実録・コインランドリー屋さん(1) 設置後8年で月売上15万円の機材。いくらなら買う?

コインランドリーの乾燥機
コインランドリー

コインランドリー

アイデアニュースの編集を担当している橋本正人です。でもって「コインランドリー屋さん」です。

これまでアイデアニュース設立について知人に熱く語っていても、「それはそうと、最近、コインランドリーをやることになって」と話し出すと、なぜか「えっ? コインランドリーやってんの?」と、驚かれ、「へえ~~、コインランドリーってどんな感じ?」と、みなさん、すごく関心を示されるんです。でもって別れ際には「アイデアニュース頑張ってね」ではなく、「コインランドリー頑張ってね」と言われる始末。そんなことなら、いっそのこと「実録・コインランドリー屋さんになりました」と題して、アイデアニュースで顛末を書いてみようかということになったのが、このコーナーです。

もともと私は、大学を卒業してから新聞社に入り、所属会社を変わったことはあるものの、一貫してマスコミ関係の仕事をしてきました。しかし、その一方で、書く内容などで上司と対立した時にタンカを切って辞められるように(笑)、何らかの副収入を得ておきたいという思いがありました。

でもって10年ほど前に始めたのが、貯金を使って小さな中古のワンルームマンションを1部屋だけ購入して貸し出すという、小さな小さな不動産投資の「自称・貯金大家さん」でした。借金はしない主義でしたので「投資」というより「資産運用」なのですが、これがまあまあ成功して、少しずつ部屋を増やし、不動産賃貸に関するノウハウも身について、ついに融資を受けて1棟マンションを購入したのが1年半前です。そのマンションの1階に「コインランドリー」が入っていたのでした。

くだんのコインランドリーは、もともとはマンションの前のオーナーのお連れ合いの会社が経営していたものです。つまり、建物は夫が所有、コインランドリーは妻が所有という風に分けて運営していたのです。建物を購入した時は、コインランドリーは引き続きお連れ合いの会社が経営するということになっていたのですが、建物を購入してから間もなく1年になろうという時に「コインランドリーをやめて退去したい」という連絡がありました。

4階建てマンションの1階で10坪のスペース。最寄りの駅からは徒歩3分ほどで、駅は2つの路線が交差したハブ駅でもあり、すぐ近くには某国立大学のキャンパスがあり、学生も多く住んでいる街で、立地条件は悪くありません。事務所か店舗などにすれば、新しい入居者が現れる可能性もありますが、入居者が決まるまでは空きになるかもしれません。

それなら、いっそのこと、自分で利用する事務所にしては?と思って、あれこれ考えだしたことが、結果的に会社を辞めて独立することにつながってしまったのですが(汗)、それはさておき、目の前にあるのはコインランドリーです。

前のオーナーからは「コインランドリーの機材は、転売して、明け渡しますが、もし機材をご購入くださるならお譲りします」とのこと。なんだか、うまいこと踊らされているような気もしますが、もし購入するとしたら、いくらぐらいが適当か、考えてみました。

このコインランドリーに入っている機材は、乾燥機4台(いずれも7kg)と洗濯機4台(7kg2台と4kg2台)。前のオーナーによると、この機材は、マンションが新築されて間もない8年前に800万円ほどで前の前のオーナーが購入して設置したもので、それを5年前の建物売買の際に、前のオーナーが250万円で購入したとのことでした。

コインランドリーの乾燥機

コインランドリーの乾燥機

コインランドリーの洗濯機

コインランドリーの洗濯機

800万円で購入したものが3年で250万円になったというのには驚きましたが、それから5年たって、もし売買するとしたら、いったいいくらにするのが適当なのか。コインランドリー経営について前提知識が何もない私としては、どう判断したら良いものかと思いました。

コインランドリーの収入は、「チラシを入れたりして宣伝すると、月額15万円ほど」とのこと。このうち家賃として12万円をオーナー側に払い、電気代やガス代、洗剤代もかかりますから、儲けはほとんどありません。家賃は結局はオーナー側の収入になるとはいえ、家賃を払う側だけ考えると赤字になる場合もあります。

私が考えた選択肢は3つ
(1)機材を処分して退去してもらい、空き室を賃貸に回す
(2)機材を処分して退去してもらい、自分で事務所として使用する
(3)機材を購入してコインランドリーを経営する

私としては、(2)の「自分の事務所として使用する」が一番魅力的だったのですが、我が家の大蔵省(財務省)の連れ合いから、即座に却下されました。「だって、自分の事務所にしたって儲からないでしょ」とのこと(涙)。その通りです。

コインランドリーの入口と店内を撮影する連れ合い

コインランドリーの入口と店内を撮影する連れ合い

ということで、まずはコインランドリーを経営するかどうかの前提として、いくらなら買うかを考えることにしました。

設置後8年たっていて、月の売上が約15万円のコインランドリー機材一式。いくらなら買いますか? あるいはタダでも買わない方が良いでしょうか?

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※ここからアイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分です。洗濯機4台と乾燥機4台や配管などを含むコインランドリーの機材一式、これをいくらで買おうとしたか、そして、どうなったかについて書いています。

結論から言いますと、私は総額70万円で購入しました。

昔から懇意にしている不動産業者に聞いたところ「まあ、50万円ぐらいですかね」と言われて、金銭感覚にすぐれた妻に相談したところ、妻も「50万円なら」ということだったので、まずは40万円から交渉をスタートしたのですが、先方は80万円を主張し、いったんは交渉が決裂。

1ケ月ぐらいたってから、再交渉をしたところ、じりじりと価格があがって、最終的には70万円での購入となったものです。妻に言わせると「殿さま商売ね」ということで、弱気ですみません(汗)。

まあ、月15万円の現金収入があれば、1年間に180万円の収入ですから、単純にそれだけを考えれば、70万円の投下資金は回収できるように見えます。しかし、家賃を12万円払って洗剤代金やガス代・電気代などを支払うと、儲けはほとんどありません。自分が大家で、家賃は自分で自分に支払うのだからお金は入ってくるとはいえ、コインランドリーだけの収支を見るといつまでたっても投資額が回収できないので、「何のために70万円も出して」ということになるのです。

ではなぜ、買ってしまったのかというと、そこは私の「何でもやってみたい」性格が原因と言えましょうか(大汗)。ただ、コインランドリーがなくなると次の店舗入居者が決まるまで店舗部分の家賃収入が止まるので、それほど大きな投資でなければ、空きにするよりはひとまずコインランドリー経営を引き継いで、いろいろ経験して勉強してみるのも良いかなと思った、というのが実際のところです。

さて、70万円で買ってしまったコインランドリーの機材一式。設置後8年たつ機材なので、故障したり、修理するにも部品がなかったり、いろいろな問題が出てきます。それは次回に。

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“実録・コインランドリー屋さん(1) 設置後8年で月売上15万円の機材。いくらなら買う?” への 1 件のフィードバック

  1. すわ より:

    お礼として5万円がいいところかな。
    明け渡すには、下手したら100万円近くかかるから。

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