大阪の第二期がさっそく開講される運びに

大好評だった大地の学校in大阪の第二期がさっそく開講される運びになりました。詳しくはこちらです→一般社団法人日本ラブミー協会 http://ameblo.jp/with-glay/entry-12110057954.html

「大地の学校」の最大の目的は「思い込みやジャッジをはずして欲しい」ということです。貴ちゃんはそういいました。みなさんの中に「貴ちゃんウイルス」を入れて、愛と感謝から始まる循環の輪の中に入ってほしいと心から思います。

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