学校生活で苦戦する子どもたちについて考える新刊書籍2冊を発売

「困っている」子どものこと 一番に考えられますか?

不登校支援・通信制高校紹介などの専門出版社「学びリンク」は、不登校や発達障がい、引きこもり、問題行動など、学校生活で苦戦する子どもたちについて考える新刊書籍2冊を発売したと発表しました。(2015年4月7日付「学びリンク」プレスリリースより)

「困っている」子どものこと 一番に考えられますか?

「困っている」子どものこと 一番に考えられますか?

そのうちの1冊は、「『困っている』子どものこと 一番に考えられますか?」(~発達障がい、不登校、元気な子… すべての生徒に独自のインクルーシブ教育を~)。

文部科学省が平成26年12月に公表した「学校基本調査(確定値)」では、「不登校」を理由とする生徒児童数が119,617人で、前年度調査より6,928人増えたことがわかりました。不登校の理由には様々な要因が挙げられ、その中にはLD(学習障害)や自閉症などの発達障がいが複合的に絡み合っているとも言われています。

そんな中、文部科学省が平成24年12月に公表している「通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果について」では、「知的発達に遅れはないものの学習面又は行動面で著しい困難を示すとされた児童生徒の割合」が6.5%いるとされました。そのうち、38.6%が「いずれの支援もなされてない」と回答されており、また各学校が設置する校内委員会において「特別な教育的支援が必要と判断されているか」との質問には79.0%が「必要と判断されていない」と回答されています。目の前で苦戦する子どもに誰も手を差し伸べられない事態が、今多くの学校で起こっています。

大阪市の東朋高等専修学校には、発達障がいのある生徒が3割在籍。そのほか多くの生徒が中学校時代に不登校を経験しており、また、非行や問題行動を理由に他の学校で入学を断られてきた生徒たちもいます。同校では、こうした生徒たちが日々、共に学び、様々な体験を通して社会で自立する力を身につけるインクルーシブ教育を実践しています。そんな同校は、かつて厳しい管理教育によって多くの退学者を出し、周囲のイメージ悪化で一時は閉校寸前まで追いやられていました。学校立て直しを任された著者、太田功二は、様々な弊害を乗り越えながら「一人ひとりに目を向ける」個性教育を実現させていきます。やがて学校は約10年で生徒数が4倍になるまでの人気校に。「話が伝わらない」「パニックを起こす」「学校へ通えない」などの課題を抱えた生徒たちが、十人十色の支援によって成長していくまでの様子と、生まれ変わっていく学校を描いたノンフィクションです。

  • 「困っている」子どものこと 一番に考えられますか?
    ~発達障がい、不登校、元気な子… すべての生徒に独自のインクルーシブ教育を~
  • 【著者プロフィール】太田功二(東朋高等専修学校 校長)
  • 勤務していた関西有数の「やんちゃ校」が阪神淡路大震災で倒壊。学校が閉校となり、知人の紹介で大阪市の東朋高等専修学校へ赴任。教頭と生活指導部長を任されるが、厳しい管理教育から抜け出せない学校の体質を知り、一時は退職を決意。しかし、その後改革に乗り出し、健常児と障がい児だけでなく、不登校、引きこもり、非行なども含めた本格的な「共生教育」「自立支援」を実現させた。
    定価:1200円+税
    版型:四六判 212ページ
    発売:2015年3月(発売中)
    ISBN:978-4-902776-91-1
    担当者:編集部 小林
子どもと夫を育てる「楽妻楽母(らくさいらくぼ)」力

子どもと夫を育てる「楽妻楽母(らくさいらくぼ)」力

もう1冊は「子どもと夫を育てる『楽妻楽母(らくさいらくぼ)』力」(~不登校・引きこもり・夫婦のすれ違い、すべて解決!~)です。

不登校で悩む家族2000世帯以上のカウンセリングを実施してきた、家族支援カウンセラーの森薫(元通信制高校副校長)は「不登校」など、思春期の子育てで悩む母親の8割は家事・育児に真面目で、努力を怠らない『良妻賢母』思考であると語ります。また、そういった母親を妻に持つ父親も「男は仕事、女は家事育児」という伝統的価値観を好む傾向にあります。

しかし、核家族の中で「子育ては母親の仕事」とすると、「子どものでき=母親のでき」となってしまい、母親に「子どもを優秀にしなければ」という過度なプレッシャーがかかるだけでなく、母子の関係が密接になり“過保護・過干渉”が起きやすくなります。子どもが幼い頃は、そういった親子のあり方でもトラブルは置きにくいですが、子どもに自我が芽生える思春期では、母親の期待と子どもの思いがすれ違い、子どもにストレスがたまり、うつや自律神経失調症などを引き起こし、不登校になってしまいやすくなるのです。

学びリンクが2015年3月に発売した、『子どもと夫を育てる「楽妻楽母」力~不登校・引きこもり・夫婦のすれ違い、すべて解決!~』は、学歴重視・完璧主義になりやすい「良妻賢母」を目指す母親たちに、肩の力を抜き、わが子のありのままを愛する「楽妻楽母」を勧めることで、家族が本当の幸せを手に入れる方法を紹介しています。第一章から第三章までは、著者が今まで出会ってきた、苦戦する家族の事例を示し、その原因を解説。そして最終章である四章では心を軽くする「楽妻楽母になるための15のスキル」を紹介します。思春期の子どもを持つ母親が、母としての自分、妻としての自分、また子どもとしての自分を見つめて、改めて一人の人間としての幸せを見つけるきっかけになる書籍です。

  • 子どもと夫を育てる「楽妻楽母(らくさいらくぼ)」力
  • ~不登校・引きこもり・夫婦のすれ違い、すべて解決!~
  • 【著者プロフィール】森薫(家族支援カウンセラー)
    2007 年まで東京都内の中学校で、心障学級・通級情緒障害児学級などを受け持ち、熱心な生徒指導で保護者からも信頼を集める。通信制高校副校長を経て、2012 年、一般社団法人家族支援メンタルサポート協会を設立、理事長に就任。学びリンク総合研究所所長。
    定価:1400円+税
    版型:四六判 190ページ
    発売:2015年3月(発売中)
    ISBN:978-4-902776-90-4
    担当者:編集部 高橋

☆アイデアニュース編集部より

「『困っている』子どものこと 一番に考えられますか?」で紹介されている「東朋高等専修学校」のホームページには、「ごあいさつ」として以下のような文章が掲載されていました。(http://www.okazakigakuen.jp/about.html

私たちは一人一人が大きな可能性を持っています。 今、その可能性に気がついていますか? 東朋高等専修学校では、その可能性を信じて、 力を伸ばして引き出してあげる事を真剣に考え取り組んでいます。 個性という「凍った種」を電子レンジや、熱湯をかけて解凍しても種はすぐに腐ってしまいます。 人の温もりでゆっくり解凍してあげれば、いずれ芽がでて、つぼみがでて、きれいな花を咲かすことでしょう。 教室で、机の上で教科書を使って学習することだけが教育だとは思っていません。 色々な物の見方、考え方、判断する力、その行動に責任のとれる人間形成をめざしています。 一人一人が急がずあわてずにマイペースでじっくり取り組み、のびのびと個性を伸ばし社会に参加していく力、 社会に必要な力をつけていきましょう。 是非みなさんの豊かな個性を本校の優秀な先生達と共に育てて下さい。

いつか、「東朋高等専修学校」を直接取材して、レポートを掲載したいと思いました。

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