「子供の頃は、超内弁慶で超恥ずかしがり屋で」、太田基裕インタビュー(下)

太田基裕さん=撮影・岩村美佳

太田基裕さんのインタビュー後半です。有料部分では、子供の頃のお話や、最初は興味がなかった舞台に出演してみて、その魅力からやりがいを感じていったことなどについて伺いました。

太田基裕さん=撮影・岩村美佳

太田基裕さん=撮影・岩村美佳

――謝(珠栄)先生とご一緒されてみていかがですか?

事前に周りの人から「すごく怖いから、マジ気をつけて」と言われていて(笑)。「マジかよ」とビビッていたんです。でも、とても勢いはありますが、全然怖くなくて、むしろ優しいというか、ちゃんと寄りそって話も聞いてくれます。優也くんと謝先生の関係がとても面白くて、お母さんと息子みたいな感じなんですよ。

――(笑)。

すごくいい意味で、そういう家族感があって、アットホームな空気がありますね。だから、謝先生と優也くんの距離も近づくし、僕自身も何かあったら言いにいけるような、楽な関係にもなってきたので、やりやすいです。最初は少し構えていたんですが、今はそんなことは全くなく、普通に話せます。

――謝先生ならではと感じる演出はありますか?

意外とショー的なものが好きなんだなと思いました。そこは2.5次元系作品にも感じるところなんですよね。宝塚も同じ感覚なのかは分かりませんが、決めるときは決めるという、どちらかというとエンタメとして見せたいのかなと。でも、人間くさいところも求めているし、その辺のバランスは難しいなと演出を見ていて思います。やはりファンタジーなどがとても好きで、夢を見たい方なんだろうなと見ていて思うので、意外と乙女なんじゃないかなって(笑)。

――そういう心を持っていらっしゃる?(笑)

そんな気がします。すごい女性だなと思いますね。

――謝先生の作品は、途切れないで、音楽や歌が流れていくようなイメージがありますが、今回の作品の構成はいかがですか?

普通はメインキャストとアンサンブルが分かれていることが多いですが、その辺のバランスもとって、ちゃんと関わっていくんです。アンサンブルの方もメインの方たちとコミュニケーションを取りながら芝居が流れていくというところに、とてもこだわっているなと思います。そういう一体感を大事にしていると、演出を見ていて感じます。周りにためらいの空気が流れても謝先生はチャレンジされますし、実際に素敵になっていくので、謝先生の中で芯があり、みんなと作っていきたい思いがあるんだなと感じます。そういう意味では、全部が繋がっているように見えるのかもしれません。

※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、幼いころの話から俳優の道に進むようになったきっかけ、ミュージカル『テニスの王子様』オーディションからこれまでなどについて話していただいたインタビュー後半の全文と写真を掲載しています。

<有料会員限定部分の小見出し>

■恥ずかしがり屋な分、「見てくれ!」という人に憧れがあったんです

■テニミュのオーディションは「何じゃこりゃ」と思いながら、火がついて

■何かにぶち当たり、乗り越えようとする過程は生きている実感がわきます

■花總(まり)さんと絡ませて頂くので、少し大人な余裕も見せられたら

<ミュージカル『Romale~ロマを生き抜いた女 カルメン~』>
【東京公演】2018年3月23日(金)~4月8日(日) 東京芸術劇場 プレイハウス
【大阪公演】2018年4月11日(水)~4月21日(土) 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ

<関連サイト>
梅田芸術劇場『Romale~ロマを生き抜いた女 カルメン~』のページ
http://www.umegei.com/schedule/666/
『Romale~ロマを生き抜いた女 カルメン~』twitter
https://twitter.com/musical_romale
太田基裕オフィシャルサイト
https://otamotohiro.com
太田基裕オフシャルブログ
https://lineblog.me/otamotohiro/
太田基裕/Twitter
https://twitter.com/motohiro0119

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太田基裕さん=撮影・岩村美佳

太田基裕さん=撮影・岩村美佳

※ここから有料会員限定部分です。

■恥ずかしがり屋な分、「見てくれ!」という人に憧れがあったんです

――太田さん自身のことについて伺わせてください。ものすごく遡りますが、まず子供の頃はどんな性格でしたか?

ものすごく遡った(笑)!

――どんなお子さんだったのかなと(笑)。

超内弁慶で、超恥ずかしがり屋で、人前に絶対立ちたくないタイプでした。ものすごく端にいたくて、「見ないで!」って(笑)。

――それは何歳くらいですか?

小さい頃からそうでしたね。

――幼稚園ぐらい?

そうですね。みんなと遊ぶことにも、少しビビッてしまうので、家で一人で遊んでいる方が良かったです。基本的に恥ずかしがり屋。

――今もそういうところは残っていますか?

もちろん今もあります(笑)。でも、この仕事を通して、人に少し慣れてきました(笑)。

――耐性がついたんですね(笑)。

テニミュでスタートして、「ああ~最悪だ。毎回何でこんな人前でやらなきゃいけないんだ」と思ってました(笑)。でも、恥ずかしがり屋な分、「見てくれ!」という人に対して憧れがあったんですよ。

――クラスの人気者とか?

そうなんです。怖いなと思いながらも、いいなと思っていたので、多分そういう部分を強く出し始めたんでしょうね(笑)。僕もみんなの前でキラキラしたいなと(笑)。

――なるほど(笑)。そういう憧れがあったんですね。

ただ暗いだけじゃなくて良かったです(笑)。

太田基裕さん=撮影・岩村美佳

太田基裕さん=撮影・岩村美佳

■テニミュのオーディションは「何じゃこりゃ」と思いながら、火がついて

――そういう憧れを持ちながら、この仕事をやりたいと思ったのは何がきっかけだったんですか?

10代の頃、アーティストなどの自分の感性や魅力を全面に出している人を見て、「すごいな、生き生きしているな」という憧れがあって、最初にギターを始めて真似をしたりしました。「そういう仕事ができたらすごく楽しいだろうな。どうせできないだろうけど」と思っていたんです。大学時代、事務所に入ってテニミュのオーディションを受ける機会がありました。ちょうど、ファーストシーズンの最後は、絶頂期でとても盛り上がっていました。正直、「何じゃこりゃ」と思いながらも、自分のどこかに火がついて、楽しくなって。恥ずかしいと思いながらも頑張ろうと。

――元々舞台を観る習慣がなければ、なかなか舞台には直結しないと思うんですが。

舞台はほとんど本当に観たことがなかったですね。家族で1回『浪人街』という舞台を観に行ったことがありました。あとは、蜷川幸雄さんのシェイクスピア作品『お気に召すまま』を観に行ったり、それくらいのレベルです(笑)。別に舞台に立ちたいとかはなく、そのときはただのお客さんとしてしか観ていませんでした。

――きっと、映像の方がまだ興味を持ちやすいですよね。

そうですね。僕も最初にお芝居に興味をもったのは、映画など映像で、素敵だなと思っていました。舞台には全く興味がなかったですが、事務所の方に「オーディションを受けてきなさい」と言われたのがきっかけですね。

――行ってみていかがでしたか?

何も勉強しないで行ったんです。もう訳が分からなくて。「この役だから読んで」と言われて、読んで……という感じ。でも、僕は伊武深司という、ボソボソ喋る、やる気のない役だったので、それが多分マッチしたんじゃないかなと(笑)。すごく暗い感じを見抜かれたのかもしれないですね。有難いことに受かりましたが、あのオーディションがなかったら絶対に今はないです!

太田基裕さん=撮影・岩村美佳

太田基裕さん=撮影・岩村美佳

■何かにぶち当たり、乗り越えようとする過程は生きている実感がわきます

――テニミュのオーディションに受かって実際にやってみて、舞台が面白いと思い始めた?

自分の中でやりがいを感じた瞬間がありました。一生懸命死に物ぐるいで取り組んで、作品を作るということ自体が初めてでしたから、そういう過程も含めて自分がすごく成長している気がしたので、やりがいを感じたんです。それからお仕事を頂いて毎回恥をかきながら、苦しいと思いながらも、そういう過程をふんで本番という繰り返しのなかで、稽古中は苦しいですが、お客さんの前に立つと何かワクワクしたり。それは毎回味わっていることですが、多分今でも舞台をやめられない理由だと思います。もちろん、アクシデントもたくさんありますが、だからこそ生きている感じがするというか。その度に何かにぶち当たり、それを一生懸命乗り越えようとする過程は生きている実感がわきます。昔から本当に変わらないですね。ゼロ歳からスタートしていると、毎回思います。

――ちょうど1年前、30歳前後あたりから、こういう本格ミュージカル作品も増えてきて、2.5次元の作品などの作品ももちろん、活躍の場が色々と増えていますよね。デビューから8年経って、舞台を知らないところからスタートして、今のご自身はどうですか?

その都度、考え方や価値観も変わってきたりしますが、結局ずっと何周もしている感じがするんです。毎回原点に戻っていくというか。毎回ゼロでいいんじゃないかなと。もちろん自然と積み重なっているものは絶対にあるのですが、気持ちとしてはゼロからの方が色々なものをプライドなしに受け入れていけるんじゃないかなと思うんです。やはり経験を積めば積むほど、少なからずプライドが絶対に出てきたりしますが、そういうものが邪魔になってくるんですよ。

恥をかきたくないと思う瞬間がたまにありますが、そういうものって必要ないなと。稽古場では恥かいてもいい、むしろプライドがある方が疲れると思います。プライドを守ろうとしていたときもあったんですが、そういう思いは超えてなくなりました。根本は同じだと思っていますが、今は2.5次元作品とはまた違う場所で、恥をかいてゼロからのスタートでいいと受け入れています。自然と積み重なったものを信じてやろうと思っています。

――新しい現場にいくと、きっと色々なものが見えますよね。色々な人に会うでしょうし。

そうですね。今回も、知らない人がたくさんいるので、尚更ゼロにしやすいです。もう笑われたら笑ってくださいという感覚です(笑)。その方が全然楽ですね。

――今年は、この作品の後は『アメリ』で、またさらに新しい出会いがありそうですね。

新たな自分や、色々な新しい考え方や価値観が加わったら面白いなと楽しみにしています。

太田基裕さん=撮影・岩村美佳

太田基裕さん=撮影・岩村美佳

■花總(まり)さんと絡ませて頂くので、少し大人な余裕も見せられたら

――最後に『Romale〜ロマを生き抜いた女 カルメン〜』への意気込みと、楽しみにしているファンの方へメッセージをお願いします。

考えてみると貴族の役はこれまでにもやったことがありますが、雰囲気も違いますし、花總さんと絡ませて頂くということで、少し大人な余裕も見せられたらいいなと思います。

――これまであまり恋愛を見せるような役はないですよね?

そういえば、ないですね。『アメリ』も恋愛の要素がありますし、今年は恋愛の年ですね(笑)。

――(笑)。

カルメンとの関係は駆け引きで、ゲーム的なところもあるので、そういう関係性を楽しんでもらえたらと思います。この作品は観やすいので、色々な人物に感情移入しながら、1回だけではなく、何度も観に来て頂いて、色々なことを感じて頂ければいいなと思います。音楽もキャッチーな曲がたくさんありますし、ミュージカルに慣れていない方でも非常に聴きやすかったり、観やすかったりするので、ぜひこの機会に観に来てください。

――楽しみにしています。ありがとうございました。

太田基裕さん=撮影・岩村美佳

太田基裕さん=撮影・岩村美佳

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“「子供の頃は、超内弁慶で超恥ずかしがり屋で」、太田基裕インタビュー(下)” への 3 件のフィードバック

  1. ピロロン より:

    観劇する前と観劇後に改めて記事を読み直したのですが、役への取り組み方など素敵な考え方の俳優さんだと思います。
    色々な役に挑戦して欲しいです。

  2. S より:

    ロマーレ、お友だちが行くと言っていたので興味があってこの記事を拝見しました。恥をかくってとても苦しいことだと思いますがそうして出来上がる舞台はきっと素敵なものなんだろうなとも思います。太田さんはとっても素敵な方ですね。

  3. smile より:

    インタビューを拝見して、
    早く観劇したいと強く思いました。
    2.5次元系作品から、
    近年は本格的なミュージカルにも多数出演されていますが、
    新たな作品で、
    また新たな太田さんの魅力に出会えることを楽しみにしています。

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