「好きな歌を歌うと幸せ。音楽の力はすごい」 岡幸二郎インタビュー(下)

岡幸二郎さん=撮影・橋本正人

ミュージカルを中心に活躍し、2017年4月5日(水)にビルボードライブ大阪で「岡幸二郎 プレミアム・ライブハウスツアー『言~ことだま~魂 2017』」と題したライブを開く俳優、岡幸二郎さんのインタビュー「下」です。※4月5日のビルボードライブ大阪公演の2つのステージに、ペアで各1組を無料ご招待します。どなたでもご応募いただけます。(このご招待の募集は終了しました)。また、アイデアニュース有料会員3名さまに、岡幸二郎さんのサイン色紙をプレゼントします。(このプレゼントの募集は終了しました)

岡幸二郎さん=撮影・橋本正人

岡幸二郎さん=撮影・橋本正人

■食器を箱に詰めて持っていって、友達の家で料理を作ったり

――食器もお好きで、素敵なものを集めていらっしゃいますね。家で大勢の人を呼んで、いつもパーティを開いているようなイメージですが(笑)。

食器を箱に詰めて持っていって、友達の家で料理を作ったりはするんです。でも家には絶対呼ばない(笑)。友達にトイレ貸してって言われても、絶対入れなかったですもん(一同笑)。友達にいまだに、言われます。「トイレ貸してと言っても貸してもらえなかったから、膀胱が破裂しそうになりながら、高速に乗って家に帰った」って(一同爆笑)。

――人に見せたくないようなトイレなのですか(笑)。

いや、家自体、全部(笑)。

――内面のドロドロとした汚い部分があって、それを外部に見せたくないとか。そういう意識の現れなのでしょうか。

内面ドロドロではないですね(笑)。結構、思ったことは、何でも吐き出しているので、スッキリはしています(笑)。

■色んな経験していますからね。経験がないと、歌えないし、表現できない

――人に接する部分をキレイに、気持ちよく見せたいというのがあるのでしょうか。

それはあるんでしょうね。人さまに不快な思いはさせたくありませんので。トイレ貸してもいいんですよ。でも不快な思いをすると思うので。

――そんなに凄まじいトイレなのですか…。

いや、トイレ自体はキレイなんですよ。ただ、家に戻ってきたら、荷物を玄関にそのまま置くんですよ。3、4日経つと「これは何だったっけ?」。そういう感じで荷物が玄関にドンドンと溜まっていくんです。

――トイレに行くまでの道のりが汚いのですね(笑)。

玄関だか何だか分からない(笑)。

――舞台で観客にキレイな部分を見せる仕事だからでしょうか。

それで疲れるんでしょうね。家に一日いることがないから、家の中を片づけない。だから散らかるんです。片づければいいのに、スポーツクラブ行こう!とか思うんですよ(笑)。

――お菓子やお花など美しくてラブリーなものをブログでアップされていますから、イメージが(笑)。

よく言われます。実は、めちゃくちゃ散らかっている部屋に飾っているんです(笑)。人間とは分からないものでしょう(笑)。

――『言~ことだま~霊』で暗い歌を歌われるというのも、何かそこから関連しているのですかね。

うーーん、色んな経験していますからね。経験がないと、歌えないし、表現できないような気がします。ただ、ミュージカルでフランスものだったら、その時代に生きていないと歌えないのかといえば、そういうことではない。同じような状況や心情は人間だからあります。今回、『ロミオ&ジュリエット』で難しかったのは、親という立場ですね。経験していませんから。ジュリエットのお父さんをどうやって埋めていくかという作業がやはりちょっと、時間がかかったんです。

――想像したり、資料を読んだり、話を聞いたりして埋めていく。

そうですね。あとは、演出家がどういう風に役を作りたいかというのとすり合わせることですね。

※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、これまで仕事の取捨選択をどのようなスタンスでしてきたのか、子どものころの話、東日本大震災直後のトークショーの思い出、今後のヴィジョンなどについて話していたいだた内容を掲載しています。

<有料会員限定部分の小見出し>

■「トラックにぶつかったら、セリフ覚えなくていいよな」と思った作品も

■3歳のころから歌っていて、地元の、のど自慢荒らしだったんです

■大震災の後、東北のお客さんが「岡さんの『めぐり逢い』だけは耳に入った」と

■納得のいく仕事を、そして自分の歌いたい歌を歌っていくライブも続けたい

岡幸二郎さん=撮影・橋本正人

岡幸二郎さん=撮影・橋本正人

<岡幸二郎 プレミアム・ライブハウスツアー『言~ことだま~魂 2017』>
【大阪公演】2017年4月5日(水) ビルボードライブ大阪
http://www.billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&event=10397&shop=2

<岡幸二郎スペシャル・プレミアム・コンサート2017「ベスト・オプ・ミュージカルⅢ」>
【東京公演】2017年03月28日(火) 東京オペラシティ コンサートホール
http://www.ints.co.jp/best-of-musical2017/index.htm

<関連サイト>
岡幸二郎のエグゼリーノの蒼い溜息
http://blog.livedoor.jp/dragonsky1010/
岡幸二郎(日本コロムビアオフィシャルサイト)
http://columbia.jp/artist-info/oka/

※2017年4月5日(水)にビルボードライブ大阪で開かれる「岡幸二郎 プレミアム・ライブハウスツアー『言~ことだま~魂 2017』」の2つのステージに、ペアで各1組を無料ご招待します。どなたでもご応募いただけます。この下の応募フォームからご応募ください。応募締め切りは、3月26日(日)。当選された方には3月27日にメールでご連絡し、チケットを郵送します。(このご招待の募集は終了しました)

※抽選でアイデアニュース有料会員3名さまに、岡幸二郎さんのサイン色紙をプレゼントします。有料会員がログインすると、この記事の末尾に応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは、4月4日(火)です。(このプレゼントの募集は終了しました)

※ここから有料会員限定部分です。

■「トラックにぶつかったら、セリフ覚えなくていいよな」と思った作品も

――岡さんは、今年でデビュー27周年を迎えられました。今まで、数えきれないほど多くのミュージカル作品に出演されています。今でも一つひとつの役は自分の中に生きていますか。

もちろん、もちろん。全部の役が残っていますね。

――それは、なかなか入っていくのが難しかった役も含めてですよね。

もちろん。「ああ、このトラックにぶつかったら、この舞台のセリフを覚えなくていいよな」と思った作品もありました(笑)。でもその役も、確実に自分の中に残っています。私は事務所に所属したことが一回しかなくて、フリーでやっている期間が長いんです。だから、本当にやりたいものしかやってないんですよ。事務所から「この役をやって、次に繋げるから」と言われるようなこともない。

――仕事の取捨選択は自分にあるのですね。

どんなに大きいお話がきても、のらないものは断ります。

――「来た仕事は全部受ける」というスタンスではないのですね。

ないです。逆に小さくてどんなにギャラが安くても、面白そうだったら受けます。友達は「チケットが3000円以下の仕事はやったらいけない」と言うんですが、そんなことは関係がなくて。1万5000円でもつまらない作品だったら、2500円の面白い作品のほうがいい。学生時代からミュージカルや舞台が大好きで見ていますから、チケット代の価値は分かっているつもりです。1万円だったら、1万2000円分は提供しなきゃいけないと思っています。

岡幸二郎さん=撮影・橋本正人

岡幸二郎さん=撮影・橋本正人

■3歳のころから歌っていて、地元の、のど自慢荒らしだったんです

――岡さんは、低音から高音まで、そのなめらかな歌声には定評があります。歌は小さいころから、お上手だったのでしょうか。

上手でしたね。3歳のころの白黒写真が残っているんですけれど、温泉地で生バンドをバックに歌っている写真なんです。

――小さいころから賞を総なめされていたそうですね。

地元の、のど自慢荒らしだったんです。3歳のころから歌っていましたが、習ったことはなくて、すべて独学です。だから私、楽譜が読めないんですよ。楽譜をもらっても最後までキレイなんです。耳で聞いて覚えています。

――ヴォイストレーニングは受けていらっしゃるのですよね。

受けてないです。

――それは、すごいです。もともと持っていらっしゃるものが違うんですね。

『言~ことだま~霊』で歌う曲もそうですが、色んな人の声や歌を聞いて、この人の声は心地いいなと思ったら、一緒に歌っていると、その人の喉の位置になるんです。だから、教わらなくても、たとえクラシックであっても、この人がいいなと思って、同じような声を出していると、そういう歌い方になる。クラシックをやっている人だとよく思われるのですが、全然、そんなことはなくて。耳だけです。

――岡さんがご自身のブログに、昨年、『ミス・サイゴン』を見て、「出ていなくても素晴らしい作品に参加したと思えた」と書いていらっしゃいました。そういう「参加している」気持ちになるものなのですね。

なるんです。やっぱり、作品に対する愛情でしょうね。『ミス・サイゴン』『レ・ミゼラブル』は長かったので。基本、好きなんですよ。自分が出演しなかったら見に行かないという人は多いと思いますが。結局、『レ・ミゼ』は、私が出なくなっても7、8回は見ていますから。最初は違和感あるなと思って見ているんですが、段々段々、気持ちが入っていく。

――「自分だったらこう演じるのに、悔しい」という気持ちはないのですか。

それは、ないですね。演出も変わったし、それを言ってもどうしようもない。あの曲を岡さんで見たいという声もいただいていますから、それを、アルバム「ベスト・オブ・ミュージカル」で歌ったりしています。

岡幸二郎さん=撮影・橋本正人

岡幸二郎さん=撮影・橋本正人

■大震災の後、東北のお客さんが「岡さんの『めぐり逢い』だけは耳に入った」と

――約30年間ミュージカル業界にいて、続けてこられたのは、やはり好きだからでしょうか。

そうじゃないとできないですよ。でも、嫌いな歌は本当に歌えない。魂が入らないんです。好きな曲は明るい歌でも暗い歌でも、歌っていて幸せですよね。スッキリする。重たい歌でも重たくならない。浄化させたいというと、変な新興宗教みたいですが。

――浄化させる場は大切ですよね。

そうです。アンドレ・ギャニオンさん(カナダの作曲家・ピアニスト)の「めぐり逢い」という曲に、日本語の歌詞をつけてもらって、私のCD「Love Collection」に収録したんです。東日本大震災の後、トークショーを東京で開いたら、東北からいらしたお客さんが、「あの震災の後に、どんな音楽が流れても耳に入らなかった。でも、岡さんの『めぐり逢い』だけは耳に入った」と言ってくれたんです。歌っていて良かったなとつくづく思いましたね。

――役者冥利に尽きると思われた瞬間なのでしょうね。

そうですね。「Love Collection」は本当に面白くて、このCDを流すと「猫がお腹を出して喜ぶ」というファンがいたんです。毎日CDをかけていて、忙しくてかけるの忘れると、猫が前足でつついて催促するらしいんです(笑)。それでかけて、またある日、かけるのを忘れると、猫がジャンプしてスイッチを入れたそうです(一同笑)。

――猫はそういうことをしそうですね。

音楽の力は素晴らしいですよね。また、「服部良一トリビュート 華麗なる歌」をかけると、寝たきりでしゃべれなかったおばあちゃんが、突然、歌い出したこともあったそうです。音楽はすごい力を持っていますし、それを聞いていた時代に戻りますよね。「ベスト・オブ・ミュージカル」で、オーケストラとコンサートをしたときも、『レ・ミゼ』の曲「ワン・デイ・モア」のイントロが流れた途端、ブワーーッとすごい拍手が起こりました。イントロだけで、聞いている人は、自分たちがいた時代に戻ったんでしょうね。私も『レ・ミゼ』の映画を見に行って、あの曲が流れたら、「これが終わったらトイレだ」と思いましたから(笑)。舞台ではこの曲の後、休憩が入るんです。映画だから休憩はないのに、体が覚えているんですよね。

岡幸二郎さん=撮影・橋本正人

岡幸二郎さん=撮影・橋本正人

■納得のいく仕事を、そして自分の歌いたい歌を歌っていくライブも続けたい

――「Love Collection」自体がミュージカルの歴史を聞いているようで、私もその楽曲を舞台で聞いていた時代に戻ることができました。ところで、今後の岡さんのヴィジョンは、やはり好きなお仕事をされることでしょうか。

好きな仕事だけしたいと言うと、我がままに聞こえるかも知れませんが、納得のいく仕事をしたいですね。最近、イケメン系の若手俳優がメインの作品の仕事が多いのですが、それはそれで、ちゃんとやらなければいけないなと思います。イケメンの中で、大人でいることは大事かなと。大人が一番元気なんですよ。大人は何十年も仕事をしているので、毎日舞台をやる大切さを分かっている。もちろん若手俳優も分かっていますが、年数や経験が違う。喉や体調管理をしっかりとしているのは大人なんです。そういうことを黙って見せていくだけでも、居ることは大切だと思います。そして、今回のビルボードライブ大阪のような贅沢な空間で、自分の歌いたい歌を歌っていくライブも続けたいですね。ぜひ、私の違った一面や、トークを楽しんでいただければと思います。

――どうもありがとうございました。

岡幸二郎さん=撮影・橋本正人

岡幸二郎さん=撮影・橋本正人

※抽選でアイデアニュース有料会員3名さまに、岡幸二郎さんのサイン色紙をプレゼントします。この下の応募フォームからご応募ください。応募締め切りは、4月4日(火)です。(このプレゼントの募集は終了しました)

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