「小劇場で濃密ミュージカル」、『クラス・アクト』石井一彰・片島亜希子対談(上)

石井一彰さん=撮影・伊藤華織

『コーラスライン』の作詞家、エドワード・クレバンの自伝的ミュージカルである『クラス・アクト』の初の日本人キャストによる公演が、2018年3月22日(木)から〜25日(日)まで、東京芸術劇場シアターウエストで上演されます。主人公、エド・クレバンを演じられる石井一彰さんと、翻訳・訳詞・演出の片島亜希子さんにインタビューしました。「上」では主に片島さんに作品について、「下」では主に石井さんに作品についてやテレビドラマ出演について伺いました。

石井一彰さん=撮影・伊藤華織

石井一彰さん=撮影・伊藤華織

――石井さんと片島さんは、以前から面識はおありだったのですか?

石井:はじめてです。

片島:出会って4日くらいです(笑)。

石井:そう、出会って4日。

――そうなんですか?!そうは見えなかったので伺ってみたんですが。

片島:そうなんです。もちろん以前から石井さんの舞台は拝見していました。でもまだ4日間ですけど、稽古時間が濃密で相当長い時間を過ごしたっていう感じはしますね。

石井:そうそう、濃い時間を。

片島:ひととなりを把握する前に、まずはお稽古でぶつかり合って、みたいな感覚です。

石井:うん。

――ではお互いのひととなりは、お稽古中にぶつかり合いながら理解している感じなんですね。

石井:そうですね(笑)。

片島:はい(笑)。今回出演人数が少ないので、1人1人と向き合える時間が多くていいなと思います。今回は少人数でがっつりと取り組む作品をやってみたくて。

――『クラス・アクト』は『コーラスライン』の作詞家であるエドワード・クレバン氏が亡くなった後に、彼の友人だったリンダ・クライン氏とロニー・プライス氏が脚本を書いて創られた作品ですね。まず何故この作品を上演しようと思われたのでしょうか?

石井:それは聞きたい。

片島:日本人キャストでの上演は、今回が日本初になります。うち(「AKA Company」)は、お客様と舞台が近い空間で海外作品を上演することで、濃密な空間をお客様に提供する団体になりたいなと思っているんです。キャストのひとつひとつのこころの動きや感情のぶつかりがじかに感じられるような。その中で、今回はただ明るくて楽しいだけじゃない、じっくりと芝居面を追求出来る作品がやりたかったんです。

※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、片島さんの作品への思いのほか、どのようにしてライセンスを押さえたかなどのエピソードなど、インタビュー前半の全文と写真を掲載しています。16日掲載予定のインタビュー「下」では、石井さんに、エド・クレバン役についてのほか、石井さんの子どものころの話、テレビドラマ『科捜研の女』レギュラー出演などについて伺ったインタビューの後半の全文と写真を掲載します。

<有料会員限定部分の小見出し>

■片島:全員メインキャスト。対等なキャスティングがこの作品の魅力

■片島:『クラス・アクト』は誰もアタックしていなかった。「これは運命だ!」って

■片島:思い入れがすごく深いです。これで駄目ならやめてもいいか、くらい(笑)

■片島:エドの繊細さ、危うい魅力みたいなところに石井さんは、ぴったり

<AKA Company『A CLASS ACT』>
【東京公演】2018年3月22日(木)~3月25日(日) 東京芸術劇場シアターウエスト
公式 HP
http://katashima-office.com/aclassact.html

<関連リンク>
AKA Company Twitter
https://twitter.com/AKA__Company
石井一彰 東宝芸能株式会社
http://www.toho-ent.co.jp/actor/profile.php?id=5668
石井一彰 Twitter
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カタシマオフィス
http://katashima-office.com/

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石井一彰さんと片島亜希子さん=撮影・伊藤華織

石井一彰さんと片島亜希子さん=撮影・伊藤華織

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■片島:、全員メインキャスト。対等なキャスティングがこの作品の魅力

片島:全員がメインキャスト。基本的に出演者8人全員がみんな対等なキャスティングというのがこの作品の魅力で、選んだ理由の大きなひとつです。それと海外物をやるときに悩ましいのが、日本と海外における根本的な宗教観や社会的・文化的背景の違いで。そこを「なんとなく」でやるのには少し抵抗があって。せっかく日本でミュージカルを上演するなら、日本人が正直なかなか理解できないそういう部分がなるべく前面にでていない、人と人の心の交流が主軸にある作品を選びたいといつも思っています。そういう中で『クラス・アクト』という作品に出会いました。この作品は「人と人」との物語ですし、私自身が『コーラスライン』が大好きなので、『コーラスライン』が生まれた瞬間を描く作品なんだって知ったら、もうやりたくてしょうがなくて(笑)。

片島亜希子さん=撮影・伊藤華織

片島亜希子さん=撮影・伊藤華織

■片島:『クラス・アクト』は誰もアタックしていなかった。「これは運命だ!」って

――「AKA Company」さんは独自のプロデュース公演をされていますが、数多ある作品の中から『クラス・アクト』を選ばれたのには、そんな理由があったのですね。

片島:もともと好きな作品でしたし、私自身が「劇団四季」にスタッフとして在籍中にも『コーラスライン』は何回か上演していて、やっぱりその中でも好きな作品だなと思っていたので。「劇団四季」でやっている舞台の中でも個人的には濃密な空間でお芝居にこだわっている舞台だと思うんです。劇団四季がミュージカルを上演しはじめた初期からずっと続けている作品なので、私もすごく作品自体をリスペクトしていたところがあります。だから、『コーラスライン』に『クラス・アクト』を通してぶつかることができるとわかった時はかなり興奮して居てもたってもいられなくて。ですから『コーラスライン』っていうのは今回の作品選びにおける凄く大きなキーになっています。

しかも、『クラス・アクト』は、たまたまこれまで誰も日本のプロダクションがアタックしていなかった。だから、もうこれは「運命だ!」って(笑)。

――なるほど!

石井一彰さん=撮影・伊藤華織

石井一彰さん=撮影・伊藤華織

■片島:思い入れがすごく深いです。これで駄目ならやめてもいいか、くらい(笑)

片島:『クラス・アクト』をやるって決めたのは2015年秋頃で。この作品には不思議な力があるみたいで、ここにくるまでにこれまでやってきたなかで経験したことがないような素敵な出会いや巡り合わせがたくさんありました。私の感覚では、本当にいろんなタイミングがこの作品の上演のために重なってるような感覚で。

石井:へー!そうなんだ。

――まさに「運命」という感じですね。

片島:そうなんです(笑)。『クラス・アクト』に関しては、個人的にはすごく運命的なものを感じています。なので、今はまずこれだけ、これに全部かけてみよう!という感じです。これまでは「これをやったら、次はこれ」という風に団体としてこうしていきたい、みたいなことを考えながらやっている部分があったんですけど、今回に関しては「とにかくこれ!これを最高にいいものにしてそれで何が残るか?」を、全くわからないんですけど見てみたいな、っていう。

石井:良かったです、片島さんの作品に対する気持ちを知ることができて。

片島:『クラス・アクト』に本当にかけてるんです。絶対何か起きると思う(笑)。

――お稽古の場では作品への思いはお話はされないんですか?

石井:いや、本当に初めてです。あんまりなさらないですね、そういう話には。

片島:普段はあんまり。これまでもしてないですね。

――では今回は滅多にないお話をしていただいたんですね。作品への強い思いが伝わってきました。

片島:思い入れがすごく深いです(笑)。これで駄目ならやめてもいいか、くらい(笑)。

――それくらいの覚悟をもって臨まれているということですね。

片島:本当にそうです。今までは「これが駄目でも次がある」みたいな感じだったんですけど(笑)。

片島亜希子さん=撮影・伊藤華織

片島亜希子さん=撮影・伊藤華織

■片島:エドの繊細さ、危うい魅力みたいなところに石井さんは、ぴったり

――その思い入れのある作品の、主役のエドに石井さんをキャスティングされた思いをお聞きかせください。

石井:それすごく聞きたいです。

片島:エドっていう役は本当に難しい役だと思うんです。お芝居と歌がすごく大事な役で。音程は上から下までいろんな歌を歌わなくてはいけないという技術的な難しさがあるなか、バランス感覚だけじゃなくてキャラクター的には役に没入する必要もありますし。リアルな心の奥深くまでしっかりと舞台上でみせなきゃいけないし。そういうなかでお芝居における「心」を大事にする方と一緒に舞台を創りたいと思ったときに、石井さんであれば素敵なエドを演じていただけるのではないかと思って。

石井:いや、嬉しいですね。初めて聞いた。

片島:そうなんです。『クラス・アクト』はみんなで創り上げることが必要な作品だなってすごく思うのですが、今回のキャストは石井さんをはじめどのメンバーも高い技術力に加えてみんなお芝居が好きなメンバーなので、見応えがある作品になると思います。そして、その中でさらに、石井さん自身がもともと持っている雰囲気がすごくエドの雰囲気に合っているんじゃないかと思っていて。エドが持つ繊細さだったり、危うい魅力みたいなところがすごくぴったりなんです。今稽古を始めてまだ少しですが、稽古すればするほど石井さんじゃなきゃ無理だったなと思う瞬間がすごく多いです。

石井:すごいプレッシャーですね。びっくりしました。帰りたいです(笑)。嬉しいですけど。

石井一彰さんと片島亜希子さん=撮影・伊藤華織

石井一彰さんと片島亜希子さん=撮影・伊藤華織

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“「小劇場で濃密ミュージカル」、『クラス・アクト』石井一彰・片島亜希子対談(上)” への 2 件のフィードバック

  1. もっち より:

    作品への想いと、「石井さんじゃなきゃ無理だった」という言葉に、期待度がアップしました。好きな役者さんばかりなので、「全員メインキャスト」というのも、とても楽しみです。

  2. 和葉 より:

    作品への思いが聞けてよかったです!ますます観劇させていただくのが楽しみになりました!

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