大きな地震が続く九州で、稼働を続けている九州電力の川内原発に対して、熊本出身者が1人で始めた「川内原発を止めてください。」というネット上の賛同者署名が、開始から36時間で3万人を超え、さらに増え続けています。この署名ページは⇒ここをクリック
署名集めをはじめたのは、今回の地震で大きな被害を受けた熊本市の出身で、現在は岐阜県内に住む高木博史さん。署名サイト「Change.org」上で2016年4月16日の午前7時ごろに始めた署名には、2016年4月17日18時30現在で、30,004人が署名しました。
署名のページには、高木さんが以下のように書いておられます。
- 私は、現在は県外在住ですが熊本市の出身です。
- 2016年4月14日及び4月16日に発生した震度7、震度6といった巨大地震及び百数十回を超える余震が続いています。
- 報道を見るにつれ、被害の状況が拡大し故郷の町が変わり果てた姿を見るに堪えません。
- にもかかわらず、熊本県に隣接する鹿児島県にあり、今回の地震の震源となったと考えられる活断層上に建設されているといわれる川内原発は稼働を続けています。
- 万が一、福島第一原子力発電所のように事故が起きれば、九州全体が放射線の海と化することは想像に難くありません。
- 美味しい水と美しい自然に囲まれた熊本、そして九州のために川内原発の稼働の即時停止を決断してください。
署名のChange.org上のキャンペーン名は「経済産業大臣: 川内原発を止めてください。」で、賛同者した方の署名は、林幹夫経済産業大臣、安倍晋三首相、九州電力社長、伊藤祐一郎鹿児島県知事、丸川珠代原子力防災担当大臣の5人に届けられます。署名ページの文末には「宛先への要望を読む」というリンクがあり、クリックすると宛先の5人の名前とともに「川内原発を止めてください。」というシンプルな要望が出てきます。署名ページは⇒ここをクリック
賛同者はコメントを書き込むこともでき、「地震が起きれば、まず火を止めるのが常識です」などの声が載っていました。Change.orgのページで名前などを登録して「賛同!」ボタンを押すと署名したことになり、ログインした後にページ右上の名前欄から「マイページ」に進むと、自分が署名したキャンペーンや自分のコメントを見ることができます。
さきほど、高木さんにアイデアニュースからの電話がつながりました。高木さんは熊本出身の大学教員で「ネット上の署名というのはあまり普及していないと思ったので、100人か多くても1000人ぐらい集まればと思っていました。1時間に1000人ぐらいで増え続け、びっくりしています。集まった署名は近日中に提出する予定で、日程などを調整しています」と話していました。
筆者も阪神大震災で自宅が半壊する被災の経験がありますが、大地震の直後は余震のたびに何かさらに悪いことが起きるような気がして不安になるものです。被災者はもちろん支援に入っている方々にとっても、すぐ近くで川内原発が稼働していることは、大きな不安の種になっていることは間違いありません。原発に万が一のことがあれば、場合によっては九州全体はもちろん、四国や中国、関西や中部、そして韓国などに直接的な被害をもたらす可能性があるほか、中国や台湾を含む周辺諸国に影響が広く及ぶ可能性もあります。(⇒詳しくはこちらの記事をご覧ください)。
将来のことはさておき、一連の地震が収まるまでは川内原発を一時停止し、救助・支援に専念できる環境づくりを、整えてていただければ思います。
<参考:赤い線が中央構造線>
<参考:薩摩川内市内の震度>
2016年4月14日 21時26分頃 震度4 ⇒詳しくはこちら
2016年4月16日 1時25分頃 震度4 ⇒詳しくはこちら
※この記事には英語版と中国語版があります。
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