2022年1月21日(金)から1月22日(土)まで、渋谷区文化総合センター大和田 さくらホールで上演される『Music is Beautiful ~song & danceで綴るラブストーリー』に出演するspiさんのインタビュー、後編です。「下」では、ビリー(山口琇也)さん・坂元健児さん・佐藤隆紀(LE VELVETS)さんに歌い方を相談したこと、spiさんならではの「やりたいこと」を決める方法、社会貢献をしていきたいという思い、ポップス曲とミュージカルのお話、今回のコンサートで表現したいことやお客さまへのメッセージなどについて話してくださった内容を紹介します。
――福井小百合さんの歌の特訓のお話が出ましたが、さらに他の方に教えてもらったり、見て学ぶことで、格段に自分が変わってきたということはありましたか?
ビリー(山口琇也)さん、佐藤隆紀(LE VELVETS)さんです。佐藤さんには電話して聞くんですよ。教えてくれるんですが、全然できないんです。他にも坂元健児さんに、「どうやってやっているんですか」と聞いたりしています。その人それぞれのやり方があると思いますので。
――出会ったいろんな人たちから学ばれたことを、自分に合うように取り入れているんですね。もっと欲しい技術はありますか?
まだ歌えない歌がありますから。ジャン・バルジャンとか歌えませんからね。明後日もボイトレに行きますし、まだいろいろ吸収している最中です。
――先ほど撮影のときに、芝居が一番好きだとおっしゃっていましたが、やりたいことやお仕事はどのように選んでいらっしゃいますか?
やりたい人と仕事をしています。やりたくないこと、やりたくない人とはやっていないだけです。
――人で決めていらっしゃるのですか?
はい。僕のベースは、そもそも社会貢献がしたいということです。最終的には「地球貢献」と呼んでいて、もっとグローバルな話になってくるんですが、今、日本で僕にできる社会貢献はミュージカルの輸出だと思っています。日本で作られたミュージカルや舞台、エンタメを世界に輸出することを使命感を持ってやらせてもらっているのですが、まずは、それに当てはまっているかどうか。そこに当てはまったら、その人とやりたいかやりたくないか。そして、スケジュールが空いているか。この3つだけです。
――分かりやすいですね。自分の判断基準が明確に決まっていて、ジャッジしていくんですね。いつからそういう判断をされているんですか?
ずっとそうです。社会貢献とミュージカルが完全につながったのは、ニューヨークに行ってオーディションを受けて、帰ってきてからですね。
――向こうでそれを感じられたのですか?
そうです。「アジア人の枠はありません」と言われて日本に帰ってきて、日本でやればいいと思いました。
――ニューヨークにはどのくらいいらっしゃいましたか?
1か月ほどです。
――もし向こうでチャンスがあれば、もっと長く滞在されましたか?
そうかもしれません。でも、向こうで思ったのは、10年ぐらい列に並ばないとブロードウェイには出られないという結論です。列に並べば出られるでしょうが、その列待ちが長いんです。
――だったら日本に帰ろうと。
はい。
※アイデアニュース有料会員限定部分には、spiさんならではの「やりたいこと」を決める方法、社会貢献をしていきたいという思い、ポップス曲とミュージカルのお話、今回のコンサートで表現したいことやお客さまへのメッセージなどについて話してくださった内容など、インタビュー後半の全文と写真を掲載しています。
<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)
■未来の自分であるおじいちゃんに「やるのとやらないのと、どっちが後悔する?」と
■「歌で人を救えているかも」と実感することもある。もっと社会貢献をしていきたい
■「人類にとって俺ができることってなんだろう」とアンテナを張っている日々
■アンジェラ・アキさんの『手紙』はミュージカル。曲のストーリー性を表現したい
<『Music is Beautiful~song&danceで綴るラブストーリー~』>
【東京公演】2022年1月21日(金)~ 1月22日(土) 渋谷区文化総合センター大和田さくらホール
公式サイト
http://www.jpma-jazz.or.jp/concert/2201/220121_1.html
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※spiさんの写真1カットとサイン色紙を、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。有料会員の方がログインするとこの記事の末尾に応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは2022年1月24日(月)です。(このプレゼントの募集は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。
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■未来の自分であるおじいちゃんに「やるのとやらないのと、どっちが後悔する?」と
――お話を伺っていて、右か左かどちらに進むかを次々と決めていらっしゃる印象ですが、それはspiさんご自身の気質的なものでしょうか? それとも何かに影響を受けられたのですか?
子供の頃からこうだったわけではないですね。1度、生きるか死ぬか、死ぬかもしれないみたいなことがあって、自分の死が見えた時がありました。それからはいつも「俺はこれをやりたいかやりたくないか」を、自分の死ぬ手前のおじいちゃんに聞くんです。
――「死ぬ手前のおじいちゃん」ですか?
僕が今から死ぬという時の、未来の自分であるおじいちゃんに「これってやるのとやらないのと、どっちが後悔する?」と頭の中で聞くんです。完全に妄想です。そのおじいちゃんが「やったほうがよかった」と言うならやりますし、「やらなくていいよ」と言うならやらない。
――自分の中の“リトル自分”について話す方はいますが、“おじいちゃん”に聞くという方は初めてです。
死ぬ瞬間に後悔するのかしないのかというのが、基準なのかもしれません。
――未来の自分と自問自答して、ぱっと答えを出すんですね。
どうしようかなと悩んでいる時間があまり好きではなくて。早く決めてしまいたいんですよ。あんまり考えていたくないんです。決めて、ゲームしたいんです。他にも寝ていたいとか、ふざけた話をしていたいとか。
――ある種、思い悩む時間が無駄ということですね。
そういうことですね。
■「歌で人を救えているかも」と実感することもある。もっと社会貢献をしていきたい
――そういうスタンスが、「気持ちいい」という人と、「ついていけない」という人がいらっしゃるのではないですか?
ついていけない人のほうが多いと思います。何を考えているか分からないと言われたり。何も考えていないんですけどね。
――自分の物差しがはっきりしていていいですね。
そうですか?
――悶々と悩んで時間を費やさずに、すっきりと後悔せずに決めていけるのは羨ましいです。そんなspiさんが、今後目指されていることはなんですか?
日本で応援してくれるサポーターもたくさんついて、同時に僕もその人たちのことを応援したりするんですが、社会貢献をどうしようかと考えています。芸術部門では、僕のお芝居がいいと言ってくださる人もいたり、こういうものを作りたいから歌をお願いしますと言っていただけたり、そういう環境ができあがってきていて、「歌で人を救えているかもな、社会貢献もできているかな」という実感もあります。
■「人類にとって俺ができることってなんだろう」とアンテナを張っている日々
――今以上にと、目指していらっしゃることがあるのですね。
ZIPANG OPERAというチームを組んでいるんですが、それを世界に持っていきたいと思っているんです。世界に持っていく上で、何をしようかと考えた時に、社会貢献について考えた時と重なるのですが、地球貢献というか、日本だけじゃなくて、地球にとって、人類にとって、俺ができることって何だろうと、アンテナを張ってぼ~っと過ごしている最中です。アンテナを張っていれば、キャッチできるものですから、時期はあると思いますが、早く見つけたいですね。
――今もアンテナを張っていらっしゃるんですね。
でも、アンテナを張っている状態はちょっとくたびれるんですよ。ずっと頭を開けている感覚…ちょっと気持ち悪いんですが、そういう感じなんです。ずっと頭がぱかっと開いているような。「人類にとって俺ができることってなんだろう、教えて」というイメージで1日過ごしたりしますから、疲れるんです。
――意識しないで過ごすほうが楽ですものね。
どちらかというとリラックスして脱力しないといけないので、力まなくちゃいけない瞬間から逃れる作業のほうが大変ですね。だから嫌なことはやりたくないんです。ストレスになりますから。ゲームをしたりする時間は「楽しい~!」となります。
■アンジェラ・アキさんの『手紙』はミュージカル。曲のストーリー性を表現したい
――いろいろなお話をありがとうございました。最後に、『Music is Beautiful ~song & danceで綴るラブストーリー』を楽しみにされている方に向けて、メッセージをお願いします。
ミュージカルはポップスではないですが、ポップスの中にもストーリーが眠っていたりします。最近また増えてきましたが、八代亜紀さんとか、昔の曲は「ちょっとミュージカル」なのではと思います。そういうポップスの中で、ミュージカル俳優、特に僕などがストーリーや意図を持って伝えるという意識で歌ったらどうなるのかと期待してほしいです。アンジェラ・アキさんの『手紙』は、ほぼミュージカルなので、ミュージカルにできるんですよ。ポップスの中にあるストーリー性みたいなものを表現してみたいと思っています。ただヒット曲を歌うのではなく、ちゃんと意図を持って曲を表現したいと思っていますので、楽しみにしていてください。
※spiさんの写真1カットとサイン色紙を、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。この下の応募フォームからご応募ください。応募締め切りは2022年1月24日(月)です。(このプレゼントの募集は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。
spiさんの歌う『手紙』は本当に素晴らしいので、記事で扱われて嬉しかったです。
社会貢献というワードは最近のインタビューでよく聞くのですが、思考やそこにたどり着くまでの経緯も分かってよかったです。
興味深いインタビューでした。ありがとうございます。
地球貢献の話はとても興味深く、また、とてもspiさんを尊敬します!
素敵なインタビューありがとうございました!
ジャージーボーイズ2018の際、中川さん伊礼さんの対談を拝読してから、ずっとspiさんをとりあげてほしいなと思っていたので今回のインタビューとても嬉しいです。
考え方や言葉の選び方に個性と信念があって、でもそれがけしてきつい印象ではなく、優しさと温かさが伝わってくるのはお人柄なんだろうなと思いました。
手紙はまさにストーリーを見ているようで聴くといつも涙してしまいます。
これからの活躍がますます楽しみになりました!
以前からspiさんは独特な人だなぁと思っていましたが、物の考え方というか、脳の使い方がすごく独特なんですね。ちょっと真似してみたくなります。面白いインタビューありがとうございました!