「情熱的に渦巻いて」、『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~』大貫勇輔(上)

大貫勇輔さん=撮影・岩村美佳

伝説的コミック『北斗の拳』を初めてミュージカル化した、『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~』 が、2021年12月8日から12月29日まで日生劇場で、2022年1月8日から1月9日まで梅田芸術劇場メインホールで、同年1月15日から16日まで愛知県芸術劇場 大ホールで上演されます。『北斗の拳』は、「週刊少年ジャンプ」に1983年~1988年まで、原作・武論尊さん、漫画・原哲夫さんにより連載されました。最終戦争により文明社会が失われ、暴力が支配する世界となった世紀末を舞台に、北斗神拳の伝承者・ケンシロウが、愛と哀しみを背負い救世主として成長していく姿が描かれており、連載開始から35年以上たった今でも、多くの読者に愛されています。

音楽は『ジキル&ハイド』『スカーレット・ピンパーネル』などを手がけたアメリカ人作曲家のフランク・ワイルドホーンさん、演出は石丸さち子さん、脚本・作詞は高橋亜子さん。振付は辻?本知彦さんと、中国人演出・振付家の顔安(ヤン・アン)さんです。日米中3か国のスタッフのコラボレーションによる創作にも注目が集まるオリジナルミュージカルです。

アイデアニュースでは、出演者の方々にインタビューしましたので、順番に掲載いたします。まずは、主人公のケンシロウを演じる大貫勇輔さんの合同取材と独自インタビューの内容を、上下に分けてお届けします。「上」では、稽古場の様子やケンシロウの役作り、石丸さんの演出を受けて感じていること、ダンスやアクションについてなど、合同取材で伺った内容と独自写真を紹介します。

「下」では、無料部分では合同取材で伺った内容を、有料部分ではミュージカルに初主演することへの想い、今夏に出演していた同じく漫画原作の『王家の紋章』との違い、ワイルドホーンさんの曲を作品の中でいかに歌うかなどについて話してくださった独自取材の内容を紹介します。

大貫勇輔さん=撮影・岩村美佳
大貫勇輔さん=撮影・岩村美佳

――稽古が進んでいる中で、今感じている手応えや難しさなどお聞かせいただけますか?(※このインタビューは2021年11月初旬に行ったものです)

台本で「こうなるのかもしれないな」と思っていたことを上回ることが結構多くて、毎日泣きながら稽古しています。

――泣きながらですか?

本当に毎日感動しまくっているんです。お芝居の細かなところや繋がりを、これからもっと丁寧にやっていくと思いますが、ざっくり言うと、もうすぐ2幕も全部通ってしまうという段階で、すごくスピーディに稽古が進んでいます。

――漫画が台本になって立体化されていく過程、いかがでしょうか。

全体的なことで言うと、『北斗の拳』はこんなにもミュージカルに合う作品だったんだと気付いたんです。最初は「えっ! ミュージカル!?」と思ったのですが、『レ・ミゼラブル』などの王道ミュージカルの根底にあるテーマが、『北斗の拳』には全盛りされているんですよ。それぞれの正義のために闘い、すれ違い、時に理解しあって手を取り合い、そして亡くなっていったいろんな者たちのことを感じながら成長していく人々の物語なんですよね。恋愛というよりも純愛、純粋な愛という感じなのですが、もちろんユリアに対する愛の物語であったりと、王道ミュージカル作品がテーマとしているものが、すべて凝縮されている作品だということに、やればやるほど気付かされます。

――『北斗の拳』がミュージカルに合うというのは、確かに意外でした。

さらに、フランク・ワイルドホーンさんの音楽が本当に素晴らしくて、ひとつひとつのシーンが、音楽によってより際立つんです。音楽の力で、伝えたいテーマやそのキャラクターの心情に、より共感できるようになる。原作に忠実に作っている部分と、ミュージカル版としてオリジナルで作っている部分があるので、「そんなシーンあったっけ?」と思うところもあるとは思うのですが、原作の中で描きたかったことは、演出の石丸さち子さんと、脚本・作詞の高橋亜子さんの元で、失われずに作られているのではないかと思っています。

そして、名言たちですよね。「北斗百裂拳」、「ひでぶっ」、「我が生涯に一遍の悔いなし」、「てめえの血は何色だ」などの有名な台詞をちゃんと言うところでは、稽古場でも「言ったー!」みたいな反応になります(笑)。

※アイデアニュース有料会員限定部分には、稽古場の様子やケンシロウの役作り、石丸さんの演出を受けて感じていること、ダンスやアクションについてなど、合同取材で伺った内容などインタビュー前半の全文と独自撮影の写真を掲載しています。2021年11月26日(金)午前11時0分掲載予定のインタビュー「下」では、お客様へのメッセージなど合同取材の続きを無料部分に掲載し、有料部分ではミュージカルに初主演することへの想い、今夏に出演していた同じく漫画原作の『王家の紋章』との違い、ワイルドホーンさんの曲を作品の中でいかに歌うかなどについて話してくださった独自取材の内容など、インタビューの後半の全文と写真を掲載します。

<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)

■最初の段階であまり作りすぎず、自分がその場に立って何を感じるのかを大切に

■石丸さんが「君は、開いているよね」と言ってくださった。変わることを恐れないと

■葛藤を吐露するシーンは「もっと情熱的に、もっと渦巻いて演技してみて」と

■ダンスというよりはむしろ「肉体表現」という感じ。ワイヤーや映像も使います

<ミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~』>
【東京公演】2021年12月8日(水)~12月29日(水) 日生劇場
【大阪公演】2022年1月8日(土)~1月9日(日) 梅田芸術劇場メインホール
【愛知公演】2022年1月15日(土)~1月16日(日) 愛知県芸術劇場 大ホール
公式サイト
https://www.hokuto-no-ken-musical.com/
https://horipro-stage.jp/stage/musical_fons2021/

<関連リンク>
ミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳』Twitter:
https://twitter.com/musical_fons
大貫勇輔オフィシャルサイト:
https://www.horipro.co.jp/onukiyusuke/
大貫勇輔オフィシャルファンクラブ:
https://fc.horipro.jp/yusukeonuki/
大貫勇輔Instagram:
https://www.instagram.com/yusukeonuki_official/

<キャスト>

ケンシロウ:大貫勇輔
ユリア:平原綾香・May’n(Wキャスト)
トキ:加藤和樹・小野田龍之介(Wキャスト)
シン:植原卓也・上田堪大(Wキャスト)
リュウケン:川口竜也
トウ・トヨ:白羽ゆり
マミヤ:松原凜子
レイ/ジュウザ:伊礼彼方・上原理生(交互役替わり)
ラオウ:福井晶一・宮尾俊太郎(Wキャスト)

バット:渡邉 蒼
リン:山﨑玲奈・近藤 華(Wキャスト)
リハク 他:中山 昇
青年ラオウ 他:一色洋平
ライガ 他:後藤晋彦
フドウ 他:澄人
フウガ 他:田極 翼
青年トキ 他:百名ヒロキ
ダグル(オリジナルキャラクター)他:宮河愛一郎
ミスミ 他:安福 毅

飯作雄太郎
岩瀬光世
輝生かなで
坂口杏奈
内木克洋
中野高志
原 広実
妃白ゆあ
福田えり
藤田宏樹
LEI’OH
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※大貫勇輔さんのサイン色紙を、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。有料会員の方がログインするとこの記事の末尾に応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは2021年12月25日(土)です。(このプレゼントの募集は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。

大貫勇輔さん=撮影・岩村美佳
大貫勇輔さん=撮影・岩村美佳

※ここから有料会員限定部分です。

■最初の段階であまり作りすぎず、自分がその場に立って何を感じるのかを大切に

――ケンシロウの役作りについて、順を追って聞かせてください。原作と台本、最初はどちらから入られましたか?

原作も読みつつ、台本を読んだのですが、最初の段階であまり作りすぎるのはやめようと思いました。稽古場で板に立ってから、いろいろ作っていこうというか、見つけていこうと。ケンシロウは、原作でもほとんど表情を変えないですし、感情を表に出さない人物です。だから、人物像がざっくりと分かっても、「この時どんな風に感じて生きているのか」ということをあまり決めすぎず、いざ自分がその場に立って何を感じるのかを大切にしたいと思いました。稽古をしていくうちに、人の台詞を聞いて「こう感じるな」とか、「あれ? これは大貫勇輔だからこう感じているのかな」ということを一つずつ読み解き、感じ取りながら進めています。

あとは、ひとつのシーンだけを切り抜くと「この感情」でよくても、その後のことを考えるとつながらないということも起きているので、歌い方や居方も含めて、ちょっとずつ調整しています。

――原作漫画があるキャラクターではありますが、役作りという点においては、いつもと同じように、演出家と一緒に作っていらっしゃるということでしょうか。

そうですね。体作りだけは、原作になるべく近付けるように頑張っています。内面は、現場や稽古場で見つけていこうという気持ちでやっています。

――製作発表でさっそく「あたたたた!」が話題になっていましたが、あの言い方は模索されましたか?

神谷明さんの発声をよく聞いて、なるべく近付けたいなと思って練習しました(笑)。

大貫勇輔さん=撮影・岩村美佳
大貫勇輔さん=撮影・岩村美佳

■石丸さんが「君は、開いているよね」と言ってくださった。変わることを恐れないと

――石丸さち子さんから演出を受けるなかで、どのようなことを感じていらっしゃいますか?

石丸さんは情熱的で、お芝居が本当にお好きなんだなということをビシビシと感じる方です。誰よりも情熱的に稽古場にいらして、演技の指導やディレクションをされています。その姿を見ると、シンプルに「頑張ろう」と思います。「石丸さんがこんなに頑張っているんだから、俺たちが頑張らないでどうする」みたいなエネルギーを感じています。

――最初にお会いになられたときは、いかがでしたか。

初めてお会いした時、既に理解しあえていると感じました。それほどたくさんお話ししたわけではありませんが、この作品に対して考えていることは、意外と同じなのではと思っています。そういえば、稽古が始まる前に、石丸さんとの合同取材があって、その時に「君は、開いているよね」と言ってくださったんです。

――「開いている」と。

「自分が変わることや受け取ることを恐れず、ウェルカムな状態でいてくれるから、すごくいい」と言ってくださいました。石丸さんは、他の皆さんに対してもそうですが、何でもぽんぽん言ってくださいますし、いい時だけでなく、ここは違うんじゃないかなとも言ってくださいます。いいコミュニケーションが取れているのではと思っています。

大貫勇輔さん=撮影・岩村美佳
大貫勇輔さん=撮影・岩村美佳

■葛藤を吐露するシーンは「もっと情熱的に、もっと渦巻いて演技してみて」と

――今回、大貫さんが受けられている演出の中で、印象に残っていることはありますか?

1幕の1場、プロローグの次の物語の始まりのシーンの演出です。ユリアを抱きかかえた僕が砂漠の中を歩いていくところから始まり、ケンシロウらしからぬ感じで、悩み苦しんでいる想いを、突然しゃべり出すんです。

――悩み苦しんでいる想いですか。

トキを核シェルターに入れることができずに被爆させてしまい、自分たちだけ元気な状態で生き残ってしまったことに対する罪悪感や、ラオウが師匠を殺して去ったことによる「なぜ俺は、北斗伝承者なんだ」という苦悩と葛藤を吐露するシーンです。ケンシロウはもっと、訥々としゃべるのかなと思っていたら、「もっと情熱的に、もっといろんなことを渦巻いて演技してみて」と石丸さんに言われたんです。すごく意外なディレクションでした。「確かにそうしないと、平坦な舞台になってしまう」と思ってやってみたら、石丸さんから「ナイス!」と言っていただけました。

――ミュージカルならではの、ケンシロウの魅力が出てきそうですね。

その時に、「ケンシロウってこんなに感情を吐き出すんだ」と知ったのですが、そこから演技をしていくと、今度は別のシーンで「ケンシロウはそんなに感情表現が上手じゃない人間よ」と言われて…。感情を出さないとお客様には伝わらないし、感情表現が大きすぎるとケンシロウではなくなってしまいますし。ちょうどいいところを探さなきゃいけないなと思います。

大貫勇輔さん=撮影・岩村美佳
大貫勇輔さん=撮影・岩村美佳

■ダンスというよりはむしろ「肉体表現」という感じ。ワイヤーや映像も使います

――大貫さんならではの、ダンスシーンなどもありますか?

大立ち回りが一か所、アクションも少し、そしてケンシロウの苦悩を肉体で表現するシーンもあります。ダンスというよりはむしろ「肉体表現」という感じですね。アクションシーンでは、ワイヤーや映像も使います。まだ稽古場なので、どうなるのか分からないところも多いですが、やっている僕たちも楽しみだなと思いつつ、しんどいなというシーンもちらほらあります(笑)。

――華麗に踊られるという雰囲気ではなさそうですね。

違います。亡くなっていった仲間たちの悲しみや苦しみを背負って、救世主になっていくのかどうかですから。

――振付家の方が2人いらっしゃいますが、シーンによってご担当が異なるのでしょうか?

基本的には辻?本知彦さんが振り付けをされています。顔安さんはラオウの手下である拳王軍の振り付けがメインです。

――どちらの方の振り付けが、しんどいですか?

一番しんどいのは、渥美博さんのアクションです。多分アクションにも、抜きどころみたいなものがあるのだとは思います。僕自身、体力がないほうではないので、今は力み過ぎているのかもしれないです。

――見応えのあるシーンになりそうですね。

仕上がったら、めちゃくちゃ見応えがあると思います。

大貫勇輔さん=撮影・岩村美佳
大貫勇輔さん=撮影・岩村美佳

※大貫勇輔さんのサイン色紙を、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。この下の応募フォームからご応募ください。応募締め切りは2021年12月25日(土)です。(このプレゼントの募集は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。

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“「情熱的に渦巻いて」、『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~』大貫勇輔(上)” への 2 件のフィードバック

  1. まりな より:

    素敵なインタビューありがとうございます。
    開幕までついにあと1週間。
    どんな素晴らしい舞台になるのか、今から待ちきれません!

  2. RISA より:

    素敵なインタビュー記事をありがとうございます♪
    最初『北斗の拳』がミュージカル化と聞いた時、あまりにも謎すぎて二度見したのですが、出演される方も同じように思われた中での稽古だったのですね。
    舞台の全容が少しずつ発信されてきて、今はワクワクが止まりません!チケットをファンクラブでいっぱい申し込んで良かったです☆

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