魔法の車いすに乗れば、今年のハロウィンは君が主役だ! 

日本では、バレンタインやクリスマスほど一般的ではなかった季節の行事「ハロウィンHaloween 」ですが、最近、若者を中心に仮装パーティなどで盛り上がるようになりました。アメリカの子どもたちにとっては10月31日は「trick or treat お菓子をくれなきゃいたずらするぞ!」と、魔女やモンスターや漫画のキャラクターの格好をして近所の家々にキャンディやチョコレートをもらいに行く日。毎年、どんなコスチュームを着るかそれぞれ工夫をこらし、かなり前から準備をするのだとか。車椅子を使っている子どもたちも、とびっきりクールな格好で「トリック オア トリート!」と言えるように、こんな素敵なプロジェクトが進行中です。

その名も「Magic wheelchair 魔法の車椅子」というアメリカのNPO団体が、2015年のハロウィンに向けて、動画で出てきたようなとびきりカッコいい特製車椅子を5台作ろうとしています。5人の車椅子に乗っている子どもたちが、今年のハロウィンの主役になって、一生忘れられない思い出を作れるように、クラウドファンディングkicksarter で寄付を募っているところなのです。目標額は1台3,000ドル×5台の車いすで、15,000ドル。2015年6月14日現在目標額を達成し、もしかしたら6台目も作れるほど寄付が集まるのではないかと期待しているところです。7月4日まで寄付を受け付けているので、詳しくはこちらのサイトをご覧ください。

The magic wheelchair kickstarter ページ

https://www.kickstarter.com/projects/magicwheelchair/the-magic-wheelchair

NPO「魔法の車椅子」主催者ワイマーさん家族 kickstarter より

NPO「魔法の車椅子」主催者ワイマーさん家族 kickstarter より

NPO「魔法の車いす」は、ライアン・ワイマーさんとラナ・ワイマーさん夫妻が始めた団体です。ふたりの間に生まれた5人の子どものうち3人が、筋ジストロフィーの一種である脊髄性筋萎縮症であったことから、ふたりで始めたのが「魔法の車いす」、車いすに乗っているすべての子どもたちが笑顔になりますようにという願いがこめられています。

ワイマー夫妻が、息子のキートン君のために作ったドラゴンの車椅子  kickstarter より

ワイマー夫妻が、息子のキートン君のために作ったドラゴンの車椅子  kickstarter より

こんな格好で「お菓子をくれなきゃいたずらするぞ!」と町を行けば、他の子に羨望の眼差しで見られるに違いありません。数年前、キートン君のために、家族が腕によりをかけて、一番大きくて一番カッコいいコスチュームを作ったのです。いつもは町の人たちから「車椅子に乗っていて可哀そうに」と思われていたキートン君は、この日、みんなから羨ましがられ、褒められ、歓声を浴びました。ワイマーさん夫妻と仲間たちは、他の車椅子の子どもたちにも、この喜びを味わってもらいたいと、kickstarterで資金提供を呼びかけているのです。2015年のハロウィン用に5台分は確保できました。もっとお金が集まれば、もっと多くの子どもたちがハロウィンの主役の座につけますね。

特製車椅子があったらいいなあ~~と願う子どもたち  kickstarter より

特製車椅子があったらいいなあ~~と願う子どもたち  kickstarter より

クラウドファンディングで集まったお金は特製車椅子の製作費用に使われますが、では、5台の車椅子に乗る子どもはどうやって選ぶのでしょうか?これもなかなかユニークで、親の承諾のもと、車椅子を使用している子ども本人が1~3分のビデオレターで、どんなコスチュームが欲しいのか、なぜ「魔法の車椅子」に頼みたいのかを話します。現在、すでに2名の子どもが選ばれました。

ひとりはテレビアニメの「スポンジボブ」が大好きな12歳のジェイドちゃんで、彼女の夢の乗り物、アニメに出てくるパフ先生のスピードボートを作ってもらうことになりました。

12歳のジェイドちゃん kickstarterより

12歳のジェイドちゃん kickstarterより

もうひとりは「アベンジャー」ファンの14歳のハンター君のために、S.H.I.E.L.D.が使っているクインジェット型の車椅子が作られることになっています。

14歳のハンター君 kickstarterより

14歳のハンター君 kickstarterより

これは本当に素敵な、素晴らしいプロジェクトだと思います。では私たちに何が出来るでしょうか?以下がNPO「魔法の車椅子」からのお願いです。

1) PLEDGE. Any amount is appreciated, but the more you give, the more children we can build for, and the cooler the rewards you’ll receive! Even better, as a nonprofit organization, every dollar you donate to Magic Wheelchair is tax deductible, unlike most crowdfunding campaigns. 寄付はいくらでも大歓迎ですが、NPOである「魔法の車椅子」への寄付は控除の対象になりますよ。たくさん寄付してくだされば、それだけ多くの子どもに車椅子を作れるし、かっこいい御礼の品も用意しています!

2) SHARE. Please let your friends and family know about the Magic Wheelchair campaign! Your support will not only help us build epic costumes for some great kids, but will also assist in spreading awareness about MD, SMA and the challenges faced by kids in wheelchairs.お友達やご家族に、「魔法の車椅子」のキャンペーンをお知らせください。子どもたちが心に残る特別な車椅子を手に入れるということだけではなく、筋ジストロフィーや脊髄性筋萎縮症、その他にも、車椅子を使っている子どもたちが直面している問題について意識を高めてもらいたいのです。

3) VOLUNTEER. Magic Wheelchair wants YOU! If you’re a designer, costume builder, craftsperson, social media master, or just want to do whatever is needed to help us on this journey, please let us know in the comments and there may be a place for you on the Magic Wheelchair team. デザイナーやコスチュームビルダー、技術者、ソーシャルメディアマスターの方々、あるいは、とにかくこのキャンペーンを手伝いたいという方、ぜひコメントをお寄せください。貴方にやっていただけることがあるかもしれません。

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アイデアニュース有料会員向け【おまけ的小文】  スポンジボブに出てくるパフ先生のスピードボートって・・・?(松中みどり)

スポンジボブは、原題がSpongeBob SquarePants と言うアメリカのテレビアニメで、スポンジボブは主人公の名前です。海底都市に住んでいるので、教習所で習うのは船の操縦。スポンジボブが通う船教習学校の先生がMrs.Puff :パフ先生で、彼女の学校にスピードボートがあるようです。スポンジボブの大ファンであるジェイドちゃんが選んだ特製車椅子のモチーフが、”パフ先生のスピードボート”というわけです。

日本語の「スポンジ・ボブ公式サイト」はこちら

http://www.nickjapan.com/character/spongebob/index.html

もうひとりの車椅子ユーザーハンター君は、マーベルコミック社のアメコミに登場する架空の組織S.H.I.E.L.D.が所有する飛行機、クインジェットをご所望です。スーパーヒーローたちが集まってともに闘う映画「アベンジャーズ」で日本でもおなじみになったアイアンマンらが乗り込むジェット機です。

アベンジャーズのクインジェットのフィギュアが出ているページはこちら

http://www.hottoys.jp/item/view/100001843

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