2022年3月から4月に東京・名古屋・大阪・長岡で、音楽劇『夜来香(イエライシャン)ラプソディ』に、黎錦光(れいきんこう)役で出演される白洲迅さんのインタビュー、後編です。下では、松下洸平さんが演じる服部良一と黎錦光との関係性が、実際の白洲さんと松下さんの関係性にリンクすると感じること、共演者の山西惇さんと山内圭哉さんの素晴らしさ、稽古しながら感じていること、30歳をむかえる今の思い、今後の抱負、挑戦してみたい役、本作への思いについて伺った内容と、お客さまへのメッセージを紹介します。
(※このインタビューは、2月初旬に実施しました)
ーー芝居を細かく作っていく作業を、熱く語っていらっしゃるのですね。
そうですね。「あのセリフを、こう解釈して、こう受けたらもう少し気持ちが上がっていくんじゃないかな」とか。先輩でもあり、舞台の経験値を圧倒的に持っている洸平くんが、とても引っ張って行ってくれています。やっぱりすごいな、勉強になるなという気持ちです。
ーーお二人の関係性と役との関係性が、リンクしていますね。
まさにそうです。関係性としては、とてもリンクします。黎という人物は、服部さんに音楽を教えてもらうところから始まるんですよ。黎は、服部さんのことを尊敬していますし、ただの大ファンでもあるんです。服部さんの、こんな曲まで知っているの?というところまで、黎は知っていたりします。
ーー黎さんは中国人で、服部さんは日本人ですが、役の上で、文化のせめぎあいのようなものを感じることはありますか?
そこも、表現が難しいところです。台本を読んだり、稽古場で立っていたりすると、服部さんの方が、僕が演じている黎よりも中国人ぽいところがあるなあと思うんです。
ーーどのようなところで、そう感じられていますか?
僕が上海に行ったとき、中国の方々が、パワフルな印象があったんです。もちろん全員がそうではないでしょうけれども、服部さんの話し方を聞いていると、その時に感じた印象を思い出します。黎は割と、思っていることを呑み込みながら喋るんです。あとは、言語のこともありまして。黎の台詞としては、日本語になるのですが、イントネーションをどうすべきなのかどうか。稽古場でも、「こうしよう」というルールは定まっていないので、これから変わっていくかと思います。黎として、流暢な日本語を喋りながら、どのように中国人を表現するか。とても現段階で悩んでいますし、アイデアを出していかねばと思っています。
ーー最終的に、そこがどうなるのか、拝見するのを楽しみにしています。他の共演者のみなさまとも、稽古をしながら「ここが面白いな」「勉強になるな」と思っていらっしゃることはありますか?
山西惇さんと山内圭哉さんという、大先輩お二人の存在は、ものすごく大きいです。このお二人と一緒に作品を作れるだけで、今回、このカンパニーに入った価値があると思うくらいです。昨日も稽古場で河原さんが、山西さんに「もう、言うことは何もないです」っておっしゃっていました。「もう、次の現場があるなら、帰っていただいても大丈夫です」と(笑)。
ーーさすがですね!
はい。圭哉さんからもアドバイスもたくさんいただいていますし、本当に面白い方です。昨日も、洸平くんと僕が、「ああでもない、こうでもない」と言っているのをそばで聞いてくださっていて、パッと会話に入ってきて下さって。「そこはもっと、こうした方がいいと思う」「見ていると、こう思う」というように、とてもストレートに言ってくださるんです。「圭哉さん、愛のある方だなあ」と感じています。
※アイデアニュース有料会員限定部分では、稽古しながら感じていること、30歳をむかえる今の思い、今後の抱負、挑戦してみたい役、本作への思いについて伺った内容や、お客さまへのメッセージなどインタビューの後半の全文と写真を掲載します。
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■楽しめてはいない。大変で苦しい時間。でも充実していて、意味と意義のある稽古場
■「30代はどういう俳優としてやっていこう」と、気づいたら10年スパンで物事を
■まだこないかもしれないが、「父親の役」は、俳優として大きなことだと思う
■今回、僕は舞台への挑戦者。歌もある。目の肥えた方にも楽しんでいただけるように
< cube 25th presents 音楽劇『夜来香(イエライシャン)ラプソディ』 >
【東京公演】2022年3月12日(土)~3月27日(日) Bunkamuraシアターコクーン
【愛知公演】2022年4月3月(日) 日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
【大阪公演】2022年4月7日(木)~4月10日(日) サンケイホールブリーゼ
【新潟公演】2022年4月16日(土) 長岡市立劇場 大ホール
公式サイト
https://www.cubeinc.co.jp/archives/theater/cube25thpresents
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■楽しめてはいない。大変で苦しい時間。でも充実していて、意味と意義のある稽古場
ーー充実した、楽しい時間を過ごされているんですね。
えっとですね…楽しくはないんですよ。
ーーそうなのですか!
大変で苦しいんです。でも、とても充実していて、意味と意義のある稽古場になっていると思います。「みんなで、一致団結してやろうよ」という空気感が、早くからできあがっていた印象です。河原さんが、そういう空気を作ってくださっているのもありますし、洸平くんが主演として、引っ張っていこうとしてくれている面もあると思います。
■「30代はどういう俳優としてやっていこう」と、気づいたら10年スパンで物事を
ーー話は変わりますが、白洲さんご自身のことも少し教えてください。今年、30歳を迎えられますよね。30代に入る節目にあたり、どのようなことを考えていらっしゃいますか?
30歳って、すごく大きいことなのだろうなと思っています。先輩たちからも、「俳優は30歳でもう一回ふるいにかけられる」と。洸平くんとも、ちょうど話していたのですが、20代では、1年単位で物事を考えていて、先まで見据えた考え方をしていなかったなあと。「30歳になると、どういう30代にしていこうかという考え方になった」と洸平くんが言っていたのですが、僕自身も、まさにそうやって今考えているんですよね。
「30代はどういう俳優としてやっていこう」と、気づいたら10年スパンで物事を考えている自分がいて、「ああ、こういう事なんだな」って思いました。20歳になったときは、どういう20代にしようかと考える余裕もなかったですが、今はちょっとその余裕もあるからこそ、こういう考えになるのかなと思いました。
■まだこないかもしれないが、「父親の役」は、俳優として大きなことだと思う
ーーこれをしたいなど、具体的に思われていることはありますか?
役柄が、必然的に変わっていくのだろうなと思うので、そこを楽しみにしています。今も既に、学生の役が減って、会社員の役が増えるなどの変化はありますが、そこが更に変わってくると、状況に対応せねばならないのはもちろん、変化を面白がれたらいいなと思っています。まだこないかもしれませんが、「お父さん」の役などもありますよね。
父親の役というのは、俳優として一つ大きなことだと僕個人としては思っているんです。30歳であれば、実際に父親の人もいらっしゃいますが、「子どもがいる」という表現をどうするのかなあとか。僕自身、その表現が簡単なことじゃないと思っているんでしょうね。
ーー白洲さんには、とてもスタイリッシュでクールなイメージがあるので、破綻したり壊れていったりするような役も、拝見してみたいです。「熱く、壊れていく」というような。
最近は、あまりそういう役をやっていないですね! 20代前半は、そういう役もありましたが、いま改めて、そこに立ち返って、またやってみたいなと思います。
■今回、僕は舞台への挑戦者。歌もある。目の肥えた方にも楽しんでいただけるように
ーー最後に、改めて作品の話に戻りますが、今回、白洲さんの久しぶりの舞台を楽しみにしている方、逆に、初めて白洲さんの舞台を拝見される方、どちらもいらっしゃると思うんです。
初めての方も、結構たくさんいらっしゃると思います。
ーー共演者に舞台で活躍されている方々が多いので、観客の方にはきっと、舞台をたくさんご覧になっている方が多いかもしれないと想像しています。そういう方にとって、白洲さんの登場は新鮮なのではと思います。そんなお客様に向けて、メッセージをお願い致します。
目の肥えた方が、たくさんいらっしゃると思うので、そんなみなさまにも、楽しんでいただけますよう、まず僕は舞台への挑戦者としての気持ちを持って、日々、気を緩めることなく作品を作っていきたいです。と言っても、気を緩める暇もありませんが…。今回は、音楽劇でもありますし、2幕はまだ分かりませんが、1幕の中では、僕も少し歌います。ぜひ、音楽も楽しんでいただきながら、その時代背景にも興味を持っていただけたらと思います。
作品そのものとしては、若い作曲家たちと李香蘭という歌手が、たくさんの人々に助けられながら、コンサートを開こうと頑張る群像劇としてシンプルに楽しんでいただけたら嬉しいです。
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白洲さんの言葉は一つ一つとても丁寧で、すごく考えて言葉を紡いでいらっしゃる方なのかな、と印象を受けました。
今回の夜来香ラプソディも、今出来る最大の努力を惜しまず、そしてそこで得るものすべてを力に変えようと努力している姿が想像できて、尊敬しました!
30代は経験値も自信も20代よりも増えて、それを持ちつつ、色んな可能性を選択していける年代だと思うので、また色んな白洲さんを見られるのを楽しみにしています!
夜来香ラプソディ、観劇しました。本当にキャストのみなさの熱量、歌唱力どれも素晴らしかったです。
私は舞台を観に行けないことを悲観していましたが、岩村さんの記事で「どんな世界が広がるのだろう」と想像を膨らませることで幸せな気持ちになりました!ありがとうございます!無事に舞台の幕が上がり千穐楽を終えられますように。また、今後は30歳になる白洲さんの30代ならではの役で新たな一面を拝見出来ることを楽しみにしています。
最後に、千穐楽後、舞台を振り返る白洲さんのインタビュー記事を拝見出来ると嬉しいです!
下も、インタビューを通して白洲迅くんの真面目で真剣に取り組む姿、素敵な環境で稽古してる絵が浮かんできます。
共演者の方に比べたら舞台経験は少ないかもしれませんが、直近での吉田鋼太郎さん黒木瞳さんとのシラノドベルジュラックは圧巻でした!更に進化してるであろう白洲迅くん。彼の持ってる繊細さが更に黎錦光を魅力的に演じてくれるだろうと期待してます。
30代の『白洲迅』が更に楽しみです!