清く正しくヅカ男子:(1) 男心も奪うタカラヅカ

「黒燕尾」を着た濱恵介さん=写真提供・濱恵介さん

アイデアニュース株式会社の本社は「宝塚歌劇」の本拠地、宝塚市内にありますが、宝塚歌劇といえば女性のファンが多いことで有名です。しかし、数の上では少数者ながらも、宝塚歌劇の好きな男性も多く、その1人に「ヅカ男子」として連載を書いていただくことになりました。

「黒燕尾」を着た濱恵介さん=写真提供・濱恵介さん

「黒燕尾」を着た濱恵介さん=写真提供・濱恵介さん

<ここから下は濱恵介さんの文章です(抜粋は無料公開、全文は有料会員限定となります)>

私が初めてミュージカルを見たのはUSJの『ウィケッド』。舞台芸術の素晴らしさに感動し、貪るように様々なジャンルの舞台を観劇しました。しかし「タカラヅカ」は「女性が羽根をつけて踊っている舞台」だと思っていて、食わず嫌いでした。

初めて「タカラヅカ」を観劇したのは、源氏物語をもとにした『夢の浮橋』。そこで幕が上がった早々、重厚感のある演技で私の心を奪ったのが専科の磯野千尋(いその・ちひろ)さんでした。

男性が宝塚ファンだということを公言することは、「ひとかけらの勇気」(スカーレット・ピンパーネルの主題歌)が必要ですが、実際にカミングアウトすると意外にも奇異な目で見られることはなく、仕事関係でも宝塚ファンとのネットワークが出来ました。

※濱さんの連載「清く正しくヅカ男子」は、毎月1回、アイデアニュースに掲載する予定です。

<筆者プロフィール>
濱恵介(はま・けいすけ) 1976年、広島県生まれ。福島大学大学院修了。本来の専攻は日本現代史。公民館活動全国1位となった玖波公民館(広島県大竹市)でタカラヅカ講座の講師を務め、執筆でも活動中。

<関連サイト>
宝塚歌劇団公式ホームページ
SOLUNA HOUSE(磯野千尋さんのサイト)

<公演情報>
宝塚雪組公演 『るろうに剣心』
宝塚大劇場公演 2016年2月5日(金)~ 3月14日(月)
東京宝塚劇場公演 2016年4月1日(金)~ 5月8日(日)

<関連情報>
濱恵介さんが講師をつとめる宝塚講座
「地域ジン学びのカフェ」(「ようこそ!タカラヅカ」~宝塚入門講座~) 2016年1月30日(土)13:30~ 広島県大竹市の玖波公民館 詳しくは ⇒ここをクリック

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<ここから有料会員向け部分>
■2月5日からの『るろうに剣心』は男性ファンも魅了しそう
■別の舞台なのに、磯野千尋さんばかりに目が行く
■『スカーレット・ピンパーネル』のDVDを見て驚いた
■サラリーマンの出世競争とよく似た一面もあるスターシステム
■宝塚の男性トイレが長蛇の列になることを願って

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■2月5日からの『るろうに剣心』は男性ファンも魅了しそう

タカラヅカというと女性ばかりの世界と思いがちですが、男性のファンもいます。かく言う私もその一人で、最近では「ヅカ男子」という言葉も生まれています。

「タカラヅカ=ベルサイユのばら」というイメージが強いですが、実は様々なジャンルの作品を上演しています。その題材は、著名な小説や音楽、果てはマンガやゲームといったサブカルチャーまで広がり、昨年は『ルパン3世』が舞台化され、中年男性に好評を博しました。来月には『るろうに剣心』が上演されますが、これは男性ファンも魅了しそうな作品になりそうです。

■別の舞台なのに、磯野千尋さんばかりに目が行く

さて、私自身が初めてミュージカルを見たのはUSJの『ウィケッド』。舞台芸術の素晴らしさに感動し、貪るように様々なジャンルの舞台を観劇しました。しかしタカラヅカに対しては、女性が羽根をつけて踊っている舞台と食わず嫌いでした。

そんなある日、宝塚で『源氏物語』が上演されることを知り、源氏ならばと観劇したのが『夢の浮橋』。そこで幕が上がった早々、重厚感のある演技で私の心を奪ったのが専科の【磯野千尋】さんでした。その直後に『エリザベート』のDVDも見ましたが、ここでもグリュンネ伯爵役の磯野さんにくぎ付け。別の舞台なのに何故か同じ人ばかりに目が行く。【磯野千尋】さんは私にとって、「(舞台人として)初恋の人」となりました。

■『スカーレット・ピンパーネル』のDVDを見て驚いた

また、職場の宝塚ファンの先輩に、宝塚に行ったことを話すと、「とっても面白い作品がある」と言って『スカーレット・ピンパーネル』のDVDを貸してくれました。実のところ興味がなかったので、2週間放置していましたが、さすがに返さないといけないし、見ないで返すのも失礼なので、しぶしぶDVDを見始めました。すると、「とても面白い!こんなにクオリティの高い作品を宝塚で上演するのか!」と、とても驚きました。次の日、先輩には、「もう一週間DVDを貸して欲しい!」とお願いしたくらいです。

そうこうするうちに、『スカーレット・ピンパーネル』が月組で再演され、すぐにタカラヅカに見に行きました。DVDで見ていた舞台を、リアルに観劇してとても感動し、帰り道には主題歌の「ひとかけらの勇気」を口ずさんでいました。

■サラリーマンの出世競争とよく似た一面もあるスターシステム

男性が宝塚ファンだということを公言することは、「ひとかけらの勇気」が必要ですが、実際にカミングアウトすると意外にも奇異な目で見られることはなく、むしろ今まで接点の少なかった女子会と、話が盛り上がります。女性は基本的に宝塚に好意的な方が多いようです。仕事関係でも宝塚ファンとのネットワークが出来て、なんと元タカラジェンヌさんとも友人になりました。

また、宝塚のスターシステム自体が、実社会のサラリーマンの出世競争とよく似た一面もありますから、宝塚の世界を観察することは、ビジネスの世界にも応用できます。そして何といっても、劇場に行った時の休憩時間、女性用トイレの長蛇の列。このときばかりは男に生まれて良かった、とちょっとした幸せをかみしめます。

■宝塚の男性トイレが長蛇の列になることを願って

桃太郎(『ドンブラコ』)から102年間、変化を遂げながら存続し続けた宝塚。実は戦前は男性のファンの多かったという歴史があります。近い将来、宝塚が男性のトイレが長蛇の列になることを願いながら、この連載を執筆していきたいと思います。

※月に1回「アイデアニュース」で宝塚歌劇の観劇記や歴史の裏話、タカラヅカの仕組みなどを連載していきます。よろしくお願いします。

<筆者プロフィール>
濱 恵介(はま けいすけ) 1976年、広島県生まれ。福島大学大学院修了。本来の専攻は日本現代史。公民館活動全国1位となった玖波公民館(広島県大竹市)でタカラヅカ講座の講師を務め、執筆でも活動中。

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