「cube 20th. presents 音楽劇『魔都夜曲』」に出演される小西遼生さんにお話を伺いました。(上)(下)に分けてお届けします。(上)では、この作品の時代背景ならではの面白さなどについて伺いました。
――稽古が始まっていかがですか?
楽しくやっています。大人たちの集まりという感じで、すごくいいですね。演出の河原(雅彦)さんは、演者もやられている方なので同志のようで、僕の感覚的には演出とキャストではなく、同じ作品を一緒に作っている感じがしています。本の読み込み方や、役をどう演じようかと話すときに、一緒に演じている感覚でやっています。
――所属事務所のキューブ20周年公演という事もあって、よく知った皆さんですよね。
そうですね。でも、人数が多いなと思いますね(笑)。普段の公演ならば、知り合いが何人もいることなんてあり得ないですが、今回はもう少し身近なメンバーなので、「すげぇ、みんないるな」って(笑)。
――(笑)。関係性を作るところからスタートしなくていい分、やりやすい、もしくは逆にやりにくいことはありますか?
一長一短あるとは思います。今回、僕が演じる周志強役は、藤木(直人)さんが演じる白河清隆の親友であり、マイコちゃんが演じる周紅花の兄で、3人での関わりがとても大事になります。今、3人で一緒に芝居する場面を重点的にやっています。藤木さんは、すごくいい人なんですよね。男が見て「めちゃくちゃかっこいいな」と思う人で、マイコちゃんはとてもストイックな人です。この作品は中国のお話なので、歴史的な言語や人物が出てくると、分からないことを勉強しなくてはいけないじゃないですか。稽古場で一緒にそういう話をしていると、ああでもない、こうでもないと夢中になって話しますね。休憩と言われても、藤木さんが「ちょっと合わせようか」と言ってくれて、一緒に楽しく稽古しています。
※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、音楽劇『魔都夜曲』について詳しく語ってくださったインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。6月23日掲載予定のインタビュー「下」では、『魔都夜曲』の音楽とカンパニーについて、さらに2017年1月から2月にかけて出演したミュージカル『フランケンシュタイン』などについて伺ったインタビューの後半の全文を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>
■1930年代の中国、今でも「こうだったんじゃないか」としか分からない話がたくさんある
■お客様が歴史を詳しく知らなくてもストレスがないように、面白くならなければいけない
■感情抜きで言えなくて、一方的な感情を抱えてしまうような出来事はたくさん起きている
■歴史を知らないとたった一言のセリフの意味が拾えず、相手役へのリアクションが出来ない
<cube 20th. presents 音楽劇『魔都夜曲』>
【東京公演】7月7日(金)~7月29日(土) Bunkamura シアターコクーン
【愛知公演】8月5日(土)~8月6日(日) 刈谷市総合文化センター アイリス
【大阪公演】8月9日(水)~8月13日(日) サンケイホールブリーゼ
https://cube-s.wixsite.com/matoyakyoku
<関連リンク>
音楽劇『魔都夜曲』のキャスト https://cube-s.wixsite.com/matoyakyoku/cast
cubeのアーティスト http://www.cubeinc.co.jp/members/
小西遼生オフィシャルサイト https://konishiryosei.com
小西遼生オフィシャルブログ https://ameblo.jp/ryosei-konishi/
⇒すべて見る
- 「『フランケンシュタイン』は、大変で、面白かった」、小西遼生インタビュー(下) 2017年6月23日
- キューブ20周年公演『魔都夜曲』、「すげぇ、みんないる」小西遼生インタビュー(上) 2017年6月22日
- 藤木直人・小西遼生ら出演の音楽劇『魔都夜曲』、7月から東京・愛知・大阪で上演 2017年3月14日
※小西遼生さんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。有料会員の方がログインするとこの記事の末尾に応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは7月10日(月)です。※このプレゼントの募集は終了しました。
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■1930年代の中国、今でも「こうだったんじゃないか」としか分からない話がたくさんある
――稽古に取り組んでみて、作品に対する印象や、考えていることは?
例えば、中国の1930年代の歴史は、事実も多いですが、不確かな部分も多いと思います。今でも「こうだったんじゃないか」としか分からない話が多いと思うんですね。それは実際に起きている事だから、小説のような物語ではないですが、不確かな部分があるというのは、人の想像力を掻きたてる物語を感じます。その時代の中国を舞台にした作品と聞いていて、色々と演劇的な幅が広いと感じたのですが、やはり台本を開いてみたら、「そういう風に膨らますんだ」とか「そこを背景にして、こういう物語をつくるんだ」という面白さがあると感じますね。
――その中で「秘密」をもっているというご自身の役についてはいかがでしょうか。
ありのままの自分を見せる人なんて、なかなかいないですよね。自分の考えがあっても選択肢がとても少なく、今のようにやりたいことがあっても目指せる時代でもない。素直に平和に生きられる時代ではないから、その時代や、その時代に生きる人達の中には、抱えているものが色々とあると思います。それを一言で「秘密」と言っているのではないかと思っています。
――その抱えているもののどの部分を見せるかは、相手によって違いますよね。
相手によって変わるというより、物語を作っていく上で、それをどう生かすかですね。1幕に色々と伏線があり、名前を聞いただけで誰もが知っているような人達も出てきます。彼らが物語をより複雑にして、人物たちが様々に繋がっていく。そういう作品構造がとても面白いです。
■お客様が歴史を詳しく知らなくてもストレスがないように、面白くならなければいけない
――稽古場での役作りについてはいかがですか?
簡単には出来ないですが、すごく面白いです。昨日、2幕の台本を頂きましたが、ようやく分かったことがたくさんありました。なるほどそういうことだったのかと。例えば物語の舞台になっている粗界(外国人居留地)は、様々な言語が飛び交って、様々な人種が入り乱れています。その中で出てくる言葉も、「聞いたことはあるけど何?」というような、昔学校で習った言葉も出てきたりします。それぞれのキャストが、リアクター役として拾わなければいけない言葉がたくさん散りばめられているんです。それを拾っておかないと、後半の物語が成立出来なくなってしまうので、その部分を一つ一つ拾い上げていかなければいけない。しかもそれを、お客様にきちんと残していけるようにしなくてはいけないので、今はそこをしっかりと作っていかなければと思っています。
――観客側もしっかり聞き取っていかないとわからなくなる感じですか?
それはストレスがないように、僕らが作らなければいけないですね。歴史の勉強をするために舞台を観に行く訳ではないので、詳しく知らなくても面白くならなければいけないですし、起きている出来事が舞台上の人物にとって、リアルに感じられなくてはいけないですよね。お客様にきちんと届くように、少しわかりやすく拾わなければいけない所もあります。観ていて「これって何だろう」と少しずつ考え、後半へ繋がっていくように作るというのは、意外と難しいですね。
――その見せ方が技術的に難しい?
キャラクターを演じるにあたって、知らなければいけない歴史的事実もたくさんありますし、みんなで作っていかなければいけない難しさですね。まずは投げなければ受け取れませんし、投げているのに相手が受け取らなかったら、やはり成立しません。特に多くの役が出ているシーンは、群像劇的でそれがとても難しいんです。ひとりだけを見ている訳にはいかないので、どこに焦点を当てるのかと。色々な人の物語が同時に起きていたりするので、それをちゃんと届けられるようにする作り方で、役作りや全体像を作っている感じですね。
■感情抜きで言えなくて、一方的な感情を抱えてしまうような出来事はたくさん起きている
――なるほど。ちなみにこの時代のことは、学生時代に勉強するような内容だと思いますが、この時代は好きでしたか?
そんなに知らなかったですね。
――すると、結構新鮮ですか?
新鮮ですし、よくテレビで中国人の方が「日本は歴史を知らなすぎる」と言っていることが、確かにと思いました。それぞれが思いを抱えているのも、少し分かりますよね。結局誰も答えを出してくれないから、「これは間違いだ」「これが正しかったんだ」と、感情抜きで言えることが一つもなくて、それは人によっては一方的な感情を抱えてしまうような出来事がたくさん起きている。例えば、直接関係がなくても、自分の先祖やそれ以前に生きた人がその歴史に関わっていたら、それは後の代まで引きずるだろうなと思います。
■歴史を知らないとたった一言のセリフの意味が拾えず、相手役へのリアクションが出来ない
――結構詳しく調べていますよね。
この作品をやるには歴史的バックグラウンドはある程度理解していないと、とは思います。
――今は日々そういう情報を入れているんですか?
今、勉強していますね。その歴史が語られる物語ではないですが、歴史を知らないとたった一言のセリフの意味が拾えないんです。それによって相手役に対してのリアクションが出来ないんです。
――なるほど。歴史上著名な方々も出て来ますね。
李香蘭はさすがにみんな名前も曲も知っていると思いますが、甘粕正彦さんや、東洋のマタ・ハリと呼ばれていた川島芳子さんなど、どういう時代で、どういう出来事が起きたのかを知っておかないと、単純な一言が拾えなくて、その一言が拾えないとダメなんです。
※小西遼生さんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。この下の応募フォームからご応募ください。応募締め切りは7月10日(月)です。※このプレゼントの募集は終了しました。
今回は残念ながら観劇出来ないのですが、
小西さんの魔都夜曲に対する思いや、、
役作りの為の勉強…
色々と想像を掻き立てられてワクワク出来たことが嬉しかったです。
あと、いつも沢山のお写真、
ファンにとってはこの上ない喜びです。
好きな役者さんが沢山出るので、楽しみにしていますが、
記事を拝見して、舞台を更に楽しめるように、歴史的な予習もしておこうかと思います。
大好きな小西さんの意気込みも感じられ、様々な表情のお写真も素敵で何度も眺めては見とれています。
1930年代の中国が舞台というだけでワクワクするのに…このインタビューを読んで、ますます楽しみになりました。
どんなシーンが展開され、どんな風に架空の登場人物達が絡んでいくのだろう…とアレコレ考えて巡らせております。
いつも素敵な写真と一段階深くまで踏み込んで下さるインタビューがとても楽しみでした。満足です。
素敵なお写真と丁寧で一歩踏み込んだ取材内容でとても読み応えのあるインタビューでした(*´꒳`*)
アンニュイな小西さん、ありがとうございます❗
魔都夜曲、本当に楽しみです(≧∇≦)
久しく見ていなかった本棚から、森川久美先生の「蘇州夜曲」と「南京路に花吹雪」を引っ張り出して懐かしく読んでおります。
Jazz love♥服部良一love♥渡辺はま子love♥なので音楽もとっても楽しみです(*^▽^)/♪
深い歴史のあれこれ。人間の業、など妄想がやみません。
どうしよう・・・(←何がw)
出来るだけ(汗)クリアな心で観劇させていただきたいと思います?
開幕を楽しみに待っています。
いつも内容の濃いインタビュー記事、ありがとうございます。
写真も毎回ステキで、嬉しい限りです。次回配信も楽しみです。
いつも素晴らしい写真と、読み応えのあるインタビューをありがとうございます。
小西さんが真摯に舞台に向き合っている姿を知ることが出来ました。
(下)の更新も楽しみです!
朝の支度そっちのけで
読みふけってしまうほど
楽しみにしていました!
小西さんのインタビューだから
というのもありますが
岩村さんが小西さんのインタビューを
というのが
私にとってダブルの嬉しさです(^^)
明日の(下)も楽しみにしています!
ステキな写真と舞台『魔都夜曲』で周志強を演じるにあたっての遼生さんの考えや気持ちを知る事が出来ました。ありがとうございます。
後半の掲載が待ち遠しいです(^-^)/
いつも素敵なインタビューをありがとうございます。小西さんの普段はふんわりしている印象から一変して、役への気持ちの強さがインタビューの中からよく伝わってきます。(下)も楽しみにしています。
ステキな記事をありがとうございます。
岩村さんの記事、大好きです。
他では聞けないお話を
たくさん聞いていただいて。
岩村さんのお写真もいつもホントに
ステキです。
魔都夜曲ますます楽しみになりました。
下)も楽しみに待っています。
魔都夜曲 楽しみにしています。
岩村さんのお写真にもインタビューにも、被写体に対するリスペクトを感じます。
いつも素敵な記事をありがとうございます。
後半も楽しみです(^^)
いつもインタビューでは深く掘り下げて聞いていただいて、そして写真もリラックスした小西さんを見れて嬉しいです。
後編も期待してます‼