『Romale〜ロマを生き抜いた女 カルメン〜』にイギリス士官・ローレンス役で出演する太田基裕さんに、本番まであと2週間というタイミングでインタビューしました。(上)(下)に分けてお届けします。
――稽古が進んでいる今の心境はいかがですか?
1幕、2幕も一通りついて、今はそれを少しずつ流しながらやっています。残り稽古が、2週間ないくらいですが、一応一通りついていることに安心感があります。この作品の大枠が見えた感じなので、これから自分の役の細かいところを、自分なりに深めていきたいと思っています。全体の枠が見えたので、少し安心しています。
――全体が見えて、太田さん的には作品の印象はいかがですか?
誰に感情移入してお客さんが観るんだろうなと思っています。おそらく、男性か女性によって違うと思うんですよ。男性はホセに感情移入するのかな、女性はカルメンに感情移入するのかなとか、どこのキャラクターに感情移入して観るのか、幕が開いてどうなるだろうと興味深いです。ただ一人に感情移入するだけではなく、色々な見方ができると思います。
――なるほど。カルメンの物語だけれど、色々な人たちに感情移入できるんですね。
男はやはりホセに感情移入するのかなと思います。
――太田さんもそうですか?
そうですね。
――ホセのどういう所に感情移入するんですか?
なんだろうな(笑)。やはり嫉妬などの感情は人間少なからずあるものなので、「こういう風にされたら俺もやっぱり嫉妬するよな」「うわ~、転がされてる!」って思いながら、そういうところに共感して見ています(笑)。自分の役も転がされる役なので、自分が今まで生きてきて嫉妬してきたことや、駆け引きみたいなところが滲みでたらいいなと思います。
――転がされてて、いかがですか?
僕の役は僕自身も転がそうとしている役なので、どちらかというと駆け引きで、「こうきたらこうしようか」とか、少しニヒルなところがあったりするんです。そういう意味では、ちょっとしたゲームのような感覚です。やはりその日によって花總(まり)さんも違いますし、その辺りはその日の空気感を、緊張感をもって味わいながらやれたらいいなと思います。
※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、共演する方々について伺った内容などインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。20日掲載予定のインタビュー「下」では、幼いころの話から俳優の道に進むようになったきっかけ、ミュージカル『テニスの王子様』オーディションからこれまでなどについて話していただいたインタビューの後半の全文と写真を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>
■伊礼(彼方)さんもKENTAROさんも濃いので、隙間を狙って瑞々しさを
■宝塚出身の方は、お会いする方ごとに色が違うので面白いなと思います
■(松下)優也くんは大変なので、休憩中は息抜きできたらと喋りかけて
■福井(晶一)さんの人間力や温かさがにじみでたお芝居や歌は、唯一無二
<ミュージカル『Romale~ロマを生き抜いた女 カルメン~』>
【東京公演】2018年3月23日(金)~4月8日(日) 東京芸術劇場 プレイハウス
【大阪公演】2018年4月11日(水)~4月21日(土) 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
<関連サイト>
梅田芸術劇場『Romale~ロマを生き抜いた女 カルメン~』のページ
http://www.umegei.com/schedule/666/
『Romale~ロマを生き抜いた女 カルメン~』twitter
https://twitter.com/musical_romale
太田基裕オフィシャルサイト
https://otamotohiro.com
太田基裕オフシャルブログ
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太田基裕/Twitter
https://twitter.com/motohiro0119
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■伊礼(彼方)さんもKENTAROさんも濃いので、隙間を狙って瑞々しさを
――カルメンを中心に色々な男たちが出てきますね。
もう、めっちゃ濃いですよ! 伊礼(彼方)さんも、KENTAROさんも、ものすごくキャラクターが濃いので、全体の作品を通しての自分の立ち位置のバランスも少しずつ考えながらやっていこうと思っています。
――そのときは、みんなで話し合ってバランスを取るんですか? それともお互いに明かさない?
明かさないですね。おふたりが濃厚に演じているお芝居を見て、そこに僕が濃厚な芝居をぶつけてもインパクトがないと思ったので、「少しサラッとした方がいいかな」と思いました。どうやればローレンスが活きるのかを、自分の中で考えながらやる方がいいと思っています。
――お互いの芝居の中で見せ合っていくみたいな感じですか?
どうなんでしょうね。先輩方がどう見ているか分からないですが、おふたりがすごく濃厚なお芝居をされるので、その中で瑞々しさを出すなど、いい意味で隙間を狙っていきたいです。そうしないと、お客さんの中に残らないなと。
――三者三様みたいな。
そうですね。三者三様の人物像がそれぞれにあると、なおさら作品がエンターテインメントとして面白くなるのではないかと思い、そのバランスは自分でも考えながらやっていきたいと思います。
■宝塚出身の方は、お会いする方ごとに色が違うので面白いなと思います
――そのお相手として、カルメン役の花總さんはいかがでしょうか?
もうだいぶ慣れたので、色々とお話をさせていただきますが、最初は本当に悪女なんじゃないか、本当にカルメンなんじゃないかな……と思っていました(笑)。「マジ怖い! 本心どこや?」って(笑)。でも、普通に話していると、意外とお茶目で普通の女性だったので安心しました。普通の女性と言ったら失礼ですが(笑)。最初はしばらく怖かったですね。
――どんなタイミングで話せるようになったんですか?
僕が結構失敗をするんですが、そういうときに笑ったりしてくれて。そういう隙に少しお話したりすると、意外とくだらないことも好きだったりして、(松下)優也くんを交えて話したりしましたね。「同じ感覚もってる!」って安心しました。(笑)。
――ちょっと異次元の人だと思っていた?
そうですね。そういう雰囲気はお芝居中は感じるので、すごいなと思います。「あんな目で見られたら転がされる」というのは多々あります。
――これまでに花總さんの舞台を見たことはありましたか?
残念ながら拝見したことはありませんでした。
――これまで色々な女優さんとご一緒されてきたと思いますが、お芝居をご一緒されてみて何か違いましたか?
そうですね……例えば宝塚出身の方と考えると、そんなに多くの方と共演してきてはいないですが、みなさん全然色が違うので、逆に面白いなと思います。お会いする方ごとに違う印象ですね。どれがスタンダードな宝塚出身の女優像なのか、どんどん分からなくなってきている感じです(笑)。(彩乃)かなみさんは、ぽわーっとした感じで親近感があります。安蘭(けい)さんは少し男らしくて、関西的な、ざっくりした感じ。花總さんはとても女性的ですし、みなさん色々だなと思いながら接しています。
■(松下)優也くんは大変なので、休憩中は息抜きできたらと喋りかけて
――なるほど。これまで、共演したことがあったのは松下さんと福井(晶一)さんだけですか?
あとはアンサンブルの一洸くんがテニミュ(ミュージカル『テニスの王子様』)で一緒でした。それ以外の方は初めてですね。
――松下さんは『黒執事』以来、久しぶりにご一緒していかがですか?
『黒執事』のときは、優也くんとほとんど喋っていないんですよ。
――そうなんですね。
今はすごく喋るので不思議ですが、多分波長のタイミングがあるんでしょうね。『黒執事』のときは、会話した記憶がほとんどないくらいに喋っていなくて、絡むシーンもほとんどなかったんです。でも、『黒執事』のときから優也くんのことは面白いなと思っていたので、めちゃくちゃ興味がありました(笑)。喋っておけばよかったなと心残りがありましたが、今回ご一緒できることになって嬉しくて、「優也くん、今度一緒だね。よろしく」と連絡しました。「そうっスね」と返ってきて、これで近づけるかもしれないなと思いました(笑)。年齢的にも近いので、稽古場に入ってからもとても喋りやすくて、休憩中は稽古以外のくだらない話をしていますが、そういう時間も楽しいですね。だから、今回一緒にできて良かったなと思っています。
――お芝居の話はされますか?
はい。疑問をもったら台本を読んで、「ここ不思議だね」とか。ちょっとした疑問は優也くんに聞きやすいので、「どう思うの?」と話したりします。
――具体的に記憶に残っていることはありますか?
物語の流れのなかでの、繋がりの話でしょうか。優也くんには思いついたことをすぐに言っていると思います。
――役についての話はしますか? 例えば、先程はホセを見て思うことを話していましたが。
そういう話はしないですね。作品の構成については話したりしますが、リスペクトしているので、ホセに関して何かを言うことはないですね。
――じゃあ、息抜き的なことも含めて、結構交流している?
優也くんは出ずっぱりで結構大変なので、休憩中も息抜きできたらいいなと思いながら喋りかけたりしています。ファッションの話とか、そういう話をすると、すごく生き生きしているので楽しいんだろうなって(笑)。お互いの息抜きとして、コミュニケーションをとっていけたらいいなと思っています。
■福井(晶一)さんの人間力や温かさがにじみでたお芝居や歌は、唯一無二
――福井(晶一)さんは『ジャージー・ボーイズ』以来ですか?
そうですね。
――再びご一緒されていかがですか? 今年は『ジャージー・ボーイズ』再演もあるので長いですね。
本当ですね! 福井さんが本当に大好きで、とても大好きな先輩です。僕にもよくしてくださいますし、やはり福井さんのお芝居や歌は、福井さんご自身の人間力や温かさが本当ににじみでているなと思います。そういうものは唯一無二ですし、驕っていなくて、謙虚な方で、居方も含めて、役者としてリスペクトしています。今回もまた勉強させて頂いていますが、本当にご一緒できて嬉しいですし、福井さんも「一緒だね。嬉しい!」と言ってくださるので、素敵な人だなと思いながら稽古しています。『ジャージー・ボーイズ』でもまたご一緒させてもらえるので、とても嬉しいです。
――キャリアを積んだベテランの共演者が多いですが、ミュージカルや色々な作品に出ていらっしゃる方たちとご一緒されるのは、例えば同世代が多いような作品と比べるといかがですか?
やはり全然違うので、本当に恐怖でしかなく、そういうことは毎回稽古場で考えてしまうことではあるんです。みなさんミュージカルの中でキャリアを積んでこられた方々なので、その中に僕が入るというのはプレッシャーや責任も感じます。その中でも少しずつ自分なりに自信をつけて、役として自分の魅力がさらに輝くように物語の中にいられたらいいなと、それだけを一生懸命考えながらやっています。経験では絶対に先輩方には勝てないですから、僕なりに歩んできた経験の中で出せる魅力や感性がしっかりと、はっきりと出ればと思っています。だから、比べるのもやめようと、自分に言い聞かせながらやっています。
※太田基裕さんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。この下の応募フォームからご応募ください。応募締め切りは4月2日(月)です。(このプレゼントの応募は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。
太田くんの可愛らしい雰囲気が出ていて、写真とのギャップが素敵でした
もうすぐ初日なのでインタビューで色々な想いが聞けて嬉しかったです。お稽古中のインタビューだと役について深いところまで知れるのがとても良いと思いました。インタビューを思い出しながら舞台観劇に行きます。
また太田さんのインタビューよろしくお願いします。
最近では年下の方々との舞台が多かったように思えるもっくんが、先輩方の中でどのように居方、居場所を作っているのか?気になっていたので、稽古場でのご様子とか、共演者の方とのコミュニケーションの取り方とかの一部でも知ることができてうれしく思います。明日の続きの記事も楽しみにしています。
今週ロマーレを観劇するので、どのように作品が仕上がりつつあるのを想像しながら読ませていただきました。また稽古がどのように進んでいて、太田さんがどのように臨まれたいるのかも知れて、嬉しかったです。続きの記事も楽しみにしています!