「桃太郎」の1人舞台で東京23区制覇、神木優インタビュー(上)

神木優さん=撮影・橋本正人

「桃太郎研究家」という、ふしぎな肩書を持った俳優さんがいます。たった1人で、桃太郎にかかわるさまざまな物語を演じ、語り、コントにして笑わせ、落語や紙芝居にもしてしまう、神木優(かみき・ゆう)さん。アイデアニュースでは、東京都内の23区内のすべてで「モモタロ」公演を行うという目標を立て、1年間で達成してしまった神木さんにインタビューし、なぜ桃太郎なのか、これからどうするのかをうかがいました。(インタビューの「下」は、11月20日に掲載する予定です)

神木優さん=撮影・橋本正人

神木優さん=撮影・橋本正人

神木さんは大阪出身。この原稿を書いている橋本も関西人なのですが、じつは橋本は神木さんの公演そのものを見たことはありません。申し訳ございません。ただ、アイデアニュースを設立して間もないころ、メディアに資料を配布しているプレスリリース会社から届いた資料のなかに、神木さんの「モモタロ」公演の話があり、YouTubeに出ていた「桃太郎を待ちながら」の動画を見て、「これはいける!」と思って、アイデアニュースで公演案内の記事を書いた(https://ideanews.jp/backup/archives/3377)のが、神木さんに興味を持つようになったきっかけです。

まずは一部でも良いので「桃太郎を待ちながら」の動画をごらんください。

ふだんは東京で活動している神木さんですが、2015年10月には「特攻の母」と呼ばれた鳥濱トメさんを描いた舞台「MOTHER(マザー)」に出演され、この公演には梅田芸術劇場公演もあって大阪に来られたのを機に、インタビューさせていただくことになりました。

そもそも、なぜ「桃太郎」だったのか。もともと俳優としてテレビや舞台で活動していた神木さんは、ある時、1人芝居を自分でしようと考え、1人でやるなら日本には落語というスタイルがあると、落語家の五明樓玉の輔(ごめいろう・たまのすけ)さんを訪ねたところ、玉の輔さん自身が最初に学んだ落語が「桃太郎」だったということで、神木さんもまずは「桃太郎」を学び、そこからモモタロウをめぐる神木さんのストーリーが始まったのでした。

「モモタロ」東京公演より=写真提供:神木優さん

「モモタロ」東京公演より=写真提供:神木優さん

落語から入った「桃太郎」ですが、神木さんは芥川龍之介が「桃太郎」を書いていることを知り、朗読を行います。そして、以前からやっていた「会場に来たお客さんから『お題』を出してもらって即興で演じる」というスタイルの舞台でも、桃太郎を使ってみたところ(たとえば「コーヒー」と言われたらら桃太郎がおじいさんとおばあさんに喫茶店で会っているシチュエーションで演じるなど)、いずれも好評で、「それなら桃太郎の落語と朗読とお題をもらうものと、3つを合わせてやってみよう」と考えたら、「当たった」ということだったそうです。

私も芥川龍之介が桃太郎を書いているとは知らなかったのですが、無料の「青空文庫」で龍之介の桃太郎を読んでみたら、これが面白い。桃太郎が鬼ヶ島征伐を思い立ったのは「彼はお爺さんやお婆さんのように、山だの川だの畑だのへ仕事に出るのがいやだったせいである」という身勝手なもので、鬼ヶ島での残虐非道な振る舞いと、鬼たちの復讐劇を描いているのでした。(龍之介の桃太郎はこちらで無料で読むことができます → http://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/100_15253.html

神木さんによると、桃太郎の話は全国津々浦々にさまざまパターンがあり、桃太郎が年をとってからの話や、「おならの臭いが『くさ』くて、おじいさんは芝を刈らずに草(くさ)を刈った」というダジャレものまで、その総数は700ほど。今では、神木さんの「桃太郎シリーズ」も演目が50ほどになり、「桃太郎研究家」を名乗るようになったとのことでした。

「モモタロ」東京公演より=写真提供:神木優さん

「モモタロ」東京公演より=写真提供:神木優さん

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<神木優さん関係の公演やテレビ番組など(2015年11月13日現在)>
2015年11月23日 神木優ソロアクト「モモタロ」神奈川公演 @港南区民文化センター ひまわりの郷
→ http://www.himawari-sato.com/
2016年2月 「空のバッキャロー!」 @シアターグリーンBox in Box Theater
→ http://www.theater-green.com/boxinbox.html
出演中のテレビ番組「The English Bar〜大人の楽しい英語〜」(バーテンダー役)
→ http://www.bsfuji.tv/top/pub/english_bar.html

<関連サイト>
神木優公式ホームページ
→ http://yuhkamiki.com/
神木優ブログ「FLY -yuh KAMIKI’s-」
→ http://ameblo.jp/yuhkamiki/

<アイデアニュース関係記事>
桃太郎を題材に、さまざまな表現で演じるソロアクト「モモタロ」公演
→ https://ideanews.jp/backup/archives/3377
「桃太郎」の1人舞台で東京23区制覇、神木優インタビュー(上)
→ https://ideanews.jp/backup/archives/11915
これからは全国各地で「モモタロ」を、神木優インタビュー(下)
→ https://ideanews.jp/backup/archives/11917

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神木優さんのサイン色紙と写真を、抽選でアイデアニュースの読者3人にプレゼントします。どなたでもご応募いただけます(応募締め切りは11月27日)。当選者の発表は発送をもってかえさせていただきます。(このプレゼントの募集は終了しました)ご応募くださったみなさま、ありがとうございました。

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<アイデアニュース有料会員向け「おまけ」コンテンツ>アイデアニュースは有料会員(月額300円)によって支えられています。ぜひ有料会員登録をお願いいたします。ここからは有料会員だけが読める部分となり、神木さんの高校時代の話、1人舞台をやりたいと思った理由、好きな俳優などについて書いています。

神木さんはお会いしてみると、動画や写真で見ていた以上に、ハンサムで背が高くてスタイルも良く、「かっこええなぁ」という感じ。さもモテたでしょうし、いい体格なので何かスポーツもやっておられたのかなと思い、何かスポーツをされていましたか?とうかがうと、「高校時代まで、ずっと野球をやっていました」と。

ポジションは「ピッチャーをやってて、ヒジを壊してショートにという、よくあるパターンです」とのことで、プロを目指すようなレベルではなく、地方大会の3回戦突破が目標というチームだったそうですが、なるほど野球部でピッチャーという感じの体格でした。

役者になって、舞台やテレビで活動してきた神木さんですが、役者として「どうやったら売れるか」を考えた時、「メディアに取り上げてもらえる活動をやろう。自分でやって、テーマがわかりやすいものがいいのではないか」と考えて、「ソロアクト」の桃太郎をはじめたのが3年前だったそうです。

「モモタロ」東京公演より=写真提供:神木優さん

「モモタロ」東京公演より=写真提供:神木優さん

好きな俳優はブラッド・ピットで、「カッコよく見られがちなんだけど、3枚目をやっているし、ああいう泥臭い芝居をしたい。日本では唐沢寿明さんのような内面的にドロドロしたものを演じられる役者になりたい」とのことでした。

※有料部分をお読みくださり、ありがとうございました。神木優さんインタビューの「下」(https://ideanews.jp/backup/archives/11917)は、11月20日に掲載する予定です。

<読者の声>(プレゼント応募メッセージより)

23区すべてを観たわけではありませんが、このモモタロ、とにかく面白くそして、老若男女楽しめるエンタメです!! よく知られてる桃太郎の話からなぜ桃から生まれたのか、なぜきび団子1つで鬼退治におともしたのか、などなどそう言われてみればそうだなと思うことを突っ込んだりコントや落語や即興と、桃太郎をいろんなカタチで魅せてくれるモモタロなんです!! 全国公演も目指されてますので、お住まいのところでモモタロ公演開催の際には、ぜひ!ぜひ!! 観劇をお勧めいたします。

ファンになってから早5年、いやまだ5年ですが神木さんの魅力は止まる事をしりません。そして期待を裏切らないのが俳優 神木優さんだと思っております。何時も前向きに、努力を惜しまず「ファンの方に喜んで頂きたい」という想いと「演劇に対する垣根を取っ払いたい!映画を観に行くように舞台観劇もたくさんの方に足を運んで頂きたい!」という想いで全力で突き進み新華し続ける神木さんは本当に素敵な方だと思います。これからも私たちファンを魅了させて下さる事を、そして神木さんのご活躍にも期待しております!

『桃太郎を待ちながら』を観て、声をあげて笑いました! いろいろな切り口から桃太郎を深く研究して、世代を問わずこんなに楽しめる作品に創られ、お一人で演じているのにびっくりしました。俳優・神木優さんはますます目が離せない魅力をお持ちの方ですね。

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